“副審”が不動産取引の仕組みを改める! 新しい「普通」で幸せを増やす会社の創業秘話

株式会社ラインズマンは、「暮らしっく不動産」をはじめとした総合不動産サービスを展開しています。「不動産会社はお客様を繋ぐ“副審”でいい」、そう考える代表 門傳義文(もんでんよしのり)の想いが込められたラインズマンの創業には、一体どのような背景があったのでしょうか。

「普通にやってくれればいい」 しかし、その“普通”が難しい…

TV局の取材に答える門伝
門伝の実家は工務店。工務店という仕事柄、父親の知り合いに大家さんや建設会社が多いため、学生時代からアルバイトしていた門伝自身も不動産業界に触れる機会が多く、おのずと勉強するようになり宅地建物取引士の資格を取得します。

卒業後は、元々好きだった音楽の世界に入り、ベースの教則本を出版するほか、人気アイドルグループのレコーディングを担当することも。しかし、三十歳を過ぎたときに、父親の知り合いからある頼みごとをされます。

「私が持っている物件を管理してくれないか?」

この一言がきっかけとなり、音楽活動の傍らで「一年」と期限を決めて不動産業界に足を踏み入れました。大家さんの要望は「普通にやってくれればいい」。当初は難しくないと思っていたものの、この「普通」が門伝にとってはとても難しいものだったのです。

不動産会社に就職した門伝は、仕事を覚えていく中である違和感を覚えました。大手不動産会社が扱う物件で、売り手の要望と違う取引がなされていたのです。売り手は「2,000万円で売りたい」、しかし大手不動産会社は1,500万円の取引を結びました。しかも、実は1,800万円の買い手もいたにもかかわらず……。

いったい何故こんなことが起きてしまうのか……門伝は不動産会社に身を置くことで、それまで知る由もなかった“仕組みの問題”に気づくことになります。

不動産会社にいたから気づいた、「両手仲介」という仕組み

両手仲介の仕組み
不動産会社には、「両手仲介」という仕組みがあります。これは売り手と買い手の「仲介」を同じ不動産会社が行い、両方から仲介料を貰う仕組み。

A社が管理している物件をA社に相談してきた買い手に販売すれば、売り手と買い手両方から仲介料が貰えます。しかし、B社に紹介された買い手に販売すれば、売り手の仲介料はA社、買い手の仲介料はB社に支払われるのです。

今回のケースでいえば、1,500万円の買い手は門伝が所属するA社に相談していましたが、1,800万円の買い手はB社に相談をしていました。A社は自社が管理している物件だったため、両手仲介のために300万円安い買い手との取引を進めたのです。不動産会社にとっては、ごく「普通」のことです。

不動産会社の仕事は貸す側と借りる側、売り手と買い手を繋げること。しかし、仲介者である不動産会社の「普通」が異なれば、貸す側と借りる側の間にも「違い」が発生してしまい、要望通りの取引を諦めざるを得なくなります。

大家さんの要望「普通にやってくれればいい」とは、売り手と買い手双方の要望を汲み取った取引をやって欲しいという意味でした。しかし、業界にとっての「普通」を会社員では変えられない。

この“仕組みの問題”に強い違和感をもった門伝は、意を決して自分で会社を作って「普通」を作っていくことにしました。

不動産会社は「副審」でいい!? “仕組みの問題”を解決する、創業の決意

自分たちで制作したラインズマンのCM。
ラインズマン――日本語で「副審」の意味を持つこの言葉を社名に選んだのは、「決定権はお客様にある」と考えてのこと。

決定権、判断を主審一人に任せてしまうと、誤審が発生していても気づけないかもしれません。だからこそ、門伝は「不動産会社はお客様同士を繋ぐだけでいい」と考えて、決定権をお客様に渡すよう「副審」に徹しようと決めました。

両手仲介がお客様の要望をかなえさせないなら、両手仲介をやめればいい……しかし不動産会社にとって「普通」になっている方法をどう変えればいいのでしょうか?

門伝 「ジュースをたくさん買ってもらいたければ、そのジュースをたくさんのお店に置いてもらえばいいんです」


例えば、両手仲介は自分で作ったジュースを自分のお店で売る方法。売り上げはすべて自分の手元に入ってきますが、売れる数に限りがあります。だったら、たくさんのお店においてもらえばどうでしょう。ひとつ売れるごとに手数料を払ってもたくさん売れる可能性が出てきます。

不動産会社は多数の物件を扱っていますが、両手仲介を意識してしまうとなかなか成約に結びつきません。だったら、こうした物件にラインズマンが買い手を見つけて紹介してしまえばいい。さらにラインズマンが管理している物件も他の会社やインターネットサイトに積極的に紹介していけば、成約率が上がります。

不動産会社にとっても、「いつ成約するかわからない」物件がすぐに成約するようになれば、両手仲介でなくても売り上げが増え、お客様の信頼にも繋がります。

ラインズマンが介在することで、売り手と買い手だけではなく、不動産会社もwinになれる。門伝は、そんな新しい「普通」を作っていこうと考えています。

良いものをつくれば認めてもらえる――ラインズマンが目指す、新しい「普通」

桑名正博さんのバックでベースを弾く門伝。左から三番目。
新しい「普通」を作る。門伝がこのように考えた背景には、かつて音楽業界にいたことが強く影響しています。

音楽の世界は夢を追いかけている人が多くいますが、門伝はインディーズバンドがメジャーに行く理由を知っていました。それはみんなが知ってる大手レコード会社に所属しているからではありません。良いものをつくっているから、認めてもらえるのです。

これはビジネスでも同じだと門傳は考えます。最終的にお客様が喜ぶ「良い取引」を行えば、必ず認めてもらえる。ラインズマンは、門伝の音楽への考え、姿勢をそのまま不動産に持ってきた会社です。

不動産取引は金額が大きく、人生に一度か二度あるかないかの大きな買い物。門伝は「物件探しは恋人探しと一緒」と良くいいますが、不動産取引の成否は人生に大きく左右します。失敗すれば大きなダメージを負いますが、成功すれば人生に彩りが加わります。

「このお客様は新築にこだわるのか、それとも人生にこだわるのか」

買い手に「新築と中古どっちがいいか?」と聞けば、7割の人が「新築がいい」と回答します。新築は中古物件より割高。もし、新築にこだわれば、都心に勤めていても郊外を選ばなければいけないこともあります。

しかし、都心にほど近い場所で程度の良い中古物件があるならばどうでしょうか。郊外には豊かな自然があり、週末は仕事の疲れが癒やせるかもしれないですが、そもそも通勤の負担を減らせば豊かな自然は必要ないかもしれません。

お客様の要望通りの物件を紹介すれば、本当にお客様は幸せになれるのか。いまは知らないだけで、知る機会を作ればもっと幸せにできるんじゃないか。そう考えるからこそ、ラインズマンはお客様の要望を細かく聞いて、不動産の知識を元にいろいろな相談を受けつけ、コンサルティングも行っています。

かつては音楽の世界で活躍していた門伝は、まだ不動産業界に入って三年、創業して二年ほどの新参者です。しかし、数々のアイドルグループやアーティスト志望の人たちが羽ばたいていく姿を見送ったのと同じように、不動産会社でも多くの「夢」をかなえていこうと、試行錯誤しながら「新しい普通」を作っています。


ラインズマンが運営する分かりやすい不動産情報サイト
暮らしっく不動産 https://www.kurachic.jp 

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