筑波大学蹴球部の強さの秘訣とは?──“人の心を動かす”広報で大学サッカー日本一に

筑波大学蹴球部は、クラウドファンディングやファンクラブ創設、ファン感謝祭など独自の仕掛けをいくつも行っている、大学体育会の中でも類いまれなチームです。そんな彼らが目指す“人の心を動かす”広報とは?広報局長の金井伸悟さんとTwitter運用担当の小林晴希さんに聞きました。
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やりたいようにやる──それが“強さ”の秘訣

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▲部員全員で筑波蹴球部をつくり上げる

筑波大学蹴球部の総部員数は約160人と、ほかの大学のサッカー部と比べても大所帯です。練習は1部から5部に分かれて行っています。

金井さん 「 筑波大学蹴球部は 1部から 5部までの全部員が、部の運営に携わっています。私たちが所属する広報局をはじめ、蹴球部が出場する大会の運営を行う運営局、グラウンドの備品を管理する用具局など、役割ごとのグループに分かれています。役割分担をしっかり決めることで、部の運営がスムーズにいくようにしています」

広報局には20人ほどの部員が所属し、部報をつくったり、メルマガで試合結果をお知らせしたりしています。HPの運用や、試合中にTwitterやPlayer!を使って試合の実況を行うのが主な仕事です。

また最近では、SNSチームが筑波大学蹴球部のさまざまなSNSチャネルを使って、部の魅力を発信し続けています。

金井さん 「 SNSの運用はもとは広報局がやっていましたが、一昨年に発足したプロモーションチームで、スポンサー獲得やファンクラブ創設のために SNSを積極的に運用するようになったんです。クラウドファンディングをする時も、改めて SNSを使った情報発信がとても重要だと実感して……。だからこそ、今年から、有志の SNSチームというのが発足したんです」

試合結果などの定型的なものは広報局、その他の自由な発信は SNSチームと分けることによって、より充実したコンテンツを発信できるようになりました。

YouTubeの動画をつくる人、InstagramやTwitterに投稿する画像のデザインを決める人、それを運用していく人と、それぞれ戦略を立てて運用しています。

自分たちがやりたいようにやる──「120年の伝統ある筑波大学蹴球部の一員である」という誇りを持ったうえでの“自由さ”がそこにはあります。

蹴球部が広報にこだわる理由

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▲筑波大学蹴球部の広報を支える2人

2019年現在では、筑波大学蹴球部の情報を発信するSNSツールは、Twitter、Instagram、YouTube、Facebookです。各SNSの特性を生かし、部の魅力を伝えています。

小林さん 「 Twitterでは、主に試合結果や試合の実況、トップ選手の Jクラブ内定情報など、“速さ ”を意識して投稿するようにしています」
金井さん 「 Instagramでは、選手の “生 ”の姿、“熱 ”が伝わるように工夫しています。YouTubeでは試合のダイジェスト動画をつくり、現場に来られなかったファンの方へ “臨場感 ”を伝えるようにしています。
Facebookだけは、世代じゃなくって……(笑)。まだ使い方が分かっておらず、これから運用に力を入れていきたいと思っています」

また、オンラインのコミュニケーションだけではなく、オフラインでのコミュニケーションにも力を入れているのが筑波大学蹴球部の魅力のひとつです。

金井さん 「最近では、地域の少年団でのサッカー指導も行っています。また、2019年の 3月には、初めてファン感謝祭も実施しました。地域の子どもたちやその保護者さんも多数参加してくださり、そこから蹴球部の試合を見に来てくれるようになった方もいらっしゃいます」

一方で、まだまだ蹴球部の魅力を伝え切れていない世代もあると言います。

金井さん 「自分たちの同世代である “大学生 ”にはまだまだ魅力が伝わっていないように感じます。 なので、多くの大学生に届くように、今年の3月のファン感謝祭の時には、ほかのサークルと協力して SNS発信をしました。
また、ほかの体育会の情報を蹴球部の Twitterでリツイートしています。 “個人 ”をいきなり呼び寄せるのは難しいと思うので、だからこそ、 “団体 ”から、巻き込んでいけたらと思っています」

Player!で大学サッカーを“みたい”コンテンツに

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▲Player!の実況でも試合の臨場感が伝わるような実況を心がけている
小林さん 「プロのサッカー会場に行くと、サッカーを見るだけじゃない楽しみがありますよね。でも大学サッカーって “サッカーを見るだけ ”だから、ニッチなコンテンツになっている気がするんです。大学を卒業したら Jリーグのチームに行く選手だってたくさん出てるのに、高校サッカーと比べて盛り上がりに欠けてしまっているのが現状です」

そこでもっと“みるスポーツ”としての魅力を感じてもらうためにPlayer!を活用しています。

小林さん 「 Player!上で発信する時は、 Jリーグの実況を真似てわかりやすく書くようにしています。そんな中、おもしろいことがあって、たまに関西弁が出てしまうメンバーがいるんです(笑)。
“転ばされて ”というのを “こかされて ”と書いていて……。誤字だという部内からの指摘に対して、そのメンバーは共通語だと思っていた、みたいなことは何回かありましたね。
また、Player!を使うことで、速報実況が “みたい ”コンテンツへと変化しているのではないかと感じています。
もし自分の息子が蹴球部でサッカーをしていたとして、自分の息子が所属してないほかのチームの速報ってそこまで興味ないと思うんです。Twitterだと欲しい情報がパッと見つかりづらいけど、Player!ならスコアも一瞬でわかりますし、Twitterにシェアした時もパッと今のスコアがわかりやすくなったと感じています」
金井さん 「それに筑波大学蹴球部としては、関東大学サッカーリーグの全チームが導入すればお互いが速報し合えて、どっちかのチームが情報を入力すればスコアが反映される。その仕組みはとても画期的で、手間が省けるという利点もあります」

蹴球部のために“広報局の僕らが”できることを探求していく

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▲(左)Twitter運用担当の小林さん、(右)広報局長の金井さん

今シーズン、部のビジョンとして「人の心を動かす存在」を掲げた筑波大学蹴球部。

金井さん 「今までは伝統ある部として、“強い筑波 ”、結果にこだわってきました。いい選手、いいチーム、いい指導者として、サッカー界において結果を残せるような人材を輩出するクラブになりたいと思ってきました。本当に一番そこが重要なのかな?というのを考えたとき、結果もひとつの手段ではあるけど、自分たちがサッカーをしている姿だけではなく、“筑波大学蹴球部 ”がひとつのブランドになって、見てくれる人を感動させたいと思うようになりました」

広報局の彼らは、広報局だからこそできることを常に探求し続けています。

金井さん「今自分は 4軍に所属していて、自分のプレーではトップチームの勝利に貢献できません。だからこそ、広報の力でファンの人を増やして、もっと選手の魅力を伝えて、少しでもトップの人の力になりたいと思います。関東リーグ、総理大臣杯、インカレと、三冠取りたいと思っています。それに “広報 ”という形で貢献していきたいと思っています」
小林さん 「 Player!を通して情報発信を続け、蹴球部を知って、好きになってもらえたらいいなと思います」

Player!を通じて、筑波大学蹴球部をより多くの人に知ってもらい、いつかはひとつのブランドに──。大学サッカー日本一を目指す、彼らの躍進は止まりません。

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