中心商店街にけぇろう(帰ろう)!ーー地域をも“キャンパス”にして成長する学生たちの挑戦

学生に能動的な学びを促すアクティブ・ラーニング。いち早くこの教育スタイルを取り入れた共愛学園前橋国際大学は、その成果を地域に還元し、学生たちの姿を通して本学の学びをPRするために学生有志によって「共愛学園イレブン」を結成しました。今回は中心メンバーである栗原史寛と中田祐木が、日々の活動や、集大成となるイベント「けぇろう祭」についてお話します。
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ミッションは、共愛学園前橋国際大学の魅力を伝えること

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「共愛学園イレブン」メンバー
128年の歴史がある共愛学園を母体とする群馬県前橋の大学、共愛学園前橋国際大学は「アクティブ・ラーニング」という教育手法を実践し、成果をあげています。

アクティブ・ラーニングとは、講義によって一方的に知識を伝達するのではなく、学生の能動的な学習を促す教育手法。本学はその概念が一般化する10年以上も前から、能動的でインタラクティブな学習法を取り入れてきました。

地域社会のなかで能動的に学ぶ経験は、実はとても得難いもの。情報系コースで学ぶ栗原史寛(4年生)は、地域の中小企業と提携して商品開発を行う授業を受けています。ところが、こういった試みは、一般にはあまり知られていません。

栗原「学外の友人に授業の話をしても、『授業で企業と一緒に商品開発するなんて信じられない』と言われてしまいます。ここでは当たり前に行われていることなのに……。だから、共愛学園前橋国際大学の魅力をもっと外に伝えなければならないと思ったんです」
栗原が感じたことは、実は大学全体の課題でもあります。教育関係者の間では有名でも、一般の人々には本学の取り組みが知られていない。この状況を変えるために、結成されたのが「共愛学園イレブン」です。

そのメンバーには、大学全体からアクティブ・ラーニングの成果を体現している学生が集いました。たとえばその中のひとりである栗原は、「ECO keeper」という、環境保全を目的としたサークルで活動中です。他にも、学内でカフェを運営している学生や、地域に在住する外国人子女の日本語教育をサポートする学生、地域で株式会社を設立した学生など、多様な人材がいます。

共愛学園イレブンの本部は、学内ではなく前橋商店街のなかの「前橋まちなか研究室」に設置され、メンバーは地域との連携を深めながら日々活動。さらに2016年8月27日(土)には「けぇろう祭」というイベントも計画中です。

日々の活動が、新たな発見につながるーーアクティブ・ラーニングがもたらす効果

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中田祐木(3年生・左)と栗原史寛(4年生・右)
共愛学園イレブンのメンバーは、それぞれ自ら動くことの大切さを感じ、その活動の中から学んでいます。たとえば中田祐木(3年生)は、学内で営業する「Student Café」の店長としての活動で、外部の飲食店を見る目が変わったといいます。

中田「たとえばスターバックスなどでは、温かい飲み物を注文すると、スリーブという紙製の筒を紙コップに巻き付けます。これまでは特に気にしていなかったのですが、自分自身がカフェの運営をすることで、『熱いものを手に取りやすくする』という気遣いを感じ、早速Student Caféにも取り入れました」
普段何気なく受けていたサービスも、経営者の視点で見ることによって、新たな発見に変わる。そういったことの積み重ねが、能動的な学びにつながります。Student Caféは、ポイントカードをつくって来店者を増やすなど、さまざまな試みが功を奏し、多いときでは1ヶ月の利益が数万円に達しているとか。

中田「運営の資金は大学から出してもらっているのですが、それをどう使うかは私たちの自主性に任されているので、やる気につながりますね。私たちは、売上に関わらず時給をもらっているのですが、施策がヒットして売上があがると、モチベーションも高まります」
学外でアルバイトをするのとは違い、運営の方針やサービスの内容も全て学生に委ねられている。だから、のびのびとアイデアを形にできるのです。

中田「通常メニューのスイーツがワッフルとホットケーキ、それに加えて月替わりでケーキを仕入れています。それが好評だと『このケーキが好きだからまた来るね』と喜んでもらえるんです。他にも学長の大森先生をはじめとした教職員の方も来てくれて、『ポイント貯まったよ』と声をかけてくださったり…。自分たちの工夫や頑張りが、学内の雰囲気を良くできている気がして嬉しいです」

地域連携では他に負けないーー能動的に課題に取り組む学生たちの自負

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前橋まちなか研究室でのミーティング
ECO keeperのメンバーとして、ペットボトルのキャップ回収や節電の呼びかけを行う活動をしている栗原は、自身が共愛学園イレブンに参加できたのは、地道な努力の結果だといいます。

栗原「ECO keeperのサークルは10年以上の歴史があって、僕も先輩の姿に憧れてジョインしました。机上の勉強以外にも、在学中に手応えのある活動をしたいと思っていたところ、25リットル(数にして約10,000個!)の袋いっぱいにペットボトルのキャップを詰めて運んでいる先輩の姿を見たんです。その姿に衝撃を受けて、やりがいがありそうだなと思いました」
栗原は現在4年生で、2017年に本学を卒業します。ECO keeperとしての集大成として、今年はキャンパスの外、地域連携にも活動の場を広げてきました。

栗原「共愛学園前橋国際大学は、地域連携に関しては他の大学に負けていないし、負けないようにしたいという気持ちがあるんです」
本学の学生たちの中に地域への思いが育っていることは、彼らの活動の節々に感じられること。栗原が打ち込む活動以外にも、学生の自主的な活動で地域との連携を志しているものが多々あります。たとえば日本語教育サポーターの髙野里紗と堺すみれは、群馬県内にある小学校で、日本語を母語としない児童のための日本語教室を補助しています。

ご両親が日本語をしゃべれない場合、子どもたちが学校で苦労することがある。2020年に東京オリンピックが控えていることもあり、海外の方とのコミュニケーションを深める重要性が高まっている。前橋からその一歩を踏み出したいーー。

それぞれの思いを胸に、学生ひとりひとりが能動的に課題に取り組み、成長している姿を多くの人に知ってもらいたい。それが本学の願いであり、それを伝えるのが「共愛学園イレブン」として集まったメンバーのミッションです。

「けぇろう祭」で、街に賑わいを取り戻す

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前橋中央通り商店街で「けぇろう祭」の企画を検討中
2016年8月27日(土)に、共愛学園イレブンはその集大成ともいえるイベントを行います。それが「けぇろう祭」です。けぇろうは、群馬弁で“帰ろう”という意味。「地域の人たちも、学生も商店街に戻ってこようよ」という想いを込めています。

栗原「今まさに内容を詰めているところなのですが、前橋市内の『まちなか広場』で行います。実は広場がある前橋の商店街は、以前に比べると元気がなくなっていると言われています。でも、その日は商店街の人たちも一緒にイベントを盛り上げていただけるよう願っています」
かつて、「まちなか」は活気のある商店街でした。しかし学生たちが物心ついた頃から、徐々に元気がなくなってきた……。最近では多くのイベントが開催されたり、起業家が活性化に乗り出すなど、活性化の機運が高まってきました。そのような中、共愛学園イレブンも、前橋中心商店街と連携し、かつての賑わいを取り戻そうと動き出したのです。学生たちは次代の地域人材。「まちなか」で学生自身が想いを形にしていくプロセスそのものが、地域の未来を切り拓いていくのです。

中田「私はStudent Caféの出張版として、前橋のキレイな水を使って、かき氷をつくろうかなと思っています。自然の恵みに目を向けてもらうことでエコにもつながると思いますし、子どもからご年配の方まで楽しんでいただきたいですね」
栗原「臨江閣や萩原朔太郎の記念館など、前橋の名所をめぐって地元の良さを伝えるツアーを考えています。ツアーの合間に環境意識を高めるクイズを出したりして、地元の歴史や自然を再認識してもらえるようにしたいですね」
他にも、日本語教育サポーターは、じゃんけん大会や群馬の方言のかるた大会を企画中。小さい子どもや外国人の方にも楽しんでもらいたい……。日々の活動に対する想いが、このけぇろう祭で形になり未来へつながることでしょう。

地元である群馬・前橋とのつながりをさらに強め、県内の人のみならず県外の人々にも、共愛学園のことを知ってほしい。それが共愛学園イレブンのメンバー全員の願いです。

栗原「この活動を一度で終わらせずに、今後も後輩たちに続けていってほしいんです。共愛は一学年250人と人数が少ないぶん、とてもアットホームな大学。それに、やる気になれば『けぇろう祭』のような、地域を盛り上げる活動にもチャレンジできます。その良さを、これからも多くの人にアピールしたいですね」
本学が10年以上取り組んできたアクティブ・ラーニングは、地域との連携によって大きな成果をあげています。そこで力を付けた学生たちが、今度は地域にパワーを還元していくーー。共愛学園ならではの“好循環”は、共愛学園イレブンの活動によって、さらに加速していくことでしょう。

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