AI技術を推進するだけでなく、未来を創造する研究者の高い視座

ある番組の公式LINEアカウントにメッセージを送ると、その番組のキャラクターが自動でメッセージを返してくれる。そんなサービスが当たり前になってきたのをご存知でしょうか?実は、これこそNTTレゾナントの得意技。今回は、この対話技術を開発した中辻真の姿を通してNTTレゾナントの技術力をお伝えします。
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AIと人間の自然で多様な対話を実現した技術

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▲NTTレゾナントの中辻真
中辻 「もともと文章を読むのが好きで、理系研究者だけど言語的に考えられる分野を突き詰めたかったんです。それが、 AIやデータ分析領域。理系の枠だけにとどまらないから、いろいろな可能性があっておもしろいです」

そもそも中辻がAIに興味を持ったのは、大学の授業がきっかけ。ちょうどGoogleが盛り上がっていた時期だったこともあり、まだまだ発展途上な部分に研究者ゴコロを刺激されたそう。大学院卒業後はNTT研究所に入社し、AIやデータ分析領域の研究を始めました。

研究を突き詰め続けた結果、2015年度人工知能学会論文賞、2015年度電子情報通信学会優秀論文賞など数々の賞を受賞。時はAIが盛り上がり始めたころ。2015年からは、NTTレゾナントで、研究開発した技術をプロダクトに応用しています。

そして今、中辻を中心にNTTレゾナントは、ポータルサイト「goo」を通して蓄積してきたIT技術とノウハウを活用し、日々AI技術の独自開発を進めています。ディープラーニングを活用した会話の文脈理解や長文での回答生成により、ユーザーとAIの自然で多様な「対話」を実現しました。

2016年からは、この技術を活かしたサービスの開発・提供を開始。2018年からは同技術のセミオーダーソリューション「goo AI×DESIGN」のもと、企業へのAIサービス導入支援もおこなっています。

ユーザーの恋の悩みに、AIが親身に回答する

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▲中辻が開発に携わった「恋愛相談 AI オシエル」。AIが自動で長文回答を生成するという、世界でも最先端の技術が使われている

NTTレゾナントがAIで得意とする「対話」は、ユーザーからの質問をAIが理解して回答することで成り立ちます。

必要なのは、AIに学習させる質の高いデータ。その量が膨大であればあるほど、精度の高い対話を実現できます。そこで中辻が目をつけたのが、NTTレゾナントが提供しているQ&Aコミュニティサービス「教えて!goo」でした。

「教えて!goo」は、ユーザーが投稿した質問に対して、別のユーザーたちが回答するというもので、誰もが簡単に参加できます。そこに反映されているのは、多くの人の疑問や悩みやすい質問内容と、世間一般の価値観から導き出された回答の数々。AIに学習させるには、ぴったりのデータでした。

そのデータを生かして最初に開発したのが、「恋愛相談 AI オシエル」。これは、ユーザーが投げかけた恋愛相談に対して、「AIオシエル」が“長文”回答するというものです。AIが長文回答を生成するという技術は世界でも類を見ないもので、スタート当初、回答の精度の高さと共に世間から注目されました。

中辻 「このサービスを発表したのは 2016年 9月。当時の AIといえば対話か深層学習のふたつでした。私たちは膨大で上質なデータを保有しているので、そのデータを基にこのふたつを掛け合わせればユーザーに刺さるであろうことは十分に予測できたんです」

当サービスは、2019年現在も、日々寄せられる質問や回答を学ぶことで成長し、より的確な回答が提供できるよう進化し続けています。

ユーザーの暮らしが少し豊かになるサービスを提供したい

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▲テレビドラマと連動したAIサービスにも技術を提供している

「恋愛相談 AI オシエル」以降、AIがユーザーの気分に寄り添い旅先を提案する「旅行AI」サービスや、日本テレビ系列水曜ドラマ『過保護のカホコ』と連動し、LINE上で主人公と会話を楽しめる「AIカホコ」などを提供してきたNTTレゾナント。

ユーザーが投稿した内容に対してボケてツッコむ「AI芸人」をはじめとする、複数のAIが質問に対して回答するチャットボットも提供してきました。

たとえば、技術提供している日本テレビ系列水曜ドラマ『家売るオンナの逆襲』のLINE公式アカウント。これは、ドラマの舞台である「テーコー不動産新宿営業所」で働くメンバーとグループチャットしているかのように、複数のメンバーが返答してくれるサービスです。

これは放送業界でも例を見ない試みで、多くの反響をいただきました。

こう振り返ってみると、企業様に導入していただいたAIサービスはどれもがユーザー向けのもの。これには、NTTレゾナントならではの理由があります。

中辻 「私たちは、もともと gooという BtoCのサービスを運営している会社です。だから、企業様向けに技術を提供するときは業務効率化などではなく、 gooで養ったノウハウを基に少し尖っていてユーザーの心に刺さる、リーチできるものを提供するのが役目だと思っています」

AI技術を推進している会社は多数ありますが、NTTレゾナントが目指しているのは人の暮らしに寄り添うAIを研究開発し、世のなかに提供し続けることです。

自分たちの武器を正しく理解し、次に何ができるかを考え続けるのは、どの仕事においても大切なこと。それがNTTレゾナントの場合は、人の暮らしに寄り添い支援するAIなのです。

AI技術でより良い未来をつくるにはどうすればいいかを考え続ける

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▲NTTレゾナントでは、AIの“核心”を学ぶことができると中辻は語る

AIのニーズは年々変わってきています。NTTレゾナントも、それに合わせてユーザーに刺さるAIを開発し続けなくてはなりません。

中辻が取り組んでいる自然言語処理でいうと、今までは定型文やある程度完成された文章の組み合わせを回答するものが主流でした。しかし、これからは文章そのものをAIが生成する流れになってくるでしょう。

たとえば、ユーザーが話している内容を中期的に理解・分析し、お薦めを紹介するチャットボットが近いうちに登場しても不思議ではありません。

中辻 「個人的な見解ですが、 2020年代には学習データだけではない創造的なレベルで AIが回答するようになるでしょう。そこにキャラクター属性も付随させれば、 AIはただの人工知能ではなく友達のような存在になり得ます。それってちょっとワクワクしますよね」

ただAI技術を推進するためには技術面だけでなく、企画目線で人の暮らしを豊かにするAI技術を考える。これこそが、NTTレゾナントのエンジニア文化です。

中辻 「 NTTレゾナントは NTTグループを通じた研究開発と、その商用適用というサイクルが C向けのフィールドでバランスよく連動しています。その環境でエンジニアとして働くと、先端技術を理解しながら商用適用をおこなうことになるので、 AIの核心をしっかり理解できるようになるし、本質的なスキルが身につくんですよ。
しかも、研究開発のサイクルが早くて、トライアンドエラーを何度もくり返せて実践もできる。そういう技術の本質や今後の課題を十分理解して、開発ができる人材は、特に AI領域では、どこでも重宝されます。そのため、技術者として成長したい人にはやりがいのある職場だと思います。
また、私は研究者であり開発者です。研究とその社会実装を通じて社会の役に立つことが、情報学・ AI領域での私たち企業研究者の特に大きな貢献だと感じます。また、そうした営みを通じて、次の研究や事業適用のアイデアも出てくるものです」

エンジニアにとって大切なのは、技術開発することだけではありません。その技術を活用して、いかによりよい未来をつくっていくかが大切なのだと、NTTレゾナントは考えています。

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