「もしも未来が?」――ミライフの隠れ家オフィスができるまで

ミライフ代表の佐藤雄佑は、創業からずっと自宅オフィスと渋谷ヒカリエのコワーキングスペースを併用しながら、場所にとらわれずに仕事をしてきました。そんな佐藤が2018年6月、ついにオフィスを開設。なぜオフィスを構えようと思ったのか、佐藤のオフィスに対する考えと物件が決まるまでのエピソードをお伝えします。
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オフィスを構える=固定費が増え、自由が制限されるのでは?

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▲渋谷ヒカリエのコワーキングスペースMOVにて

ミライフ最初のオフィスは、佐藤がプロジェクトディレクターとして入っていた事業構想大学院大学のオフィスを間借りした形でした。そして、創業1年後の2017年には、渋谷ヒカリエにあるコワーキングスペースと自宅オフィスを併用しつつ、社外取締役を務める会社やクライアント先で仕事をしていた佐藤。

佐藤は当初、自分の機動力を上げること、自己裁量で自由に働けることを重視していたため、ちゃんとしたオフィスを構えることは想定していませんでした。佐藤は「場所は本当にどこでも良かったんですよ」と笑います。

佐藤 「人を雇わず、オフィスもなければ、売上がゼロでも自分の給料が払えないだけで、死にはしないと思っていました。
起業する際に、家に生活費を3年分前納していたので、最初の2年は、稼ぐというよりは、自分の幅を広げるために、自分のやりたいこと、特にやったことないことにチャレンジしていきました」

ミライフのビジネスにおける固定費は、人件費と家賃がメインです。たくさん人を採用し、大きなオフィスを借りると、それだけでお金はどんどん減っていきます。そうなると、とにかく早く稼がねばという思考になり、自由度が制限されてしまうと佐藤は考えていました。

では、なぜ突然オフィスを構えることになったのでしょうか?

理想はキャリアクリニックをつくること

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▲コーチングを受けながら、理想の会社、組織づくりを考えた

佐藤がオフィスを構えようと決めたのは、2018年4月に社員が1名入社したのがキッカケでした。コワーキングスペースのアカウントを増やしたため、場所に困るわけではありませんでしたが、早々に「ミライフオフィスをつくろう」と決意します。

佐藤 「ヒカリエのコワーキングスペースは、広々としたスペースに、ソファーの置いてあるラウンジもあります。そこでのんびり会話できるのがとても良かったのですが、一方で社員との仕事上の込み入った話などはちょっと話しづらいと感じることもありました」

もうひとつ問題になったのが、ファシリティの問題でした。コワーキングスペースだと、どうしてもファシリティに制限があります。スタッフから、「長時間オフィスにいるからこそ、自分たちが使いやすいものに自由にカスタマイズできたらもっといいのに」という希望が出てきたのです。

コワーキングスペースの特性上、仕方がないことではありますが、社員が入社して3日目には早くもオフィスを探すことを決意しました。

その数日後、佐藤はコーチングを受ける機会があり、その際に理想のオフィスについて質問を受けていました。コーチからは「どれくらいの広さ?」「どのエリアで、どんな場所にしたい?」など、かなり具体的な質問を受けましたが、佐藤はスラスラ答えられたのです。これにはコーチも驚いたようです。

佐藤 「コーチングは未来に関する質問を多くされるものですが、自分の夢を再確認できる良い機会になりました。ミライフでは、もともと自分自身のことも含め『理想未来から逆算』して考えているので、答えに詰まることがなかったんですよ」

佐藤が目指しているのは、エージェントというより「キャリアクリニック」のような場所。医師がクリニックを開業すると、そこに患者さんがやってきて、診察して処方箋を出します。そのキャリア版のようなことをやりたいと考えているのです。

このキャリアクリニックのファシリティや場所について、佐藤は明確なイメージを持っていました。

たとえば、居心地がよく、みんなが集まれるような場所にしたいので、オフィスっぽいというよりは家のようなイメージ。明るくて、広々していて、ソファーは固くなくフカフカのもの。

場所はお越しになる方の利便性を考慮して、できれば渋谷を希望していましたが、恵比寿〜新宿のあいだで、駅から5分以内。2LDKでリビングを執務室にするなど、コーチングを受けた際にすらすらとイメージが出てきました。

人を採用し、オフィスもしっかり構えるのは来年(2019年)頃を予定していました。そのために2018年は準備期間にしようと佐藤は考えていましたが、言葉に出すことで現実と夢が交差し、佐藤は翌日から具体的にオフィス探しをスタートします。その結果、1カ月後には、ほぼ描いていた通りのオフィスが完成。

佐藤自身も「言霊って本当にあるんだね」と驚いています。

多くの案件orピンポイント――まったく違うタイプの不動産会社

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▲まさにPC1台からのスタート。2018年6月3日に入居して、そこから新オフィスづくりをはじめた

もちろん佐藤は、オフィスを探しはじめてからこんなに早く決まるとは思っていませんでした。

今回オフィスを探すにあたり、2社の不動産会社とやり取りをしました。それぞれまったくタイプの違う会社だったため、「人材エージェント業の観点からも勉強になった」と佐藤は語ります。

A社は希望エリア以外も含め、数多くの物件を提案してくれました。選択肢のひとつとしていろいろ見たものの、第一希望の渋谷駅周辺にいい物件がなかったため、今ひとつ決めきれませんでした。

一方、B社は個人でやっている小さな不動産屋でした。

佐藤 「A社はたくさんの案件を送ってくれましたが、B社は初回の面談時にその場で候補物件をいくつか見せてくれたものの、私の反応を見て一旦持ち帰りました。
A社から提案された中で、恵比寿の物件をいくつか選び内覧させていただくことになりましたが、その時点でB社からはまだ1件も提案がありませんでした。
でも、その後B社から後に紹介された物件はすべて渋谷駅周辺のもの。A社からは物件がないと言われた本命の渋谷駅が最寄りで、かつ希望条件にもフィットしている案件ばかり提案され、驚きました」
B社が提案してくれた案件の中から、2件の内覧を希望しましたが、良いと思っていた方の物件は、まだ住人がいるため内覧できないと言われました。

「内覧ができない=まだ誰も申し込んでいない」と考えた佐藤は、内覧しないままフライングで申込をします。その後、内覧ができるようになったタイミングで改めて確認し、その場で正式に決定。この物件こそが、今のオフィスです。

その後はトントン拍子で契約が進み、2018年6月3日に正式に入居。ちょうど6月から社員がさらに1名増えたので、新たなオフィスは3人体制(+1名は完全在宅勤務)でスタートしました。

自分たちでつくる「理想のオフィス」とは

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▲第1回ミライフ感謝祭。オフィス開設にお世話になった方々をお招きした

2018年4月に受けたコーチングで「理想のオフィス」を質問された際、かなり具体的なイメージを答えた佐藤。このときに「オフィスは社員にとって誇れる場所」「隠れ家がコンセプト」「椅子、ソファーにはこだわりたい」などと、コーチングを受けた振り返りメモに残していました。

実際、オフィスの椅子にもこだわりました。佐藤はそれを「大事な投資」と考えています。

佐藤 「メンバーにとって、毎日来る会社という場所をなるべく居心地の良い場所にしてあげたいんです。でも、全部を最高級品でそろえるとお金はいくらあっても足りません。だから、節約すべきところは節約し、椅子のように長時間使うものに関してはコストをかけました」

社員は全員女性ということもあってか、ウィッシュリストには鍋や包丁などが並び、「コレ、本当に会社のウィッシュリストなの?」と佐藤は笑っています。ありがたいことに、さまざまな方がウィッシュリストからオフィス開設祝いを送ってくださいました。

今後はお世話になっている人を招いて、少人数のオフィスパーティーや勉強会などを定期的に開催したいと考えています。

「未来+if(もしも未来が)」というミライフの社名通り、理想未来から逆算して、あっという間にオフィスを開設した佐藤。実際、オフィス開設から、毎日のように誰かが遊びにくる場所になっていて、大きな変化を感じています。

「性格のいい会社には、いい人材が集まってくるはず」――自らの「ミライフ」という会社で、これを体現していきたいと考えている佐藤。最高に居心地のいい空間をつくり、素敵な仲間のジョインを心待ちにしています。

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