日本企業がこれからも世界で活躍するために――ひとりのコンサルタントの挑戦

SAPを活用したグローバル経営管理コンサルタントとして、お客様の経営管理課題解決に向けまい進する鬼頭奈未。鬼頭を動かすのは、日本の産業振興を支えたいという想い。お客様の変革パートナーとなるべく奮闘する、若きグローバル経営管理コンサルタントの姿をお伝えします。
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やるなら今しかない!――世界で活躍するためにつかんだひとつのチャンス

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▲NTTデータ 製造ITサービス事業本部 鬼頭奈未

日系企業のグローバル経営課題の解決に向け、コンサルティングから設計、開発、運用までのプロフェショナルサービスを提供する株式会社NTTデータのSAP Global Operation。2018年現在、54カ国・1万2000名のSAPエキスパートが、お客様のグローバルガバナンス強化とデジタル変革をサポートしています。

グローバル経営管理コンサルタントとして4年目を迎える鬼頭奈未もそのひとり。鬼頭は学生時代から日本の産業振興に関わる仕事に就きたいと考えていました。きっかけは尊敬する恩師との出会い。大学時代、政治学の授業で出会った教授の話に、鬼頭は引き込まれていきました。

鬼頭 「その教授はとても熱心で話もわかりやすく、学生は誰もみな授業に集中し、吸い込まれるように話を聴いていました。私もそのひとりで、教授のゼミに入って日本の経済成長の歴史などを研究するうちに、日本企業がこれからも世界で活躍するにはどうすればよいのかを考えるようになりました」

どのような仕事を通じて産業振興に関わっていきたいか、鬼頭は就職活動の中で様々な道を考えましたが、ITを活用してお客様企業の外側からサポートする方法もあるのではないかとNTTデータに入社を決めます。

入社後、まずは技術の基礎をしっかり身につけるべく、開発プロジェクトでシステム開発に携わります。

そして入社5年目になったとき、鬼頭は日系企業の欧州経営管理システムの構築案件に関わるチャンスを見つけます。言葉の壁やコンサルタントという新たな業務領域への不安。性格的に考えすぎて行動に移すのに時間がかかるタイプだという鬼頭が、このときは思い切って飛び込みました。

鬼頭 「次またチャンスがくるとは限らない、やるなら今しかない!という思いで、チャレンジしました。私の中で、女性としてのキャリアを考える節目の時期であったことも背中を押されたきっかけでした。今振り返ると、これまでの自分からは考えられない行動でした」

そして鬼頭はこのチャンスをつかみ、グローバル経営管理コンサルタントとしての一歩を踏み出します。

海外での新しい挑戦の中でも変わらなかった自分の強み

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▲欧州ではプライベートの過ごし方にも悩んだが、お客様と打ち解け一緒に観光もした

欧州経営管理システム構築プロジェクトに参画した鬼頭は、ヨーロッパへ飛びます。慣れないビジネス英語に苦労しながらも言葉の不安は徐々に和らぎ、関係者とのコミュニケーションはうまくとれるようになっていきましたが、業務面での悩みは続いていました。

すでに現地で動きはじめていたシステム開発のプロジェクトマネジメントオフィス(PMO)チームとして参画した鬼頭は、開発経験はあるものの、このとき導入することになっていたシステムソリューションを扱った経験や経営管理に関する知識はまだこれからという段階でした。

さらに、日本とは違う文化を持つ現地ベンダーとの調整についても悩んでいました。

鬼頭 「『何も知らない、できない日本人がなんで PMOとして横から入ってくるんだ。』と、誰も口には出さないけれど、そういった空気を現場から感じることもありました。そうした中で自分の存在意義を示すためにはどうすればいいのか、現地に行ってからもずっと悩んでいました」

そのとき、鬼頭の支えとなったのは、応援し協力してくれる先輩社員やチームメンバーの存在と、入社後4年間携わってきたプロジェクトでの開発経験。その4年間で鬼頭は、日本におけるシステム開発のひとつの標準的なロールモデルを学びました。この基礎力を活かし、鬼頭は自身の役割を見出していきます。

国内での開発と異なり、海外ベンダーとのやり取りの中では最初から明確に互いの役割を取り決めておかないとのちのトラブルにつながります。

そこで鬼頭は、要件を整理して曖昧になったままの点はないか細かくチェックし、仕様変更の管理や変更可否に関してお客様と交渉するなど、日本での開発経験を活かし、品質担保に重点をおいて対応しました。

鬼頭 「こうしたところはもともとお客様からも期待されていたことで、開発スケジュールの遅れなど私たちにはどうにもできないところもありました。しかし、プロジェクトマネジメントのサポート、品質担保という点ではお客様に貢献できたと考えています」

鬼頭はこの経験を通じて、国内開発案件で見てきた正しい開発の在り方、要件整理などの基礎は、場所を海外に移してもお客様との折衝や開発管理の中に活きていると感じました。

また、欧州における国や地域の慣習、お客様体制や特色を取り入れながらベストプラクティスを見つける重要性を実感したのです。

まだまだ力が足りない……それでも挑戦を続けていく

帰国後、鬼頭はグローバル経営管理基盤構築プロジェクトを担当することになります。ヨーロッパでも通用した開発管理の基礎力と柔軟性という自身の強み。しかし経営管理に関する部分については、まだまだプロジェクトから学ぶことの方が多いと言います。

鬼頭 「お客様のグローバル展開における経営課題をサポートするためには、経営層の方と対話できるだけの知見と経験が必要になってきます。お客様側に明確に実現したいことがある場合は、それが何であるかを理解し、システム要件に落とし込んでいきます。
しかし実際には、お客様自身もどのような形で管理すると経営がスムーズに動くのかを悩んでいらっしゃることの方が多く、こちらから提案してお客様と対話を重ね、意思決定に至るまでの道筋を整えていくことが求められているんです」

お客様の状況によって、臨機応変にサポートの仕方を決めなくてはならない。そういったところに鬼頭は経営管理の難しさを感じていました。

鬼頭 「でも、そこまでの力がまだ私にはないんです。理解できたとしても、提案できるところまでなかなか至っていない。勉強が足りない部分もありますし、自分の中で突き詰めて考えきれていないこともあって、そこが今一番苦しんでいるところですね」

グローバル全域での経営管理といった場合、個々の地域でもそれぞれに経営管理がなされており、国によって文化や考え方も様々。経営基盤構築のためのシステム要件検討をはじめるより前に、取り組まなければならない課題を抱えていらっしゃる場合もあります。

決められたシステムを仕様通りに期日までにつくり上げることは、システム開発において大変重要なことです。さらに重要なのは、そのシステムがお客様のグローバルガバナンス強化とデジタル変革に寄与しているかということ。

そのためには、お客様の経営課題を自分ごとと捉えて考え抜き、議論を重ね、時にはお客様と異なる意見であっても誠実に伝えていくことが必要だと鬼頭は考えています。

鬼頭 「どんな逆境にあっても自分の突き詰めた答えを持ち、周囲との密なコミュニケーションを通じて人を動かす存在になりたいと考えています。
私の部署の統括部長や部長をはじめ、先輩方の存在感は圧倒的なものがあって、お客様に対して自分のビジョンを語り、お客様を動かしているんです。そしてそれだけの信頼関係をお客様と結んでいるように見えます。その姿勢を私もすごく学びたいと思っています」

大切なのは、今と未来の自分を見つめ、ひとつずつカタチにしていくこと

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▲チームメンバーの協力と応援に支えられているという鬼頭。先輩社員の姿勢から学ぶことは多い。

鬼頭は今より広い視野と想像力を身に付け、お客様と信頼関係で結ばれた本当のパートナーになることを目指しています。

鬼頭 「仕様書が出てきて、その通りにつくることだけが求められている時代ではなくなってきているのを感じています。
お客様が真に必要としているのは何かを想像し、議論し、提案していく。偽りや誤魔化すことなく、今の自分たちではできないこと、わからないこともきちんと伝え、相手に真摯に向き合うその姿勢が、信頼につながっていくと考えています」

とはいえ、相手に対して偽りや誤魔化すことなく真摯に向き合うのは簡単なことではありません。

鬼頭 「でもそれってけっこう勇気がいりますよね。言うからにはこちらも覚悟していかないといけないというところもあるし。でもやっぱりそうやってお客様に正面から向き合い関わっていくことで、経営が変われば会社の方向性も変わるし、会社の方向性も変わればきっと社会の方向性も変わる。
お客様の事業に貢献することが、日本の産業発展に貢献することだと私は信じています」

鬼頭は先輩方の背中を見ながら、まだまだ成長を続けます。

鬼頭 「先輩方を見ていると、自分の視野はまだまだ狭いと思います。私は日々の生活や目の前の業務でいっぱいいっぱいになると、先が見えなくなっちゃうんです。
けれど、お客様の中期経営計画の理解に努めたり、経営トップは何を考えているのかを想像したり、そういうところまで目を配って提案したシステムをつくれるようにしたいと思っています」

理想の姿を求めたとき、今の自分のままでいいのか漠然とした不安に駆られることがあります。そんなときは、見えない不安をまず可視化することが必要だと鬼頭は言います。

鬼頭 「大切なのは、今の自分と未来の姿とのギャップを見つけること。それが見つかれば、あとはそのギャップを埋めるためにはどうすればよいかを考え、行動できます。
逆に、埋めずに別の選択肢を探すことだってできるんです。ギャップを見つけるためには、チャンスがあれば飛び込んでみる、少しでもやってみたいと思ったらすぐ行動に移してみる、ということが大切です」

そうすることで、鬼頭は今後のキャリアの方向性を見つけるひとつのヒントにしようとしています。

鬼頭 「お客様に対して、地に足のついたコンサルティングサービスを提供できるようなコンサルタントになりたいと思っています。青写真を大きく描くだけではなく、本当にできることできないことを見極めて、ひとつずつ確実に形にしていきたいです」

鬼頭の挑戦は、まだまだ続きます。

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