シリコンビーチ発、GumGumがAI技術を活用して挑む広告事業

2017年、日本市場への本格進出を発表したGumGum(ガムガム)。AIコンピュータビジョン(画像認識技術)を用いたデジタル広告ソリューションが企業のブランド価値にもたらす効果や、テクノロジーカンパニーとしての今後の展望について、代表の若栗直和が語ります。
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”人とは違う経験”を糧にGumGum のカントリーマネージャーに

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▲GumGum入社直後の若栗

GumGumに入社する以前、私は17年間にわたり、「現代広告の父」と呼ばれる人物により創設された、外資系の老舗広告会社に勤めていました。入社当初はグローバル企業の国内ブランド戦略及び実施を担当し、その後は日本企業の中国市場戦略にあたるコンサルタントとしての役割や、アジアのヘッドクオーターでのアジア・パシフィック地域の経営企画、アジア企業のグローバルブランディングなどの仕事を経験しました。

外資系企業とはいえ、日本人の私が日本法人を離れ、アジアのリージョンで働くのは当時異例の人事で、「人とは違う面白い経験ができている」ことに価値を感じながら仕事をしていました。

17年間の広告会社での経験を通じ、多種多様な国や文化を踏まえたブランド戦略の立案や、戦略性のあるクリエイティブ開発、最先端のマーケティング手法や広告テクノロジーにも関わることができたことは、現在の糧となったと感じています。

GumGumのカントリーマネジャーをお受けすることを決めたのは2018年4月でした。

GumGumは2008年にロサンゼルスのサンタモニカで創業したスタートアップ企業。AIを用いた独自の画像認識技術と自然言語解析を通じ、広告や、スポーツスポンサーシップ、更には医療など様々な分野における課題解決に挑んでいます。私が入社する前の2017年より日本でのビジネスは既に始まっていました。

サンタモニカ本社や、既に入社していた日本のメンバーとの出会いを通し、GumGumの広告に限らずテクノロジーで社会を良くしていきたいというビジョンのある企業であることを確信しました。また、フォーチュン100 企業を中心とした多くの顧客を持つことからも分かるように、プロダクトの素晴らしさはアメリカでの実績で証明済みです。私のこれまでの経験を活かして、そんなGumGumの日本やアジアでの成長を牽引する役割を担いたい、と考えるようになったのです。

ブランドの“ファン”をつくる、デジタル時代のブランド広告

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▲AIが画像の意味を理解し、最も関連性の高い広告を配信

GumGum Japanの代表に就任後は、日本での市場開拓をリードしています。

日本は広告について満足な市場規模を持ち、かつ今後もデジタル広告領域で成長が期待できるマーケット。また、言葉以外にも状況や文脈などの情報も重視する、ハイコンテクストなカルチャーが特徴です。その点で、GumGumの提供するソリューションとの相性が非常に良いと感じています。GumGumは、インターネット上で掲載された記事の文脈に沿った広告を配信します。消費者の感覚に近いことから、ブランドの認知や好意度の面でより高い効果を生み出すことが可能です。こうした技術は非常にユニークで、GumGumがこの分野で市場を創っていきたいと考えています。

日本の広告市場では長年テレビCMが台頭してきました。GumGumが提案するブランドのイメージを優先した広告施策は、実はデジタル広告よりテレビ広告の考え方に近く、従来テレビ広告が担ってきた役割をデジタル領域で実現する存在として、日本の広告のデジタルシフトに貢献できると考えています。

現在のデジタルマーケティングにおいては、コンバージョンを重視する戦略にフォーカスが行きがちで、ブランドや商品の価値やイメージの伝達がおろそかになる懸念があります。結果として、ブランドの本質的な価値が消費者に伝わりにくい広告も多いのが現状です。

GumGumの場合は、独自のAIによる「コンピュータビジョン(画像認識技術)」がオンライン記事内の画像を解析し、また加えて自然言語解析による言葉の理解が組み合わさることで、コンテンツの文脈と親和性の高い広告を表示できます。消費者の見たい情報を阻害することがなく、且つユーザーに不快な感情を持たせることがありません。これがGumGumの技術の強さであり魅力です。

例えば、ピザの記事に対してピザの広告を打つと、読者側は「もう見ているから十分」と感じ、購買意欲にはつながらないでしょう。一方で、レシピの記事にキッチン用品の広告が表示されれば、手料理が好きな人の心を揺り動かす可能性が高いのです。

 ユーザー側も「自分が見たい」と思う広告を適切なデジタルコンテンツの文脈の中で受け取りたいはず。適切な文脈の中で受け取った広告は、ファンになるきっかけになりますし、広告自体を好きだと思ってもらえる可能性もぐっと高まります。そのような好条件の中で、自由度の高いクリエイティブ表現を行うことで、確実に印象に残るメッセージを届けることができるのです。

消費者が求める情報に直接関連させるだけでなく、間接的あるいは潜在的なニーズを意識した広告を配信することもできる点が、GumGumの面白さであり、日本との相性の良さなのです。

リスクの少ない“健全”な広告環境へ

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▲言語だけでなく画像内のリスクも高い精度で検出

ブランドとユーザーを適切な形で結びつけるもう一つの強みが、ブランドセーフティです。

デジタルコンテンツの中には、ブランドのイメージ毀損に繋がるような政治、暴力、宗教、事故やゴシップなど、広告の出る場所としては好ましくない内容が溢れています。今日、企業が広告によりイメージを損なうリスクは非常に高く、10~20%ほどもあると言われています。ブランドセーフティの措置を取る企業が増えつつありますが、キーワードのみに依存した対策では不十分です。

こうした課題に対して、GumGumのAI画像認識技術は、ウェブコンテンツをテキストと画像の両方で分析し、ブランドにとってリスクとなるテキストや画像があるウェブサイトを避け、安全なコンテンツにのみ広告を表示します。この技術により、ブランドを損なうリスクを約1%ほどにまで抑えることができます。

今後もAIの学習能力を継続的に高めていき、より一層高いブランドセーフティを提供することで、企業のデジタル戦略に貢献していきたいと考えています。

GumGumは、ブランドにとってのリスクを排除し、ユーザーの関心に合った広告を、豊かなクリエイティブ表現を通して配信することが可能です。また、こうした良質な広告環境は、配信先であるパブリッシャーにも大変有益です。ユーザー・ブランド・パブリッシャーすべてにメリットがある、まさにwin-win-winのソリューションであると言えます。

“テクノロジーカンパニー”として日本の未来に貢献

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▲全世界から集まったGumGumのメンバー

GumGumという企業の名前には、画像認識や視覚情報処理の技術を駆使し、あらゆる事業や分野を最適な形でくっつける、まさに「ガムのような役割を果たす」ことが込められています。今後もテクノロジーによる横断的なビジネスモデルを展開し、社会の課題解決に貢献していくことが我々のミッションであることに変わりありません。

本社のあるアメリカでは、日本で展開している広告事業だけでなく、スポーツや医療の分野でもGumGumの技術が生きています。特に2019年に開始したデンタル事業では、GumGumのAIを医療という最も繊細で精度が求められる分野に採用するなど、最先端のテクノロジーカンパニーとしての取り組みが進んでいます。

日本においては、まず広告事業を通して、できるだけ多くの皆さまにGumGumのテクノロジーの価値を感じていただきたいと考えており、色々な方々とお話をさせていただいています。また並行して他の事業についても、日本の市場課題やニーズの検証など、導入に向けて積極的に準備を進めています。テクノロジーやプロダクトを通してこれまでに無い価値を提供し、日本社会における課題解決にできるだけ多く貢献することが、GumGum Japanとしての大きな目標です。

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