建設業界で働く人を幸せにしたいーー技術者不足の解消に向けたアイアールの試み

設立して3年で、社員数が100名を突破したアイアール。施工管理技術者の派遣事業をメインとする当社が、2018年に掲げた目標は「技術者不足の解消」でした。私たちはヒアリングをするなかで、技術者が抱えていた多くの不満に直面。どう課題に向き合い、アクションを起こしたのか、専務取締役の加藤淳史が紹介します。
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会社としての質を高める。「技術者不足の解消」に舵を切り自ら行動!

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建設業界のイメージアップをはかりたい。2015年に設立されたアイアール株式会社は、建設業界で働く誰もが幸せになれる会社を目指し、改革を実行してきました。これまでのさまざまな取り組みによって順調に社員が増え、設立して3年で社員数が100名を突破しています。

2018年の年始、社員の働きやすい環境づくりに向けて、当社は再び動き出しました。新たな課題を決めるため、全国の支店からメンバーが集まって全社会議で話し合うことに。話に挙がったのは、数を増やすのではなく、会社としての質を高めることでした。

社員を500、1000人と増やして規模の拡大に注力するのではなく、「2019年までに300人に増やす」という大まかな目標を立てます。話し合いを進め、達成に向けて掲げた課題は「技術者不足の解消」でした。

加藤 「急激に社員が増え、支店の開設や営業・バックオフィス側の社員を採用して体制を整えることに、目が行きがちになっていました。そのため、気づけば在籍している技術者たちに向き合う時間が減っていたことに気づいたんです。
企業規模の拡大はもちろん大切ですが、技術者の声をないがしろにしてしまっては、会社への不満も離職率も高まる可能性があります。もっと彼ら一人ひとりに歩み寄り、コミュニケーションをとる必要があると考えるようになりました」

営業社員は、一人あたり約20名の技術者を担当しています。そのため実務に加え、技術者へのヒアリングに時間を割くことはなかなか難しいという状況でした。

みんなのやる気を起こさせるため、ここは役員が率先して動き出そうーー課題解決に向け、加藤と常務の杉田は現場に赴き、技術者たちにアンケートを取ることにしました。

ここで2人は、企業拡大の中で見落とされていた多くの声に直面することになります。

社員の不満を解決したい!決意表明のために挙がった、前代未聞の提案

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「事務処理に時間を割かれ、CADを学べる時間がない」「派遣先にはアイアールの社員が自分ひとりで、孤独を感じる」「土曜日もフルタイム出勤だから休みが少ない」……技術者たちにとったアンケートには、さまざまな意見が書かれていました。

加藤 「課題は山積みだと痛感しました。今のままでは社員数を増やしても、離職につながるだけ。会社が大きくなるに連れ、課題も増えていくことを身をもって感じました」

何から手をつけていいのかわからないなか、技術者たちが抱えていた本音を知った営業社員全員が、問題解決に本腰を入れるようになりました。加藤たちは早速営業会議を開き、メンバーで話し合います。

アンケートを取ったからには、一つひとつの意見に向き合い解決していきたいーー課題に取り組む意思表明をするための、予想外の意見が社員から挙がりました。

加藤 「 Facebookに、技術者たちからもらった意見をアップしてはどうかという提案が出たんです。わざわざそこまでする必要はないんじゃないかと、一部からは反対意見も挙がりました。しかし大切なのは、職場環境を改善し、技術者たちに安心して働いてもらうこと。
アンケートでもらった意見をそのままアップして、『解決していきます』と決意表明をすることにしました。時間がかかっても、期限をもうけてコツコツ進んでいけば絶対にすべて解決できると思っていましたから」

各支店の営業メンバーも現場へ訪問し、担当技術者へ直接ヒアリングを取る機会を増やすように。すぐに改善できるものがあれば即日で対応、その後は技術者へ逐一報告していきました。交流がなく寂しい思いをしている社員がいれば、現場の責任者に交流会を開いてもらうようお願いしました。さらに自家用車で通う社員には、ガソリン代などの補助金を増やすなど対応。

加藤たちは技術者が抱える不満を聞き出して動くなかで、彼らの不満を受け入れる場がアイアールに不足していたことに気づきます。「ヒアリング→会議→改善策の提案」というサイクルを、社内で自然と生み出す必要があったのです。

そこで加藤は、アイアールの技術者として働いていたある社員を呼び出しました。

新設した部署の部門長として、全国を奔走。社員の努力が開いた技術者の心

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松井綾大は未経験で技術者として入社し、3年に渡って現場で経験を積んできた社員です。彼なら、技術者の気持ちに寄り添い、教育もしながらフォローアップをしていけるのではないかーーみんながそう考えるようになっていました。

加藤 「各地域で働く技術者の技術面や待遇などについて把握するため、『人材管理部』という教育部門を新設し、そこに松井を部門長に抜擢。彼は全国を駆け回り、研修をはじめとして技術者のフォローにまい進してくれました」

挨拶や書類の書き方といったビジネスマナーからはじまり、Excelの使い方、安全管理の認識まで……松井は徹底して技術者をフォローしました。現場だけではなく社内の営業会議にも出席し、コミュニケーションも欠かしませんでした。彼は周りが目の届かない部分まで配慮し、架け橋となって動いていきます。

営業部の提案も人材管理部の取り組みも、技術者たちは素直に受け入れてくれました。社員たちが改善に向け力を合わせた、地道な取り組みは、彼らの心を開かせていきます。

加藤 「不満解消に向けて動き出した当初は、日報を見ても『問題なく働けています』という一言しか書かれていませんでした。
でも頻繁にコミュニケーションを取るうちに、『所長さんが飲みに誘ってくれたんで行ってきました』『知り合いの技術者が、アイアールで働きたいって言ってます』といったことまで、どんどん前向きな意見をくれるようになったんです。以前よりも、より深い話ができるようになったことは大きな成果だと思います」

実際に技術者にインタビューし、彼らの想いが気軽に読めるコンテンツをホームページに掲載するなど、技術者の素顔を紹介する試みにも着手していきました。

技術者の不満を会社に届かせ、改善する。営業メンバー全員の努力により、その体制ができつつあります。さらに他のチームでも並行して、「技術者不足の解消」に向けて動き出していました。

未経験でも誰もが一人前になれたのは、企業理念に忠実だったから

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技術者の離職率を低下させると同時に、アイアールに魅力を持ってもらい、応募者を増やすことも「技術者不足の解消」を解決することにつながります。

求人ページを刷新して募集を開始したところ、未経験者を歓迎しているためたくさんの応募がありました。しかし応募者が増えても、当社の面接する力、そして入社後のフォローアップも強化させなければ社員は定着しません。そこで、採用の流れをちゃんとつくることになりました。

加藤 「採用担当として選んだのは、営業アシスタントとして働いていた女性社員。会社として初めてのポジションで、彼女も採用業務の経験がなかったので、本人なりの苦労はあったと思います。しかし採用モデルをつくり、今では一人前に各支店の採用担当たちを束ねるようになりました」

不満の解消、採用モデルの見直しをはかったことで社員数は増加し、現在203人に上ります(2018年現在)。

技術者のみならず採用担当や支店長として働く多くの社員が、最初からプロとして入社したわけではありません。みんな未経験ながらも、一人ひとりが自分のポジションで着実に成長し、次の人材を育てる立場になっています。

それは会社全体で「人材育成を通じて社会に貢献する」という理念に忠実になって、社員の不満解消に、そして業務効率化に取り組んできたからです。

加藤 「福利厚生の充実、バックオフィスの強化など、課題は常にいろいろと出ています。でも 1フロア、電話 1本しかなかった会社が、 3年でこれだけの規模になれました。今まで通りコツコツと進めていけば、 “社員 300人達成 ”の目標は必ず達成できると思います。
300人まで増えれば経営が安定し、資格支援や研修制度、賞与など社内改善に投資していける。そこで初めて、会社として本当のスタートが切れると思うので、まだまだこれからです」

創業期を経て、成長フェーズを疾走しているアイアール。技術者を増やすための試みは、引き続き2019年も取り組んでいきます。建設業界で働く仲間を幸せにしたいーー“愛ある企業”が目指す未来のスタート地点はもう、すぐそこです。

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