他責をやめ、自責で考えることで開けた営業の道

圧倒的な営業力を武器に、次々と契約を取る大久保。これまでのキャリアで磨いてきた営業スキルが、アドビで遺憾なく発揮されています。

しかし、大学を卒業してからずっと営業の道を突き進んできたわけではありません。大学卒業後数年間は音楽活動をメインとしながら、生活のためにIT系の仕事をしていました。

30歳を過ぎたころから音楽は趣味でやろうと決め、IT系メーカーの営業として正社員に。ここから、大久保の営業人生は幕を開けます。

初めて正社員となった1社目では、中途採用の大久保を新卒社員のように指導してくれる上司と出会いました。厳しい上司のもとで、未経験の営業に奮闘する毎日。しかし、1年ほど営業成績が上がらず、「俺はこんなことをやるために音楽を辞めたんじゃない」とふてくされていた時期もありました。

しかし、一度立ち止まり振り返ってみたときに、自分が何も残せていないことに気づいたのです。

大久保 「中途で入ったから新卒社員よりも年上ですし、販売するソリューションを入社前から使っていて知見もあったので、くだらないプライドを持っていました。全然お客様の話を聞けていなかったと反省し、仕事の姿勢を根本から変えることにしたんです」

大久保が意識したのは、他責をやめて自責で考えることでした。

大久保 「人のせいにしないと決め、まず自分に原因がないかを確認するようにしました。自分は本当にやるべきことをやりきっているのだろうかと考え、今日やるべきことは今日やる。そう意識するようになってからは、急激に変わったと思います」

そして徐々に売上を伸ばし始めた大久保に、当時の上司は営業の心構えを教えてくれました。

大久保 「『営業の仕事は、会社に1円でも多くお金を持ってくることだ』と口酸っぱくいわれました。99%の達成率ではいけない、100%達成してこそ営業なんだ、と。厳しい上司から学んだ数字への執着や泥くささは、今でもずっと大切にしています」

数字にこだわり、お客様のもとへ足しげく通いコミュニケーションを常に顧客目線で考えることを徹底。それがお客様の安心にもつながり、大久保は順調に売上を伸ばしていきました。

メーカーに必要なのは、製品への愛情──パートナーの立場からも営業を学ぶ

その後、営業をするなかでデジタルマーケティングと出会い、興味を持った大久保。デジタルマーケティングに携わるため転職を決意しますが、そのときに重視したのがエンドユーザーとの距離感でした。

大久保 「1社目はパートナービジネスを行うメーカーだったので、エンドユーザーさんとのあいだにはパートナー企業がいました。そのため次はパートナーの立場になり、もう少しお客様に近いところで仕事をしてみたいと考えたんです」

転職先を代理店にしようと決めて転職活動をした大久保は、複数の企業から内定をもらいました。そして結果的に、SBテクノロジーへ転職。晴れてデジタルマーケティングに携わることになりました。

そこで主に扱っていたのが、Site Catalyst(現在のAdobe Analytics)をはじめとするアドビ製品だったのです。デジタルマーケティングのツールなど新たなナレッジを蓄えていき、これまで培ってきた営業スキルを生かしながら、売上を達成していきました。

1社目で大久保は、上司から「お客様がふたりいると思え」とアドバイスを受けていました。これは、エンドユーザーとパートナーが存在するためです。1社目でパートナービジネスを行うメーカーにいたからこそ、SBテクノロジーで自身がパートナーの立場になったとき、うまく立ち回ることができたと振り返ります。

大久保 「エンドユーザーがその製品をほしいと言っても、実際にユーザーさん相手に営業するパートナーさんがその月の売上を達成していれば、売らずに来期に回したいと思いますよね。でも、メーカーとしてはなるべく売りたいわけです。
同じシチュエーションで自分の立場がメーカー側からパートナー側に変わったことで、自分の売上だけでなく、メーカーさんとの関係性を考えて動くようにしました。たとえばアドビの営業の◯◯さんのためならという形で、人間関係を構築しながら営業をしていましたね」

さらに大久保は、メーカーにとって製品愛は絶対に必要だと学びました。それは、アドビの営業担当者とともに仕事をするなかでひしひしと伝わってきたものです。

大久保 「僕が1社目のメーカーにいたとき、はたしてそうだったか自信がなくなってしまうくらい、アドビの社員さんはみんな製品愛をすごく持っていました。ブランドを愛せないと、メーカーで働くのは大変ですよね。アドビの製品に対する愛情は、一緒に仕事をしている方からすごく伝わりました」

製品愛の強さにほれ込んだアドビで、チームをリードできる営業を目指す

SBテクノロジーでもどんどん売上を伸ばしていった大久保は、順調に役職を上げていきました。30歳を目前に正社員となり、営業で結果を出して35歳で営業マネージャーに。驚異的なスピードでの出世を名誉だと思いつつも、大久保は葛藤していました。

大久保 「今後どんどん上役になっていくと考えたときに、もっと身につけるべきスキルがあるんじゃないかと考えたんです。正直なところ、もうちょっと現場仕事をやりたいと思っていました。
もう1回メーカーにチャレンジしようかなという気持ちが芽生えたので、転職しようと考えたんです」

営業スキルを買われた大久保は、複数の企業からオファーを獲得。しかし、最終的な転職先に選んだのは、社員が製品に愛情を持ちながら働くさまを間近で見てきたアドビでした。これまでアドビ製品を売り倒してきたこともあり、歓迎されてアドビへ入社しましたが、実は不安もありました。

大久保 「今までアドビ製品をたくさん売ってきたとはいえ、会社が変わればやり方も変わります。SBテクノロジーでやっていた売り方をアドビでやって、必ずしも売れるとは限りません。期待に応えられずいきなりクビになったらどうしようと、おどおどしながら入社した記憶がありますね」

しかし、これまでの経験を生かし、大久保はすぐに売上を上げていきました。そして外から見るだけでは気づかなかった、アドビの明確な役割分担に驚かされます。

大久保 「これまで僕は営業として、書類をつくって提案して契約するというすべてを自分でやっていました。でもアドビでは、営業は営業に専念する方針なんです。
ディールデスクやマーケティングなど、役割に特化した専門の部隊がいる。製品を売ってサポートする体制が、きちんと整っていると感じましたね」

一人ひとりが役割におけるプロだからこそ、チームとして良い仕事ができる。大久保はチームワークを重視しながらも、きちんとリードできる営業が求められていると感じています。

大久保 「チームメンバーが良い仕事をできているか、営業の意思が行き届いているか。そこに気づける営業は、きちんと売上を上げられるんだと思います。
内部の信頼関係は、外部からも見えるものです。仲間たちとの信頼関係を重視することも、営業に必要なポイントだと思いますね」

クリエイティビティを重視し、合わせ技の提案をしていく

Adobe Creative Cloudをはじめとするクリエイティブな製品を扱うアドビだからこそ、営業にもクリエイティビティが必要。大久保はそう考えていますが、入社当初からデジタルマーケティングとCreative Cloudは距離が遠いと感じていました。

そこで、ビジネスアイデアを具現化したりCreative Cloudに携わる社員とコミュニケーションを取ったりするように。サービス間の距離を縮めつつ、合わせ技の提案ができるよう工夫しています。

大久保 「たとえば通販事業を展開する企業には、潜在的な課題を顕在化し、製品化するためにAdobe XDを使って具現化するという提案を行いました。
Creative Cloudを提供する際にデジタルマーケティングの提案ができれば、企業課題を深いところまで聞けるはずです。だからこそ両方を組み合わせた提案ができないかと、日頃から考えていますね」

デジタルマーケティングとCreative Cloudのように担当が異なっても、社員のアドビ製品に対する愛情は強いと大久保は感じています。それと同時に、愛情だけで営業は務まらないというのが大久保の考えです。

大久保 「今は日本のデジタルマーケティング市場も成熟してきて、現場で成果を上げてきた人たちがCMOなど責任ある立場になっています。そんな知見ある責任者たちはアドビに対し、自分たち以上の知見を持って提案してくれると期待しています。
この期待値を超えなければならないため、ハードルは高いと思いますね」

しかし、アドビにも専門の部隊が増えているので、プロたちがチームを組んでハードルを超えることができます。営業はチームに効果的な提案をして率いるために、OJTを通してベースナレッジを蓄えることが必要です。

とはいえ、ナレッジは場数を踏むことで身についていくもの。大久保はどちらかというと、営業力を重視しています。

大久保 「営業において重要なのは数字に対する執着と、カスタマーフェイシングするマインドだと考えています。これらを念頭に置きながら、人の倍のスピードで仕事をするようにしています。
心がけているのは、段取り力と巻き込み力、そしてスピードです。いずれも特別なテクニックではありませんが、意識し続けることが大切だと思いますね」

泥くさく行動する自身のベースを貫きながら、アドビならではのクリエイティビティを生かす営業を日々実践している大久保。

これからも、クリエイティブな提案をお客様にお届けしながら、チームを引っ張っていきます。