デザインを駆使して企業価値を最大化するーーデザイナーの役割はファンを増やすこと

「クリエイティブ魂に火をつける」をビジョンに、モバイルアクセサリーのEコマース事業とその運営システムの開発・提供を行うHamee株式会社。その発信を支えるクリエイティブを担うのがマネージャーの宮口拓也率いるデザイン部・19名のメンバー。驚きとやりがいに満ちたHameeデザイン部の仕事とは?
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試すこと、変化することを当たり前にするために

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▲SAPPORO COLLECTION 2017の様子

Hameeは、iPheneケース「iFace」をはじめとするモバイルアクセサリーの企画・販売や、ネットショップの業務自動化プラットフォーム「ネクストエンジン」の開発・運営を手がける事業会社です。商品の主な販路はインターネット。約10万点のプロダクトを国内外40店舗以上のネットショップで販売しています。

そんな私たちの運営するネットショップや提供しているアプリ、オウンドメディアなどのWEBデザインを手がけているのがデザイン部です。2017年4月現在、19名のデザイナーが所属しています。

入社当時はWEBデザイナーとして採用された彼らですが、実は社内で発生するあらゆるデザイン業務を一手に引き受けているマルチプレイヤーズ。彼らのクリエイティブな能力を最大限に発揮できる環境づくりを担うのがマネージャーである宮口拓也です。

宮口 「Hameeとお客さまをつなげる接点をつくり、ファンを増やすことによって、企業価値を最大化することがデザイン部の役割になります」

たとえば、2017年2月に東京・原宿で開催したスマホアクセサリーの展示会「ハミコレ」では、看板やポスター、Tシャツや紙袋などの制作物をデザイン。また、4月に行われた北海道最大のファッションイベント「SAPPORO COLLECTION 2017」では、出展ブースの空間デザインにも参画しました。

宮口 「『SAPPORO COLLECTION 2017』では、デザイナーが直接会場に出向き、設計だけではなく実際に展示するところまで携わりました。会場で完成を見ることで、ブースデザインの効果を知ることができます。納品したら終わりではなく、その経験を次の制作の成果の最大化につなげることができるのが、インハウスデザイナーの醍醐味だと思います」

採用時の募集職種はWEBデザイナーでも、“表現する”ことそのものへの好奇心を抑えきれない、チャレンジ精神旺盛な人材かどうかを見ながらメンバーを選んでいるという宮口。時には得意領域ではない業務を任せる場面も発生します。その代わり、依頼した案件の進め方はいたって自由。

宮口 「私がすることは、目的を明確にして、一番伝えたいことが伝わるように余計なものを削ぎ落とすことです。進め方はスタッフに任せています。目的を伝えたら、あとは完成を待つ。経過を見てしまうと完成時の驚きが減っちゃいますからね。誰よりも僕が驚きたいんです」

宮口がデザイン部に期待しているのは、社内の誰よりも率先してクリエイティブ魂に火をつける、社内文化を醸成する存在であってほしいということ。

宮口 「いままでできなかったことをやろうとすると、理解を得られないことが多々あります。どうすれば実現できるのかを考えて、次の仕事が通りやすくなるように、小さな穴を少しずつ大きくこじ開けていきます。サンダーバードの『ジェットモグラ』のように(笑)」

真のクリエイティビティを発揮するためにはフロンティア精神が大事なのだと、宮口は考えているのです。その原点となったのは、入社当時に彼がアサインされたあるプロジェクトでの経験でした。

自らがドリルとなって社内に小さな風穴をあけていく

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▲入社前にドバイで仕事していた宮口

WEBデザイナーとして宮口がHameeへ中途入社したのは2013年のこと。株式会社StrapyaNextから現在のHamee株式会社へと社名を変え、リブランディングするタイミングでした。

宮口 「面白い商品を売ってるところだなぁ、と思ったのが最初の印象です。飲食店のショーケースに飾られている商品サンプルをモバイルアクセサリーにするとか。こんな会社なら人の心を動かす仕事ができるのかも、そう思ってここを選びました」

入社してすぐ彼に与えられたミッションは、いくつもあるネットショップのWEBページを社名変更に合わせて印象的にリニューアルすること。当時、社内にいたWEBデザイナーは2名。ネットショップの商品ページは別のセクションが担っており、ひとつのWEBサイトを分業して制作していました。

宮口 「あのころは、デザイナーに企業価値を高める役割は求めておらず、ただひたすらクーポンや安売りバナーを作って目先の売上げを作る作業がデザインと呼ばれていました。そこに創作性を発揮する余地はなく、特にデザインに関しては、変えることよりも現状維持が良しとされる文化でした」

もともとHameeは、インターネット上で商品が売れることで成長してきた企業です。当時は、買い物の快適性より、少しでも多くの商品を画面に陳列すること、少しでもクレームを減らすために免責事項をたくさん書くことが優先されていました。そこにセール情報が加わり、情報の洪水が起きてました。そのため、宮口がWEBサイトのブランドイメージを刷新するべく方向転換を図ろうとしたところ、社内から大きな反発を招く事態に。

特にブランディングの一環として、コーポレートカラーであるイエローを用いたデザインにWEBサイトを刷新するという案には、とても風当たりが強かったと宮口は振り返ります。宮口が新しい世界からきたよそ者だったことが理由のひとつでした。

宮口 「今までのやり方でも売り上げは伸びていましたし、そのなかで何かを変えることは既存の社員にとって、リスクに感じることだったと思います。そんな会社に飛び込み、企業イメージを印象的に変える仕事は、たとえば、平和な家庭に突然知らない人が勝手に上がり込んできて、部屋を真っ黄色に模様替えをしはじめたような気分だったかと思います。歓迎できませんよね(笑)。売上が落ちたら辞めるしかないと本気で思っていました。僕を信じて一緒に頑張ってくれたもうひとりのデザイナーには、とても感謝しています」

彼のふんばりが功を奏して、WEBサイトは無事にリニューアルを実現します。こうして、少しずつ社内の空気にちいさな風穴をこじ開けてきた宮口。目先の売上も大切ですが、デザインで企業価値を高めることができることを伝えるために、彼自身が“ドリル”となったのです。

追い風が吹いてきたのは2016年あたりから。代表取締役社長の樋口敦士が、Hameeのビジョンである「クリエイティブ魂に火をつける。」とDNAである「驚きたい。」とを浸透させようと、社内へ積極的にメッセージを発信するようになったことがきっかけです。

世界を面白くクリエイティブにするために、まずは私たち自身が驚きたい——そんな樋口の思いに触れた宮口は、いよいよデザイン部の時代がやって来たと感じました。

宮口 「ある日突然、社長が『驚きたい』とか『クリエイティブ魂に火をつける』って言いだしたんで、『波が来た!』って思いました。もうこの大波に乗っていくしかないと、毎日メンバーを煽っています(笑)。自分が驚けないものは、きっとお客さんも驚けないはずです。誰もが『驚きたい』という気持ちを思い切りぶつけられる文化を社内に醸成していきたいですね」

チームメンバーの成長を互いにサポートしあえる環境を育む

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▲デザイン部の朝礼の様子

仕事を進める際に、宮口がデザイン部のメンバーに繰り返し伝えているのは、ユーザーの“心が動くもの”をつくるということ。

宮口 「出来上がったものを前にしたユーザーが、アクションを起こしたくなるかどうか。制作物の効果をきちんと見つめてほしいと伝えています。制作物を通して、ユーザーの生活がより豊かになるところを具体的に想像することによって、目にした人の心が動くのだと考えています」

その見極めをするため、デザイン部では納品前に必ず全員で制作物のレビューを行うことを習慣づけています。そしてメンバーからのフィードバックを元に、再度ブラッシュアップしたものを完成品として送りだしているのです。

レビューはチャットなどのツールで見える化されているので、メンバー同士が指摘のコメントを出し合っていくなかで、お互いが自然と成長できるよう環境づくりを工夫しています。

宮口 「制作物の媒体はWEBサイト、アプリ、商品カタログなどの紙媒体と多岐にわたり、活躍のチャンスも多く、スピード感があるのもインハウスの特徴といえます。特にモバイルアクセサリーの商品ページでは自分のアイデアが『売上げ』としてすぐに返ってきますし、アプリなどのプロダクトにしても完成後の効果を知ることが出来ます。チャレンジと変化を楽しめる人には面白い場所だと思います」

宮口はメンバー同士が刺激し合うことでいいクリエイションが生まれると考え、その関係を維持するための習慣をとても大切にしています。その思いは言葉に表さずとも、メンバー間で暗黙のうちに共有されていく――。それを彼はうれしく感じています。

たとえばそれは「サイコロ朝礼」と呼ばれる、振ったサイコロの目に書かれたテーマを話す短いスピーチ。お互いのことをもっと知るために、自分のことを話す機会を作ろうとはじまった取り組みです。いつのまにかメンバーの誰かがつくったサイコロを勝手に転がすようになっていました。

宮口 「短い時間のなかにも、メンバーの知らない一面をのぞくことができ、ひいてはそれがお互いの強みを引き出し合うきっかけになっていて。同じチームの誰かがその人のよさを見つけて活かそうとする雰囲気がありますね」

「あの人、こういう特技があるから、この仕事をお願いしようよ」——今では新しいプロジェクトを立ち上げるとき、適性のあるデザイナーをメンバーから推薦してもらうこともあります。自分だけが前に出るよりも、みんなで一緒につくったほうがいいものができるとわかっている、デザイン部はそんなチームなのです。

驚きと感動を与えるデザインで“e”世界をともに作っていく

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▲デザイン部マネージャー 宮口拓也

宮口 「デザイン部のメンバーには、Hameeでなくても通用する仕事をしてほしい。インハウスデザイナーの立場に安住するのではなく、クライアントワークを手がける他のデザイナーと肩を並べられる技術を磨いてほしいと思っています。その意味で『もし、Hameeがなくなったときのことを想像してみて』とよく問いかけていますね」

Hameeを選び、Hameeに選ばれたデザイナーたち。新しいメンバーが加わるたびに、部内に流れる空気ががらりと変わったり、思いがけない高パフォーマンスを発揮する場面に遭遇したり。「人のチカラってこんなにすごいのか」——宮口は人を採用するたびにその可能性に驚き続けています。彼がマネージャーとして仕事の面白さを味わうのは、そんなときです。

宮口 「いま出会いたいのは、自分で課題を発見できる人。仕事をしているとやはり複雑な局面にもぶつかります。その状況を打開するために現状を分析し、課題を明らかにする力を持っている方に来ていただきたいです。各自が、必要に応じて仲間を集めて課題を解決できる自律自走のチームが理想です」

Hameeが掲げるビジョン「クリエティブ魂に火をつける」を体現するスピードが本格的に加速したのは、2016年11月に行われた組織改編。ここからデザイン部の手がける業務の範囲が拡張しました。

それまでは事業部ごとに仕事を分けていたため、総務部や商品部にデザインの制作業務があっても、他部署の領域であったため手を伸ばすことができませんでした。しかし部署横断型のプロジェクトを行いやすい体制に変更したことで、会社案内や名刺など事業に関わるデザインのすべてに関与できるように。

UX/UIデザインを主軸に、さまざまなデザイン経験を積めるデザイン部。いまは誰かを驚かせ、そして感動させるクリエイティブな仕事が生まれる状況が整いつつあります。まるでそれは、宮口が入社当時から開けてきた風穴から新しい風が吹き込んできているかのよう。

宮口 「デザイナーは、依頼主の課題を解決するという目的の他に、ファンを増やすことと企業価値を向上させるという役割を担っています。目的が達成できれば、更に大きな仕事が舞い込み、期待に応えられなければその機会が遠のく、抱えている案件の規模がそのまま実力として現れます。デザイナーが依頼主の期待を超え続けるために、惜しみなく強みを発揮できる文化を醸成していくのが僕のやりたいことのひとつです」

「We Create the Best “e” for the Better “e” World」——みんながHappyになれる“e”世界のために、ベスト"e"をつくる。デザイン部と宮口のチャレンジはいよいよこれから。本格的なはじまりを迎えているのです。

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