マルケトの“戦略人事”。エンゲージメントこそが、そのカギをにぎる

マルケトは米国に本社を構え、グローバル企業として組織体制やオペレーションなどの世界共通の仕組みを基盤にしています。しかし日本法人では、「タレントエンゲージメント」と名付けた採用・育成チームを特別に設置。独自の組織を立ち上げてまで、なぜ人事に力を入れるのか。千葉修司・小池渚の姿を通してお伝えします。

経営者と同じ目線で組織をつくる。それが、タレントエンゲージメント

▲タレントエンゲージメントの千葉修司と小池渚。マルケトの人事の中核を担う

当社の人事機能の根幹をなすのが、「タレントエンゲージメント」に属する千葉と小池。部署名の名付け親でもある彼らは、単なる採用や育成だけではなく、代表・福田康隆の想いを体現し、経営者の目線を大切に“社員とかかわる仕事”に広く携わっています。

自身の役目を「裏方の泥臭い仕事」と表現する千葉は、前職での経験を生かした育成プログラムを開発・運営しています。

千葉 「私の仕事は、営業企画と人事の2つの側面があります。
当初はSales Enablementとして営業社員の育成プログラムづくりや営業標準資料づくり、商談の進め方など営業組織の基盤づくりをするためにマルケトに参画しました。当時は営業も6名ほどしかいない状況の中、やるべき仕事がたくさんありました。
自分のミッションを『営業部門の生産性を高めること』だと考えると、新しいメンバーの立ち上がりの支援や業務オペレーションの設計だけでなく、採用そのものにもかかわることも多くなってきて。仕事を進めるうちに自然と人事全般を担当している形です。
結果的にそうなったこともあるのですが、私自身も立ち上げフェーズの会社で幅広い仕事をしたい気持ちがあって入社しました。誰も手が回っていない仕事を拾ったり、裏方として雑多なことをやらせてもらったり……(笑)。まさに望んでいた現場がそこにありました。
福田の言葉を借りると、社員には『キャパシティー』と『レバー』の役割があります。キャパシティーは量や規模を広げる役割で、レバーというのは組織全体にてこを働かせるような役割です。
2つの役割のバランスがあってこそ組織が成り立つと思うのですが、周囲の人にとって良いレバーになることに自分の価値を置きたいと考えています」

同じチームの中でも、採用をメインに担うのが小池。彼女も千葉と同じく、領域にとらわれない働きでチームに貢献するレバー人材の1人です。

小池 「私は採用を軸にしながら、組織づくり全体にかかわりたくてマルケトに入社しました。
業務内容で言えば、エージェントや社員から候補者を紹介していただき、面接をしてオファーを出して……と、外資系企業を中心に採用の仕事は多くの会社で近しい部分があると思います。また、入社までが採用担当の仕事だという会社も少なくないと感じています。
ですが、私は採用担当ができることはそれだけじゃないと思っていまして、その考えを仕事に反映させようと取り組んでいます。採用したメンバーが働きやすいと思える環境づくりをしたり、採用の先に必要な仕事にもかかわったり。
経営者や部門長がつくりたいチーム像や、今の状況に必要な人を自分で考えながら、裁量を持って組織づくりにかかわれることがマルケトならではだと感じています」

当社では唯一の採用担当である小池。1人で多くの仕事を担うことに対して負担や重圧などはないのでしょうか。

小池 「たとえば候補者を紹介してくれるマネージャーも、組織で採用しているという意識を持っています。紹介がどうやったら増えるかなど、一緒になって考えてくれるメンバーが多く、助けられています。
単にスキルのある人を見つけてくるだけではなく、本質的な採用活動ができる環境ですし、本来やりたかった『経営により良い影響を与えられる組織づくり』ができるという点でも負担とは対極にあるような気がします」

千葉と同じく、マルケトのレバー人材として経営目線での採用活動を推進する小池。

2人は縦割りで採用や育成といった業務をこなすだけでなく、あえて互いの担当領域を広げ、境界線を設けないことで、会社の成長をドライブさせる原動力になろうとしています。

本国の反対を押し切って人事担当者を配置ーー福田の採用に対する想い

▲小池は“組織づくり”にかかわりたいと感じ、マルケトに入社。社内のトライアスロン部では、部長を務める

一方で、千葉や小池のようなコーポレートスタッフを会社の立ち上げフェーズで採用することに対して、米国本社からは異論もありました。より「キャパシティー」人材を増やす時期ではないかと。

しかし、彼らを採用した福田には採用や組織づくりへの強い信念があり、この役割を成長のドライバーに位置づけることにしたのです。

そんな福田の採用への想いを表すエピソードを、小池は次のように振り返ります。

小池 「マルケトは応募から入社が決まるまでの確率が高いとは言えません。しかし、これは候補者のスキルや経験が理由ではありません。福田がもっとも重要視している価値基準がいくつかあり、これに合致するかどうかが決め手になっています。
まずは、謙虚であること。
実際にあった話ですが『今の会社で、営業目標を2、3年続けて200%以上達成している』という方を採用しようとしたところ、福田が首を縦に振らなかったんです。理由を聞くと『目標の達成率ではなく、私たちが一緒に働きたいのは、“お客さま目線”の提案ができる人材だ』と。
一方で、単に謙虚なだけではなく、自信があることも重要です。社内では『Confident yet Humble』 という言葉を使っているのですが、自分の中に確固たる軸があって、その上で『まだまだ成長できるはず』という謙虚さを持っている人が理想です。
ほかにも、お客さまの成功を一緒に考えられる顧客視点や、常に成長していくための向上心など。やはりスキルもさることながら、人間性や価値観重視だと言えるかもしれません」

このような採用が進められているのは、小池が福田の方針に共感しているからこそ。小池は自身の体験からカルチャーの重要性を感じています。

小池 「私はずっと外資系のキャリアを歩んできたのですが、会社のバリューや価値基準は、グローバル本社が主体となって決める印象がありました。
グローバル共通の価値観ではたらく意味もあるのかもしれませんが、本国にいない社員にとって自分ごとになりにくいな、と私自身は感じていたんです。
しかし、マルケトでは福田は日本法人としての価値観をきちんと提示していて、私たちもそれをもとに組織づくりをしています。
企業のカルチャーは大事だというものの、なかなか本気で浸透させるための取り組みに手が回っていなかったり、それによって組織運営が円滑に進まないこともあったりすると聞きます。
本気でカルチャーをつくるためには、経営者や会社の方針が最初にあって、それにもとづいた採用をしていくものだと考えているので、福田の採用方針にとても助けられています」

福田の理想像に、小池は自身の経験を重ね合わせられるからこそ、マルケトの採用基準が確立されています。採用の厳しさについては、千葉も同じく福田のエピソードを持ち出します。

千葉 「福田が期末などの節目に社員へメールをしたためることがあるのですが、あるときのメッセージがいまだに忘れられなくて。
『現状、人が足りているとは言いがたいけれど、マルケトは絶対にAプレイヤーしか採りません』と書いてあったんです。『彼らは素晴らしい人材同士ではたらく楽しさ、やりがい、高揚感を知っている。だからこそ、新たなAプレイヤーを呼び込んでくれる。そのときに会社は雪だるま式に成長するはず』と言うんですね。
私たちの考えるAプレイヤーは、小池が先ほど挙げたような価値観のある人です。前の会社で1番でした!というような優秀な方だとしても、価値観がフィットしないと1+1が2より大きくはなりません。
一時的な人手不足を理由に採用に妥協せず、本質的に会社に必要な人を採用していくことの意味を、私たちもあらためて理解する機会になりました」

採用候補者と組織の価値観を見極めながら、いかに組織を拡大するか。福田の想いを共有する2人だからこそ、基準をぶらさずそのミッションにまい進している姿がうかがえます。

会社と社員が相互にかかわり合う、マルケト流エンゲージメント

▲「泥臭く汗にまみれるのが好き」と語る千葉。休日はお米のブランディングを通して、農業と地方の魅力を伝えている

数ある価値観の中でも、私たちがもっとも大切にしているのは、お客さまだけでなく、社内やお客さま同士など、すべてにおいて「エンゲージメント」を追求すること。「採用においても、候補者とのエンゲージメントが重要」だと千葉と小池は口をそろえます。

千葉 「当社のコアコンセプトは『エンゲージメント』です。これは当社のソリューション『Marketo』やお客さまだけにとどまりません。
お客さまのお客さま、パートナー企業、ひいては社員やその家族まで。かかわる人すべてに対してエンゲージメントを生み出すことをめざしています。それも一方向のかかわりではなくて、1対1や双方向の関係性が長期的に続いている状態を理想としています。
その中でも、お客さまにサービスを提供する社員とのエンゲージメントは、会社にとっても核となる要素だと思います」
小池 「営業職の採用であれば、内定前の段階でも千葉に相談して、営業企画の目線で候補者と会ってもらっています。
営業職としての価値観、マルケトの営業の進め方へのフィット感、どのようなキャリアパスが描けそうかなど、育成視点でフィードバックをもらうことを意識していますね。
たとえば、私がこれまでの経験やスキル的にはマルケトの仕事とはギャップがあると判断した場合でも、今後すぐにキャッチアップできる方だから採用を進めようという話になるなど、短期的な視点にとらわれない採用ができていると感じています」

育成・採用がこのように連携するスタイルを、千葉はプロスポーツチームにも近いと話します。

千葉 「スポーツチームはスカウト担当、育成担当がいて、さらに言うとゼネラルマネージャーや監督がいて。それぞれの視点で選手を評価・育成・活用しますよね。
同じポジションの中で若手とベテランのバランスを見たり、プロ意識やキャラクターを兼ね合わせて見たりと、大切なことはビジネスにも通ずる部分があると思います。
その意味では、分業というよりもそれぞれの視点をかけ合わせて候補者一人ひとりの人生を考えた採用をするように意識しています。福田や部門長もそれを何より大事にしていると感じます。
『この方(候補者)はマルケト(という環境)でもっと成長してもらえるかな、いいキャリアを積めるかな、幸せになれるかな』という会話が本当に多いんです」

自分が影響を与えられているーーそう感じられることが、働きがいにつながる

▲2018年夏には、社員の家族を招待する「ファミリーデイ」を開催。社員がみずから企画をした。こうした自発的な取り組みが行なわれている

当社はGreat Place to Work® Institute Japanが発表した、日本における「働きがいのある会社」ランキングで、2年連続ベストカンパニーを受賞しています。(2017〜2018年。従業員25〜99人の「小規模部門」)

その裏には、社員と会社、社員同士のエンゲージメントの醸成がありました。

千葉 「人事もマーケティングも、経営そのものだと思っています。組織の理想像・ゴールを描いて、一緒に働きたいと思える仲間を増やして、動機づけをして……と、人事の仕事はマネジメントの仕事ですよね。
でも、企業が成長し役割を細分化しすぎてしまうと、人事の世界では採用人数だけを追いがちな採用部門、研修の実施数やアンケート結果だけにこだわりがちな人材開発部門、ビジネスの仕組みや現場のことを理解せずに懸命に仕組みだけを回しがちな評価・報酬部門など、ぶつ切りになってしまうことも少なくないと感じます」

マーケティングでたとえると、部門を横断してひとりのお客さまに向き合えていない状況と似ていると、千葉は言います。

千葉 「お客さまのデータが、認知、見込み顧客獲得、育成、契約、受注後のフォローアップというステージで部門別に分かれてしまったり、ウェブ、メール、対面などのコミュニケーションチャネルによって分断されてしまったりと、ひとりのお客さまのことを正しく理解できない状態になってしまう。
それぞれ、自分が見えている範囲で会話をしてしまい、お客さまにとって心地良い顧客体験を提供できない。そうした状況ですね。マーケティングだけじゃなく、人事でも一人ひとりのキャリアに全方位で寄り添うことが重要だと思っています。
こうした人事や組織運営を実現するために、当たり前のことを当たり前にやりたいと思っています。それは決して簡単なことではないことも理解しています。
奇をてらうのではなく、社員一人ひとりの人生と向き合って、採用・育成・評価・報酬……にかかわる、マルケトでのキャリアを意義あるものにしていただくことが目標です。そのためには会社がしっかり成長し続け、魅力的な存在であり続けることも不可欠ですよね。
そうして社員と会社がエンゲージメントしていくのかなと考えています。言うまでもなく、これらは人事だけがやることではありません。経営、マネージャー、同僚、家族、さらにはお客さま、みんなのかかわり合いの帰結としてゆっくりとじっくりとエンゲージメントは醸成されると考えています」

こうした視点で社員一人ひとりに向き合うからこそ、マルケトでは社員から会社に対するエンゲージメントにも良いきざしが見えはじめています。

小池 「働きがいや社員のエンゲージメントは、噛み砕くと『自分が会社に影響を与えることができている、かかわれている』と思えるかどうかだと思います。そのために、自主性を大事にする環境づくりには気をつかっており、あえてルール化していない部分もあります。
自立している人を採用しても、ルールや制度のせいで自主的に動けない状況にはしたくないんです。
こうしたこともあって、アイデアが自主的に生まれる土壌があります。たとえば社員全員が見られるSlackのチャンネル『Japan_Kiduki(気づき)』には、日々いろいろな意見が寄せられます。
その中からオフィスの壁の色が変わったりとか、夏休みに子どもや家族をオフィスに招待するイベントを企画したりとか、一般的には人事や総務担当がやるようなことも営業やコンサルタントが自主的にチームをつくって進めていくんです。
自主性の中で、存在感を感じられることが、エンゲージメントや働きがいにもつながるのだと実感しています」

単なるトップダウンではなく、千葉・小池が福田のビジョンに共感し、共鳴するからこそ、自主性やエンゲージメントの生まれる組織が形になりはじめています。

マルケトでは2018年末に社員100名を超えるフェーズに突入する中、さらなる組織拡大にむけて、エンゲージメントエコノミーの一端を担う仲間を待っています。

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