向き合うべきは“新卒”ではなく“個人”NTTデータが目指す採用マーケティング

NTTデータでは、新卒採用活動において「Marketo」を用いた採用マーケティングを実践。候補者のエンゲージメントを実現されています。先頭に立つのは人事本部部長・髭 直樹さん。すべての研修プログラムを一から組み直したというご自身の経験を通して、NTTデータで実現したい採用の未来図を語ります。

どんな業界ともつながれるITの世界で挑戦したい 新卒でNTTデータへ

▲当社の担当者と語り合うNTTデータ人事本部部長の髭直樹氏(写真中央)

NTTグループの中でソフトウェア開発を中心とした事業をおこなっているNTTデータ。近年推し進めてきたグローバル化により、拠点が53の国・地域に広がるとともに、社員数11万8千人のうち、7割弱を外国人が占めるようになりました。

売上高2兆円のうち海外売上高比率が約50%を占めるという、日本を代表するグローバル企業へと成長しています。

そんなNTTデータで、採用マーケティングに深く携わっているのが、人事本部 人事統括部 採用担当 部長を務める髭 直樹さんです。髭さんは、「人材獲得競争が激しくなっている昨今、採用にはマーケティングの発想が不可欠だ」と語ります。

髭さんのキャリアは、銀行のシステム開発のエンジニアに配属されたところからスタートしました。文系出身でIT未経験の髭さんがNTTデータを選んだのは、業界に関係なく社会的に大きな仕事ができるところが魅力だったからだったと言います。

髭さん 「当時はまだ PCがひとり 1台も普及しておらず、インターネットを使うにも、その都度電話線を抜いてダイヤルアップでつないでいた時代。まだマイナーだった IT業界は、うさんくさい業界と言われていました。
しかし、好奇心旺盛でいろいろなことがやりたいと思っていた私は、特定の業界に入って特定の業務しかできないというのは、つまらないと思っていた。
逆に IT業界はどの業界とも結びつくことができるし、お客様以上にお客様のビジネスを理解しなければ、高い価値を生み出すことはできません。そこに魅力を感じました」

どの業界とも結びつけるIT業界に入って、いろいろなビジネスの世界を知りたい。そう思った髭さんは、大学の先輩が声をかけてくれたNTTデータに就職することを決めました。

“新卒”という塊で見るのをやめたら、学生一人ひとりの行動が変わった

▲「採用はマーケティングだ」と語る髭直樹氏

入社後SEとして経験を重ね、プロジェクトマネージャーとして日本史上最大規模のITプロジェクトを成功させた髭さんは、次のキャリアについて悩みはじめました。

髭さん 「初めて自分の中で『やりきった』という思いが生まれ、次はこのままプロジェクトマネージャーとしてほかの業界のお客様を担当しようか、それともまったく未経験の営業をやってみようか……。そう考えていたときに、ローテーションで人事本部に行くことになりました。
私がいたプロジェクトには毎年新人が入ってきて、面倒を見ていたので、人を育てることに興味はあったし、少し自信もありました。でも最初の 1カ月で『自分のやってきたメソッドは、自分のいたプロジェクトだけでしか通用しない』ということに気がついて、いったん全部捨てようと思ったんです」

そこから髭さんはドラッカーやミンツバーグなど組織論を古典から学び直し、そこに自身が培ってきたNTTデータの経験を掛け合わせていきながら、2年間ですべての研修プログラムをつくり直したのでした。

髭さん 「すべてつくり直してみてわかったことのひとつは、『全員に対して同じ教育をするのは、今の時代にそぐわないのではないか』ということです。それぞれの知識量や適性などに応じて、もっとパーソナライズすべきだろうと。
実際に新人研修で 400人の新卒と関わってみると、入社した動機も個性もみんなバラバラでした。“ 新卒 ”という塊で見るのではなく、一人ひとりとしっかり向き合うことで、彼らが研修に取り組む姿勢や、その後の行動が大きく変わることに気づいたんです」

2年間の育成担当の経験を通じてパーソナライズの重要性を知った髭さんは、次に採用担当になったときに、「採用はマーケティングだ」という発想にたどり着いたと言います。

一方通行では不十分 Marketoで追い求める情報発信のあるべき姿

▲タレントエンゲージメント&オペレーションディレクターの千葉修司(写真左)と担当営業の大根慎也(写真右)。髭さんとともに採用マーケティングを推し進めてきた

採用担当になった髭さんがまず疑問を持ったのは、「多様な学生に向けて、一律の情報を一律のタイミングで送ることだけで、NTTデータの魅力が本当に伝わっているのだろうか」ということでした。

髭さん 「文系の学生に対して『文系でも大丈夫だよ』『未経験でも、ちゃんと教えてもらえるよ』と伝えるのは正しいアプローチですが、相手が理系でプログラミング経験のある学生だった場合、そんなメッセージを受け取ったら、『自分たちが活躍できる場所はないのではないか』と思われかねません。
採用において、情報提供のあるべき姿とは何だろうか、と考えるようになりました」

そんなときに髭さんは、Marketoというソリューションに出会います。

髭さん 「 NTTデータは BtoBビジネスをしている会社ですが、採用はその中で唯一の BtoCの仕事です。 BtoCのビジネスを成立させるには、やっぱりマーケティングが必要だろうと。
採用プロセスにマーケティングファネルを当てはめてみると、“認知= NTTデータを知っていること”から“獲得=エントリーする”までの間には、大きな断絶があると感じたんです」

そして髭さんは、「人事の情報発信はいつも一方通行だった」と改めて気づきました。

髭さん 「学生が欲しいタイミングで、学生が欲しい情報を十分に届けられてきたとは言えません。学生の就活のスタートはバラバラですから、同じ時期でも就活に対する熱量はバラバラです。
本来であればセグメントごとに、適切なタイミングで適切な情報を届けることが必要なはず。そう考えたときに、 Marketoを使ってできることがたくさんあるのではないかと思いました」

Marketoの導入を決めた髭さんは、就活の進捗度や就活に対する熱量に応じて、学生を「インターンから継続組」「年明け前後から興味組」「3月からはじめた組」「4月と5月にはじめた組」「他業界内々定組」という5つのタイプに分けることからはじめました。

髭さん 「これらのタイプ別に、 NTTデータをもっとよく知ってもらうためのストーリーを組み立て、それぞれに最適な情報を届けていこうと考えています」

デジタルとアナログを駆使した採用マーケティングを

Marketoで情報発信をはじめて見えてきたことは、ほかにもあると言います。

NTTデータでは、夏のインターンシップを2018年から全面リニューアルしました。2017年まで「新規ビジネスを考える」というテーマで実施していたものから、髭さんと課長が4日間講師として入り、リアルなNTTデータの仕事を体験してもらったうえで、会社に入ってから求められることをフィードバックする形へと変えたのです。

髭さん 「学生からは 90%を超える満足の声が上がり、われわれとしても非常に手応えを感じていました。しかし後日、彼らに Marketoからメールを送ってみたところ、思ったほど反応率が良くなかったんですね。
われわれとしては、なんとなく『インターンシップの満足度が高ければ、うちにエントリーしてくれるだろう』という勝手な思い込みがあったのですが、実際はそうではなかったことがわかりました。
学生はほかの企業も受けていますから、当然ながら興味・関心は移り変わります。その現実を数字として突きつけられたことで、今後の施策の見直しに役立てられると考えています」

このように数字から気づきを得て、仮説を立て、チューニングをしていくというアプローチは、まさにマーケティングそのもの。採用マーケティングをはじめたことで、これまで知りえなかった「学生にどこまで情報が届いているのか」「学生にどのくらい情報が響いているのか」といったことが、視覚的にわかるようになったのです。

こうして“デジタル”を強化したからこそ、これからは“アナログ”も大事にするべきだと髭さんは言います。

髭さん 「ホームページ・ Webセミナー・ Twitterといったデジタル面で接点を持てている人を、インターン・説明会・ OB訪問といったアナログ面での接点に結びつける。あるいは逆に、オフラインで接点を持てている人との関係をオンラインで発展させる。
こうしてデジタルとアナログ、オンラインとオフラインを有機的に結合させることで、これまで以上に、候補者一人ひとりとのコミュニケーション、リレーションづくりを強化していきたいです」

「ITという業界のこともよくわからないまま就活をおこなっていた」という自身の経験を経て、髭さんがたどり着いた採用マーケティングの重要性。決して一方通行にならず業界や会社のことを知ってもらうところから、これからの採用ははじまるのではないでしょうか。


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