人事施策に筋を通す「人事ポリシー」が、データ活用における革命を起こす企業をつくる

“データ活用における革命を起こす”ため、株式会社インティメート・マージャーは2018年に人事ポリシーを明文化しました。これを担ったHRマネージャーの楡井三樹は、多様な人事領域の中でも人事ポリシーの策定を最優先に位置づけます。その背景には、若き日に抱いた「会社とはどうあるべきか?」という疑問がありました。
  • eight

「会社のどこに問題があるのか?」疑問を解決すべく社会保険労務士に

7bb47e9dcfd42f3de5a8e06efc5feadb64cad0a2
▲HRマネージャーの楡井三樹

これまで約20年間にわたり人事や人材を軸にキャリアを築いた男。それがインティメート・マージャーを人事面からサポートする楡井です。

ところが、意外にも彼が最初に就職したのは金融業界。ここでの経験が、彼のその後のキャリアを方向づけました。

楡井 「その会社では長時間勤務が当たり前で、飲み会では上司や先輩から会社への不平不満を聞かされていたんです。同期など新卒者が多く退職する状況が続き、自然と人材面の問題が気になるようになっていましたね。会社のどこに問題があるんだろう、と」

人材が意欲をもって活躍できる会社には何が必要なのか――。

楡井は答えを求め、人事労務に関する専門家である社会保険労務士を目指すことに。働きながら勉強に取り組んだ結果、2回目の受験で合格。ところが……。

楡井 「資格は取ったものの、人事の仕事に就くことはできなかったんです。実務経験がなかったことや年齢が影響して書類選考をクリアできなかったり、内定をもらっても思うような企業ではなかったり……。
そのときは、ある資格スクールが人材紹介ビジネスを立ち上げるとのことで声をかけていただいたので、そこに入社することにしました。100%人事ではないが、人に関わる仕事、つまり採用に携われるということに魅力を感じましたね」

こうして思い描いた人事とは異なる道に進んだ楡井は、その後、資格スクールから大手の人材紹介会社に転職し、個人事業でも人材紹介に携わります。

最終的に3000人を超える転職相談に応じるまでの経験を積みましたが、ここにきて再び状況が変わります。

楡井 「人材紹介の仕事を通じて多くの出会いもありましたし、やりがいも感じていました。ところが、リーマンショックの影響で人材業界全体の状況が厳しくなってしまったんですよね……。
あらためて家族と今後のキャリアについて話し合った結果、他の業界に移ることを決めました」

予期せぬ事情により、長年携わった人材紹介業から身を引くこととなった楡井。しかし、この決断こそが、かつて思い描いていた人事の仕事へ運命を運びます。

“おもしろ人事”の前にやるべき、理念や人事ポリシーの明確化

F6e5c6691154b815f94e9b47f69e5b623bc6b8fe
▲2015年前職時代の上場記念パーティー

2009年、次に楡井が入社したのは「婚活支援」を事業とする企業でした。彼に与えられた業務は人事領域全般。2015年に会社がIPOするまでの礎を人事面から支えます。ここで彼が感じたのが、“理念”の重要性でした。

楡井 「その会社の社長は、理念をしっかり語る人だったんです。それこそ採用面接のときでも、社員との飲み会のときでも言葉で伝えていて。私の入社後、婚活業界が下火になった時期もありましたが、そこを乗り切って IPOできたのも、理念を共有できていたからだと考えています」

IPO後、社員数がますます増えていく中、楡井はそれまで“我流”で続けてきた人事を学び直したいと考えました。そこで彼は人事プロフェッショナルの西尾太氏が講師を務める「人事の学校」に通うことに。

楡井 「西尾さんから教わったことで、それまで手探りでやってきたことが一本の線でつながっていきました。特に、幅広い人事領域の中でも優先すべきことが見えたことが大きかったですね。
人事というと、法令に基づく環境整備や、いわゆる “おもしろ人事 ”に注力しがちですが、その前に土台となる理念や人事ポリシーをきちんと固めるべきなんです。
そこを固めておくことで、人事施策に一貫性や継続性が保たれますし、社員の信頼感も深まりますから。世の中の成長している企業は、理念や人事ポリシーを大切にしています」

会社の理念や人事ポリシーは、「お店の看板」に似ていると楡井は考えます。

きちんと看板を掲げることが、会社と社員のミスマッチを避けるためにも重要でしょう。楡井のこうした気づきは、インティメート・マージャーにおいて形になります。

納得できる人事ポリシーをつくり上げるため、入社直後に社長と10時間の面談

5f2a9abc62713457ba19cf9a3f7ba5816e4120b0
▲代表の簗島(右)との打ち合わせを重ねることで築き上げた人事ポリシー

インティメート・マージャーへ楡井がジョインするきっかけとなったのは、前職の婚活支援企業がIPOを果たし、ひとつの区切りを迎えた頃のことでした。

楡井 「当時、私のキャリアをあらためて考え直してみたんです。ここから新たに急成長する企業で働くことができれば、将来さらに面白いキャリアが築けるだろう、と。
そんなタイミングで出会ったのがインティメート・マージャーでした」

代表取締役社長の簗島亮次と出会い、人事に対する考え方が共通していることを確信し入社を決めた楡井。入社後、すぐに彼が着手したのが、「人事ポリシーの明文化」でした。

楡井 「私が入社する以前から、簗島は口頭で人事ポリシーの核となる言葉を社員に伝えていたようです。
ただ、やはり明文化されていないと理解もあいまいになってしまいますし、忘れてしまうこともありますよね。そこで、私が簗島の想いを聞き取って形にしたいと考えました」

楡井は、人事ポリシー策定のため、簗島に10時間にわたるインタビューを敢行。あらかじめ準備した人事ポリシーのフレームに沿って、「何を大事にして人を評価するのか」「求める人材像とは」「人材育成の方向性はどうか」などといった点を細かく詰めていきました。

そうして楡井と簗島が徹底して議論をした結果、完成した人事ポリシーが以下の6項目です。

【インティメート・マージャー 人事ポリシー】

「何事も定量的な意思決定をする。」

「『チームインティメート・マージャー』『クライアント』『データに関わったすべての人たち』の三方が幸せになる行動を。」

「知らないことは恥じず、仲間に頼れることは頼れ。」

「他責にしない、そして素直であること。」

「やった結果を解釈する『実行ありき』出来るだけ早くデータで解釈。」

「そして、人にやさしく。」

人事ポリシーは押し付けるものではなく、“ベクトル”を合わせるためのもの

7df03a18abe092840490a54a1f88bc3beacd8588
▲人事ポリシーで大事にしているマインドが徐々に社内でも浸透しつつあります

かくして明文化された人事ポリシーには、それぞれ補足説明も付されています。そこに色濃く反映されているのが、「データ活用における革命を起こす」という理念です。

楡井 「データを使うと余計な感情を抜きにして正しい行動が取れるんですよね。そして皆がハッピーになれる。そう思うからこそ、人事ポリシーにも『データ』という要素が加わっています。
その影響もあって、最近は社内でも『それって、ちゃんとデータ使っている?』といった言葉が自然と出るようになってきましたね」

このように、データに基づく意思決定を私たちは重視していますが、人の感情にも目を向けています。

それを端的に表しているのが、人事ポリシーの最後に掲げた「そして、人にやさしく。」です。

楡井 「仕事をしていると、失敗することはありますよね。そのときに人を責めるのではなく、課題を分離すべきだと考えています。
頑張って失敗したのであれば、努力は認めてあげたい。それからデータに基づき課題を解決すればいいわけですから」

2018年の人事ポリシー策定を経た今、インティメート・マージャーでは、社内への浸透を図るべくマネージャーに向けた研修などを実施。ただし、楡井は人事ポリシーを社員に一言一句覚えてもらう必要はないと考えます。

楡井 「『そして、人にやさしく。』の話にも通じますが、人事ポリシーは押し付けるものではありません。自分の言葉で語れればそれで充分です。時々人事ポリシーを振り返って現状できていないことに気づいてもらえれば、おのずと経営と社員のベクトルは合っていくはずですから。
インティメート・マージャーは創業から 5年が経ちました。今後は、マーケティング以外の領域へも事業を飛躍させる予定ですし、組織も拡大します。
ですから、データの可能性に興味のある方がさらに集まるでしょう。そうした方々が、理念や人事ポリシーへも共感をしていただけるといいですね」

社内のベクトルが合った組織は、何よりも強いもの――。これまでさまざまな企業に身を置き、常に“人”に目を向けてきた楡井はそう考えています。

社員が志高くワクワク感をもって働ける企業であるために、彼はこれからも力を尽くしていきます。

関連ストーリー

注目ストーリー