大切なのは“その先”のケア――探偵業界を変えた女性代表の歩み

浮気問題解決に役立つ、探偵事務所による調査。依頼を受けて調査し、結果を報告するだけという従来のスタイルを変え、カウンセリングによるアフターフォローを重視しているのが、MR代表取締役の岡田真弓です。探偵業界の在り方を大きく変えた女性代表の、調査の先にある想いに迫ります。

探偵事務所が証拠を撮るのは当たり前。重要なのはその先を見据えた支援

▲MR代表取締役の岡田真弓

最近、パートナーの外泊が増えた気がする。やけにご機嫌なことが多い。もしかして、浮気されているのかも……?

そんなときは探偵事務所に依頼することで、パートナーが浮気や不倫をしている証拠を押さえられます。探偵事務所に来る依頼のうち、7割は浮気調査。多くの人がプロの調査によって証拠を手にします。

しかし探偵事務所は調査がメイン業務である以上、証拠を撮るのは当たり前。MR代表取締役の岡田真弓は、撮った証拠をどう使うかが大切だと考えています。証拠となる写真や動画を撮るだけでなく、カウンセリングを通してクライアントの“その先”を見据えた支援をしているのです。

MRでは相談者から依頼を受けて面談したあと、調査を実施。調査結果を報告したあとは、1カ月間無料でカウンセリングをおこなっています。

岡田 「カウンセリングをするなかで、自分の本心に気付く人は多いです。浮気されたことに対して後ろめたさや恥ずかしさを抱えている人もいますが、そういった相談者が言葉にしない感情をカウンセリングで聴き出します。
相談者の気持ちを聴いたあとは、今後どういう道を歩んでいくのかを一緒にシミュレーションしていきます。証拠をもとに離婚するにしてもやり直すにしても、浮気された原因の分析や進む道の具体的な確認をして、過去・現在・未来の3つを整理する必要があるんです」

証拠を撮ったあとの人生をどう歩むかは、プロの提案をもとに相談者自身が決定。MRでカウンセリングをした相談者のうち、8割が復縁を望みます。

岡田 「一般的には浮気されたら離婚するという考えが多いですが、必ずしもそうである必要はありません。真実を知って受け入れたうえで、自分がどうしたいのか。やり直したいと思ったなら、夫婦関係を修復するという選択肢もあります」

浮気問題に悩む人が、前を向いて歩めるようにサポートをしたいーーそんな想いを持っている岡田は、パートナーの浮気や不倫に悩む多くの人々を救ってきました。

しかし、実は岡田自身にも夫の浮気によって離婚した過去があるのです。

浮気調査の需要を感じ、夫を巻き込み探偵事務所を設立

▲探偵事務所設立当時

岡田は、2度の離婚を経験しています。MRを設立したのは、再婚してから1年ほど経ったときのことでした。

岡田 「自宅のポストに、探偵事務所のチラシが入っていたんです。何かあったときのために取っておこうと思ってこっそり保管していたんですが、後日、また探偵事務所のチラシがポストに入っていて。
それで、浮気や不倫問題を探偵に依頼する人が多いのかもしれないと感じたんです」

世の中の需要を感じ、探偵事務所を立ち上げようと考えた岡田。3ヶ月ほど探偵学校に通ったのち、創業することになりました。その際、当時の夫を共同創業者として巻き込むことを思いついたのです。

岡田 「再婚してから、夫が気の多いタイプかもしれないと感じるようになりました。
そんな考えもあり、夫も当事者にしてしまおうと。驚いていましたけど了承してくれたので、一緒に会社を立ち上げることになったんです」

こうして探偵事務所をスタートさせ、面談や調査、報告などあらゆる業務をおこなう日々がはじまりました。

探偵事務所を設立して数カ月経ったころ、岡田はあることに気付きます。それは、相談者が本当に求めているのは浮気調査の結果ではなく、心の問題を解決することだというもの。

当時の探偵事務所は、調査だけをおこなうスタイルが主流でした。パートナーの行動パターンを聞いて調査し、結果を郵送して終わりという淡白なものです。しかし岡田は相談者と真剣に向き合っていくうちに、「結果を伝えるだけでなく、この人のために何とかしてあげたい」という気持ちを強くしていきました。

そこで、“カウンセリングメンター”を取り入れようと決めたのです。

「浮気=離婚」が正解とは限らないーー相談者と今後の人生を設計する

カウンセリングメンターとは、岡田が独自につくり出したものです。

岡田 「話を聴き、共感することが主流のカウンセリングに加えて、私はアドバイスも入れていくことにしました。つまり、カウンセラーをしつつメンターもしていこうと思ったんです。

調査対象者のうち、浮気しているとわかるのは9割ほど。証拠ならほぼ確実に撮れる。だからこそ大切なのは証拠を撮ることではなく、撮った証拠を持ってどうするかということ。多くの人が「浮気=離婚」と考えて相談に来るなかで、カウンセリングをするとまだパートナーを愛しているとわかることがある。

岡田 「その場合、撮った証拠をもとに夫婦関係をやり直すという方法もあるわけです。証拠は 3年間有効で、そのあいだであれば慰謝料請求を愛人にもパートナーにもできますから、 3年間もう 1回頑張ってみないかというアドバイスもします。
やり直すか、現状維持で様子を見るか、証拠をもとに有利な離婚をするか。その 3択を提案したうえで、今後どうしていくか具体的な道を決めてもらいます」

離婚すると婚姻費用が発生しなくなるうえ、養育費を払わない男性が8割ほどいるといわれています。そうした現実を考えると、すぐに離婚をするのではなく、証拠の有効期限である3年の間に自立し、その後に離婚をしたほうが懸命な場合もあります。証拠を撮ったあとの人生設計を、相談者と一緒にしていくのが岡田流の支援。

岡田 「浮気された怒りと悲しみですぐに離婚という結論に至りがちですが、そこで一度冷静になってもらって、ほかにもこんな方法があるよと提案します。悩んで思考が狭くなっているところにプロとしてアドバイスすることで、視野を広げてもらうことが重要なんです」

カウンセリングメンターを導入した岡田には好意的な声が届きました。先駆者的な存在としてマスコミにも取り上げられ、現在では同業他社でもカウンセリングをするのが当たり前になったのです。

岡田 「もともと私には、『探偵事務所をクリーンなイメージにしていきたい』というビジョンがありました。イメージが変わると、クライアントが相談しやすくなります。すると、浮気を見て見ぬ振りをしてしまう人が減っていくのかなと。そういう意味でも、業界の流れを変えることができてよかったと思っています」

相談者の浮気問題解決に尽力する一方で、岡田自身は当時の夫とすれ違いが続いていました。結婚してから10年ほど経ったころ、夫の浮気や金銭トラブルが発覚し、2度目の離婚をすることに。

そのときは他社に調査を依頼しましたが、自身が相談する側に立ったことで、改めて相談者の気持ちを理解することができました。

岡田 「調査結果が出るまでのあいだは、この私でさえも精神的に辛かったです。持って 2カ月が限界ですね。そこで、調査はとにかくスピードを重視して、早く結果を出すべきだと実感したんです。社員にも調査スピードを上げるよう伝え、実際に以前よりも早く結果を出せるようになりました」

証拠は武器にもお守りにもなる。証拠とともに前を向いて歩んでほしい

徐々に拡大をしていったMR。2019年3月現在は、資格を持ったカウンセラーが20名ほど在籍しています。提案に私情を挟まない、多面的なアドバイスができるなどの理由で、ひとりの相談者に対しふたりのカウンセラーがつくのが特徴です。

今後はカウンセラーの質をさらに高め、もっと多くの人が気軽に悩みを相談できるようにしたいと考えています。

岡田が気軽に悩みを打ち明けられる場所づくりを大切にする理由は、浮気問題の解決には早期の発見や対策が必要だと考えているからです。

岡田 「10年前にパートナーの不倫に気付いたけれど何も言えず、ずっと見て見ぬふりを続けてきたという人が相談に来たこともあります。真実を見たくない、受け入れたくないと放っておいてしまう人も多いですが、歯車が崩れたら早く戻さないと、どんどんずれてしまうんです。
初期であれば態度や服装に変化があってわかりやすいし、警戒心が薄いので証拠も撮りやすい。何より、早めに証拠を撮って真実を受け入れたほうが夫婦関係の修復もしやすいんです。だからパートナーに少しでも怪しい変化があれば、すぐに相談してほしいと思います」

カウンセリングでは、浮気されてしまった原因を相談者に気付かせ、パートナーに謝ってもらい、愛人と別れさせるという3段階が重要です。しかし、パートナーと愛人がお互いに依存している場合、ヨリが戻ってしまうケースも。

そうした依存からの脱却を図る人にもカウンセリングを活用してもらい、浮気問題の根本的な解決につなげたいと、岡田は考えています。

証拠は撮るだけでなく、どう使うかが重要。武器にもお守りにもなる証拠を適切に使って、多くの人に前を向いて歩んでほしい。そう考える岡田は、これからも浮気問題解決のためにサポートを続けます。

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