今もなお、挑戦し続けている個人向けドロップシッピング。落ちこぼれ人生から一転、43万人が利用するサービスを作り上げた男のアツい創業秘話

在庫を持たなくてもネットショップを運営できる「もしもドロップシッピング」を展開する株式会社もしも。2016年現在43万人以上が利用をし、数多くの「個」の可能性を広げてきました。普段は穏やかな代表取締役社長 実藤裕史からは想像すらできない強い信念と、10年以上抱き続ける「個」の可能性に込めた想い、その原点となる創業背景をご紹介します。
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原点は「うわさのズッコケ株式会社」。いつか起業をしたいと思い描いた少年時代

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実藤の幼少期から学生時代までを一言で言えば「落ちこぼれ」。

集団行動が苦手で、保育園の柵を乗り越えて逃げようとする脱走癖。中学時代はバレー部に所属し毎朝5時に起きて朝練をし、放課後も最後まで残り練習、チームは県大会2位までいったものの実藤はレギュラーにもなれず、3年生最後の大会でもベンチ入りすらできない、まさに「落ちこぼれ」人生でした。

それでも、実藤少年の中にあった「起業」への想いとは……?

きっかけは小学校5年生の時に読んだ「うわさのズッコケ株式会社」(著:那須 正幹)という文庫本。仲良し3人組が自分たちのお小遣いで弁当やジュースを仕入れて釣り客相手に販売する話です。

実藤「インスタントラーメンがおいしくなるよう工夫をして、150円で売っていたものを300円で売って収益をあげる話が好きでした」
実藤はこの話を真似をし、家でのお手伝いに料金表をつくり、家事仕事を母から請け負っていました。この頃から「会社をつくるのって面白そう」と考えるようになったそうです。

起業のきっかけとなった、オイシックスとの出会い。

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それから月日が経った大学3年生の時、有機野菜宅配サービス「Oisix(オイシックス)」と出会い、立ち上げに参加しました。最初は朝から晩まで野菜をもいで発送する作業をしていましたが、次第にWEBサイトを作る仕事を任されるようになっていきました。

そんなある日のこと、夜中に注文を眺めていたら、実藤が登録した野菜を愛知県在住の主婦の方に購入されていました。

実藤「自分で考えたキャッチコピーや説明文に、お客様が反応してくれる。そのことに感動しました」
この出来事から実藤は、「物を売るのは最大のコミュニケーションだ」と考えるようになりました。「この値段で売りたい」と商品を提示する売り手側と、「それがほしい」と思って購入する買い手側。その値段や商品が適していないと、相手には届かずに購入してもらえない。お客様の心に響いた時に初めて「売買」につながる。

その「物を売る楽しさを多くの人に伝えたい」という想いが、のちに個人向けドロップシッピングへ挑戦し続ける実藤のエネルギーに変わるのです。

日本初でなければ意味がない!ドロップシッピング誕生の裏側

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2005年、実藤は「アメリカでは商品を販売する時の商品梱包や伝票処理など煩雑な仕事を代理店が補うドロップシッピングが既に通販市場の3割を占めている」ということを聞きつけます。

実藤「ドロップシッピングを利用すれば、個人でも『物を売る楽しさ』を感じることができる」
そう考えた実藤は、ドロップシッピングを日本に持ち込むことを決意。

まずは周囲の学生プログラマ2人を誘い、2ケ月というスピードでシステムを作り上げました。実はこの時、サイバーエージェントをはじめとする幾つもの企業がドロップシッピングに参入すると発表していました。

その中で、最もサービス開始が早い企業が8月21日と知った実藤は、「日本初でなければ意味がない。8月17日にリリースしよう」とメンバーに伝え、日本初のドロップシッピングを自分たちの手で生み出すために、システム開発を加速させます。

当時のプログラマは寝食を忘れ月400時間近く働き続けたといいます。そのおかげもあって、2006年8月17日、日本で初めてとなるドロップシッピングサービス「もしもドロップシッピング」を誕生させることができたのです。

サービスリリース当日には、テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」の取材が入り、その日の夜にはオンエア。リリース後1ヶ月も経たないうちに3000人の人が登録するサービスへと成長していきました。

実藤は、リリース日にこだわるだけではなく「女子高生とおばあちゃんが使ってくれるように」という合言葉もメンバーに伝えており、システムの使いやすさと会員へ還元する利益を一番に考えてシステムを構築。

その実藤の思いは多くのユーザーに伝わり、比較サイトやブログなどで「もしもが一番使いやすい」と紹介され、さらに人が集まってくるようになりました。

そして2016年8月、「もしもドロップシッピング」は10周年目を迎えます。現在は43万人を超える個人の方に利用いただき、取扱い商品は40万点以上、個人向けドロップシッピングとしては日本一のサービスとして多くの方々の「もしも」を形にしています。

WEBサービスが数多く生まれ消えていく中、実藤はビジネスをどのように考え、どのような意思決定を行い、10年間経営しているのでしょうか? その話は、また次回にご紹介します。

おわり

あとがき:「株式会社もしも」に込められた想いとは

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「もしもドロップシッピング」のサービスは、2006年8月にスタートしましたが、実藤は2004年にアフィリエイト事業を展開する「株式会社ウェブデパ」を設立しています。

社名の由来は、日本初のデパートである日本橋三越ができたのが1904年12月20日。その100年後にあたる2004年12月20日に『21世紀の流通をつくる、ウェブのデパート』という意味が込められました。

当時から「物を売る楽しさ」を意識し、物販のアフィリエイトをしていましたが、「もっと社会に役立つサービスをできないか」と日々考えて2年間模索をしていた実藤。

その時に出会ったのが、ドロップシッピングです。

ドロップシッピングであれば、自分で事業を起こしたいと思ってる人が第一歩としてショップを開くことができる。主婦やシニアの人も自宅に居ながらショップ運営を楽しめる。病気の人や怪我をして働きにでられない人など、多くの人を幸せにする可能性がある。

「だから、どうしてもやりたかった」と、メンバーを説得したと実藤は言います。

そういった想いから個人の可能性を引き出したり、多くの人が社会と繋がれる接点を引き出し、「もしも~~だったら」と思い描くこと。

それを応援するサービスを展開していく。という想いを込めて「株式会社もしも」と2006年に名付けられました。

今でも実藤の想いは創業時と変わらず、会社のビジョンは「みんなの『もしも』を形にする。」と掲げています。

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