参加条件は、「Happyな人」。1年で200人以上がつながる“幸せの輪”

株式会社ミライフ代表の佐藤雄佑には、2015年8月から毎月必ずお酒を飲む同志がいます。寺田倉庫株式会社に勤務する畑敬子さんです。2人は3カ月に1度「happin schlue(ハッピンシューレ)」という完全招待制のイベントを開催。Happyな人たちをつなげるという、この会の全貌に迫ります。
  • eight

Happyがhappenするhappin schlueが生まれるまで

Bb245ca38da64daf6147205eec66f1e047e99a42
▲happin schlueの企画会議のホワイドボード。佐藤と畑さんでアイデアを出し合った

2人が出会ったのは2008年。当時、佐藤はリクルートエージェント(現 リクルートキャリア)の営業マネージャー、畑さんは当時、Soup Stock Tokyoなどを展開する株式会社スマイルズで人事部長を務めていました。佐藤のグループメンバーがスマイルズを担当していたため、初対面の場はクライアントとエージェントという関係でした。

2010年、社内異動で人事マネージャーになっていた佐藤は、共通の友人主催のイベントで畑さんと再会。人事同士として飲みに行くようになった2人は、その後、畑さんが寺田倉庫に転職したところから、毎月1回必ず「定例会」として飲みに行くようになります。

畑さん 「定例会のキッカケは、寺田倉庫の会長と社長が親友で、約40年間、毎月1回必ず同じ店ですき焼きを食べていたエピソード。雄佑さんに話したところ、どちらかが死ぬまで毎月飲もうということになったんです」

定例会をはじめてから約3年。月1回以上酒を必ず飲みに行き、家族ぐるみでもご一緒する仲になりました。なぜここまで仲良くなったかというと、人事に対する考え方や、社員に対する愛情のかけ方が似ているからだと佐藤は語ります。

佐藤 「畑さんを指すときに『愛情と戦略の人事』と呼んでいますが、とにかく自ら、社員全員と面談して、一人ひとりのコンディションや温度感を把握している。人事役員でそこまでやる人はなかなかいません」

佐藤もリクルートの人事を担当していた頃は、全国の支社を周り、多くの社員と面談してきました。現場任せにしてオペレーションだけをやるのではなく、社員一人ひとりと向き合う姿勢は2人の共通点です。

定例会を重ねるうちに、「何か一緒にやりたい、おもしろいことをやろう」と話すようになった2人は、「自分たちの大好きなHappyな人たちをつなげたらおもしろいよね」と、イベントを企画。これが「happin schlue」となります。

2017年1月、2人は寺田倉庫の会議室で会の名前を考えました。

happinは「happyがhappen(起こる)」という造語。schlue(シューレ)はドイツ語で「学ぶ」という意味です。

畑さん 「happin schlueに来るのは、みんな幸せオーラのある人たち。壮大な夢ではありますが、人数が増えていくことで、日本がもっと明るく楽しくなるんじゃないかなと思っているんです。数回やってみて、その手応えはあるんですよ」

「Happyな人たちをつなげるイベント」=happin schlue。具体的にどんな会なのでしょうか。

幸せな人と幸せな人をつなげまくったら、楽しすぎた!

Ae0dd55fb111fdc2176331399b4a27001714b1c7
▲2017年2月にhappin schlueがはじまった

1回目のhappin schlueは、2017年2月16日に開催。佐藤がたまたま本を出版したタイミングだったため、出版記念のような会になりました。

2回目、4回目は参加者の何人かに、自分なりの「幸せに生きる・働く」ことについて語ってもらう会を実施。happinにかけて「8分間」のトークです。「参加者自身がコンテンツ」というコンセプトは、このときに生まれました。

3回目、5回目はもう少し大規模にやってみようということで、慶應義塾大学大学院の前野隆司教授、Jリーグチェアマンの村井満さんといった大物ゲストを呼び、末広がり& happinにかけて、参加者88人で開催しました。

happin schlueには2パターンあり、1つは『STOCK』という寺田倉庫のシェアオフィスで開催する定員40人の小規模開催のもの。これは参加者の数名が前に出てきて話すというスタイルです。もう1つは年に2回行なう定員88人の大規模なもの。

佐藤 「最初は『とにかく幸せな人をつなげよう』からはじめたんですが、初回がとにかく楽しすぎて仕方なかったんです。結果的に1年続けられて、型もできてきました」

集まる人たちは、異業種・異職種・異世代の人たち。最初は血液型や兄妹構成などでグループ分けして、交流のキッカケをつくっていましたが、そうしなくても盛り上がるようになってきたため、「なるべく知らない人と話してみてね」程度の案内しかしていません。

会の参加者には、佐藤と畑さんによる手づくりの名簿が配られます。これは、それぞれが招待した人たちを2人が他己紹介しているもの。

畑さん 「名簿をつくるのは大変だけど、すごく喜んでもらえます。名刺交換だけでなく、家に帰った後も『この人はこういう人だったんだ』ってわかるから」

実際、参加者同士でビジネスの話が進んだり、とても仲良くなったりと、さまざまなことが2人の知らないところでも生まれており、「それがすごく嬉しい」と畑さんは嬉しそうです。

私利私欲がないから楽しい! 参加者から毎回熱狂的な感想が届く

2d3e9c55ec5f6f74c55a707887b4a7e825113928
▲ 2017年8月8日に88人を集め、happin schlueを開催した

happin schlueは、完全招待制なことに加え、「招待できるのは主宰の2人のみ」というルールがあります。

佐藤 「たとえば僕がリクルートの人ばかり呼んでも仕方ないので、所属がかぶらないように誘っています。医者やベンチャーの社長、大企業の若手など、バラエティに富んだ人たちが集まって盛り上がるんです」

「幸せな人同士をつなげる」というコンセプトの中で、明るく・楽しく・ゴキゲンな人を呼ぶ。会の参加者からは、毎回熱狂的な感想が届くといいます。

畑さん 「パーティーが苦手な友人を呼んだんですが、前日まで何度も『僕、大丈夫ですかね?』ってLINEしてきていたのに、参加した後にすごく楽しかったと大喜びしてくれたんですよ。彼にhappin schlueの何が楽しいのか聞いてみたら、『私利私欲がないから』と言ってくれました。やっていて良かったなと思いましたね」

初めて参加する人は、happin schlueが何なのかよくわからないまま「雄佑さんに誘われたから」と来るので、会に対する期待値は低いのだと佐藤は語ります。

参加するまでは期待値が低くても、フタをあけてみるとHappyな人ばかりなので、誰と話しても刺激があり、話は弾みます。さらに幹事2人が、普段は会えないような知名度のある企業の社長や役員、異業界のトッププレイヤー、本を出版している方など、“すごい人”にどんどんつなげていくため、「こんな会は他にない」「呼んでくれてありがとう」「人生が豊かになった」と熱狂的な感想を送ってくれるのです。

佐藤「僕らは人と人をつなげるのに必死。毎回、座るヒマもなく終わります(笑)。終わった後は魂が抜けるくらい脱力するんですが、いい疲労感なんですよね」

WEBでイベント告知などせず、2人がコツコツとおもしろい人を誘い続けているからこそ、この熱狂・高揚感がキープできているのだといえます。

「weak ties(弱いつながり)」が人生を豊かにする

943310e76d33c73c99de1b5d120a7ef0e7f68ccd
▲2人がつなぐ、Happyな人たち。参加者からは「happin schlueは何があってもやめないでほしい」という声も

happin schlueはビジネスではなく、あくまで佐藤と畑さんのユニットでありプロジェクトです。大きくしたい、有名になりたいということはまったくなく、できる範囲でコツコツ続けていきたいと2人は語ります。

佐藤 「会社の異なる気が合う人たちが、こうしてゆるくつながっているのは幸せだし、ありがたい。早稲田大学ビジネススクール准教授の入山章栄先生が『weak ties(弱いつながり)』について、よく語ってらっしゃいますが、まさにhappin schlueがそうだと思うんです」

「強いつながり」とは、接触回数が多い、一緒にいる時間が長い、情報交換の頻度が多い、心理的に近い、血縁関係にある、といったような関係を指し、その逆が「弱いつながり」になります。つながりの強いネットワークでは、いろいろな人から同じ情報を得ることになりますが、逆につながりが弱ければ、多様な情報を効率良く入手できることになるのです。

イノベーションは既存の知と知の組み合わせで起こるため、多様な情報が得られるほうがイノベーティブな人材になれる、つまりhappin schlueのような利害関係のないゆるいつながりは今後ますます大事になっていくと2人は考えています。

畑さん 「この会は、やめたくなったらやめればいいと思っていましたが、先日ある参加者に『happin schlueだけはやめちゃダメですよ』って言われたんです。なぜなら、もう2人だけのものではなく、みんなのものになっているから、って。じゃあ、“やめないこと”だけは決めようと2人で話しました」

イベントなんて世の中にいくらでもあります。でも、1年続いただけでも、そんな風に言ってくれる人が現れました。これを3年、5年と続けていって、参加者が延べ500人になったら、ゴキゲンな500人がつながっていることになります。

佐藤と畑さんは同じ会社に所属しているわけではありませんが、今後は2人でhappin schlueというユニットとして仕事をするようなことができればと考えています。

佐藤 「happin schlueでつながったみんなが、プロジェクトベースで仕事が生まれたらおもしろいなって思うんですよね。僕と畑さんの2人だけでなく、参加者の誰かと畑さんが組んでもいいし。そんな新しい仕事の仕方ができたらいいなと考えているところです」

happin schlueは参加者の未来を、人の縁で豊かにしています。もともと2人は「周りの人が喜ぶことが、自分にとっての喜び」というタイプ。happin schlueを通じて1年で200人以上の人をつないできました。

佐藤はプライベートでも誰かの未来がHappyになるよう活動をしています。自らを「おせっかいオジサン」と呼ぶ佐藤は、人と人との出会いが人生を変えると本当に信じているからこそ、これからも“おせっかい”に人と人をつなげ、その人の未来を応援し続けます。

関連ストーリー

注目ストーリー