お客様の真のパートナーとなるために。“寄り添うこと”にこだわり続ける挑戦の日々

若手ながら、多くのシステム開発案件でリーダーを務める松田和也。持ち前の明るさとリーダーシップでチーム内でもその存在感を示す松田ですが、モチベーションを保てなくなったことがありました。お客様の事業変革パートナーをめざし日々努力を重ねる彼が、“壁に突き当たったころ”を振り返ります。
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「これは本当にやりたかった仕事なのか」ギャップに悩んだ入社2年目の秋

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▲NTTデータ 製造ITイノベーション事業本部 松田和也
自分は一体、何のために仕事をしているのだろう――。

真摯に仕事に向き合っていればこそ、誰もが一度は突き当たる壁。入社以来、お客様とともにITを活用した業務改善を実現するシステム開発に携わってきた松田和也にも、そんな思いが頭をよぎった時期があったといいます。 

松田「私は昔からあまり落ち込んだりしないタイプ。でも仕事を始めてから一度だけ『自分は何のために、誰のために仕事をしているのだろう』と考え込んだ時期がありました。入社2年目の秋ごろでした」 

松田が入社後最初に携わったのは、キリン株式会社(以下キリン)の購買系業務に関わるシステム開発でした。2012年の資本提携以来、キリンビジネスシステム社(以下、KBS社)とNTTデータは、ともにキリングループの戦略実行を支える業務システムを開発してきました。松田もその一員として、キリングループの業務システム開発に関わることになったのです。 

当時新入社員だった松田に与えられたのは、先輩社員のアシスタント的な役割。先輩が立てたスケジュールに従い、与えられたタスクをこなす日々。学ぶことは多かったものの、2年目に入って開発が大詰めを迎えたころ、松田の気持ちに陰りが見えはじめました。 

松田「仕事がつらいな、と初めて思いました。本番稼働目前の多忙な時期でしたが、つらかったのは忙しさが理由ではありません。
自分が開発しているシステムが、お客様の業務に導入されたとき、どんな人が、どんな“想い”で使い、どんな影響を与えることになるのか。具体的なイメージを持てないなか、仕事に取り組むのがつらかった。
もちろん開発の背景や目的はプロジェクト計画書に記載されています。でも当時は初めて経験した開発だったこともあり、文書だけではお客様が本当に実現したい“想い”を理解することができなかった」 

“お客様の顔”が見えてこない――。 

松田にとって、それは“仕事のやり甲斐”を見失うような感覚でした。というのも、そもそも松田がSI業界をめざした理由は「自分は“お客様の顔”のなかにやり甲斐を見出すタイプだ」と自覚していたからにほかならなかったのです。 

松田「大学院では経営工学を専攻していました。研究テーマは医療事務の業務改善。実際に病院を訪ね、医療事務の方に現状業務をヒアリングしながら業務で活用されているデータを分析し問題点と改善点を一緒に考える。そうした作業がとても楽しかったので『さまざまな業種の現場に行って、お客様と対面しながら、一緒に問題を解決する仕事につきたい』と考えるようになり、多種多様な業種の顧客を持つNTTデータに入社しました」

突然のチャンス到来。お客様と一緒に問題を解決する楽しさを実感

入社2年目で壁に突き当たった松田ですが、チャンスはすぐに訪れました。次に担当することになったプロジェクトでは、“お客様の顔”が見える役割を与えられたのです。

松田「キリン様の需給計画に関わるプロジェクトでした。ひと言で説明するなら、需要を予測して、工場の製造計画を立てるシステムの開発です。導入対象の工場は全国に10カ所あるのですが、私の役目はその10工場に製造・生産計画システムを導入すること。サブシステムをひとつ任せてもらい、実際に現場に行ってお客様の前に立てることがうれしかった」 

松田に与えられたミッションは「現場のお客様の声から要件を吸い上げ、日別列別生産計画の自動化を実現せよ」
まさに松田がやりたいと願った役割でした。 

松田「まずは担当者として本社のユーザー部門の方にお話を伺い、その後、ユーザー部門の方と一緒に全国10工場に訪問し要件を聞いて回りました。お客様のビジネスに深く関われることが本当に楽しかったです。現場に行く機会をいただけたことで、生産計画の自動化を実現しようとしている工場の製造ラインや、実際に製造している商品を自分の目で確認できました。また、自分がつくったシステムを実際に使ってくださる現場の方々に会えたことで、お客様が実現したい“想い”も肌で感じました」 

各工場でヒアリングした要望を持ち帰った松田は、協力会社の担当者とともに、新たなシステム検討に取りかかりました。プロトタイプができ上がると再び工場を訪れ、お客様に確認いただく。問題点があれば持ち帰り、ユーザー部門の方と対応方針を議論し、システムを改善する。そんな地道な作業を繰り返し、新たな需給計画システムが完成。現場での運用がスタートします。 

松田「ここで開発プロジェクトはいったん終了したのですが、引き続きこのシステムの立ち上げ支援のため、KBS社と共に運用を経験させていただきました。開発時に予算やスケジュールの制約上、繰り延べた改善要望や、本番稼働後に発生した改善要望を取りまとめ、改善プロジェクトが立ち上がることになりました」 

ここで松田は、ひとつの挑戦を試みます。次なる改善プロジェクトのプロジェクト・マネージャー(以下PM)に名乗りを上げたのです。プロジェクト全体を統括するPMは、幅広い知識や経験が必要とされる責任ある役職。普通なら、当時入社5年目の若手社員だった松田に回ってくるようなポジションではありません。 

松田「このシステムには開発・運用と長年関わっていましたし、改善プロジェクトということもあって規模もさほど大きくありませんでしたから、上司に『自分にPMをやらせてください』とメールしました」 

プロジェクト・マネージャーを志願。大きな挑戦が自信へとつながる

改善プロジェクトとはいえ、キリン様の生産体制を支える需給計画システムに関わる重要なプロジェクト。そのPMに思い切って立候補した松田に対し、上司からの最初の返事は「NO」でした。

松田「やっぱりダメかと諦めかけていたのに、後日、突然OKになりました(笑)。恐らく上司は、水面下で調整してくださったのだと思います。アサインしていただいた時は『絶対に成功させてやるぞ!』という気持ちしかなかった。この経験は間違いなく自分の財産になるはずだと思いました」 

松田にとって、複数の業務領域、複数の協力会社の方々を率いてマネジメントするのは初めての経験。プロジェクトの責任者として、難しい判断を求められる場面は何度も訪れました。 

松田「苦労はいろいろありすぎて、ちょっとひと言では語り切れません。過去経験したプロジェクトでも問題・課題解決はしてきましたが、プロジェクトで発生する“すべての”QCDに関わる問題・課題に対し解決の責任を持つという立場は、想像以上にストレスでした。一番のピンチは、本番稼働直前に発覚した性能問題。一時は該当機能の本番稼働そのものが危ぶまれたのですが、性能のチューニングと並行し、お客様と要件調整をおこなうことでなんとか解決することができました」 

チームのメンバーとともに松田が半年がかりで改善したシステムは、無事に安定稼働を開始。プロジェクトは終了を迎えました。PMという大役にプレッシャーを感じながらも、現場で出会ったお客様たちのため、知恵を振り絞って仕事に取り組んだ経験は、松田に大きな自信を与えました。 

入社7年目となる2019年現在は、キリン様のERP(統合基幹業務システム)導入プロジェクトに参加。現行システムと新システムのデータを連携させるインターフェースの開発を手がけています。 

松田「インターフェース開発の要件定義、設計、製造のリーダーを担当しています。今回、お客様と直に接する機会は少ないのですが、過去経験したことのない大規模なプロジェクト。チーム内・外含め非常にステークホルダーの多いプロジェクトですし、難しい局面を迎えることもありますが、やり甲斐を感じています」 

あらゆるお客様の“事業拡大”に貢献できるパートナーをめざして

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▲キリン様の事業拡大に貢献できるパートナーを、チーム一丸となってめざします

そんな松田が、今めざしていること――。

それは、お客様企業の問題や課題の解決だけでなく“事業拡大”にまで貢献できるような存在になること。

松田「需給の開発や運用期間中も市場環境の急激な変化からキリン様が販売する商品の種類の増加など業務ユーザーを取り巻く環境の激しい変化が起きていたため、システムへの対応が求められました。需給のような環境変化が激しい業務領域などは特に開発したら終わりではなく、本稼働後も環境変化に対して発生した課題を共に解決していく人財が求められていると感じています。

そのため、自分が経験した業界や業務領域に深く精通しつつ、徐々に幅を広げていき、お客様と同じ目線からお客様の事業を理解し、ビジネスの変革の提案ができる人財になれればと考えています」 

足りない知識やスキルを補うだけではなく、“お客様にとっての本当のパートナー”としての在り方についても考えを深めていきたいという松田。 

松田「私はもともとお客様企業の事業に深く入り込んでいって、一緒に問題解決することに面白さを感じるタイプ。ですから“クライアント・ファースト”は、入社当時から常に念頭においてきました。PMを務めるようになってからは『PMという立場に求められる“クライアント・ファースト”とは何か』ということも考えるようになりました。

お客様と同じ目線で考えるということと、お客様にとっての一番を考えることは別ではないかと思うのです。お客様企業の本当の意味でのパートナーになるためには、お客様の立場に立つだけでなく、一歩引いて外から広く見渡す目線も必要なのではないか、と」 

そんな松田は、駆け出しの頃の自分を振り返り、話します。 

松田「壁に突き当たっていた入社2年目の自分に、いま声をかけられるとしたら『この先、とても辛いけど面白い仕事がいっぱい待っているよ』って伝えたいですね。モチベーションが落ちたのは、自分自身に主体性が足りなかったからだと思います。

ただ、若手はポジションが与えられないと主体性が発揮しにくいというのも事実ですが、今の自分だったらもっと積極的に『自分にやらせてほしい』と言ったかもしれません」 

学生時代から一貫して“お客様に寄り添う”ことにこだわりつづけてきた松田。「今、自分に何ができるのか」を常に考え続け、チャンスがあれば積極的に仕事をつかみにいく姿勢は、今も松田を成長させ続けています。

松田「今は飲料業界を担当するPMという立場ですが、将来、違う業界を担当することもあるだろうし、PMとは違った立場で仕事をすることもあると思います。どんな業界でも、どんな立場でも、お客様の業務の中に入り込んで、事業拡大に貢献できるパートナーでいたいという気持ちは同じ。学ばねばならないことはたくさんありますが、常に挑戦し続けていきたいと思っています」

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