ママの孤独を癒し、互いに労いあう。「深夜かけこみ部屋」を通したコミュニティの共創

赤ちゃんのために深夜に起きて授乳したり、夜泣き中のお世話をしたりするのも、ママたちの大切な仕事。でも、その時間は思った以上に孤独なものなんです。そんなママたちの声から生まれた「深夜かけこみ部屋」。ママたちがいかに安心できる場を提供するかをコンセプトにつくられたサービスの、今とこれからを描きます。
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ライブ配信でママとコミュニケーションを取って気づいた“深夜”のニーズ

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▲「深夜かけこみ部屋」の立役者 本多(左)と長澤(右)

「深夜かけこみ部屋」は、毎日深夜0時から5時までのあいだ開かれるチャット部屋。カラダノートが開発したアプリ「授乳ノート」内に機能追加されたサービスで、ユーザーはその時間内は自由に出入りして会話を楽しむことができます。

子どもの授乳のため、夜泣きのためなどに深夜起き出すことの多いママたちが、ひとりではないと感じられるような温かいやりとりができるところが「深夜かけこみ部屋」の大きな魅力。

実は、このサービスの開発のきっかけは、当社が2017年11月から平日に行なっているインスタグラムのライブ配信でした。

コンテンツ事業部の長澤香と本多めぐみが中心となり、毎日14時から30~40分間のライブ配信を開始。とはいえ、当初の目的はサービス開発ではなく、コミュニティ運営のテストマーケティングでした。

長澤 「もっとママとコミュニケーションを取りたいと思っていました。リアルな場で座談会をやるにしても、赤ちゃんを連れて来てもらうには調整が大変ですし、できる回数、会える人数も限られています。そこでもっと気軽に話せる機会をつくれないかと考えて、インスタライブをはじめたんです」
本多 「最初は私たちが発信するようなイメージでやっていたんですけど、だんだん参加しているママたち同士が話すようになってきました。だったら、ここは『他のママと会話できる場』にしちゃおうと」

昼間の「おはなし会」としてママたちとコミュニケーションを取っていくうちに、今度は、多くのママが「深夜」の時間帯に孤独を感じているという事実が浮き彫りに。本多は、自身の経験としても実感していました。

本多 「もちろん家族はいるし、うちの夫なんかはよく起きてくれてもいたんです。それでもやっぱり、ホルモン変化も影響してか、『なんだかわからないけど辛い』という時もありました。
夜中だと夫とおしゃべりしようという感じでもないし、そんな時間に友だちにLINEするわけにもいかない。でも、1回起きるとなかなか寝られなかったりして、一番どうしたらいいかわからない時間でした」

そこで、その時間帯にライブ配信を行ない、様子を見てみることにしたのです。

テキストチャットでリリースしたのは、「できるだけ早く場をつくる」ため

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▲テストマーケティングではじめた夜間のインスタライブでは、日中以上の盛り上がりがあるという

試験的に深夜のインスタライブを不定期実施してみると、さらにニーズを感じる結果に。

長澤 「深夜ライブ配信は、1回目で結構手ごたえを感じましたね。ユーザーさんからの『起きてる人がこんなにいるなんてうれしい!』や『次、いつやるんですか』という声があがって。感謝の度合いが半端なかったです」
本多 「夜中にやってみて需要はあるなと感じました。ただ、私たちが毎晩起きてインスタライブをやるというのは難しい。昼の配信のときから、ママたち同士で会話できる環境はあったので、逆に言うと、環境だけつくってあげれば、私たちがいなくても成り立つんですよね。そう考えて、サービス開発に踏み切りました」

こうして「深夜かけこみ部屋」の開発がスタート。しかし、インスタライブのような動画でのサービスは開発に時間がかかってしまいます。その状態は理想としつつも、今必要としている人に早くサービスを届けたい。

そう考えたふたりは、まずは文字だけで会話するテキストチャットを開発して早めにリリースし、段階的に機能を加えていく決断をしました。

そして、最も深夜の孤独を感じやすい授乳中のママに向けて、「授乳ノート」のアプリの中に機能を追加することも決定。開発にあたっては、チャットの動作面はもちろん、デザイナー歴の長い本多を中心に、ちょっとした演出にも工夫を凝らしています。

本多 「私がこだわったのは、画面の色合いです。深夜のインスタライブのときに、最初は部屋を明るくしてやってたんですけど、ある時、杉さん(長澤のニックネーム)が、暗い部屋にアロマライトだけつけてやっていて。その薄暗い感じがとても良くて、そういう演出も必要だと感じました。
その気づきをもとに、『深夜かけこみ部屋』の画面も、色の濃い、かつテキストが読みやすい画面にしています。高機能のものというよりは、まずはそういう雰囲気づくりを大切にしていますね」

要望を聞きながら、ママたちと一緒につくりあげるコミュニティ

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▲2児のママでもある本多の実体験も元にサービスやコミュニティ作りを行なっている

インスタライブも「深夜かけこみ部屋」も、私たちだけで成立するものではありません。共感をベースにして、実際のママたちと一緒につくりあげるからこそできる雰囲気があると、長澤は考えます。

長澤 「寝かしつけに成功して『おめでとう!』とかは、かけこみ部屋の“ならでは感”かなと思います。他の立場の人なら『寝かしつけなんて当然でしょ?』と思うかもしれませんが、ママたち同士、苦労を分かち合える人だからこそ、そういう言葉をかけ合えるんです。
それと、ママのちょっとした悩みは、『大丈夫だよ』と言われるだけで十分ということもありますよね。『うちだけかもしれない』と思っていたことを、実はみんなもやっていたんだとわかるだけで安心できたり。そうやって共感し合うことで生まれる、ちょうどいい距離感が一番大事だと思っています」

「深夜かけこみ部屋」では2018年5月24日のリリースから、早くもたくさんの要望がありましたが、ひとつ大きな変更となったのが、「メンション機能(グループ内で相手を指定してメッセージを送れる機能)」の追加。

長澤 「女性同士の会話なので話題が同時多発的にいくつもあるんですよ。でもメンション機能があると、一応その人と会話できます。たったそれだけの変更で、感謝の声をたくさんいただきました。
それでも、男性の開発者から見るとカオスでしかないらしく、『なぜこれで良いのかわからない』とよく言われますね(笑)」

このように、ママユーザーからの意見も柔軟に取り入れていますが、場としてのメリットをより生かせるようにポリシーを持って運営していることもポイントです。

本多 「ありがたいことにいろんな要望は来るんですけど、それを全部うのみにするわけではなくて。たとえば『深夜かけこみ部屋』は今0時から5時までやっていますが(※2018年 6月現在)、24時間こういう場があったらいいのに、という声もあります。
でもそれをやってしまうとどうなるかは考えないといけないですよね。インスタライブもそうですけど、毎日決まった時間で実施しているからこそ人が集まる部分もあるので」

このような環境づくりの効果もあり、長澤はユーザーの参画意識の高まりも感じています。

長澤 「インスタライブに毎日来てくれる人たちが、夜間の方にも来てくれて、『ここはこういう場なんですよ』『この機能は今直してるみたいですよ』とか、私たちの代わりに言ってくれたりします。
同じテキストでもTwitterとは全然違う雰囲気ですね。おっちょこちょいな運営を助けてくれる仲間がたくさんいる感じです(笑)」

そして、この場を居場所として感じてくれるママが増えていくことで、互いに励まし合えるコミュニティができていくのではないかと私たちは考えています。

「そこにいること自体が楽しい」と思ってもらえる居場所をつくる

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▲入社同期のふたり。ぴったりなチームワークからスピード感のあるサービスが生まれる

2018年6月現在は、「授乳ノート」アプリの機能のひとつである「深夜かけこみ部屋」。今後は、入れるアプリを増やしたり、授乳期以外のママやプレママにも幅を広げて場をつくったりする構想を練っている最中です。どんなサービスでも、ユーザーに必要なものを、ユーザーと一緒につくっていくという姿勢は変わりません。

その中で気をつけるのは、ユーザーが何かをしないといけないという思いで来る場所ではなく、そこに行くこと自体が楽しいと思ってもらえる場にすること。

本多 「このあいだ、昼のインスタライブで、生協を使っている人や好きな人に集まってもらって、生協会というのをやったんです。とにかく生協のここがいい!ということを話し合うだけなんですけどすごく盛り上がって。生協を使っていない人も影響されて、だんだん気になってきたりとか(笑)
そういうのもテーマを変えて配信していくとおもしろいなと思います」
長澤 「好きなものが同じ人が集まって話していると、楽しいじゃないですか。すると今度は、それを外から見ている人が、うらやましい、入りたいと思う。そういうところで、いろんなものを紹介していくのも良いかなって。
ママっていうひとつのつながりの上に、好きなものという共通を重ねていって、ママ同士がよりつながれる環境をつくっていけたらと思います」

産休・育休中など、社会とのつながりが薄くなる時期は特に孤独を感じやすいママたちが、いかに安心できる場をつくるかは、ママ自身にとっても、その家族にとっても大事なことです。今後も私たちは、ママの実際の声を聞きながら、より良いサービスや環境づくりを進めていきます。

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