あそびにも、環境にも“マジメ”に――リユース製品が「当たり前の風景」になるまで

総合アミューズメント事業を手がけるニューギングループが、2009年から取り組んでいる「ECOパチ・ECOスロ」。製品のパーツを計画的にリユースすることによって、地球環境への負荷低減を図っています。今回はこの取り組みがスタートした背景に加え、実際に製造に携わっている社員の想いをご紹介します。
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製品に使われている貴重な資源を、ムダにしないために

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企業がさまざまな製品を生産・販売するうえで、「地球環境への配慮」は、もはやクリアして当たり前の条件になりました。それは、どんな業界であっても同じこと。私たちニューギングループも、そうした企業責任を果たすために試行錯誤を重ねています。

当社がお客さまにお届けしているパチンコ・パチスロの台は、木材をはじめ、鉄やアルミ、レアメタルなど、さまざまな地球資源を使って作られています。しかし、古くなり使われなくなった台がそのまま廃棄されてしまえば、貴重な資源を捨て、自然環境に負荷をかけてしまうことにもなりかねません。

そこで、2009年からニューギングループが取り組みはじめたのが「ECOパチ・ECOスロ」。今まで廃棄していた製品をもう一度よみがえらせ、リユースする(繰り返し使う)ことにしたのです。

10年以上の歳月をかけて、私たちはこのリユースの仕組みを構築してきました。

まずは全国のホール様から、これまでは廃棄していた古い台を回収。そして工場に集められた膨大な製品を一つひとつ、人の手でチェックしてリユースできるパーツを選別しています。製品ごとに使用されているものが違い、それぞれの使用感、素材の状態などもまったく異なるため、人の目でしか確認ができないのです。

繰り返し使用するパーツは、これもまた一つひとつ、人の手作業によってリフレッシュしていきます。調整を加えたり、磨きをかけたりしたあとに、新しい製品として生まれ変わることになります。

こうしたリユースのプロセスは、今ではすっかり、工場でも当たり前の風景になっています。しかしこの「ECOパチ・ECOスロ」の取り組みは、最初から社員にすんなりと受入れられたわけではありませんでした。

はじめての「エコ」な取り組みと、リユースに対する現場の戸惑い

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「これからはエコの時代。私たちもリユースをやっていこう」――はじめにそう大きく舵をきったのは、ニューギングループの代表、新井悠司でした。90年代後半から2000年代初頭、「エコ(エコロジー)」という概念が一般に広く浸透し、企業活動にも環境への配慮が求められるようになりつつあった頃のことです。

しかしパチンコ・パチスロ業界では、まだどの企業もそうした取り組みに着手していませんでした。新しい素材で、新台を作って当たり前。中古品は品質が劣るもの……。誰もがそう考えていた時代だったのです。

現在、株式会社ニューギンの桑名工場(三重県)で製造本部の部長を務める松木淳二も、当時は製品のリユースに抵抗を感じていたひとりでした。

松木 「正直、リユースは人の手を加えなければいけないので、生産にものすごく手間がかかるんです。それよりも新台をバンバン作って、営業に売り方を考えてもらう方が、製品を手にするお客さまにとっても、会社にとってもプラスになるのではないかと思っていました」
さらに松木が懸念したのは、素材や部品調達に協力してもらっていた、数々の取引先に対する影響でした。

松木 「私たちが新台を作らなければ、単純に各社への発注数が減ってしまうわけですよね。そのことをどう考えるのか、社長に聞いたんです。すると『それなら新台を、今の倍出せばいいだけだ』と。リユースに取り組んだとしても、今と変わらない仕事を協力会社に提供していくんだ、という社長の強い意志を感じて、自分もようやく、真剣に向き合おうという気持ちになったんです」
まずは、環境に配慮して、使えるパーツは繰り返し使用していくこと。リユースによって、お客さまに品質のよい製品を安価にご提供すること。そして、パートナーである協力会社には、これまでと同等の仕事を発注していくこと。この3つの想いを軸として、ニューギングループは業界に先駆け、「ECOパチ・ECOスロ」の取り組みをスタートさせました。

3年先に発売する予定の新台も「いかにリユースできるか?」を考える

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左:清掃前 右:清掃後
今でこそ、業界でも当たり前となっているパチンコ・パチスロ台のリユースですが、ニューギングループが取り組みはじめた当時は、前例が何もない状態でした。松木をはじめとする社員たちは、イチから工場の生産体制、しくみを構築していきました。

松木 「難しいのは、やはりそれぞれのパーツの状態を見極めることです。必要に応じて検査器具も使いますが、汚れや摩耗具合など、微妙な差の判断は人間にしかできないんですよね。そうした品質の基準を定めていくのに苦労しました」
リユース製品だからといって、品質を落とすわけにはいきません。松木たちはそれぞれの部品について、どの程度ならもう一度利用してOKなのか、どこがどういう状態になっていたらNGなのか、という細かいチェックポイントを取り決め、厳しい品質管理体制を整えていきました。

そしてさらに製品のリユースをしやすくするため、私たちがはじめたのが「リデュース(Reduce)」の取り組みでした。リデュースとは、「そもそものごみを減らす」ための行動を指します。つまり新台を開発する際に「いかに廃棄物を減らすか」という考えに立ち、リユースを前提とした製品設計をしていくということです。

松木 「新台が出なければ、リユースもできませんからね。そこで私たち製造部門と、機種開発をしている開発部門とが協力し合い、1点でも多くの部品をリユースするための製品設計を考えています」
検討範囲にしているのは、およそ3年先に販売する予定の新製品まで。現在、ニューギングループではほぼ毎月1台の新台を発表しているため、その総数は30機種を超えることになります。

松木 「はじめからリユースしやすい新台を開発・販売し、それを繰り替えし利用する。そうして循環させていくために、先を見据えた緻密な製品設計が必要とされています。開発と生産がしっかり連動して、さらに2〜3年スパンで見ていかなければ、本当の意味の“リユース”は実現できません。私たちはずっと、それを追求し続けているんです」 

イチ企業としての責任を果たすために、次の段階の取り組みへ

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「ECOパチ・ECOスロ」の取り組みがはじまってから、すでに10数年の年月が流れました。今ではリユースによって生まれ変わったパチンコ・パチスロの台が、ニューギングループを支える主力製品のひとつとなっています。

松木 「当初は、リユースするパーツが液晶や基板などに限られていましたが、その種類も少しずつ増えてきました。現在では十数点におよぶ部品がリユースの対象になっています。工場の中で、『ECOパチ・ECOスロ』生産のためのスペースも目に見えて増えてきていますね」
しかし製造担当の社員たちは、決して現状に満足しているわけではありません。会社として、さらに次の段階に進みたいという目標を持っています。製品のリユースからリデュースができる体制を実現した今、将来的に実現を目指すのは「リサイクル」です。

「リサイクル」はリユースと違い、一度加工されたパーツを原材料に近い状態に戻し、再び手を加えて使用するというもの。しかし実は、パチンコ・パチスロの台に使用されている素材は非常にグレードの高いものが多く、リサイクルすることで強度や耐久性など、品質に問題が出てきてしまいます。それが今、大きなハードルとして私たちの前に立ちはだかっているのです。

松木 「業界内でも、まだまだリサイクルへの道は遠いといわれています。しかし私たちには、製品のリユースにどの会社より早く取り組んできた実績と自負があります。ハードルは非常に高いですが、今後もリーディングカンパニーであり続けるために、取り組むべき課題だと思っていますね」
はじめはリユースそのものに抵抗を感じていた社員たちも、今ではそれを通常の業務として受け入れています。そして「どうすればより効率的なリユースができるか?」「ニューギンとして超えなければならない課題は何か?」を日々考えながら、自分たちの仕事と向き合っているのです。

私たちニューギングループはこれからも、地球環境のことを“マジメ”に考え続け、企業としてあるべき姿を追求していきます。

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