「言われたことをこなす」働き方にNO!自分を前面に出してつかんだもの

▲NTTデータ ITサービス・ペイメント事業本部 山口 百合香

山口 百合香の入社は2015年。大学時代、企業とタッグを組んだ企画プロジェクトを複数経験する中で、さまざまな業界への興味を抱くように。最終的にNTTデータを選ぶ決め手になったのは、ある先輩社員との出会いだったといいます。

山口 「たくさんの OB・ OG訪問をした中で、当時 10年目くらいの NTTデータの女性社員が一番キラキラして見えたんです。お客様先への単身での常駐が長い方で “自分で ”考えて行動し、 NTTデータの価値を “自分が ”示すんだ、という熱い想いが伝わってきました。私自身 “言われたことだけをやる ”のは納得がいかないタイプなので、かっこいい!と」

入社後、最初に配属されたのは、流通業向けのシステム開発を行うプロジェクト。すでに試験フェーズに入っており、山口を含めた同期4名で試験のマネジメントを担当することになりました。

山口 「私も自己主張が強い方ですが、他の 3人も同じタイプ。『言われたことだけをこなすんじゃなくて、自分たちからどんどん声を上げていきたいよね』という想いも同じで、なんでも言い合えるのがすごく嬉しかったです。周囲には言い争いをしているように見えていたみたいですけど……(笑)」

同期は山口も含め、全員が受身の姿勢を良しとしないタイプ。そんな4人が上司に真っ先に願い出たのは、お客様との進捗会議に参加すること。自分たちの参加しているプロジェクトがどのような状況で、何が課題になっていて、マネジメント担当としてふまえるべき事柄は何であるのか──。それを、自らの目と耳で収集しようと努めました。

そして、とくに力を入れたのが、実際に試験を担当する協力会社のメンバーとの関係構築でした。依頼したことには対応してもらえるものの、なんらかの気づきがあってもメンバー側から自発的に声が挙がらない。当初はそんな状況があったからです。業務経験も業界知識も浅い4人と、協力会社のメンバーとの間に横たわる溝が原因でした。

山口たちは、そんな溝を解消しようと“環境づくり”にまい進します。「楽しく仕事がしたい」という想いからでした。オンオフを問わずメンバーとの会話の機会を増やしたり、他愛のないニックネームで呼んでもらったり。これにより、多少時間はかかったものの、互いに意見を言いやすい関係性に着実に近づいていったのです。

そうして苦労した分、あとからチームに合流したメンバーの「すごくやりやすい」という言葉に、手応えを感じたと言います。

もうひとつ、プロジェクトの終盤に山口が手応えを感じたのが、お客様からの指名で、システムを導入する拠点向けの説明会でのサポート役を任されたこと。山口にとって大きな励みになる出来事でした。

山口 「自ら意識的にお客様との距離を縮め、最終的には評価をしていただけたことで、『自分の考えを前面に出していいんだ』と思うことができました。今の働き方を決定づける経験になったと思います」

お客様と“直接”コミュニケーションを。築き上げた関係が、自らの糧に

▲同期入社の仲間とは、何でも言い合い切磋琢磨できる貴重な関係。

入社2年目になり、山口は小売チェーン企業のシステム開発のプロジェクトに加わります。2~3カ月のスパンで、比較的小規模な案件を次々とリリースしていくプロジェクトです。ここで山口は初めて、要件定義から設計、製造、試験へと至る開発のプロセスを一通り経験することになります。参画して最初の数カ月は、開発のフローを理解し、プロジェクトの進行にあたっての基本動作を学ぶ期間になりました。

山口 「開発の進め方を理解してからは、『お客様との接点を増やすこと』を意識して動いていました。最初のプロジェクトで、お客様との距離が近い方がより仕事は楽しくなるということがわかっていましたし、目の前の仕事の背景を把握するとより納得感を持って仕事に取り組むことができると実感していたからです」

たとえば、先輩・上司の不在時にかかってきた電話に「私でお答えできるかもしれないのでいったん要件をお聞きしてもいいですか?」と応じるようにしたといいます。

山口 「課題管理表や議事録を見ているだけではわからないことも、お客様との接点が増えることでだんだん見えるようになります。それに、電話を取ったとき、それまでは開口一番『○○さんいる?』だったお客様から、『山口さんがわかったら教えてほしいんだけど』と言っていただけるようになるのは、やっぱり嬉しいです」

自らお客様の前に出る。この心がけが、その後ピンチに直面した山口の身を助けることになります。

異動や育児休業などにより、それまで共にプロジェクトに携わっていた先輩社員達が次々とプロジェクトを離れることになったのです。入社3年目の夏頃には、山口を筆頭に、入社2年目と1年目の後輩だけがメンバーとして残りました。

当然、チームのフロントには山口が立つことに。お客様との交渉や、プロジェクトに関するさまざまなジャッジ、納品物のレビューなども基本的にはすべて山口が行います。

山口 「 5年間の社歴の中で一番の修羅場でしたが、本当に困ったときには上司がサポートしてくれましたし、何よりお客様と良好な関係が築けていたので、乗り切ることができました。いろいろわからないながらも、お客様との接点を増やそうと必死に食らいついていた 2年目までの自分に感謝しました(笑)」

山口が“修羅場”と形容するのは、この間、リーダーポジションでの業務遂行と並行して、ふたりの後輩の教育にも頭を悩ませていたから。

山口 「入社して 1、 2年目はとても大事な時期だと思っているので、これは責任重大だぞ、と。悩みながらではありましたが、とくに意識していたのは『自分の意見を言えるようになってもらう』こと。成果物のレビューで私が言ったことをそのまま持ち帰るのではなくて、『意見を返せるようになってね』ということを繰り返し伝えていました」

今は別のプロジェクトにいる後輩達が、「意見を言える若手」として活躍している様子を伝え聞くのが嬉しいといいます。

単身での出向でもう一段のステップアップ。お客様組織の風土変革に貢献

後輩2名を率いながらリーダーを務めた約半年間を経て、同じお客様の新規プロジェクトに参画するため、山口は初めて単独でお客様先へ出向することになります。入社3年目の終わりころのことです。

もともと開発に携わっていたシステムは、当社の他に3社が開発に関わっていたことから、見た目や操作性の面で画面間のギャップが生じていました。プロジェクトの目的は、それらのギャップを解消して運用面の統合を図ること。

山口 「前段のプロジェクトで、当初私たちが相対していたのはシステム部門の方だけでした。しかし、ユーザー部門の方とも “直接 ”お話がしたいですと繰り返し要望を伝えるうちに、徐々に打ち合わせの席にユーザー部門の担当者も出てきてくれるようになったんです。それもあって、お客様は統合プロジェクトに私を呼んでくださったのかなと思っています」

“直接”は、就職活動のテーマに掲げていたほど、山口にとっては重要なキーワード。自らお客様に働きかけて、ユーザー部門との“直接”の接点を多く持てるよう努めたからこそ、お客様の業務に関する知識を人一倍蓄えることができたのです。

山口 「ひとりでの出向にもちろん不安はありましたが、お客様の仕事を近くで見られるのは嬉しかったですし、最後は『なるようになるさ!』と飛び込みました(笑)」

統合プロジェクトで、山口はそれまでの知識と経験を存分に発揮。自身が思い描いた通りの役割を果たします。

しかしそこから予想外にも、同時期にお客様のシステム部内で進行していた、スマートフォン用アプリの内製化プロジェクトにも携わることになったのです。開発言語は、山口が過去に触れたことのないもの。言語を学ぶところからのスタートでした。

山口 「アプリを『つくる』部分ではサポート役に徹しつつ、要件を仕様に落とし込んだり、ユーザー部門と調整を図ったりという局面ではリードできたら、という想いでやってきました」

今では、アプリの内製化プロジェクトにおいても、開発チームのフロントとして、お客様のユーザー部門とシステム部門との橋渡し役を担っているといいます。

それまでのシステム部門は、ユーザー部門の要望に「規模が大きいからできません」とか「半年はかかります」などと応じることもあったといいますが、いったん要望を受け止め、その後プロトタイプをつくった上で会話をするのが山口のスタイル。

山口 「その甲斐があってか、ユーザー部門の方からは『最近システム部さん変わったよね』という声が聞こえてきます。また、何ができて何ができないのか、というすり合わせの場面でも互いに歩み寄りながら会話ができるようになりました。私らしい “価値 ”を発揮できているのかな、と感じます」

“自分で”考え、価値を示す。そんな「ありたい姿」を目指して

▲上司や周囲のサポートとともに、主体性を持ったアクションでお客様へ貢献する!

環境が変わるたび、主体性のあるアクションによって自ら成長の機会を引き寄せてきた山口。しかし、必ずしも成功体験ばかりではなく、過去にはこんな反省も。

山口 「入社 1年目の終わりごろにあるプロジェクトに参画した際、上長からの指示に納得できる説明がなかったり『これは違う』と感じたりしたときに、私が頑として譲らず、上長と対立するような形になってしまったことがあったんです。
しかし、その後いろいろと経験をする中で、自分の意見を伝えるにしてももう少し違った方法があったな、と……。すごく反省しました」

自分の考えを持ち、それをいかなる場面でもはっきり主張する。その信条に正直であるがゆえに、ときに“猪突猛進”になりがちなところは自分の「弱み」。そう、認識していると山口は言います。

お客様先への常駐は、残すところ半年ほど。この先、どんなスタンスで仕事をしていきたいか。山口自身の「ありたい姿」のイメージは明確です。

山口 「技術のことも、お客様のビジネスのこともわかっていて、お客様がふと漏らしたひと言に『これはどうですか?』とサッとアイデアを示すことができる。そんな、引き出しをたくさんもった人財になりたいと思っています」

お客様と近い距離で、かつソリューションをつくりあげる過程にも自ら携わることのできるポジションが、山口の理想なのです。

また、NTTデータに対してお客様が持っているイメージを、少しずつ変えていきたいといいます。

山口 「お客様にとって NTTデータは、『ちゃんとしたものを任せたい』ときに思い浮かぶ存在であって、『スピード感を持って柔軟に対応してもらいたい』ときに連想してもらえる存在ではないのかな、と感じています。でも、私たちはそういったアプローチだってちゃんとやっていけるんです、と。そこをしっかりアピールしていく必要があると思っています」

どのような環境であっても、自分の想いや考えを臆せず口にする山口。「楽しく仕事をする」ために自分を偽らないスタンスで、今後もチームに前向きな風を吹き込んでくれるはずです。