人材業界のオペレーション地獄を解消するINTLOOPのHRテックサービス構想

フリーランスコンサルタントの人材ビジネスのパイオニアとして業界をリードしているINTLOOP。人材ビジネスをやっているからこそ見えてきた深い業務課題もある。その業務課題をテクノロジーの力で解決すべく開発するINTLOOPの新たなHR Tech構想とは?
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INTLOOPが抱えていたふたつの大きな業務課題

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テクノロジーソリューション事業部の田中

独立系のコンサルティングファームとして、2005年にスタートしたINTLOOP。「社会に必要とされる商品・サービスを提供するためのビジョン・戦略」と、「それを支える人材・オペレーション」を重視し、コンサルティングやデジタルトランスフォーメーションなどの多様なサービスを展開している。

人材ソリューションも、提供しているサービスのひとつだ。しかし近年、扱う人材数の増加によって、INTLOOPは課題に直面していた。テクノロジーソリューション事業部の田中政之はこう語る。

田中 「当社の売り上げ成長に伴う人材の数が増えたことにより、マッチングや契約のトランザクション(取引)数が跳ねあがって、既存のシステムでは対応しきれなくなっていました」

現状を整理すると、ふたつの課題が見えてきた。ひとつは「マッチング業務の課題」だ。そもそも、INTLOOPが扱うコンサルタントという職種は、非常にマッチングがしづらい存在だった。

田中 「たとえばエンジニアであれば、キーワードマッチングができるから、企業側と人材を合わせやすいんです。しかしコンサルタントの場合はスコアリングの中でも、定性的な要素の重要度が高くなります。こういった人材は曖昧な要素が多いため、システムに落としづらく、属人的な対応を取らざるを得ません」

こうしたマッチング上の非効率性を抱えながら、INTLOOPは15年もの間、業務効率化できないままでいた。そしてもうひとつの課題は、「管理業務の課題」だ。

田中 「特にスタートアップから中小規模の企業にありがちなことですが、INTLOOPは長年、管理部門に人員を割けないままでいたんです。そこまでコストや工数を回せなかったので。
そんな状況なので、 IT化に踏み切りたいものの、契約業務や契約管理、売上管理が非常に複雑化しているという現状がありました。一部をどこかの SaaSサービスで代替えしてみたこともありましたが、結局使われず、もともと使っていたExcelに戻るといった、よくあるフローを辿ってきてしまいました」

こうした業務課題を解決すべく始動したのが、「Forestプロジェクト」だ。

「Forestプロジェクト」とは

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前述した業務課題である「マッチング業務」と「管理業務」を最大限省力化すべく、社内でスクラッチで開発しようと立ちあげたプロジェクトがForestプロジェクトである。

田中 「最初は他社の SaaSサービスをつなぎ合わせて導入することを考えました。しかし、求職者と案件のマッチングからそのまま契約、請求に移行するという業務フローをカバーし得る SaaSサービスがどこにもないことがわかり、弊社独自でゼロから開発することを決断しまして。
どこにもないということは、人材ビジネスを営む会社にも導入できる可能性も高いと考えています。また、実は “Forest”という名前なんですが、弊社の代表の “林”を英訳しただけの名前でして。正直ノリで名づけただけなので、今後名前を変える可能性はおおいにあります(笑)」

走り出したForestプロジェクト。まずはプロジェクトのチームづくりから始まるが、ここでコンサルティングビジネスをやっているという強みと人材ビジネスをやっている強みが生きる。システムの機能要件を決めるための、業務要件定義はコンサルティングビジネスのノウハウを生かせるのだ。

また、INTLOOPはフリーランスコンサルタントだけでなくフリーランスのエンジニアを集客するためのサイト「Tech Stock」も運用している。「Tech Stock」には、上流工程から開発工程まで幅広く担える優秀なエンジニアが数多く登録。その集客したエンジニアにForestプロジェクトにジョインしてもらおうと考えた。

田中 「弊社はさまざまな企業のシステム構築の支援を実現してきました。幾多のプロジェクトで蓄積してきたシステム構築のノウハウを生かせると考え、システム機能要件整理などは弊社のコンサルタント部隊に任せたんです。
開発については、弊社のサービス “Tech Stock”に登録しているエンジニアに任せられると考えたので、正直エンジニアの獲得には全く困まらず、募集を始めてから数週間で優秀なエンジニアにジョインしてもらうことができました(笑)」

チーム体制が整い、ここからForestプロジェクトが本格稼働する。

AI活用でマッチング業務省力化

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稼働したForestプロジェクト。まずはマッチング業務の効率化をどのようにして実現するのか。田中が考えた構想は、マッチング業務そのものをAI化するというものだ。

フリーランスのコンサルタントとエンジニアなどのハイスキル領域プロフェッショナル人材支援事業をやっている業界の中で10000人を超える業界最大規模の人材データベースを生かしたINTLOOPの挑戦である。

田中 「膨大なマッチングデータの活用するにあたり、従来の AIではまだ本格導入までのハードルが高いと判断していました。なぜならデータクレンジングとデータモデルの構築に大きな工数を要するとわかっていたからです。
しかし、最近のテクノロジーの進化により、前述した工数が大幅に削減できるようになり、 AIの大衆化と呼べるまでに AI導入へのハードルが下がったので当社も AI活用の意思決定をしました」

ではどのようにマッチングのレコメンドロジックを構築するのか。田中はこう語る。

田中 「レコメンドロジックの実装はまだ試行錯誤しているところですが、 Pythonで scikit-surpriseを活用してつくり込んでいくか、直近では学習モデルについては検証も兼ねて Google AutoMLでの実装も視野に入れています。これにより、スコアリングしづらかったマッチングも可能になるのです」

AIの導入により、現場はどのように楽になるのか。

田中 「 AIを活用することで従来出来なかった精度の高いマッチングがより早くできるようになります。具体的にはカウンセラーがキャリアカウンセリングを終えた時点で、精度の高いレコメンド案件をその場で提案してくれるような機能です。
営業も同様で、案件を入力した時点でレコメンド精度の高い人材が提案される仕組みをつくり、既存のマッチング業務の半分を削減しにいく予定です」

マッチング業務の省力化の算段はついた。では、管理部工数の省力化はどのように実現するのだろうか。

管理業務省力化を実現し、Forestは外販へ

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ForestはSaaSサービスへ

管理業務の省力化は、コンサルティングビジネスを長年展開してきた、コンサルティング部隊のノウハウを最大限生かせると田中は語る。

田中 「管理業務の省力化を目指したシステム構築には現行の業務分析が非常に重要になります。 INTLOOPのコンサルティング部隊にはそのノウハウを長年蓄積していて。
その分析から理想の tobeの業務フロー図を描くことで、最適な機能要件を定義することができました。具体的な機能要件は明かせませんが、対象業務はフリーランスの方の契約管理、作業報告書管理、請求書管理、最後に当社の売上管理です。
これらを一元管理します。売上管理まで一元化し、過去の売上データにも AIを咬ませることで、ゆくゆくはマッチングのトランザクションから、営業の売上予測の機能を実装する予定です」

マッチングから売上予測までを描いたForestの機能構想。この構想は人材ビジネスのオペレーション地獄を救えるプロダクトになると田中は語ります。

田中 「弊社が経験してきた非効率な業務オペレーションは多くの人材会社も課題として持っています。弊社はここに大きなマーケットがあると確信しており、Forestはいずれ外販を目指していくつもりです。
現在はその準備段階。まずは弊社の社員に存分に使い倒してもらい、課題を出します。その課題をつぶすというサイクルを高速で回し最高の UI・ UXを実現し、一気に外販を狙えればと考えています」

INTLOOPの最高のSaaSサービス開発を目指し、挑戦は続きます。

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