日本に惚れたふたりのフランス人起業家が起こす、シェアリングエコノミー革命

学生と依頼者を“1回完結”のお仕事で繋ぐクラウドソーシングサービス「ikkai」。日本初のスタートアップビザの認定者となった創業者が、日本でサービスの立ち上げをするにあたっての起業ストーリーに迫ります。
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留学生だったからこそ分かった、日本の社会問題の解決策

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共同設立者のトマ・ポプラン(左)とヤスミン・ジュディ(右)

株式会社ikkaiの創業は、共同設立者であるYasmine Djoudi とThomas Pouplin が2013年に留学生として日本へやって来たところからはじまります。

福岡県の西南学院大学へ留学したふたりは、日本の独特な文化の魅力に惚れていく一方で、日本が抱える大きな問題に気づきました。ひとつは学生のアルバイトの待遇の悪さ、もうひとつは長時間労働の日常化です。

ふたりの留学生時代の友人たちは、飲食店やショップ店など一般的なアルバイトに長時間従事しており、研究や余暇など他の時間をなかなか割くことができませんでした。試験前になり、一緒に勉強しようと言っても、彼らはアルバイトのシフトが足りないから働かないといけないと言って働いていたのです。

自分の都合よりもアルバイト先の都合に合わせて働いている……。ふたりはそんな姿を見て、日本人が真面目で勤勉だということは再確認できた一方、自由な学生の頃から自分のやりたいこと、やるべきことに割く時間がないことにショックを受けました。

また長時間労働の日常化も現在の日本社会が抱える大きな問題です。一人ひとりの抱える仕事量が膨大なため、残業しなければ仕事が終わらない、残業しても終わらない……。そんな問題があります。

そこで、これらの問題を解決するために考えだしたビジネスモデルが現在の「ikkai」です。

学生が自分の都合で働くことができて、今よりもさらに学生らしく、自由にチャレンジしてみたい分野に挑戦できるように。また、忙しい企業や個人の膨大な仕事を学生に外注することで労働時間を減らすことができるようにーー。学生と依頼者をクラウドソーシングで結ぶのがikkaiなのです。

シェアリングエコノミーで地域社会と学生を繋ぐ

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シェアリングエコノミーを活性化するイベントにも積極的に登壇
なぜ「イッカイ」なの?とよく質問を頂きますが、その名の通りです。

ikkaiは“1回完結”のお仕事を学生に外注することができるクラウドソーシングサービス。お仕事の内容は、法律やモラルに反するものではなければ何でも依頼することができるため、自分のスケジュールに合わせて働きたい学生にとっても、忙しい個人や企業の依頼者にとっても便利で都合の良いサービスとなっています。

こういった学生の余った時間(時間の他に遊休資産やスキルなど)と、依頼者のお金を結びつけるサービスのことを総称してシェアリングエコノミーと呼びます。しかし日本全体では、まだまだ浸透していないのが現状です。

そこで欧米で育ったふたりは、日本におけるシェアリングエコノミーの分野に可能性を感じ、普及させていきたいと考えました。

日本に古くからある助け合いの精神は、シェアリングエコノミーの概念と似るところがあり、お互いの信頼があるからこそ、相手に仕事を任せたり、相手を助けたりすることができます。

だからこそ、シェアリングエコノミーは日本でさらに普及していくべきであると当社は思うのです。希薄になったと言われる日本の地域社会において、若者と年長者の繋がりを新たに創造していくものとして、ikkaiの役割を創っていきます。

言葉の壁、日本独自の商慣習に悩むことも

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会社の設立にあたり申請書類の多さに戸惑うことも
しかし、大きな壁がありました。それは言葉や文化の壁です。ふたりは、ikkaiのビジネスは多くの投資家からのフィードバックから、日本で成功できる可能性を感じていました。しかし、ビジネスの中身が良くても、ビジネスをする相手とのコミュニケーションに大変な苦労があったのです。

当社のサービスはB to BでもB to Cでもなく、C to Cのビジネスを展開しています。そのため基本的には当社が営業や交渉、調整などで直接的に仲介する必要がありません。従って日本がノンネイティブであるふたりにとって、デメリットは限りなく最小になると考えていました。

しかし、実際には多くの場で英語ではなく日本語が必要となり、またこれまでに例のないビジネスであることから、日本語における適切な表現が出て来なくて上手く伝えることができず……。外国人であることから興味を持ってもらえても、ビジネスをしに来たのにビジネスの相手として見て貰えていない。そのようなところが、とてももどかしく感じていました。

もちろん、今では英語を話すことのできる営業担当も居ることからそのようなミスコミュニケーションが起きることはありません。しかし、日本で、日本の企業として、これから日本の商慣習にももっと慣れていく必要があると考えています。

学生も依頼者も双方がWin-Winとなる仕組みを作っていきたい

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全国へ広がるikkaiのサービス
日本で思いついたビジネスだから、日本ではじめたビジネスだから、日本で大きく成長し、日本の社会へ多くを還元したいと考えています。

日本には長い歴史があり、良き伝統や習慣が残っています。そこに欧米の目線から見た視野を取り入れることによって、日本の社会はより発展していくと考えています。

2017年現在、日本で有名なクラウドソーシングサービスでは、スキルが必要な仕事の受発注が多く、一般的なユーザーにとっては、敷居の高いものとなっています。

ikkaiではその敷居を下げ、多くの依頼者が日常的な仕事をアウトソースする。それにより、生活の質を向上させることができ、多くの学生が時間をより有効に、より自由に使うことができるような社会にしていきたいと考えています。そのような形で地域社会と学生の繋がり創造し、活性化させていきたい。これが当社のミッションです。

労働者と使用者の関係ではなく、人と人、学生と個人、学生と企業が対等の関係で、そしてお互いの生活の質が向上するようなお手伝いができる社会へーー。その未来を目指して、当社はサービスを展開していきます。

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