パパがパパとして、家庭を楽しむ――西村創一朗さんと語らう、パパの日と未来の家族像

株式会社カラダノートが記念日制定した8月8日の「パパの日」。パパがパパであることをより楽しんでもらいたいと願いをこめています。日ごろ、家庭ではママの不満の対象となりがちな、パパの家事・育児。そんなパパの課題や理想のあり方を、株式会社HARES代表・西村創一朗さんと当社代表の佐藤竜也が語り合いました。
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あまり表出しないぶんフォローもされにくい、パパの家庭や子育てへの悩み

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▲「パパは孤独」と語る西村さん。自身も3児の父として日々奮闘している

数十年前と比べて、近年は家族のあり方が変化しています。女性の社会進出がなされ、夫婦共働き家庭が増加している現代では、今までになかったようなさまざまな課題を抱えている家庭も少なくありません。

2018年現在、ママが子育ての悩みを相談できる環境やしくみは多くあります。一方で、パパが抱える子育ての悩みについては社会的なフォローがあまりされていないのが現状です。

株式会社HARES代表で、NPO法人Fathering Japan(ファザーリング・ジャパン)の理事を務める西村創一朗さんは、パパの抱える大きな課題として「孤独」をあげています。

西村 「パパって、孤独なんですよ。男性が子育てをすることがまだそんなに一般的ではないので、相談できる人が非常に少ない。職場でランチに行ったり飲みに行ったりしても、そこで『子育て』が話題に上がることって多くないですよね。
プライベートでも、たとえば義理の父親、実の父親などに悩みを相談できるかっていうと、物理的にも心理的にも難しい。『相談できる人がいない』というのが孤独の大きな要因です」

2人の子を持つカラダノート代表、佐藤竜也は、ママと違い、パパにはつながりにくさがあると感じています。

佐藤 「ママたちって、いつの間にそんなに仲良くなったの?って思うくらいすぐ友だちをつくるんですよ。だから僕はママに便乗する形で、同じ保育園のママやパパと仲良くなっています(笑)。ただそれは、他の世帯とのコミュニケーションの場があるというだけで、悩み相談っていうレベルにはパパ側は入り込めないですね。
僕たちが普段接する人は、最初に仕事上でつながりがあって、お互い子どもがいた、というケースがほとんどなので、いわゆる“パパ友”はなかなかつくりにくいです」

また、流行語にも選ばれたことのある「イクメン」という言葉は、男性の育児への参加意識に一定の変化を与えています。

佐藤 「イクメンうんぬんと騒がれてきたので、多くの男性は『やらなきゃいけない』という意識は少なからずあるだろうと思います。ですが、何をどうすればいいかわからないし、相談できる人もいない、というのが課題ですね。
ただ、共働きの場合と、奥さんが専業主婦の場合とで、パパの家事育児への参加意識には差があります。明確なデータではありませんが、共働きの方が、パパが積極的に家事に参加していて、専業主婦の場合の旦那さんは、あまり家事には参加しない傾向にあるようです」

孤独感や、家事育児に参加したくてもやり方がわからないという現状。これらのパパの課題に対して、どのように働きかけることができるのでしょうか。

パパとして、子どもたちにいい未来を残す。PtoCでパパが話せる場を提供

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▲2018年8月5日に実施されたパパ未来会議。佐藤も今回初めて参加した

西村さんが、株式会社Mi6代表の川元浩嗣さん、株式会社mannaka代表の柴田雄平さんとともに発起人となって運営しているPtoCというコミュニティ。PtoCとは、Papa to Childrenの略で、「かっこいいパパを増やす」をビジョンに、パパたちが互いに悩みや思いをさらけだし、支え合える場を提供しています。

西村 「最初は、コミュニティをつくろうというよりは、パパが子どもたち世代のために父親としていい未来を残そうというコンセプトではじまったんです。2018年現在は完全招待制のFacebookグループがあって、まずはクローズドな環境で、2〜3カ月に1回、何かしらのテーマで話し合うということを行なっています。
すでに10回開催していて、一番参加人数が多く盛り上がったのが、『産後のセックスレス問題』です。普段は言えないことだからこそですね。話しにくいことでも、人って、アジェンダと場が設定されていれば話すんですよ」

このような環境があることで、パパの孤独感は多少緩和されるのではないかと西村さんは考えます。一方佐藤は、「子ども世代にいい未来を残す」という点で、今の社会の風潮に疑問を感じています。

佐藤 「仕事で『飯食わせるために頑張ってんだ』みたいな考え方は嫌なんですよ。子どもができてから特にそう思います。そういう価値観が子どもに移ると、子どもも、労働とは苦で、飯を食うためにやらざるを得ないことみたいに思っちゃう。
それよりは、もっと社会の役に立って、自分も成長ができて、『ありがとう』ももらえて、その結果お金ももらえて、それが後世のためになるのが仕事。そう子どもに伝えられることが大事だなと思って、事業をやっています」
西村 「『誰が飯食わせてると思ってるんだ』というようなコミュニケーションって、直接その言葉を使っていなくても、あらゆる家庭で起きていると思うんです。たとえば奥さんが時短勤務で、家事分担比率は旦那さんが2割の家庭があったとします。
ある時、奥さんに『家事の8割私だよね』と言われたときに、カウンタートークとして、『でもさ、家計の8割支えているのは俺だよ』って言ってしまったりする。それってまさに、『誰が飯食わせてると思ってるんだ』と同じロジックです。これは嫌なコミュニケーションだと思いますね」

PtoCは、その活動を通して、パパや子育てを取り巻く価値観や既成概念から抜け出すことを目的としています。それがひいては、パパの働き方や生き方の変化にもつながってくると考えているのです。

8月8日はパパの日。パパであることを楽しめる日にしてほしい

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▲カラダノート代表の佐藤は、社員の結婚式でも「家族会議」を実施することを推奨している

カラダノートではこの度、8月8日を一般社団法人日本記念日協会認定の『パパの日』と記念日制定しました。6月にある「父の日」との大きな違いは、父の日が「父親に感謝を伝える日」であるのに対し、パパの日は「パパを楽しむ日」であることです。

日ごろ仕事が忙しく家事や育児にあまり関与できないパパも、パパの日は家庭の中の出来事に関心を持って「パパであることを楽しんでほしい」との思いで制定しました。

佐藤 「当社は現在ママを対象に事業をしているので、ユーザーのママさんたちの座談会などをよく開くんです。その際に必ずと言ってもいいほど、盛り上がるテーマが旦那さんの不満話です。でも個人的には、不満を言って盛り上がるんだったら、旦那さんとしっかり話をすればいいのになという思いはあって。そこは、パパとママのコミュニケーションが希薄というか、不足しているんだと思います」

ママにアンケート調査などを行なうと、ママがパパにやってほしいことと、実際にやってくれていることのズレなども多く伺えます。また、教育方針などの話し合いがなされないまま、パパが子どもの習い事などを予約してしまうといった例もあるようです。

こういったコミュニケーション不足から生まれる不満は、工夫しだいで解決することができるのではないかと考えているのです。

佐藤 「西村さんがおっしゃった、『アジェンダと場』を設定したら圧倒的に話が進むというのは確実にあります。我が家でもアジェンダをつくったうえで月1回夫婦ミーティングをしています。中長期的な家族のビジョンなど、場を設けないと話さないテーマもありますし。
つい先日、当社社員の結婚式でスピーチをさせていただいた際にも、『家族会議をしてください』と話しました(笑)。そういうコミュニケーションのきっかけを積極的につくっていこうという思いを広めたくて、8月8日をパパの日にしようと決めたんです」

パパの日に合わせてカラダノートでは、既存アプリに家族との共有機能が拡充され、ママから家族での活用へと進化していきます。家庭で発生しているさまざまなコトを共有し、パパが家庭の外にいるときも家の中のことに想いを馳せることができ、帰宅した際のコミュニケーションが円滑になるきっかけになればと考えています。

パパもママも子どもたちも、家族のあるべき姿に縛られない世の中に

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▲パパ、ママといった役割ではなく互いにフェアであることがふたりに共通する考えである

西村さんと佐藤は、パパの仕事や生き方を通して、子どもたちにいい影響をいかに与えていくかを考え続けています。

西村 「ファザーリング・ジャパンのスローガンは『いい父親ではなく、笑っている父親でいよう』です。僕は子どもの頃から理想の父親像をすごく強く持っていたんです。だけど残念ながら、19歳で学生パパになった僕は、理想の父親には程遠かった。
でもこの言葉のように、シンプルに『自分が楽しく笑っていられるには何をすればいいのか』を考えていくと、自然体の父親でいられるし、家族に向き合える。実体験としてそう思っています」
佐藤 「親として子どもにこうあってほしいと求めることのひとつに、好きなことや興味を持ったことをとことん突き詰め楽しんでほしいということがあります。しかし一方で親が仕事を楽しんでいるかっていうと、そうでない人が多いですよね。
何か我慢をして仕事をしている親の姿を見ていると、子どもはどこかで、大人になって仕事をするのが嫌だなと思ってしまうと思います。僕は、仕事って楽しい、小さいころの遊びと同じくらい熱中できるものだ、くらいに思ってもらいたいですね」

西村さんは、「親が仕事を楽しむ以上のキャリア教育はない」とさまざまな場で伝えています。また、子育てよりも「子育ち」と考え、親の役割は子どもが育っていく可能性を制限しないことであると考えています。

西村 「夫婦は家族の共同経営者だと思うので、協力して、子の持つ可能性を最大限に引き出す。可能性の邪魔をしないで、その適性を見きわめ、さまざまな体験をさせる。そういうことがすごく大事かなと思っています」

当社のビジョンである「家族の健康を支え笑顔をふやす」には、もちろんパパだけでなく、家族全員に役立つアイデア・サービスが必要です。佐藤は、そんなサービスを提供した先に、家族の幸福度が上がる世の中を見据えています。

佐藤 「パパだけじゃなくてママも、ママとしてあるべき姿に少なからず縛られています。ただ、そういう風潮のなかでも、夫婦でコミュニケーションが取れ、同じような価値観や境遇のパパ同士、ママ同士でつながっていれば、『大丈夫なんだ』と思えるところもあります。
僕たちは、事業を通して社会の風潮も変えたいですし、理想に苦しめられている人を少しでも楽にさせたい。子育Techで効率化できるところは効率化して、その結果、より子どもや家族と向き合う時間が増え、幸せに生きられる家族を増やしていきたいですね」

「パパ」や「ママ」という家庭での役割に対して、プレッシャーやストレスを抱えるのではなく、それを楽しむことができるような価値観を広げ、仕組みを整えていくこと。カラダノートは今後、より家族全体を考えた活動を展開していきます。

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