踏み出すその一歩が未来へとつながる――その活動に意思は込められているか

組織の変革活動とは、何も大規模な制度改革や大胆な人事施策だけを指すものではありません。日常の中にある小さな意識の変化、思い切って踏み出した一歩が積み重なり、ひとつの大きな流れをつくります。インフラディレクターとしてお客様のインフラを支える吉田和弘が踏み出した一歩をお伝えします。
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新しい挑戦と抱いた危機感――会社の外に広がる世界

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▲ビジネスソリューション事業本部 データセンター&クラウドサービス事業部 吉田和弘

NTTデータにはお客様の高度なクラウド利用をサポートするインフラディレクターという人財がいます。吉田和弘もそのひとり。お客様の情報システムインフラに対して、コンサルティングから構築、運用までをトータルでサポートしています。

テクノロジーの進化によって、人々の生活を豊かにしていきたい。そうした思いから、社会インフラの構築実績があるNTTデータへの入社を希望した吉田。入社後は、中央府省のシステムインフラ基盤の開発、運用を6年間担当しました。

プロジェクトが一段落した時、上司から法人企業様のパブリッククラウド構築案件に参加しないかと打診を受けます。入社7年目での新しい挑戦。

吉田はこれまで経験してこなかったパブリッククラウドの世界に戸惑いながらも、お客様と一緒になって考え、共に構築を進めていきました。

吉田 「担当したお客様のビジネススピードの速さに驚きながらも、必死についていきました。それはこれまでの仕事の進め方とはまったく違うものでした。勤務地も豊洲本社からお客様先常駐となり、文化の違いを肌で感じつつ、このままではやばい、という危機感を覚えたんです」

吉田が危機感を抱いたもの。それは、当事者意識と責任感をもって主体的に仕事に取り組み、常に学び続けるお客様の姿でした。

今は、インターネットを活用してあらゆる情報を自由に検索できる時代です。クラウドや基盤構築といった技術情報も、自分で調べようと思えば簡単にできてしまいます。

吉田 「お客様も勉強していらっしゃって、自分たちがこれからどうしていきたいかについて日々意見を交わしておられます。
私に対しても意見を求められますが、そうした中に、自分のコア業務範囲だけの知識をもって加わることは難しいです。お客様と共創していくためには、これまで以上に能動的に勉強していく必要性を感じました」

自己満足では終わらせない、相手の気持ちを動かす仕掛けを考える

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▲部署の若手有志が集まり、様々なテーマを持ち寄って勉強会を開催

いずれ後輩たちも同じ状況に置かれるだろうと考えた吉田は、周囲の若手社員を集めて勉強会をはじめます。しかし、ただ開催しているだけでは自己満足で終わってしまうのではないかという不安を感じた吉田。

キャリアを形成するうえでも必要な取り組みで、周囲からも評価されている活動だと参加者に感じてもらうには、何か工夫が必要だと考えました。

そこで吉田が考えたのは、管理職らに勉強会のスポンサーになってもらうこと。ある時、勉強会にかける思いを資料にまとめ、部署の管理職にプレゼンをして回りました。そして、この活動に賛同してもらえるのであれば、スポンサーになって欲しいと依頼したのです。

吉田 「スポンサーになってくれた管理職の方からは、毎回差し入れをいただいています。そして毎回勉強会の冒頭で、『今日は○○さんから差し入れいただきました』と参加者に伝えています。
こうすることで、参加者は目に見える形でこの活動が周囲からも期待、応援されていることを実感できると考えたんです」

吉田の上司である中原もスポンサーのひとり。業務で忙しい中、プラスアルファの時間をつくることは若手社員にとって、モチベーション維持も含めてなかなかの体力を必要とします。

管理職として応援しているけれどなかなか手を貸せない時、こういう風に若手社員の方から切り出して自分たちの活動をみとめて欲しいと言われると、自分たちも協力しやすいと中原は言います。

こうした吉田の、周りを巻き込み人の心を動かすための工夫を生み出す姿勢がひとつの形として現れたのが、ビジネスソリューション事業本部が主催する社内イノベーションアワード「BSチャレンジ」でした。

求めたのは「理解」ではなく「共感」――実現したい未来の姿を伝える

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▲技術だけでなく、サービスデザインの考え方もチームで学んだ

大規模なシステム開発プロジェクトにおけるリスクマネジメントの基本的な考え方として、「スコープの設定」「役割の明確化」があります。一方で、そうした管理中心の考え方が自由な発想や自ら新しいものを創出していくといった組織風土にまで影響を及ぼしてしまう可能性もあります。

そこでビジネスソリューション事業本部では、イノベ―ティブな発想を促しチャレンジ意識を育てることを目的としたイノベーションアワード「BSチャレンジ」が開催されています。

上司の中原からチームでのチャレンジをもちかけられた吉田は、やりますと即答。スマートスピーカーを活用した会議効率化をテーマに、業務の合間をぬってチームメンバーとアイデア創発に取り組みました。

普段はテクノロジーを動かすインフラ構築に携わっていますが、BSチャレンジを通じてその上に成り立つサービスそのものを考え、形にする経験をします。

審査の場でのプレゼンテーションを任された吉田は、スライドを使った説明だけではなく、コンセプトムービーを制作してプレゼンすることを提案。構想から制作、出演まで、すべてチームメンバーで行ないました。

吉田 「普段の業務だと、まず根拠を積み重ねて理解してもらい、承認を受けることを目的にプレゼンします。けれど今回は、まずどんな未来をつくりたいかを伝え、それに共感してもらうことの方が大切だと考えました」

そして、チームは見事最優秀賞を受賞。

評価されたのは、未来志向の考え方とチーム全員の熱意であったと吉田は言います。どうすれば自分たちのやりたいことや、それにかける思いが相手に伝わり、心を動かすことができるか。考え続けた吉田の思いが、ひとつの形になった瞬間でした。

変化の兆しと、変わらぬ信念

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▲普段はお客様のインフラ構築を支えるガジェット好きなBSチャレンジメンバー(写真左が中原)

新しい環境下で、今の自分を変えていかなければ時代に取り残されてしまうという危機感とともに行動を起こしてきた吉田。

BSチャレンジの活動以降は、自分が関わっているインフラの上で動いているシステムのエンドユーザーは誰で、その人は何を考えているのだろうかということをよく考えるようになり、自分の中に変化が起きているのを感じています。

しかしその一方で、変わらないものもあると言います。それは、お客様とともに社会を変えていくという姿勢。

吉田 「自分が主役でものをつくっていくというよりは、お客様と一緒に社会を変えていくということの方が、自分としても会社としても、根幹にある考えだと思っています。
日々進化していくテクノロジーへの興味はつきませんが、大切なのはそれを使って何をするのか。人の生活を豊かにしていきたいという思いをもって、それをお客様と一緒に実現していきたいと考えています」

組織変革は、よほどのことがない限り、急激には起こりません。日々の営みの中で起きる小さな兆しが集まって流れをつくり、ある日ふと振り返ってみた時にしみじみと感じ取れることもあります。

吉田や他のメンバーに呼びかけ、BSチャレンジにチームでの参加を決意した課長の中原。その狙いは新規事業を起こすことよりも、与えられた仕事以外の活動にチームで一緒に挑戦する機会をつくることの方が大きかったと言います。

忙しい毎日の繰り返しに、ともすれば閉塞感を感じて息苦しくなってしまうことも。時には自分が面白いと思うものを、好きにアイデアを出しながらつくってみる。中原は、そうした一見業務とは関係ないように思える活動も、中長期的に見ると重要な取り組みであることをチームメンバーに体感して欲しかったのです。

NTTデータの次なるステージに向け、社員はそれぞれの思いを胸に、日々挑戦を続けています。

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