たかが洗剤……?されど洗剤!40年の実績と信頼、父から娘へのバトン

株式会社MERUが手がける環境と人に優しいワックスクリーナー「TOMIE(トミエ)」。40年間ノートラブル・ノークレームの業務用ワックスクリーナーを、代表の南さゆりが父から引き継ぎ、初めて一般のお客様向けに展開しました。そこには南だけでなく、南の父や未来の子どもたちへ向けた、様々な想いが詰まっています。
  • eight

原点は洗浄力抜群の業務用洗剤。職人気質な父が一社一社訪問販売していた

Fa721b538467fa08ae92304cb2b122ea838e5068
▲MERUの代表・南さゆり

南さゆりが代表を務めるMERUが手がけるお掃除ワックスクリーナー「TOMIE」の原点。それは今からさかのぼること約40年前(※2018年現在)。新潟に拠点を構えていた会社が製造・開発を行なっており、当時南の父はそこでイチ社員として働いていました。

南 「父が販売していた業務用ワックスクリーナーは、幅広い用途と高い洗浄力を誇っており、この特徴を活かし業務用として企業様向けに展開していました。しかし突如、その会社の代表が病に倒れ、会社が窮地に陥ったときに立ち上がったのが私の父でした」

父は個人事業主という形で会社を引き継ぎ、事業内容もそのままに、これまで通り企業様向けに業務用ワックスクリーナーの販売を続けました。販売にあたって、父が掲げたモットーは「顔の見えない人には売らない!」ということ。

当時はまだインターネットが普及していなかった時代。企業のホームページはもちろん、通販サイトというものも存在しませんでした。そんな中、信頼を何よりも大事にしていた父は新潟と宮城の営業所のみで訪問販売を展開。顔の見える相手と確かな信頼を築きながら、順調に売り上げを伸ばしているかのように見えたのです……。

会社の後継ぎを一度は断ったが……南の心を動かしたものとは

6b1693cf413e49944ff9f40f227ace757185bcb0
▲南の父

またしても会社存続の危機が訪れます。原因はインターネットが普及しはじめ、モノを売る方法が大きく変わろうとしている中、父は販売方法を一切変えませんでした。

南 「今思えば、父なりに貫いたものがあったのでしょう。また職人気質だったので、変えなかったのではなく変えられなかったのかもしれません ……」

以前、子育てに追われていた南は一度会社の後継ぎを断っています。けれどそんな不器用な父の姿をそばで見守るうちに、なんとかしてこの会社をまた生き返らせたい……!このとき南の中で責任感のようなものが生まれはじめました。

思えば、子どもの頃からいつも南のそばにはクリーナーがありました。クリーナーを「こんなことに使った!」というエピソードがあります。

南 「小学生の頃、手にカメムシが止まってしまい、あの独特なにおいが付いてしまいました。けれど、父がずっと持ち歩いていたクリーナーでサッと拭き取ってくれました。汚れが落ちることは知っていましたが、においも消えるの!?と子どもながらに感動した記憶があります(笑)」

ささやかな感動ですが、子どもだった南にとってはとても印象に残る出来事でした。子どもの頃から父とともに使い続けてきた中で、ちいさな発見や感動を誰よりも体験したのは自分であるという自負だけはありました。

南 「こんなに素晴らしい商品を、もっとたくさんのお客様にお届けしたい。そのために私になにかできることがあるのではないのだろうか……?と、クリーナーに対する想いもさらに強くなっていきました」

そして最後に南の背中を押してくれたのは、クリーナーを使い続けて下さっているお客様からの声でした。「会社なくなるんですか!?私にとっては魔法のクリーナーです!」「これがないと絶対ダメです!」と、お電話やお手紙を下さる方までいらっしゃいました。

日本を守る防衛省をはじめとし、子どもたちを育む幼稚園・小学校、そのほかにも美容室や中古車販売店など、購入して下さる団体や業種が多岐に渡っていること。しかも何十年も継続して使ってくれているという事実を知り、このクリーナーの必要性を実感しました。

TOMIEを本当に必要とするお客様へ、確実にお届けするために

B27159cf05b65a2e01fd472ffec480aa6e2f65d5
▲TOMIE は業務用洗剤の洗浄力を保ちつつ、天然成分にもこだわっている

できるだけ多くの方にこの商品を一度は試していただきたい!そう考えたとき、業務用だけでなく一般のお客様向けに展開することは南にとっては必須でした。

しかし、「顔の見える人にしか売らない!」という考えの父と、「できるだけ多くの方にこの商品を手に取っていただき、なによりもまずこの素晴らしさを実感してほしい!」という考えの南。後を継ぐにあたり、何度も衝突することもありましたが南は説得を諦めませんでした。

顔の見えないお客様に販売することを断固として反対していた父も、ついに南の強い想いに折れ「まぁ、好きにやってみればいい……」と許可を出してくれたのです。

ただし、ひとつだけ父からの条件がありました。それは別の会社として展開すること。イチから会社を設立することの責任と大変さを実感してほしい、そんな厳しい親心からでした。

こうして南はMERUを創業。お掃除ワックスクリーナーをまだ知らないお客様へお届けするための挑戦がはじまりました。とは言え、南にとっては初めての会社経営。それどころか、結婚を機に仕事を辞めており、何年もブランクがありました。右も左もわからない中、まずは自分ができることを一つひとつやってみようと、がむしゃらに走り出しました。

南 「洗剤ですから汚れを落とすのは当たり前です。高い洗浄力、それは父の代で証明済みです。それを私が引き継ぐのだから、お客様にとってさらにより良いものにしなければならない。父が成し遂げた 40年間ノークレーム・ノーリターンは本当にすごいことですが、それを恐れずに挑戦し続けなければブラッシュアップは見込めない」

まず南は一般のお客様への展開へ向けて、従来のお掃除ワックスクリーナーに改良を加えます。業務用の洗浄力を保ちつつ、さらにナチュラルを意識して天然成分にこだわりました。界面活性剤も2.5%におさえ、医療や化粧品などで使用されるグレードの高い人体と生態系に影響があらわれないとされるものを選んでいます。もちろん、合成香料・着色料・保存料は一切不使用。細かな部分まで一つひとつ、南は納得するまで職人と話し合いながら何度も試行錯誤を繰り返しました。

TOMIEは日本でつくられています。自然豊かな埼玉県飯能市にある工場で一つひとつ丁寧に製造しています。長年の経験を積んできた職人の手作業による繊細な仕事が不可欠です。直径1mの大きな釜で、48時間かけて加熱、撹拌。0.5℃の温度差にも気を配ります。

なぜなら、季節・温度・湿度による微妙な変化でさえ、仕上がりに大きな影響を及ぼすからです。工場で働く職人一人ひとりが、TOMIEの品質そのものといっても過言ではありません。それだけ、彼らの手には長年のTOMIEに関する記録と技術が蓄積されているのです。

それでも営業先では「消費者には手づくりのこだわり洗剤なんて響かないんだよ!」「南さん、いいですか?今は良いものが売れる時代ではない!売れるものが良いものなんです!」と厳しいお言葉をいただいたこともあります。

それでも南の中には疑問が残り続けました。「本当にそうなのだろうか……?」と。

安心と機能のベストミックス(天然成分×洗浄成分)何事もバランス

376851b980a3c91f6a9d7bcbd85768ada6e1ee61
▲事業を開始して約2年で購買数は25倍になった

TOMIEの考えるベストミックス、それは天然成分×洗浄成分のバランスです。天然原料をベースにつくられていますが、自然由来成分100%ではありません。天然原料が必ずしも安心とは限りません。

私たちは安心・安全を大切にしつつ、しっかり汚れも落とさなければ意味がないとも考えています。さらに、汚れを落とすことに時間と力がかかりすぎることもアンバランスだと思っています。掃除は生活に欠かせないものですが、どうせ毎日行なうのなら、義務感ではなく楽しさや爽快さを感じられるものであってほしい。そんな想いを胸に、わたしたちは製品づくりを続けています。

ついに完成したTOMIEは、2016年3月にAmazonで販売を開始。

事業を開始して約2年が経った現在、購買数は25倍(※昨対比)、新規40%が口コミによるお問い合わせです。今は雑誌・通販カタログ・ECサイト・各ショップ、催事やイベントにもお声がけをいただくようになりました。徐々にTOMIEの品質を認めてもらえるようになり、おかげさまで少しずつですがファンの方も増えました。

その中で対面販売をさせていただく機会も増え、父が大切にしていた顔の見えるお客様とのつながりの重要性を、まさに身をもって実感することがあります。引き継いだのはクリーナーだけでなく、父の仕事に対する想いや姿勢だったのだと気付きました。

さらに南は海の向こうにも目を向けています。なぜなら洗剤に国境はないからです。たとえば水を必要としないTOMIEの特徴を活かし、この洗剤という名のささやかな感動をお届けするために、まだまだ挑戦し続けたいと考えます。そして洗剤という立場から人々の長期的な健康をサポートし続けること、この洗剤を通して社会に貢献することが南の大きな目標のひとつでもあるからなのです。

関連ストーリー

注目ストーリー