就活の「当たり前」を問い直そう。新しい時代に向けて、会社も変わっていきたい

「#令和の就活ヘアをもっと自由に」というプロジェクトを知っていますか?新しい時代の到来をきっかけに、これまでの就職活動の「当たり前」を問い直す。そんな企画に、マネジメントソリューションズ(MSOL:エムソル)も賛同しています。今回はその意図を、当社人財部の岡田拓也がお伝えします。

就活マナーは大人から見ても「異様」

就活生の皆さんは、ご存知でしょうか。

皆さんが一生懸命調べて、「就活マナーの正解」として選んだ地味なスーツやひっつめ髪、そして半ば強制的な黒髪を、社会の大人たちはどこか「異様な光景」と思い眺めています。慣れない満員電車に表情をなくし、街のカフェで一番安いコーヒーを1杯だけ頼みつつ、そこで何時間も企業研究をしてESを書いている。

そんな姿を大人たちは、自分の就職活動と勝手に重ね合わせ、「頑張れ」と小さなエールを送る気持ちと、おそらく数パーセントの憐れみを込めた目で見ているのです。

2019年7月、ヘアケアブランドの「パンテーン」と就活口コミサイトを運営する「ワンキャリア」が、共同で「#令和の就活ヘアをもっと自由に」というプロジェクトを始めました。これは昨年2018年にパンテーンが打ち出した広告をきっかけに、各企業の人事担当者へ「令和という新しい時代に、髪から始まるもっと自由な就職活動を応援しよう」と呼びかけるものです。

パンテーンの「就職活動に関する調査」によると、「企業に合わせて自分を偽ったことがある就活生」は81%、「“自分らしい自由な髪を推奨する採用が受け入れられる世の中になってほしい“と思う人事」は89%にも上りました。

この「#令和の就活ヘアをもっと自由に」の呼びかけに応じて、就活生一人ひとり、企業1社では表出することのなかった「就職活動に関わる違和感」が、ひとつのうねりとなり社会を動かしつつあります。

2019年9月17日には日本経済新聞全国版に139社がロゴとともに掲載され、それぞれプロジェクトへの賛同の意志を表明しています。

ヘアスタイルをきっかけに、「自律的なキャリア形成」の輪を広げよう

MSOL人財本部(左から):中途採用担当 上條、人財本部長 船津、新卒採用担当 岡田

MSOLも、この「#令和の就活ヘアをもっと自由に」プロジェクトに賛同しています。

この企画に賛同することは、MSOLにとってあまり大きな問題ではありませんでした。なぜなら、もともと当社では「自ら考え、自ら選択し、自ら動く」という“自律的なキャリア形成“の考え方が根底にあり、個人が主体的に自分の人生の選択をし、その自由も責任も担うことを大切にしているからです。

小さなことではありますが、2020年卒採用では、本人の自己表現のひとつとして、髪型含め服装は自由にしていました。なので、今回の内定式はもちろん、8月に行った内定者研修でも服装も髪も自由です。

今回の企画を強く意識し始めたのは、弊社広報担当に相談した際、「今の就職活動に“異様さ“を感じる」と言われたことがきっかけでした。このとき、人事に限らず多くの人が今の就職活動に、ある種の違和感を抱いていることに気付きました。にも関わらず、大きく変化することのない現状に「裸の王様」に似たものを感じたのです。

そんなとき、「#令和の就活ヘアをもっと自由に」の呼びかけを知りました。2018年10月1日平成最後の内定式に「パンテーン」から投じられた小さな石が今日まで広がる波紋となり、「裸の王様」を裸だと言えない状況が変わりつつあると感じています。

きっかけは「ヘアスタイル」ですが、各社が賛同するこのパブリックリレーションズの成功体験は、今後、社会に対する違和感を変えていく、小さいけれども大きな一歩になるのではないかと思っています。そんなパンテーンとワンキャリアの勇気のある取り組みを、心から応援したいと思い、MSOLは今回の企画に企業として賛同いたしました。

これからの時代は「違和感に正直になること」が大切

このプロジェクトに賛同するにあたり、私たち同じ企業の「大人」に対して、問いたいことがあります。それは「私たち大人は、本当に彼、彼女らの情熱や頑張りを、正当に評価できているのか」ということです。

「人は見た目が9割」とも言われていますが、見た目が与えるバイアスは想像以上に強いです。リクルートスーツ、ひっつめ髪、黒髪……。そういった「就活ルックス」が、私たちの目を濁らせていませんか。

無垢なルックスを学生に強いることで、無自覚に「何も知らない、うぶな就活生」というインプットを自らにして、本当は自分よりもよっぽど今と向き合い必死に闘っている彼、彼女らを、どこか未熟な存在と認識し、軽んじてはいませんか。

私はこの「見た目」により生じる力関係が、企業と学生、社会人と学生の健全な関係性づくりを、阻んでいるように思えてならないのです。私たちがこのプロジェクトに賛同しているのは、この「就活ルックス」の孕む「いびつな力学」を排除するためでもあります。

一方で、改めて就活生の皆さんにもメッセージがあります。違和感があるのに、「みんなやっているから」「それはそういうものだ」と飲み込んだこと、ありませんでしたか。あるいは、無自覚に受け入れ、考えもしませんでしたか?

これまでは「同じタイプの人間だ」とわかってもらえた方が、「言われたことをきちんとできる自分」を伝えるうえで「便利で効率的」でした。今でも、多くはそうかも知れないです。

けれど、私たちは思うのです。これからの令和においては、無自覚に言われたことができるようなAIに代替される価値はなくなり、なんでも確実にその「意味」が問われる時代にとなっていくだろうと。

つまり、早く答えに行き着くための「便利」や「効率性」が供給過剰となる中で、「問い」そのものや、なぜそこに向かうのかという「意味」が求められてくるということです。

ITの進化により、社会全体で情報の非対称性がなくなり、いろいろなものごとがオープン・フラットとなります。自ら望みさえすれば多様な選択肢が得られるため、「自由」でいることのハードルはどんどんと低くなっていきます。

そして、だからこそ、同時に「自由」でいることの「意味」や「責任」が問われることになるでしょう。面倒くさくて、大変な時代です。「なんで」とか「どうして」とか、いちいち確認する人、ちょっと面倒くさいですよね。

でも、自分で自分の人生を選び、引き受けることでこそ、人生の意味が生まれると、私は思うのです。そして、そうやって主体的に自分の人生を選択するということが、それぞれの人生を豊かにし、組織や社会にとってもHappyな関係を生むと、私たちは信じています。

私たちもまだまだ。それでも小さな一歩を踏み出したい

「#令和の就活ヘアをもっと自由に」というプロジェクトと、それが目指す価値観が日本に少しでも広がることで、「自分で自分の人生を歩む」きっかけが小さくても生まれていってほしい。そんな願いとともに、私たちはこの企画に賛同しています。

最後に、これまで問いかけてきたことの多くは、自分たち自身に対してのものでもあります。「自分たちはそんなに偉いんだっけ?」と、常に問いかけています。自分で書いていて、耳が痛いです。できてないこともたくさんあります。

人事として発信したメッセージが説明会や選考で感じてもらえなければ、それは壮大なブーメランとなり、自分自身の身を滅ぼしかねません。正直に言えば、怖さもあります。

それでも、「#令和の就活ヘアをもっと自由に」というプロジェクトに勇気ときっかけをもらいながら、私たちは小さな一歩を踏み出すことにしました。まずは自分たちから変わっていこうと、MSOL社内への宣言でもあるのです。

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