「ECにゼロから携われる立場に」新規事業責任者が自社ECサイトをオープンするまで

株式会社カラダノートは、2019年4月22日に自社ECサイトをオープンしました。会社としてEC立ち上げに向けてまっさらなところから、責任者を採用し、新しく「出産内祝い」を扱うサイト『ママびより内祝い』を構築。ECの幅広い業務経験を生かし、ゼロからサイトオープンにこぎつけた大薗輝久のキャリアと展望を紹介します。

社内にノウハウなし。新規EC事業立ち上げのために人材を求めていた

▲専門学校時代の大薗(写真右)。

会社が新規事業を始めるとき、多くのパワーと、事業への情熱やコミットメントが必要になります。その中心となる人物が、どれだけ熱意を持って関われるかが大切だと私たちは考えています。

株式会社カラダノートは新規事業として、2019年4月22日に「出産内祝い」のギフトを扱うECサイトをオープン。EC推進室長の大薗輝久は、2018年10月にEC事業の責任者として入社し、半年の月日をかけてECサイト立ち上げやカタログづくりに奔走してきました。

EC事業の発端は、会社としてユーザーのLTV向上を図りたいというもの。その施策の一環として「物販」という形を検討し、新規事業としてのEC事業を始めることになりました。

しかし当時、社内にはECの立ち上げ経験やノウハウを持つ社員はゼロ。そこで新規EC事業立ち上げ責任者の募集をかけ、大薗の採用に至ったのです。

EC業界でさまざまな経験を積んでいる大薗でしたが、そのキャリアはシステムエンジニアからのスタートでした。

大薗 「大学に行きたかったんですが、センター試験 1週間前に交通事故に遭ってしまって。結構重傷で、入院も長くなってしまい受験できませんでした。浪人はできなかったので、手に職をつけようと思って情報処理系の専門学校に行ったんです。
そこで 2年間勉強して、新卒で入った会社では主にソフトウェア開発をしていました。ただ、私はガツガツプログラミングをするよりも、企画部分の話し合いをすることの方がおもしろいなと気づき、システムの上流工程のところにもう少し関われるところに転職しました」

2社目は、多モール展開をしている企業に一元管理システムを提供し、運用サポートをする企業。大薗は、ECというレッドオーシャンで、薄利多売の中で工夫を重ねて奮闘する店舗・企業を数多く見てきました。

大薗 「 ECの世界に足を踏み入れたら、もっと ECを知りたいなと思いました。そこで、システム提供ではなく、注文から配送まで 1社で完結する『フルフィルメント』の会社に転職しました。この 3社目では、本当にいろんなお客様、商材、ジャンルに触れることができましたね」

ECにより深く関わっていく中で、大薗にある転機が訪れます。

1から10ではなく、いずれ100や10000になる“イチ”をゼロからつくりたい

▲マレーシア赴任時代の大薗(写真左から3番目)。異国への赴任は、自ら手を挙げたという。

3社目でマレーシアに赴任した大薗。ここでは、企業にフルフィルメントを提供するだけでなく、日本から商品を仕入れるところからすべて自社で管理していました。これは大薗にとっても初めての経験でした。

大薗 「利益計算なども全部自分たちでする必要があったので、そこで初めて経営という立場でお金の流れを意識するようになりました。あるとき、キャッシュアウトが多くてお金が足りない状態になってしまったんです。額としては日本円で 2万程度と、大きくはなかったのですが、これってひとつの会社として考えると倒産ですよね。

自分で売上を計算したり、考えてやっていたつもりでしたが、それまではほとんどアウトソーサーとして仕事をしていたこともあり、認識が甘かったと思い知らされました」

この出来事をきっかけに大薗は、実際にECを運用して商品やサービスを販売する側に関心を持ちます。そして、ECにゼロから携われてチャレンジできる会社を探し、転職活動を始めました。

大薗 「いろいろ内定をいただけた会社はあったのですが、なんとなく腑に落ちなくて。最後に見つけたのがカラダノートだったんです。他社の内定期限も差し迫っている中で、応募して、一次面接をして、与えられた課題を 1日で出して。とにかく急いでいました(笑)」

カラダノートとして求めていたのは、ゼロから立ち上げるだけのバイタリティのある人材。EC責任者の経験に加え、トライアスロンを趣味にするなど体力気力も充実している点で、大薗は当社の求めるパーソナリティを持ち合わせていました。

大薗 「他社では、もともとあるサイトをイチから 10にしていくような仕事内容だったのですが、カラダノートはゼロから、責任者として採用していただけるということでした。キャッシュ管理などもしなければいけない立場になりますし、自分のキャリアアップにもつながるという点がフィットすると感じて入社しました」

BtoBとしての難しさを、BtoCとしての強みと知見でカバー

▲ECサイト「ママびより内祝い」のビジュアル。カラダノートのサービスユーザーからモデルを選び撮影に臨んだ。

こうして2018年10月に入社した大薗は、早速ECサイト立ち上げに向けて動き出しました。

大薗 「カラダノートは商品を持っておらず、ベンチャー企業なのでキャッシュは豊富とはいえません。なので商品の在庫を抱えるのはありえないということは入社前から考えていました。出産内祝いという商材で ECを始めるにあたり、ギフト関連に強く、商品を卸してくださる企業を探して問い合わせをして、説明をしていきました」

しかし、決して順風満帆に進んだわけではありませんでした。新規事業ということで、つながりが一切ない中で候補先を探していく必要があったのです。

大薗 「イチから探して、本当に自分たちのやりたいことと一致しているかを見極めることもそうですし、何より先方に信用してもらうことが大変でした。前職は上場企業だったりしたので、ある程度会社としての信用度があったんですよ。
カラダノートは、子育て中のユーザーを中心に BtoCには強みを持っていますが、提携先 BtoBとしては文字通りゼロからのスタートで、そこはやっぱり時間がかかりましたね。
最終的に契約に至った企業様は、商品力を高めたいという課題を持っており、私たちがユーザーの声をフィードバックすることで商品力を高められるという点に魅力を感じていただき、お互いに Win-Winの形をつくることができました」

また、大薗は新規事業ならではの難しさも感じていました。

大薗 「先行投資というとかっこいいですけど、新規事業なので 100%コストなんですよ。既存の売上は最低でも維持すべきですが、社内リソースを使うと売上維持にも支障が出る可能性があるので、外注を使うことが多かったんです。
今まではアウトソーサーとして自分が使われる立場だったんですが、逆の立場になったことで、外注先の方々の気持ちがよくわかりますね」

苦労はありながらも、無事に商品の卸先が決まり、ECサイトがオープンできることになり、着々と準備を進めてきました。

「出産内祝いに注力し、そこから横展開」EC事業のスタートダッシュと今後

▲一貫してEC畑を歩んできた大薗の挑戦が、まだ始まったばかりだ。

EC推進室は現在(2019年4月)のところ大薗1名のみとなっているため、彼はここまでの業務をほぼすべてひとりでこなしてきたのです。

大薗 「自分でできることは自分でなんとかして、社内でも相談したり、取引先にプロもいますのでそれぞれ協力してもらいながらやっています」

当初、大薗がECサイトオープンの目標にしていたのは2019年2月でした。しかし、取引先探しが長引いたことで4月をゴールに軌道修正。5月22日にカタログが納品される予定です。オープン後しばらくの間は出産内祝いに注力し、そこから横展開を考えています。

大薗 「具体的な商材まではまだ決めていませんが、今後、シニア層など会社としてのターゲット層を広げる可能性も踏まえて考えています。あくまでも軸は子育てですが、いわゆる冠婚葬祭をはじめとするライフステージが大きく変わるタイミングで、柔軟に対応していければと思っています」

また、大薗は個人的な展望として、自分の経験を生かしたビジネスアイデアも構想中です。

大薗 「両親の定年後の生活をサポートできる環境をつくってあげたいなと思っていまして、私が ECの仕組みを立ちあげて、彼らに運用してもらう。これまでの仕事でいろんな店舗さんを見てきて、一軒家の一室を倉庫にして、家族経営で年商 1000万円とかが本当にあるので、できるんじゃないかなと思います。
そこには想いがあって、年を取っても意識はしっかりしていてほしいので、仕事は続けてほしいんです。そんなに大変じゃない仕事で、そこそこ生活ができるくらいの収入が得られるという意味で、 ECという形はいいと思っていて。それを仕組みとして提供してあげられたらいいなと思います」

ECに魅せられ、挑戦を続けてきた大薗は、ECサイトオープン後も、その進化を支え見守っていくことでしょう。

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