時間で縛るのをやめたら、業務の効率化が進んだ──個人の裁量と会社の成長は比例する

株式会社オークローンマーケティングが運営するショップジャパンには、多様な社員一人ひとりが働きやすく、かつ最大限に活躍できる環境をつくるために、「SJ Mytime制度」という独自のフレックス勤務制度があります。この制度づくりに携わった社員の想いと、実際に活用しているママ社員の声をご紹介します。

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仕事の内容は一人ひとり違うのに、働く時間は一緒じゃなきゃダメなの?

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▲人事・総務部 次長の宇佐美 真穂

ショップジャパンを運営する株式会社オークローンマーケティング。同社が目指す仕事環境は、年齢・性別・役職関係なく、全社員がイキイキと働けて、成功できる環境です。

しかし、従来の勤務スタイルには課題がありました。

ショップジャパンでは商品の発掘・開発から、マーケティング・ブランディング、販売チャネルの運営、物流まで、お客様に商品をお届けするまでの過程を一貫して行っているため、社内の部署や業務は多種多様に広がっています。

しかし、「SJ Mytime制度」導入前9時始業18時終業といった、いわゆる一般的な勤務時間を設けて一律管理を徹底していました。それにより、部署によっては残業が増えてしまうケースが多々生じることも。

宇佐美 「たとえばショップジャパンのインフォマーシャル映像をつくるクリエイティブチームは、制作会社さんが取引先にあたります。編集の立ち合いなどによって深夜まで業務が伸びることもあるなか、次の日は朝 9時に出勤していなければなりませんでした」

また、そのインフォマーシャル映像にご出演いただく愛用者様の出演交渉を行うチームは、お客様のご都合に合わせて業務が発生するため、土日の出勤や出張が重なることも。

相手先は、社内に限ったことではありません。たとえばITシステムのチームは、社員の業務時間外にシステムのメンテナンス作業が発生するため、どうしても早朝か深夜での作業になってしまいます。

宇佐美 「 18時以降に業務が発生することがわかっていても、定時が決まっていればおのずと残業時間が増えていきますよね。当社の月の平均残業時間は 13時間程度と比較的低いのですが、そのなかでも残業が目立つ部署がある、というのが課題でした」

長時間労働は業務効率にも影響するため、社員の健康状態も懸念されていました。そこで2015年に導入されたのが、「SJ Mytime制度」です。

1日8時間未満でもOK?個人の働き方に寄り添うフレックス制度

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▲SJ Mytime制度の解説

この制度の特長はふたつあります。

ひとつは“コアタイムを含むフレキシブルタイムの範囲内で、始業および終業の時刻を対象者本人の決定に委ねる(コアタイムは月1で実施される1時間の全社ミーティングのみ)”ということ。

もうひとつは、会社や部署、上司と約束した1カ月間における成果をきちんと発揮することが条件の上、“1カ月における総労働時間が120時間を満たせば、100%労働したものとみなす”ということ。

ちなみに一般的な月の労働時間は 1日8時間勤務×出勤日数20日の160時間。これと比べると、「SJ Mytime制度」が定める120時間という数字は少なめです。

宇佐美 「この制度は部署や役職関係なく全社員が活用できます。始業・終業時間を自由に決めることができる制度はこれまでもあったかと思いますが、労働時間が 1日 8時間以下でも良しとするというのは珍しいと思います」

この制度の導入により、社員それぞれの業務に合わせたさまざまな勤務スタイルが実現されています。たとえば、18時以降の業務が発生する当日や翌日は、朝の出勤時間を遅くしたり、月末締め切りの業務が多い部署の社員は、月初は18時前に退勤したり。

宇佐美 「業務を効率化させればさせるほど、会社にいる時間を短くすることができます。だったら、よりいっそう頑張りますよね(笑)。
制度を導入したことによって、社員の時間に対する意識がよりいっそう高まったと思います。どうしたら業務を効率化できるのか、業務の棚卸しや会議時間の見直しを行った社員が多くいました。また、これまで 1日単位で見ていたスケジュールを、 1週間や 1カ月と長期目線で管理できるようになりましたね」

業務面だけではなく、ライフ面にも良い効果をもたらしています。

これまでよりも会社にいる時間が短くなったので、その分ジムやヨガなどのリフレッシュや家族と過ごす時間を増やしたり、あるいは自分自身のスキルアップのための勉強の時間にあてたりと、ワーク・ライフ・バランスの実現にも生かされているのです。

しかし、導入後すぐは現場から混乱の声が聞こえてきたのも事実です。それは主に管理職たちから。

宇佐美 「管理職にしてみると、これまではある程度の時間単位でチームメンバーの業務管理ができていたんです。しかしこれからは、チームメンバーの仕事を可視化し、1カ月 160時間分のアウトプットが出ているかをマネジメントしていかなければなりません。そのために、何度も管理職向けの説明会を行いました」

また、始業・終業が個人に委ねられているため、「業務相談をしようと思ったが担当者がすでに退勤しており、つかまらなかった」という声も。

誰かに特化した制度は使いにくい。みんなが使えるから意味がある

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▲働く環境──ショップジャパン 東京オフィス

新たな制度の導入による混乱。しかし、それは想定内だったと宇佐美は言います。

宇佐美 「今までの勤務スタイルが変化していくわけですから、混乱が起きるのは想定内です。それよりも、会社がどうしてこの制度を導入しようとしたのか、目的は何なのかを浸透させる方が大事だと考えています。
この制度は、始業や終業時間の判断を個人に完全に委ねるので、悪用(さぼるなど)しようと思えばできてしまうわけです。しかし会社が社員を信じ、導入に踏み切ったわけですから、そこをきちんと理解してもらわなければなりません」

導入当初は混乱があったものの、活用される制度になった背景には、当社の企業文化が大きく関係しています。

1つめは労働時間の長さではなく、業務効率の良さや目標の達成度を見る“パフォーマンス重視”の文化。

2つめは年齢や性別、国籍、ライフスタイル、バックグラウンドなどが多様な人材が在籍しており、社員一人ひとりがお互いを高め合い尊重し合う“多様性を重んじる文化”。

3つめは、お客様の生活を良くするいい商品を提供するために、まず社員のライフスタイルを充実させようという“ワーク・ライフ・バランスの実現”の文化です。

こうした企業文化に後押しされる形で、導入して4年ほど経った今では、何の違和感もなく制度が利用されていると言います。

宇佐美 「ショップジャパンの制度は、社員全員が使えるものになっているかを重視してつくられています。たとえば “女性に特化した制度 ”は、逆に女性が使いづらかったりしますよね。
どんなにいい制度でも社員が活用していなければ意味がありません。引き続き社員自身が、仕事の効率化や生産性を意識して仕事ができる環境をつくりたいと考えています」

自分も成長したいけど、子どもの成長も大切。成果評価なら両立できる

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▲Eコマース部の小谷野の退社後は、主に子どもと過ごす時間にあてている

実際に制度を活用している社員は、どのように感じているのでしょう?

Eコマース部に所属している小谷野百夏は、制度を利用している社員のひとりです。2児の母である小谷野は子育てをしながら転職活動をし、2017年4月にショップジャパンへ中途入社しました。

小谷野 「入社前にどのような働き方をしたいか自分の考えを上長に話しました。育児をしながら働くこともあり、上長からは仕事との両立も考えて時短勤務の提案もしてもらいました。ただ私としては今後の自分のキャリアプランを考え、フルタイムでの裁量で仕事がしたいと伝え、朝 8時前に出勤、夕方 5時前には退勤するという勤務スタイルをお願いしました」

会社や上司からの理解は得られたものの、保育園へのお迎えなど時間的な制約があるなか、新たな環境で仕事することに緊張していたとのこと。

小谷野 「 9時~ 10時頃にかけて出勤してくる社員が多いので、どうしても直接コミュニケーションが取れる時間がほかの社員より短くなってしまいます。本当に周りからこの働き方が理解されるのか、自分の仕事が円滑に進むのか、正直不安はありました」

しかし、入社してからはとくに違和感もなく業務を進められていると言います。現在も朝8時頃には出勤し、夕方5時前後には退勤するという勤務スタイルをベースにしているそうです。また、早めに退社しなければならないことがわかっている時には、出社時間を普段より早めたり、違う日に長めに働いたりと、この制度があるからこその出勤スタイルを実現しています。

小谷野 「子どもの有無だけでなく、既婚・未婚も関係なく、本当に誰もがこの制度を使っている環境があるからこそ、遠慮することなくこの制度をフル活用し働けています。ママ社員だけに特化した制度だったら気を使って、使えなかったもしれません」

小谷野が退社してからの日常は、主に子どもと過ごす時間。保育園のお迎えから、夕飯づくり、お風呂に入れる、遊んで、寝かしつけるなど、早めに帰宅ができるからこそ、気持ちに余裕をもって子どもと接することができています。

小谷野 「ビジネスパーソンとしての自分がなりたい姿や目標はあります。でも子ども
の成長も大切。どちらかを諦めるというのは自分のなかで選択肢としてありません。時間の制約がある身として、成果で評価される環境は非常にありがたいです」

ライフスタイルが多様化し、個が尊重される時代。これからのショップジャパンは“全社員が成功できる環境構築”を諦めません。

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