常に挑み続ける活躍社員。その原動力は“半径2メートル以内のひと”への愛でした

2018年4月に開園した当社運営の企業主導型保育園「こころワクワク保育園」。開園に向け力を注いだのが入社9年目の堀 杏菜です。事業を起案した動機は「大好きな同期社員と共に仕事がしたかった」からだといいます。賃貸仲介や新規オーナー開拓事業の現場で奮闘しながら、彼女自身が常に大切にしてきたこととは。

中学時代は不登校児。小さなライブハウスに居場所を見つけた

▲株式会社エヌアセット 営業部 高津店店長 堀 杏菜

川崎市高津区・宮前区で育ち、大学では建築を専攻。2011年に地元の賃貸管理会社であるエヌアセットに新卒入社。一見、順風満帆な人生を歩んできたかのように見える堀のプロフィールですが、意外にも10代のころ、彼女の道のりはとても暗く、不安に満ちたものでした。

堀 「実は私、中学時代は不登校児だったんです。その理由は自分でもまだ解明できていないのですが、幼稚園のころから集団生活に違和感を持っていて。小学校高学年ぐらいから決定的に学校が嫌になって、気づいたときにはまったく通学しなくなっていました」

しかし、登校しなかったからといって、ずっと家に引きこもっていたわけではありません。もともと好奇心が旺盛で行動力が抜群の彼女は、好きなバンドのライブに足を運ぶなど、頻繁に街へ出ていました。

堀 「よく出入りしていた小さなライブハウスには、さまざまな経験をしている大人の女性が大勢いました。彼女たちとは同じバンドのファン同士ということもあって、北海道や九州で開催されるライブツアーにも連れて行ってもらうほど仲良くなったんです」

事あるごとに年上の友人たちの優しさ、温もりに触れた堀。今の自分自身を認めてくれ、自分が信用できる大人たちとの出会いは、当時の彼女にとって大きな救いでした。加えて、彼女たちがかけてくれた言葉は、自然と受け入れられることができたのです。

「あなたはまだ13、14歳なんだから、何度でもやり直せる。自分のやりたいことをがんばってみたら?」そうたびたび話す彼女たちの助言が身に染み、堀は高校に進学することを決めます。

堀 「もがきながらもなんとか自分で『やり直そう』と思えたのは、身近な存在である両親が応援し、自由を与えてくれたおかげです。世間体をものともせず『とにかくやりたいことをやりなさい』と背中を押してくれた両親には、今でも感謝しています」

再び“学生”へ。アルバイトをしながらひとの温かみに触れた

▲3年前から社員4人でバンドを結成。音楽は、堀の人生を語る上で欠かせない要素のひとつです

堀は「週4日制」でかつ「通信教育への切り替えが可能」な高校で再出発を果たします。高校生活で堀の一番の心の支えとなったのは、アルバイト先であるファーストフード店の女性社員との交流でした。

堀 「不思議な発言を連発していた私を見て、きっと放っておけなかったんでしょうね(笑)。ある日、『交換日記をしよう』と言ってくれたんです。なんでもいいからこのノートに思ったことを書いてきて、と」

今つらいこと、楽しいこと、以前味わった悲しい出来事……堀は、その時々に浮かんださまざまな想いをノートにぶつけました。出勤のたびに「渡す・受け取る」を繰り返し、綴られた3冊の証は、今も堀の宝物として大切に保管されています。

堀 「 9歳年上の彼女は、時に叱ってもくれました。あのころの私は不安定だったのに、本当に根気よく向き合ってくれたなと思います。あれからずっと交流が続いていて、今、彼女は 4児の母になっています。その愛情の深さにはいつも感動させられます」

こうした周囲のひとのサポートもあり、高校を無事卒業した堀。その後、付属大学へ進学することになりました。

堀 「夜間学部は建築か情報システムの 2択だったので『どちらかというと』という感じで建築を選択。昼間は渋谷のセンター街にある雀荘でアルバイトを始めました。お茶出しやお客様との話し相手など雑用係ではあったのですが、他の飲食店に比べて時給が良かったのが入店した一番の動機ですね」

軽い気持ちで始めた雀荘でのアルバイトですが、さまざまな出会いや同僚の優しい人柄に触れて純粋に楽しいと感じ、一時は「このままこの場所で働き続けてもいいかな」と思ったことも。しかし、あらためて自分の進路について考えたときに「せっかくだから就職活動にも挑戦してみよう」という気持ちが堀の中に芽生えてきました。そうして大手新卒採用ポータルサイトで「溝の口 説明会」と検索し、見つけたのがエヌアセットでした。

回り道した私でも自分次第で道は開ける。それを仕事で証明したかった

▲『第2回REAA~Real Estate Agent Award~』受賞式の様子。堀は「こころワクワク保育園」開園の取り組みが評価され、グランプリを受賞

堀はどうしてエヌアセットの会社説明会に参加したのでしょうか。理由は「正直に言うと、きっかけはたまたま自分の都合のよい日時に、自宅近くの会場で実施していた」からだったといいます。

堀 「中学時代よりはだいぶマシになったとはいえ、大学生になってもまだ自分のことで精いっぱいで、世のため、人のためという考えまでは至らずでした。ですから業種や職種などは一切考慮せず、『自分がそこでやっていけるかどうか』という視点でしか会社を見ていませんでしたね」

説明会で登壇していた社長・宮川恒雄の印象は「一見軽そうだけど、人柄がとても柔和で温かそう」。この人が舵を切る会社でなら、やっていけるかもしれない──そんな想いが通じたのか、採用面接はとんとん拍子に進み、堀はエヌアセットへの入社を決めます。

最初に配属されたのは、賃貸仲介の営業部門。2年間在籍したのち、新しく立ち上げられた新規オーナー開拓部門へ自ら希望して異動しました。まだ自社で管理していない賃貸物件を探し、時にオーナーへの飛び込み営業もともなう業務。堀はどんなハードな仕事にも物怖じせず対峙し、めきめきと成果を挙げていきます。

堀 「大学で建築を学び『新しい建物を建てるよりも、既存のものを生かす事業の方が性に合っている』と気づいたせいもあって、うちの会社が展開する事業については基本、腹落ちできますし、与えられた業務に関しては常に全力を尽くすことをモットーにしています。でも正直言って、 28歳ぐらいまでは “意地 ”みたいなものもかなりありましたね。
私は 10代のころに一度つまずいているので、まっとうな道を歩んできた同僚には常に劣等感を持ってしまうんです。到底、みんなにはかなわないと思っています。だからこそひとと違った回り道をしてしまったけれど、自分次第で道は開けることを、結果や評価で示したかったというか」

「自分らしく働ける社風」「同僚たちのひとの良さ」も自分を後押ししてくれたと話す堀。「自分自身がやっていける会社」という彼女の読みは的中したようです。

これからも“半径2メートル以内にいるひと”を大切に

▲エヌアセット高津店のメンバー。女性社員4名で店舗を運営しています

入社7年目の2017年1月。堀は、同期社員の田上恵理と共に企業主導型保育園を企画します。その強い動機は「大好きなひとと一緒に、仕事をしてみたかったから」。

堀 「地域のため、なんて大それたことはまったく考えておらず、ずっと違う部署でそれぞれにがんばってきた田上と新規事業を立ち上げたい、ただそれだけだったんです。家事代行や子どもの一時預かりなどのアイデアも出ましたが、せっかくなら同僚をはじめ、出産した女性が職場復帰できる環境をつくりたいねという話になり。『働く女性にとって今最もニーズがあるのは保育園なのでは?』ということになって、起案しました」

経営陣に提案すると、社長の宮川もかねてから教育関係に深い関心があり、予想より早いタイミングで実施が決定。堀、田上は企画を実現すべく、即座に動き始めました。

不動産会社と保育園。まるで違う業種の狭間に立って新しい事業を立ち上げるにあたり、やはり一筋縄ではいかなかったという堀。どんな苦労があったのでしょうか。

堀 「実際に調整を進めると、自分たちの認識の甘さを痛感することの連続で。すばらしい園長先生や地域の音楽教室の先生たちとのご縁があって、何とか開園にこぎつけたという感じです。業種の違いはさほど関係はなく、仕事の進め方そのものはむしろ共通点が多いと感じました。
目の前のひととの対話をあきらめず、一つひとつのことを真摯に取り組む大切さを改めて実感しましたね。 確かに苦労はありましたが、新しい挑戦をすること自体はやっぱり楽しかったです」

そして2018年4月、いよいよ「こころワクワク保育園」が開園。待機児童の多いエリアということも相まって、地域の皆さんから歓迎される保育園となりました。

堀 「ひとりの大切なひとのためにやったことが、結果として地域のひとに喜ばれたという流れを経験してみて『私が考えていた地域貢献とは違った』と思いました。地域と言うと、ひとではなくエリアなど漠然としたものを指しているようで、いまだにしっくりとは来ていないのですが。
でも、何を始めるにも最初はひととひとの出会いやコミュニケーションから生まれるものなんですよね。だからやっぱり私は、これからも身近なひとに目を向けていきたい」

2019年5月、エヌアセット高津店の店長に就任した堀。3人の若手女性社員と共にまた新たなスタートを切りました。

堀 「これまで同様、社員が『自分らしく』働ける環境づくりを目指していきたいですし、いつも私を応援し、力になってくれるひとを大切にしていきたい。元気な姿を見せていきたいです」

“半径2メートル以内にいるひと”に注がれる堀の愛情は、会社や社会へじわじわと広がり、やがて多くのひとの心を動かしていくことでしょう。

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