風潮に流されず、自分らしく生きられる社会に――カラダノートのビジョンとその先

どの企業でも、ビジョンの実現を通して「よりよい社会をつくりたい」という思いは持っていますが、カラダノートでは、私たちが本当に社会に提供したいことを社員全員で考え直し、ビジョンを再設定した過去があります。今回は、「家族の健康を支え 笑顔をふやす」というビジョンのその先にある思い、描く未来をお伝えします。
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社員の「そしゃくしにくい」という声をきっかけに、ビジョンを修正

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▲2018年で創業して10年。まもなく11期に差し掛かるカラダノート。個性豊かなメンバーが集まる

ビジョンは、会社の方向性を示す羅針盤であり、会社や社員は、ビジョンがあるからこそ、やりがいをもって働くことができます。ですが、ビジョンと日常業務の関連性がなかったり、わかりにくいビジョンだったりすると、共感や社内の一体感も生まれず、結果的に事業は伸びていきません。

カラダノートでは、2016年8月にビジョンの変更という大きな変化を経験しました。そのきっかけとなったのは、代表取締役の佐藤竜也が、会社としての組織構造に疑問を持ったことでした。

佐藤 「当時はほぼすべて、最終意思決定が僕になっている、ワントップの状態でした。この組織体系がベストではないことを体感しつつも、どのように任せていったらいいのか考えあぐねていて、その原因はなんなのだろうと2年近く頭を悩ませていました。
入口として何ができたら、権限移譲や意識向上につながるんだろうと考えた時に、ひとつの案として、ビジョンの腹落ち具合が悪いのかもしれないと思いました」

当時掲げていた「最も多くの人の体に関する不安や悩みを解消し、健康で安心な生活を支援する」というビジョンは、佐藤が事業をはじめたときからイメージしていたものでした。ですが、妊娠・育児のサービスに注力しはじめたこともあり、ビジョンと事業の実態が離れ、社員の納得感が薄れていたことに気づいたのです。

佐藤 「僕の中では違和感はそこまでありませんでした。でも社員と話す機会を多くつくるようにしていたときに、言われたんです。『そしゃくしにくい』『今の事業との乖離を感じる』と。それで、全員が納得できる形にビジョンを修正することが、権限移譲や組織を変えるためにも、まず入口としてできることだと考えました」

こうして、2016年7月から、佐藤が中心となり、ビジョンの再考がはじまりました。

マイナスからゼロではなく、プラスへ変わっていくまでを支える

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▲月に複数回は社員全員でワークするMTGがある

ビジョン再設定のために、社員全員で話し合う機会を週に1~2回つくり、議論を重ねました。「健康」「支える」「家族」など、大切にしたいキーワードを出していき、それぞれの言葉の意味を確認しながら、覚えやすい長さでまとめる。その過程で、事業でやっていきたいことの本質も見えてきました。

佐藤 「たとえば『健康』に関わるといっても、われわれは医療従事者ではないので、治すことはできない。そうすると、病気や体の悩みを『解消します』というのはちょっと違って、あくまで伴走者的な役割で『支える』というのがいいかもねと。
あと、それまで事業を行なっていた疾患は特にそうですけど、マイナスの状態がゼロになったら大体の人が満足してしまうんですよ。血圧が良くなくて何か改善のアクションを起こすけれど、安定してきたらもうそこで終わり、と。
この『マイナスからゼロ』までのサービスだと、短い付き合いだけの事業になってしまう。そこからさらにプラスへ、つまり『笑顔』になっていくところまで、事業としてやっていきたいという方向性で一致したんです」

それまでカラダノートでは、疾患などの悩みや不安ですでに困っている人をサポートするという視点でサービスを展開していました。しかし、話し合いを進めるうち、「そもそも健康って何なのか?」という疑問にぶつかります。そこで、ひとつの答えとして見つけたのが、WHOが定義している「健康」の概念でした。

「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます」(WHO憲章

佐藤 「この文を見たときに、これだなと感じました。同時に、我々は病気を治せるわけじゃないのに、何で疾患ばかりに目を向けていたんだろうって。健康は体に悩みのある人、病気の人を助けるだけじゃなくて、悩まないようにするということも大事なんですよね。なのでそこで、『ああ、今までやってきた事業は、健康に関して本当に一部の領域だったな』と、少し視野が広がりました」

2016年8月に誕生した「家族の健康を支え 笑顔をふやす」という新ビジョンには、このようにいくつもの思いが込められているのです。

ビジョン変更で、事業の視野が広がり、採用基準も明確化

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▲「家族想いな人は間違いない」と語る佐藤。佐藤自身も2児の父親である

佐藤は、会社としてのビジョンを再設定すると同時に、自分の人生のビジョンも定めていました。そしてそれが、会社経営をする理由にもなっていると感じています。

佐藤 「何のために事業をしているんだっけと自問自答するなかで、考えた自分の人生のビジョンは『自分の子どもや孫の世代にいい影響を残す』ということでした。その自分のビジョンを達成したいから、手段として会社経営をしているということです。
あとは、少し大きい話になりますけど、僕がこの世にいないより、いた方が良い社会になっていると思える方が、生きていた意味があったと思うじゃないですか。そういう事業をしたいなと。社会のしくみがガラッと変わるレベルまで行けるかはわからないですが、『いい社会になったな』と言えたらいいなと思っています」

ビジョンの再考と同時に、会社の組織編成や評価制度など、大きな変更を多く行ないました。この時期を経て、カラダノートという会社として、事業の視野が広がったのではないかと佐藤は感じています。採用なども新しいビジョンに沿った基準で行なえるようになりました。

佐藤 「家族想いな人を採用するようにはしていますね。面接で『家族と仲は良いですか』って聞いたり、具体的なエピソードを聞いたり。近代資本主義の父と呼ばれている渋沢栄一の名言のなかに『人を選ぶとき、家族を大切にしている人は間違いない』という言葉があります。
それはおそらく、家族を大切にしていれば、人を裏切ったり、不義理なことをしにくいし、守るべきものがあると頑張れるからということだろうと思います。僕たちも、そういうところは重視しているということですね」

家族が健康を支え合い、笑顔で自分らしく生きられる社会の実現のために

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▲「家族の健康を支え笑顔を増やす」その先にカラダノートは自分らしく生きられる社会を見つめている

私たちのビジョン「家族の健康を支え 笑顔をふやす」の根底にあるのは、それぞれが“自分らしく”生きていけるようにしたいという思い。情報を十分に得ていないために漠然と不安に思ったりすることは、多くの人が思い当たるのではないでしょうか。

佐藤が感じているのは、社会の風潮によって、不必要に悩んだり不自由さを感じたりしてしまう機会を減らしていければ、もっと生きていくうえでの幸福度があがるのではないか、ということ。

佐藤 「意味なく悩むことがないようにしたいんです。たとえば、子どもが欲しいと思っても、『お金がかかるって言うし……』と思って、ためらってしまうとか。価値観として、子どもがいなくちゃいけないわけではありませんが、欲しいと思っているのに、余計な懸念で踏み込めないのは残念ですよね。
健康についても、そこまで気にしなくても……というところまで気にしすぎているケースが多い。もっと楽しく生きた方が良いんじゃないかとは感じることがあるのですが、それはその人が悪いというよりも、社会的にそういう風潮、雰囲気だからという影響が大きい。だからそういう社会全体の雰囲気を変えていけるようなことをしていきたいんです」

私たちはこうした漠然とした不安や悩みを解消するだけでなく、事業を通して世の中の風潮をも変えていけるような、新しい価値観の創造と浸透を目指しています。

佐藤 「『健康』というワード自体が世の中から消えるくらいが一番良い状態だと思うんです。健康という概念が消えて、たまに病気になるかもしれないけど、気にしすぎないで生きる。前向きに生きられる世の中の風潮がある。それが一番いいですよね。今、気になってしまうことをより気にならないように、かつ笑顔になるような取り組みをしていきたいです」

家族が仲よく、健康をお互いに支え合いながら笑顔で過ごせる。そんな社会を実現するために、私たちは企業としてもっと成長して、影響力を高めていかなければいけないと感じています。

社会の雰囲気が変わるくらいの知名度やサービスの浸透度を目指して、カラダノートはこれからも「家族の健康」や「幸せ」に貢献できる事業を行っていきます。

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