3人の“イクメン”エンジニアが体感した、男性社員が育休を取得しやすいカルチャーの正体

3.16%——これが、2016年度雇用均等基本調査で明らかになった、日本の男性の育休取得率。お世辞にも「多い」とはいえない数字です。そのような中、モバイルファクトリー代表の宮嶌裕二は2017年10月、二度目の育休を取得しました。当社には、育休や育児時短を取得しやすいカルチャーがあるのです。
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社長の幸せそうな姿に背中押されて——。育休取得を決断した3人のエンジニア

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▲左から、小林謙太・木村岳文・青柳智也
私たちモバイルファクトリーの育休取得男性1号、それはほかでもない代表取締役の宮嶌裕二でした。

宮嶌は2013年11月から2週間の間、育児に専念。そのときの体験を嬉しそうに語る代表の姿を見て、モバイルファクトリーの数人の男性社員たちは、あることに気づきます。

「男性が育休取っても大丈夫なんだ……!」

その機会がいち早く訪れたのは、インフラチームのマネージャーを務める木村岳文。子どもが保育園に入るタイミングの2014年3月から5月末まで3ヶ月間、育休を取得しました。

木村 「宮嶌が先に育休を取っていたので、育休への抵抗はありませんでしたね。妻の職場の復帰をスムーズにするため妻が育休を明けるタイミングで、入れ替わりで育休をもらいました」

一般的に、宮嶌や木村のようにマネジメント職が長期の休暇を取得する場合、裁量権の所在が悩みのタネとなります。果たして自分が今離れて、チームは機能するのだろうか……? 2016年1月から1ヶ月間、マネージャーになった直後に育休を取った小林謙太にも、葛藤がありました。

小林 「育休取得のタイミングは非常に迷いましたね……。プレイヤーからマネージャーになったばかりで自分自身も手探りでしたので。ただ、子どもが育つ時間は二度と取り戻せない時間だと思い立ち、決断しました」

このように先輩社員が続々と育休を取得していく中、「時短勤務」という道を選んだ男性社員もいます。青柳智也は2016年7月から9月にかけて、9時半〜16時半の出社時間を続けました。

青柳 「サービスを作りはじめのタイミングだったので、完全に休む決断もできなかったです。プレイヤーとして遅れを取るのでは、という懸念もありましたね。上長にはむしろ育休を推奨されましたが(笑)」

社員それぞれが悩みや葛藤を持ちながらも、先輩“イクメン”の姿に背中を押され、仕事と家庭のバランスを調節することに。しかし、このとき彼らはまだ“育児”を甘く見ていたのでした……。

仕事のほうがよっぽど楽だった……イクメン3人の育児奮闘記

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▲それぞれの育休中の様子
掃除・洗濯・炊事・授乳・便の処理……。育休を取得して奥さんが職場に復帰してから、木村は“専業主夫”として日々奮闘します。

木村 「こんなに大変だったのかと驚きました。育休前は、読みたい本や開発したいアプリなど“育休中にやることリスト”を作っていたのですが、細切れな時間しか確保できず、何ひとつ手をつけられませんでした。『休』とつくけど休みじゃないなと(笑)」

悩みながら育休を取得した小林にとっても、育児は仕事よりもずっと大変なものとなりました。位置ゲーム『駅奪取』をV字回復させたPMは、幼い我が子に翻弄されます。

小林 「仕事の情報もキャッチアップしていたのですが、まったく仕事はできませんでしたね。泣き声という『アラート』が3時間ごとに来るんです。エンジニアをしているときの深夜対応より大変でしたよ(笑)。夫婦というチームで動く大切さを実感しました」

育児以外のことにはまったく手がつけられなかったという2人でしたが、時短勤務の青柳はそういうわけにもいきません。職場と家庭、両方でパフォーマンスを発揮する必要があったのです。

青柳 「時間が限られているぶん、タスクをだらだらやらなくなり、集中できる環境を整えることを意識するようになりましたね。チャットを開かずに目の前の作業だけに専念する時間を設けたりして。また、オフィスにあるスタンディングテーブルは周りの景色も変わって集中できるので、今でもよく利用しています」

子どもの面倒を見るためには残業できない。青柳は3ヶ月間、これまでにない時間的プレッシャーの中で業務を続けました——。

育児休暇は、一般的なイメージの「休暇」とは異なります。業務時間が決められている「仕事」と違い、自分の持っているすべての時間は家族のために使うこととなるのです。怒涛の日々を思い出し、3人は振り返ります。「仕事のほうがよっぽど楽だった……」と。

仕組み化と効率化、そして育児への責任感——育休を通して身につけたもの

そんな日々が明けて職場に戻った木村ですが、久々に戻るチームには何の不安もありませんでした。なぜなら彼は、リーダーである自分がいなくても、ある程度自走できることを確認したうえで育休を取得したからです。

木村「育休に入る前、私個人の判断に紐づいていたプロセスを仕組み化していましたからね。育休が『仕組み化』のきっかけになったんだと思います」

モバイルファクトリーは会社では、属人的な仕事よりも、仕組み化されている仕事が奨励されます。代表である宮嶌が2週間の育休を取得できたのも、この仕組み化が徹底化されていたためです。

このような「社長がいなくても回る会社」「マネージャーがいなくても回るチーム」が、男性の育休取得を実現するカギになったことは間違いないでしょう。

他方、育児によって可処分時間の不足を感じることも。小林はこれまでは当たり前のようにあった、「インプット」の時間確保に苦慮しました。

小林「子どもが生まれてまとまった時間を取れなくなりました。平日深夜や休日もすべて子どものための時間に変わったわけですから。でも今は、それでいいかなとも思っています。マネジメントする立場になって、自分がすべてを学ぶ必要はない、メンバーが学習したことを教えてもらおう、と」

そんな小林は社外でおこなわれた技術カンファレンスに登壇した際、育休取得についてスピーチをしています。その内容は、「育児の責任者は“夫”と“妻”の両方」だということ。小林にとっては、技術を磨くこと以上に、このような人間力を磨いていくことが大事なのでしょう。

時短勤務を取得していた青柳は、通常勤務になってからも子どものために会社に遅くまで残らないように努力しています。そのため小林同様、自己学習にあてられる時間は短くなりましたが、代わりに得たものもあります。

青柳「育児に対する強い没入感です。育児時短を取っていなかったら、妻に任せきりになっていたと思います。だから育児時短中に、一緒に子どもの話をしたり、妻に休んでもらったり、家事をやったりという経験はしといてよかったなと」

育休・育児時短を取得して仕事と家庭両方において、3名の男性社員の意識に変化が現れました。そして2017年10月、そんな彼らに続くように、宮嶌は約4年ぶりに再び育休を取得します。

育休取得によって生産性アップへ——宮嶌が二度目の育休を取得する理由

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▲代表取締役 宮嶌裕二
モバイルファクトリーは従業員数100名規模(2017年現在)でありながら、すでに宮嶌含む5名の男性社員が育休・育児時短を取得、それも宮嶌と木村はそれぞれ2回の育休経験となります。

冒頭に述べたように、男性の育休取得に対する社会の理解がまだまだ乏しい中では、比較的育休を推奨しているといえます。その空気を作ったのは、やはり代表である宮嶌です。

宮嶌 「経営のトップが育休を取ると、やっぱりみんな育休を取りやすくなりますよね。周りの男性が取っていれば、自分も、となるでしょう? そういう雰囲気を作ることが重要。だから私はむしろ率先して育休を取るのです」

また、宮嶌は育休取得に大きなメリットを感じています。それは、すでに3名の男性社員が語ったメリットと同じことです。

宮嶌 「私自身、育休を取ったことで、以前よりも生産性が向上しました。これから育休を取得する社員にも、そのような効果を期待しています。もちろん、奥さんの負担減や家庭円満のためにも取ってほしいですけれどね」

今回紹介した長期育休の取得により、育児休業をしている男性社員は、66.7%(2016年)となっております。そして、モバイルファクトリーの2016年の有給休暇取得率は91.9%(平均有給取得日数12.8日)と、前年(2015年)の78.1%を大きく上回ることができました。

このような働き方改革が進む中で、今後私たちが目指していくのは「就業時間の短縮」。そのために、育休による業務効率化はきっと大きな鍵となるでしょう。

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