一人ひとりと向き合う営業術、語り尽くすマネジメント法はいかにしてつくられたか

「地元に愛される100年企業を創っていく」をビジョンに掲げ、2018年1月に設立された南海MJE。代表取締役社長に就任した瀬尾亮介は、大阪・東京・奈良の3拠点でのリーダー職を経て、徳島へと赴きました。新たなスタートラインに立ったいま、営業、マネジメント、そして会社に対する思いを語ります。
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「美しい会社をつくる」という言葉に、心がゆさぶられた

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▲南海MJE 代表取締役社長 瀬尾亮介

もともと、ウェイターとして京都のシティホテルに勤務していた瀬尾。営業職へ転身した理由は「学歴関係なく、実力で評価される職に就きたい」、その一心からでした。

瀬尾 「中学生の頃、実家の婦人衣料品店を手伝っていたんですが、自分の性に合っていたのか、たちまちお客様の人気者となって、一時は“商店街のアイドル”状態に(笑)。
これがきっかけとなり、ホテルで接客のアルバイトをはじめ、そのまま正社員になったんですが……。大学中退という学歴のせいか、なかなかチャンスが巡ってこなかったんです」

ソムリエやサービス系の検定資格を取得しても、評価されない現実。次なる舞台を求めて、瀬尾がたどり着いた先は、大手通信会社の営業職でした。これまでの経験が生かせるうえ、成果や能力がまっとうに評価される世界。瀬尾は水を得た魚のように、ぐんぐん業績を伸ばしていきました。

しかし、次第に葛藤が生じてきます。

成果を上げるための少々強引ともいえる手法、そして、それをよしとする文化。本当にこのまま、ここにいていいのだろうか……思い悩んでいた2011年、瀬尾に転機が訪れました。

瀬尾 「知人を通じて、MJEの代表・大知昌幸、常務・松井淑樹とはじめて会ったんです。場所は居酒屋でした。そこで『美しい会社をつくる』という会社のビジョンを聞きまして。当時、MJEもオフィスソリューション事業がメインの同業他社でしたので、自分が知る現実とのギャップに、まず驚きましたね。
一方で、非常に惹かれるものがありました。言葉の解釈はひとそれぞれですが、“美しい”という言葉を聞いて、僕が想起したのは『真のお客様目線で仕事をする』。この会社に入れば、いまの悩みが解決できる。そう確信しました」

“お願い営業にはじまり、お願い営業に終わる”という真意

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▲チームリーダとして勤務していた東京支社

瀬尾がMJEに入社したのには、もうひとつ理由がありました。それは、営業本部営業推進室でゼネラルマネージャーを務める林哲也が在籍していたこと。

瀬尾 「林とは、前職で机を並べて仕事をしたことがありました。といっても、3日間だけ(笑)。僕が入社してすぐ、MJEに転職していったんです。
林の人間としての魅力は圧倒的で、ほんの少しの時間を過ごしただけでも、一目瞭然でした。まるで正義のヒーローのようにまっすぐで、人間味があって……あのひとがいる会社なら、ジョインしてもいいかなあと」

実は「お願いからはじまって、お願いに終わる」という瀬尾の営業スタイルに、林は影響を与えています。

瀬尾 「契約書に判を押してもらう段階であっても、お客様に『営業マンの最後の役目はお願いさせていただくことです。本日はお願いをしにまいりました』と言い、クロージングに入る――林のこの姿を目の当たりにしたとき、自分は一生、このスタイルを守ると心に決めました」

お願い営業と聞くと「お客様に損をさせることなのでは?」と首をかしげる人のほうが多いかもしれません。しかし、瀬尾がお願いをする前提には「お客様を大切に思う」気持ちがあります。

瀬尾 「初回の面談で、先方の課題をヒアリングし、その解決方法について、考えつく限りすべてお伝えします。本当に必要だと思う商品は、たとえお客様に嫌がられても、断られても、導入してもらえるよう“お願い”します。
よい方向へと導けると判断したら、覚悟を決めてお客様を引っ張っていくのが営業の仕事なんです」

営業手法は人それぞれ。まず人間関係を深めてから本題に入るなど、時間をかけるやり方もあるでしょう。しかし、瀬尾はスピーディーに、効率的に問題解決することこそ、“真のお客様目線”だと考えています。

自分ほど、部下に抜かれた上司はいない

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▲拠点長として奈良支店の立ち上げを担う

社内でも指折りの営業力を誇る瀬尾ですが、同時に、人材育成の面でも実績があります。これまで、多くのリーダーを輩出してきました。「適切なビジョンを掲げ、部下のモチベーションを高めることができる」のが理想のリーダー像だという彼が、育成において最も大切にしているのがコミュニケーションです。

瀬尾 「特に、仕事終わりにお酒を酌み交わす時間は貴重ですね。部下にはいま思っていることや感じていること、過去の経験、未来へのビジョンを、経営目線・営業目線・課員目線で話します。包み隠さず、でも押し付けず。
すると、彼らのモチベーションは次第に高まっていきますし、競争意識も生まれます。
でも『抜けるものなら抜いてみな』という気持ちで伝授していたら、見事にみんな、僕の営業成績を抜いていきましたけど(笑)。もしかしたら、自分ほど抜かれた上司はいないかもしれない」

内心は悔しいですけどね、と笑う瀬尾。部下のモチベーションを維持するために、もうひとつ心がけていることがあるといいます。

瀬尾 「自分の目標を自分自身でつくってもらうことです。僕は僕のすべてを伝えますが、受け止めた部下の思いはひとそれぞれ。自分の実体験から、他人に決められた目標ほど、どうでもいいものはないと思っているんです。
もしかしたら僕は、ひとを冷静に、フラットに見る力があるのかもしれません。おそらくこれは、商売をしている両親の姿を見て育った環境、ウェイターをしていた経験からだと思いますね」

競争環境をつくること、上司が目標を決めないことは、もしかしたら、いまの若者世代にはそぐわないマネジメント手法かもしれない。まだまだうまくいっていないことも多いと瀬尾は語ります。しかし実際、かつて在籍した拠点には、瀬尾が育てた何人ものリーダーが活躍しています。

夢を語り合える仲間とともに、夢を叶える会社を目指す

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▲新たに設立された「南海MJE」の社長に就任

2018年1月、徳島県三好市に設立された南海MJEは、地元の老舗企業・南海との業務提携による新会社です。代表取締役に任命されたとき、瀬尾の胸中は複雑でした。

瀬尾 「南海は50年以上の歴史を持つ企業です。土地も違えば、企業文化も違う。当然ながら、経営者になることへの不安はありましたし、抵抗がなかったといえば嘘になります。
一方で、入社して8年目。営業としての自信もある程度ついて、都市部での営業経験も積ませてもらって、支店長も務めて。正直、これ以上やりたいことが見つからない、という状態だったんですよね。だから、さらにステップアップできるチャンスを与えてもらったことを、光栄に思いました」

三好市は、四国のちょうど真ん中あたりに位置する、徳島県の西部エリア。年々人口が減り続ける一方で、新たにひとを招くための雇用がないなど、地方ならではの地域課題を抱えています。赴任して半年が経ったいま、この場所に会社が存在する意義を感じています。

瀬尾 「奈良支店では、利益や育成以外に“地域貢献”という目標をMJEで初めて取り入れました。お客様との関係を売って終わりではなく“売ってはじまり”にしたかったからです。地元のサッカーチームのスポンサーやイベント協賛などさまざまな活動を行ない、結果的にシェアが広まりました。
南海MJEでは、お客様の視点だけにとどまらず、もっと視野を広げて地域全体の課題を解決する先導者でありたいと思っています」

南海MJEではすでに、三好市が行なう地域活性化への取り組み「生涯活躍のまちづくり」の業務委託を受け、移住を促進するイベント事業を行なっています。開始して半年で、出身者2名のUターンが決まりました。

瀬尾 「こうして成果が出ているのはうれしいことです。自分のこうしたチャレンジ精神や自らでつくり上げる力は、すべてMJEで培ったもの。離れてみて思うのは、MJEは成長の場をつくってくれる、ひと思いの良い会社だということです。
一方で、最近さみしいのは、夢を語る若手が少なくなってしまったことでしょうか。社員数が急増し、いろいろなひとがいるのは良いことですが、やっぱり、若いからこそチャレンジしてほしいし、大いに夢を語ってほしい」

一生現場にいたい。マネージャー兼プレイヤーでいたい。MJEを美しい、夢の叶う会社にしたい。瀬尾はこれからも夢を語り、叶え続けていくことでしょう。

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