「なんでも1番になりたい!」負けず嫌いの若手MRが、医療に携わるプロとして目覚めるまで

MSD株式会社は、「画期的なヘルスケアソリューション」の開発に情熱を注ぐ製薬会社です。「新薬で、未来をひらく」を掲げ、医薬品やワクチンを全国の医療機関へ届けています。今回紹介するのは、入社6年目のMR(医薬情報担当者)である高橋遥加の成長ストーリーです。
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ひいおばあちゃんの長生きを支えた「薬のチカラ」

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3人兄妹の末っ子として生まれた高橋は、母方の曽祖母にかわいがられて育ちました。そんな彼女のまぶたの裏には、幼い頃に見ていた曽祖母の姿が今でも強く焼きついています。

「私が物心ついた頃からずっと、ひいおばあちゃんは毎日たくさんの薬を飲んでいました。そのおかげもあったのか90歳まで長生きしたので、薬ってすごいなと子どもながらに感じていたんです。中学生になった時にがんで亡くなりましたが、ひいおばあちゃんは大切な存在でした」(高橋)

そんな高橋が「将来薬剤師を目指してみたら?」と母親に勧められたのは、小学5年生の頃。当時はあまりピンと来なかったものの、その後ずっとそのひとことが彼女の胸の奥に残り続けます。

「どうしてその言葉が印象深かったのか、今となっては謎なんですけど(笑)。もしかすると、薬を飲んでいたひいおばあちゃんの姿がどこかにあったのかもしれませんね」(高橋)

薬剤師という職業が気になったものの、彼女は「なりたい」とまで思っていたわけではありません。大学の進学先に選んだのは理工学部の生命科学専攻。当時は薬に対する興味も特になく、充実した学生生活を満喫していました。

母の「薬剤師を目指してみたら?」のひとことをふいに思い出したのは、就職活動をはじめる際にMR(医薬情報担当者)という仕事を知ったのがきっかけでした。MRとは、医療機関へ医薬品に関する情報提供を行う製薬会社の担当者。

所属していた研究室の卒業生の多くが、製薬会社に就職している実績を見て「そういえば昔、薬に関わる仕事が気になっていたんだ」と幼い頃の記憶がよみがえった高橋。OB訪問でMRとして働く先輩たちを訪ねるうちに、「やりがいがあり、充実している仕事なのだな」と分かり、憧れが募るようになりました。

就職活動を進めるなかでもうひとつ、彼女の心に生まれたのが<「新薬」メーカーで働きたい>という思いです。

「製薬会社で働くなら、開発された新薬を届けることで既存の薬では治療が難しい患者さんが救われるプロセスに関わるのが理想だと考えていました。それは新薬メーカーだからこそ実現できることでした」(高橋)

その思いが天に通じたのか、新薬開発に力を注ぐMSDに内定が決まった高橋は、晴れてMRとしての一歩を踏み出しました。

負けず嫌いが功を奏した、医師とのコミュニケーション

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入社当初は、地域医療を担う開業医を担当しました。

このころ彼女が仕事をする上で大切にしていたのは、医師とのコミュニケーションです。特に面会前の事前準備は対話の質に大きく関わります。そのため普段から自社の医薬品情報にとどまらず、医師の興味・関心を踏まえた情報収集を心がけていました。会話時の和やかな雰囲気づくりや、アイスブレークもMRの大切なコミュニケーション能力のひとつです。

しかし、いくら努力を重ねたからといって、何事もそう簡単にうまくいくわけではなかったのです。高橋の担当エリアには、どの製薬会社のMRが面会に行っても、なかなか時間を割いてお話しすることが難しいひとりの医師がいました。

「最初は、私が診察室に入っても全く興味を持ってもらえませんでした。『先生、この薬はこうです』とご紹介しても、はいはいって言われてしまって(笑)。その先生との会話が成立しないことに大ダメージを受けて、そのまま『今日はありがとうございました』と終了するパターンが何回も続きました」(高橋)

こんなに良い薬剤なのに、話を聞いてくれない。と、面会に訪れるたびに心が折れるような思いを味わいながらも、高橋は週に2回、医師の元へ足を運ぶことだけは決してやめませんでした。

「実は私、負けず嫌いなんですよ。小学生の頃、兄の影響でサッカーを始めたんです。でもチームに女の子は私ひとりだけ。体も学年で一番小さかったので当たり負けして吹っ飛んだり、競っても全然勝てなくてすごく悔しい思いをしました。たぶん、それが染みついちゃってるのかな。なんでもつい『負けたくない』って思っちゃうんです」(高橋)

とにかく自分が担当したエリアでは、マーケットシェアも、先生との関係も1番になるのが目標だった、と彼女は振り返ります。医師の元へ通い続けられたのも、誰にも負けたくないという思いひとつでした。

「どんなふうに話しかけたら、いいのだろう?」医薬品の話を切りだしても、関心を示してもらえない医師へのアプローチに高橋は試行錯誤を繰り返します。その結果、たどり着いた答えは「笑ってもらうことからはじめよう」でした。とにかく自分がやれることは何でも試しました。

「1年ほどたったある日、先生がフフって、ちょっと笑った時があったんです。『あれ?』って。それを見た瞬間にああ、もう大丈夫だって思いました。何を話したのかは覚えていないんですけど、そのとき先生が見せてくださった表情だけはいまだにはっきり覚えています」(高橋)

その日を境に、次第に医師は高橋の話に耳を傾けてくれるようになりました。最後は他社のMRから「どうしてあの先生と楽しそうに話ができるの?」と驚かれるほどの関係に発展しました。

その結果、先生のほうから質問をしてもらえるようになり、高橋がそれに答えていくことで仕事としても双方向のコミュニケーションができるまでになりました。

新しい配属先で芽生えた、医療に携わるプロとしての責任感

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入社5年目を迎える2016年3月。突然所長から呼び出しを受けた高橋は、これから自分の身に起こる新しい変化の予兆を感じていました。

「この夏から配属先が変わるよ、という話でした。挑戦するなら今しかない、と社内公募で手をあげていたオンコロジー(がん領域の部門)への異動が決まったんです」(高橋)

オンコロジーは今、多くの患者さんからもっとも新薬を期待されている領域です。この部門の立ち上げに携わることは、高橋にとって次のステップに進む大きなチャンスでした。けれども彼女が応募を決めたのには、もうひとつ理由がありました。

それは、母方の曽祖母だけではなく、父方の祖父母もがんで亡くなっていたからです。ちょうどMRとして働きだしてから祖母を大腸がんで亡くしたこともあり、がんは彼女の中でも特別な疾患だったのです。

「おばあちゃんは本当にあっという間で、診断結果を聞いた1週間後には亡くなってしまいました。その経験もあって、オンコロジーの領域で新薬を届ける仕事がしたいと思いました。公募のお知らせを見た当時は、がんやがんの治療薬の知識はなかったので正直かなり不安だったんですけどね」(高橋)

そして7月に異動。新しい環境はまるで「別の会社へ転職したかのような」場所でした。

扱う疾患や製品に加え、勤務地や担当病院、チームの方針までもすべてが一新されました。当然MRに求められる知識やスキルも以前とは違います。新しい仕事をするにつれ、高橋は徐々に自分の経験不足に気づきはじめました。

「オンコロジー部門に異動して気づいたのは、これまでの私の営業スタイルが一切通用しないということです。より専門性を深めなければ、と感じています。今までは、どちらかというと知識は先輩から教わることが多かったのですが、それだけではとうてい間に合いません」(高橋)

開業医を担当していた時には、主に糖尿病などの<慢性的に進行する疾患>へアプローチする医薬品を扱っていました。けれどオンコロジー部門では、<急速に進行していく疾患>に対し医薬品を提案していきます。そのためMRには、製品の効果の情報だけでなく副作用などの安全性情報についても正確かつ迅速に情報を届けることがこれまで以上に求められるのです。

その気づきは、彼女の意識を大きく変えました。

“医師がいつでも安心して相談できる”MRを目指して

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仕事に対する意識が変わってから、高橋は疾患や医薬品の専門知識を収集する時間を増やすようになりました。また、医師とのコミュニケーションにおいても、情報の正確さとスピードをよりいっそう大切にするようになりました。

高橋が今、こんなふうになりたいと願っている理想像は、「医師がいつでも安心して相談できる」MRであること。入社してからの5年間で、自分にとっての“理想の働き方”を実現することはできたけれど、“理想のMR”としてはまだまだこれから。

「就活中に出会った先輩MRの、仕事に対する前向きな姿勢にすごく憧れていたんです。自分なりにそこには到達できたかな、と思います。ですが今は、オンコロジー部門で一緒に働く先輩MRのように、先生の相談には期待以上の返答ができるようになりたい。比較すると自分はかなり未熟だと痛感しているところです」(高橋)

負けず嫌いの高橋は、とにかくなんでも1番になりたいとの思いで働いてきました。しかしこれからは、相談ごとがあったときに「高橋さんに聞いてみよう」と医師から真っ先に思い出してもらえる存在になることを目標にしています。

そのために、まずは信頼されること。信頼されるためには、やはり広く深い疾患や医薬品の知識が必要不可欠です。現在は、発売された新薬を、できるだけ早く患者さんに届けるため、また安全に使用いいただけるように、医師だけでなく薬剤師さんや看護師さんともコミュニケーションをとっています。患者さんに寄り添うチーム医療の一員になれるように、医療従事者との関係構築をベースとした訪問活動を行いながら、自己研さんの毎日を送っています。

「せっかくオンコロジーの領域で、新しく開発した治療薬を届けられるチャンスをもらえたので、先発品メーカーとしてしっかり役割を果たし、一人でも多くの患者さんとそのご家族に希望を届ける仕事がしたいです」(高橋)

「医師がいつでも安心して相談できる」理想のMRになるべく、新たなチャレンジをはじめた高橋。彼女の飛躍がとても楽しみです。

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