デザインするのはカルチャー。静かなる情熱に満ちた「Hameeが好きだから」

2017年10月、Hameeは本社オフィスを移転しました。「Be Children! Be Hamee!」というコンセプトで社内コンペを勝ち抜いたのは、当時産休中の女性社員。遊び心と創造性に満ちたオフィスにはカルチャーをデザインしたいという想いと、ひそやかな情熱にじむ「らしさ」が息づいています。
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自分のなかには何もない…! 表現者としての限界を見た学生時代

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▲大学4年生の卒業制作展示と当時の坂本

幼い頃からとにかく絵を描くのが好きだった。大人になったら漫画家になって、ひとりで生きていこうと思っていた。

2011年にHamee株式会社(当時は株式会社StrapyaNext)に新卒入社した坂本 志央里は、幼少期の自分をなつかしげに振り返ります。

坂本 「漠然とした夢ではありましたが漫画家になりたくて、中学生の頃には4コマ漫画を描いて雑誌に投稿していたんです。でも、全然ダメで。投稿者のなかでもBクラスあたりに自分の名前が載ることはあったんですけど『もっと勉強しないとダメだ!』と感じましたね」

そこで、総合大学の芸術学部に進学し、ビジュアルアーツやデザインを専攻することに。

ところが、そこで坂本は思いがけない壁に直面します。

坂本 「自分のなかに、表現したいものが何にもないことに気づいたんです。題目やテーマがあればよかったんですが、自由制作の課題が本当につらくて……。表現者として、自分はすっからかんじゃないか!と驚くほどでした」

大学進学を決めたのは、絵やデザインの勉強に加え、人生の選択肢を狭めないようにという気持ちからでした。坂本は、改めて自分自身と真っ正面から向き合いました。

そして、何を描くにしても社会に出て人生経験を積むべきだろうという結論に達します。就職活動を通して、Hameeと出会いました。

入社後はネットショッピングの商品ページを制作するチームに配属されます。商品の撮影から画像加工、キャッチコピーや説明文の執筆まで幅広く担当。デザイナーとしての道を踏み出すこととなりました。

坂本 「商品販売に直結するページ制作なので、当然ながらさまざまな制約があります。でも、何も無いゼロの状態からではなく商品ありきの制作なので、自分に向いていたと思います。商品開発者の想いやコンセプトから表現を膨らませる楽しさを見いだしはじめました」

仕事を通じて新しい可能性を見出すこととなった坂本。その後はリーダーとしてのキャリアアップも果たし、結婚も経て2015年10月には産休を取得することになります。

一線から離れるというターニングポイントは、坂本にまた新しい視点を与えることになるのでした。

メンバーがみんな楽しく気持ちよく働ける。 それはどんな環境だろう――?

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▲Hameeのオフィスでは自然とコミュニケーションが生まれる

産休を取得する前、坂本はチームリーダーという役職に就いていました。自らが制作に携わることはなく、マネジメントとしてチームのメンバーを動かしていく立場です。

坂本 「リーダーになったことは大きな変化でした。それまでは、デザインという自分の業務だけを見ていれば良かった。
でも、リーダーになったら一気に視点が変わったんです。円滑に業務を進めるために、メンバーの様子をしっかりと見ていなければならないし、いろいろな部署の人たちとコミュニケーションも取らないといけない。視野が広くなりましたね」

デザインという分野でより良いものづくりに貢献しようとすれば、働きやすい環境や雰囲気が必要になります。具体的な業務から一段高くなり、思考が切り替わったのだと坂本は言います。

今にして思えば、それが仕事における雰囲気づくりの大切さを意識しはじめたきっかけでした。

だからこそ、産休に入るときは不安も大きかった、と坂本は言います。

坂本 「Hameeは変化の速い会社。1年も休んだらもう居場所なんてないだろうな……と感じていました。そうなったら、いよいよHameeを辞めて何かをひとりではじめないと……という想いも、一瞬よぎりました。
でもリーダーとしての経験を通じて、自分が心から求めているのはものづくりやデザインという次元ではないと、うすうす気づいてもいたんです」

事実、復職後は「もはや全然違う世界になっていた」というほど、職場や仕事の環境は激変していました。

チームリーダーからプレイヤーへの変更に加え、チームでの業務から個別対応といった働き方の変化。長らく離れていたデザイン業務をこなしていく自信を持てず、大きなプレッシャーが坂本にのしかかりました。

坂本 「以前は自分がデザイン修正の指示を出していたので、再び作り手として活動できるのかという不安はかなり大きかったです」

しかし、決して大変なことだけではありませんでした。

復職後、坂本は“ある取り組み”に積極的に参画していくことになります。

それは産休中に訪れた大きなターニングポイントとも深くかかわっていました。

産休中に社内コンペ参加!「らしさ」を見つめ直すきっかけに

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▲息子を家族に託し、気合いを入れてのぞんだオフィスコンペ

以前から、Hameeでは社名やロゴを社内コンペで行なってきました。トップダウンで決定事項を通達するのではなく、社内を巻き込んで新たなステージへと進む文化があったのです。

新オフィスへの移転に向けて社内コンペが行なわれるという情報を得たのは、坂本が産休中のことでした。

坂本 「産休前から『もう自分の居場所はないんじゃないか』というもやもやを抱えていましたが、業務連絡のツールをチェックする習慣だけは残っていたんです。
そこで、新オフィスの社内コンペが行なわれることを知りました。産後3カ月頃のことでしたが、やるだけやってみたいという想いで手を挙げたんです」

この社内コンペは、坂本にとって大きな転換点となりました。

坂本 「まずは、これからのHameeを決める重要なコンペにはやっぱり携わっておきたいという気持ちが強かった。『私にとってより良いHameeとは?』『そんなHameeに近づくにはどんなオフィスが必要?』しっくりくる答えが見つかるまで徹底的に掘り下げ続けました」

そんな坂本が考案したのが「子どものように働こう。」というコンセプト。日々の育児を通して、何にでも興味を持つ子どもの姿を坂本は目の当たりにしていました。そして、子どもは生まれながらにクリエイティブだと実感するのです。

まさしく、母としての目線から仕事やクリエイティビティを見つめ直した坂本ならではの提案だったと言えます。

くしくも、その頃は社長の樋口から“クリエイティブ魂”というキーワードが出はじめた時期でした。

意図せずして、坂本の発想がHameeとしてのビジョンとリンクしていたのです。

坂本 「自宅でコンペの案を考えているうちに、自分のなかでどんどん独創的な発想がわいてくるのを感じました。突拍子もないんですけど、プレゼンの途中で自作の曲を歌いだしたり(笑)子どものように自由で創造力豊かに考え、表現するという意味を、私自身が最も実感していたんです」

そして、新オフィスのコンセプトは、坂本の提案した「Be Children! Be Hamee!」に決定。

働きやすさやクリエイティビティを随所にちりばめたHameeの新オフィスが誕生したのです。

ハードとしての働きやすい環境は実現しました。しかし、それはゴールではなくスタートです。

メンバーが子どものように楽しく創造力豊かに働けてこそ、真の意味での「Be Children! Be Hamee!」は実現します。

改めて、Hameeらしさの意味を考え、それを伝播させていく。すなわち、Hameeという“カルチャーをデザインする”取り組みを展開することこそ、坂本の次なるステージだったのです。

隠しきれない情熱に火をつけて。「らしさ」を引き出し、デザインしていく

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▲2018年夏に開催した流し素麺イベントの様子

坂本は復職後、デザインの業務と並行しながら数々の社内イベントの運営に挑戦していきます。

これこそが“ある取り組み”の正体でした。

坂本 「復職後、ブランドチームのリーダーと1on1の面談をする機会があったんです。そこで、デザイナーという仕事に対するプレッシャーや不安を率直に伝えました。そのときに『あなたが好きなのは、カルチャーをデザインしていくことなんじゃないかな』と言われたんです」

その一言は坂本の胸に響き、すとんと心に落ちてきました。

そうか、私がやりたかったのはそれなんだ……。

坂本の目の前に、新しい道が拓けて見えたのです。

坂本 「社員旅行の企画、バーベキューや流しそうめんなどのイベント実施、全社総会の企画運営……片っ端から携わりました。メインのデザイン業務を見失いそうになるくらい(笑)
“カルチャーをデザインする”というのは、社員がよりHameeを好きになって、楽しくやりがいを持って働ける環境や雰囲気をつくることだと思っています」

もうひとつ、坂本が常に意識していること。それは“隠しきれない情熱”というHameeらしさです。

坂本 「この会社に入社を決めたのも、経営理念の熱さに惹かれたからなんです。『クリエイティブ魂に火をつける』という言葉からも、熱さがにじみ出ちゃってますよね。
社員に関して言えば、情熱を前面に押し出すタイプの人は多くないです。でも、にじみ出てきちゃう。それがHameeらしさなんじゃないかと私は思ってます」

経営方針と共鳴させながら、Hameeのカルチャーをデザインする仕事に全力を注いでいく。

これは、今の坂本が使命感を抱く取り組みです。

2018年11月からは部署異動し、専業としてイベント設計などの業務に携わることになりました。

さまざまな取り組みを通じて「Hameeっていいな」という愛着を増していきたい。目の前の楽しさだけではなく、中長期のスパンで戦略的にイベント設計や実施を推進していきたい。

坂本 「今後は、行動指針の見直しなどにも参画していきたいと思います。イベントはあくまでも手段。あらゆる取り組みの軸や芯として行動指針を共有できれば、会社としての一体感を深めたり事業スピードを速めたりするのにも貢献できるはずですから」

迷いや不安も抱えながらたどり着いた“カルチャーをデザインする”という答え。

壮大な夢の実現に向けて、これからも坂本は突き進んでいきます。

子どものように自由に、創造力豊かに。そして何より、隠しきれない情熱を秘めたHameeらしさのもとで――。

※所属、業務内容は取材時時点の内容となります。

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