IターンでRubyの聖地・島根へーー文系男子が憧れのエンジニアになるまで

Web・モバイルのアプリ開発を行うモンスター・ラボ。島根開発拠点の5人のエンジニアはいずれもIターン就職です(2017年現在)。御供翔豪(みともしょうご)も東京の会社に勤めていましたが、2015年から島根開発拠点の仲間になりました。実は彼は文系学部出身で、憧れていた「本物のエンジニア」になるまでには紆余曲折があったのです。
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大学は商学部。転職を機にエンジニアを目指すが、はじめは“名ばかり”だった

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▲今も大好きなスキューバダイビングを楽しむ、学生時代の御共
IT分野への関心は中学・高校時代から強く、パソコンを自作することもあった御供。エンジニアになる道は考えていませんでしたが、大学生になってから徐々にエンジニアに憧れるようになっていきました。

御供 「大学時代に事務のアルバイトを始めて、Excelのマクロとかを使って作業を自動化する、みたいなことをしていました。怠けた学生だったんで、仕事を楽にしたくて(笑)。
そのあたりから、プログラムを組んで本格的なシステムを作る仕事に憧れていました。就職のタイミングでエンジニアになる道を考えもしたんですが、『文系出身だし……』と尻込みしたんですよね。結局、IT系の方面には進んだのですが、コンサルティング系の仕事に就きました」

しかし、最初に就職した会社とはあまりマッチせず、一度IT業界から離れることにしました。人と触れ合う仕事をしたいと考え、中学生・高校生が放課後いられる場所を地域で提供するというプロジェクトに参加します。

その仕事は実験的な取り組みでやりがいがありましたが、25歳という年齢が目前に迫った頃、転職を決意しました。

御供 「一度IT業界を離れてみて、やっぱりその分野での仕事が好きなんだと気づきました。24~25歳という年齢が、もしかするとチャレンジングな転職ができる最後のチャンスかもしれないと思い、憧れていたエンジニアという職種に挑戦することにしたんです」

尻込みしていた職種への転職を果たし、新しいチャレンジをすることにした御供。しかし、「初心者歓迎」のエンジニア職だったため、当初は希望していたような仕事はできませんでした。

御供 「社内で“正真正銘のエンジニア”として働いている人もいましたが、僕は専門スキルがなくてもできる、監視やデータ入力の仕事ばかり。IT関連ではあるけれども『エンジニア』とは言えない内容でした」

Rubyとの出会い―― 1件のツイートをきっかけにモンスター・ラボへ

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▲休日はイカ釣りへ
しかし、御供は諦めず、独学で勉強を進めていきます。

御供 「1年ほど勉強を続けて、やっと“エンジニア見習い”のような仕事ができるようになりました。その頃、よく相談に乗ってくれていた上司から、当時はそれほど広まっていなかったプログラミング言語“Ruby”を薦められたんです。

『Rubyの仕事は今後増えるだろうし、初心者からでも始めやすい言語。Rubyをやるのが近道なんじゃないか』って。

アドバイス通りにRubyの勉強をしたら、エンジニア職になれたんです。本当にRubyしかできませんでしたが、そこで2年くらいエンジニアをやりました」

ついに憧れのエンジニアの仕事ができるようになり、徐々に慣れてきたある日のこと。Ruby言語の生みの親である、まつもとゆきひろさんのツイートが目に飛び込みます。

御供 「まつもとゆきひろさんをツイッターでフォローしていたんですが、『今日、島根の転職フェアをやっている』というような内容のツイートがあったんです。Ruby関連の仕事もいろいろあると思いますよ、といったようなことが書かれていました。

転職してもっとスキルアップしたい、という思いはずっとあったんですが、具体的な行動にはまだ移せていなかったんですよね。でも、そのツイートを読んで、1時間後くらいには転職フェアの会場にいました(笑)」

まつもとさんが住む島根県は、エンジニアにとっては有名なRuby発祥の地。島根では、IT企業の誘致やRubyをメインに据えたIT人材の育成に力を入れています。自治体からの支援が手厚く、最先端の技術を持ったエンジニアたちが集まる“Rubyの聖地”とも言われている場所なのです。

その転職フェアで出会ったのが、当時からモンスター・ラボの島根開発拠点で開発をしていた羽角均(はすみひとし)でした。

御供 「モダンな開発をしていて、経験年数が少ない自分でも幅広く仕事をやらせてもらえそう、という条件で会社を探していました。

モンスター・ラボはその条件にピッタリでしたし、転職フェアで話をした羽角が面白い素敵な人で。少し話しただけで優秀なエンジニアであることがわかりましたし、説明が簡潔明瞭で、僕の話の意図もすぐくみ取ってくれました。

その後、山口(友洋/島根開発拠点責任者)とも話しましたが、物腰が柔らかくて優しくて、羽角とは全くタイプが違うけれど、やっぱり素敵な人だったんですよね。

この人たちが働いている“モンスター・ラボ”という会社、 “島根”という場所だったら、おかしなところではないだろうと思ったんです(笑)」

“Ruby City”である松江の魅力――エンジニア同士の交流が盛んで自然豊かな町

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▲島根開発拠点メンバー
Rubyの開発経験があり、キャリアを自ら積極的に創り上げていく向上心に溢れた御供は、まさにモンスター・ラボの島根開発拠点にマッチした人材でした。こうして、彼は2015年3月から島根でのエンジニア生活を開始します。

首都圏の暮らしが長い御供。縁もゆかりもない島根への引っ越しには不安もあったのでは、と思いきや……。

御供 「全く不安はなかったですね。特に転職前の下見もしていないです。正直あんまり深く考えていなかったのかもしれないですけれど(笑)。面白い仕事ができるなら、自分にとって場所はどこでもよかったんです。

でも、実際に来てみたら想像以上に松江は都会でいいところでしたね。生活するにあたって困ることは全然ありませんし、エンジニアのコミュニティがしっかりしているので、すぐに知り合いもできました」

「RubyCityMATSUEプロジェクト」を掲げてITでの地域活性化を目指す松江市では、エンジニアに対するフォローが手厚く、住まいの相談などにも乗ってくれます。

また、「松江オープンソースラボ」を中心にエンジニア同士が交流できるような場も提供。東京よりも身近にコミュニティがあるため、御供も島根に来てから積極的に勉強会やイベントに参加するようになりました。

御供 「他社のエンジニアさんと交流する機会も多いですし、すぐに知り合いができました。技術の話ができる知り合いが増えるとすごくモチベーションが上がるし、刺激になりますね。

オフィスのみんなも色んなところに遊びに連れて行ってくれたので、すぐに慣れました。開発合宿も年1~2回はやっています。いろんな場所で開発をして、楽しいですよ。

たとえば、2017年9月には秋田県大館市の山中のコテージを借りて、5人で1週間の開発合宿をやりました。『おためしサテライトオフィス』の取り組みの一環ですね」

島根では、自然豊富な環境のなかで生活できるのもうれしいところ。以前は千葉の家から東京の勤め先までドアツードアで1時間半かけていた御供ですが、2017年現在は会社から徒歩圏内に住んでおり、通勤のストレスがありません。

御供 「満員電車に乗らなくていいだけでもすごく精神的に楽です。しかも、僕は自転車か徒歩で宍道湖を渡って通勤しているので、道中の景色がすごく良くてリフレッシュできますよ。

休日も、1時間くらい車で行けば海にも山にも行けます。僕は海が好きなので、ふらっと海に行ける距離にあるのはうれしいですね。海辺で本を読みながらゆっくりしたり、夏ならシュノーケリングをしたりすることもあります。透明度が高くて綺麗な海です」

東京で働いていたらできなかったことを、島根では毎日体感・体験できている御供。心身ともに満足な環境で仕事に取り組めています。

グローバルな仕事にも従事――海外でも島根でも変わらずに開発ができる

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▲ベトナムで、現地のエンジニアたちと
入社当初は勉強しなければいけないことが多く大変な思いもしましたが、想像以上に若手に仕事を任せてもらえる環境に喜びを感じている御供。海外との仕事にも積極的に取り組んでいます。

御供 「モンスター・ラボは海外にも積極的に事業を展開していて、様々な国籍の人々が一緒に働いています。島根のオフィスにもインド人のエンジニアがいますし、海外で仕事をする機会も多いですね。最近も、今のプロジェクトで大きな機能の追加があるタイミングだったので、ベトナムのオフショア拠点にサーバーサイドのリーダーとして行きました。

ベトナムのダナン拠点のエンジニアたちは、少年の心をもっている人が多く、仕事中にいきなり後ろからどついてきて、走って逃げて『キャッキャ』と喜んでいることもあります(笑)。そういうときはちょっと反応に困っちゃいますが、みんな素直で素敵な人たちです。言葉の壁もありますが、飲みながらコミュニケーションをとると打ち解けてくれることも多いですね」

海外のメンバーとのコミュニケーションも難しい部分がありますが、御供は丁寧に少しずつ信頼を築いていきました。島根の開発拠点責任者である山口も、彼のキャラクターを高く評価しています。

山口「御供は海外との仕事が増えた当初から、外国のエンジニアたちとフレンドリーに接してくれていました。技術面でも周囲からとても頼りにされていて、最近は、『御供を連れてきてくれ!』と言われるくらい、海外拠点のメンバーから人気があるんですよ」

エンジニアの仕事は、パソコンとインターネット環境があればどこでだってできます。島根でも、海外でも――。海が好きな御供には、いずれ沖縄でエンジニアをやりながら、ふらっとスキューバダイビングができる生活になったら、という夢もあります。

モンスター・ラボの島根開発拠点は、これからも世界にインパクトを与えるプロダクトやサービスを提供するために技術を磨きつつ、エンジニアとしての新しい働き方を実現していきます。

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