ソフトボールの“輪”を広げたい! 東京都大学ソフトボール連盟のひたむきな挑戦

東京都の大学ソフトボールを支えているのは、選手で構成された小さくも大きな熱量を持った学生連盟。リーグ一括でPlayer!の速報を導入し、組織として大学ソフトの盛り上げを図ります。Player! Awards 2018-19を通して、その背景とこれからの姿を、組織委員長である丸山咲紀さんが語ります。
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ソフトボール界を底上げしたい──運営に携わることで芽生えた想い

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▲組織委員長として連盟を引っ張る丸山咲紀(まるやまさき)さん。Player! Awards 2018-19の盾とともに

東京都大学ソフトボール連盟は、登録学生数約800名をまとめる、学生16名で構成されている少数精鋭組織です。そこで組織委員長を務めているのが丸山咲紀さん。

連盟が担う仕事は、チームや選手の参加登録から試合会場の確保、試合の運営など、東京都大学ソフトボールリーグ運営のすべて。連盟メンバーもそれぞれ所属大学での役割や練習もある中で、うまく連携して業務を進めています。

部活と連盟活動の両立。慌ただしいながらも頑張れるのは、やりがいを感じる瞬間があるから。

丸山さん 「活動のやりがいを感じるのは、リーグ戦がうまく運営できたときです。グラウンドをきっちりと押さえるところから試合進行のすべてを手順通りにしっかり進ませることができ、リーグ戦後の閉会式で『ありがとう、今回もリーグを楽しく終わることができました!』と各チームの代表者の方々から言ってもらえた時は頑張って良かったと思いますね」

しかし、当たり前のように複数の試合を問題なく進行することは、簡単ではありません。大学ソフトボールを統括する連盟として、丸山さんは試合当日はもちろん、日々の業務も工程通りに進められるよう、全体の進行管理と指示出しを行う重要な立ち位置を担っています。その立ち位置から見えるのは、学生がリーグ盛り上げを行う上での大きな課題。

丸山さん 「組織として体制ができ上がっていないリーグ 2部 3部のチームに、いかに試合へのモチベーションを高めて参加してもらうかというところに難しさを感じています。大学ソフトボールはチームを強化育成することも重要ですが、それ以前に競技人口が少ないゆえ、組織として成り立つことが難しいチームや活動の存続ができないチームがあります。
少しでも多くのチームに参加してもらえるよう連盟としてアプローチすることが必要ですし、競技人口を増やすことも課題としてあるんです」

マネージャーやスタッフがいないチームも少なくありません。現に丸山さんが所属する中央大学女子ソフトボール部では、人数的な余裕がないことから、丸山さんが監督と主将を掛け持ちして活動されていた時期もあったほどです。

深刻な競技人口減少をなんとかして食い止め、よりたくさんのチームに試合に参加してほしい。それと同時に大学ソフトボール界をもっと底上げしたいという強い想いが、連盟での広報活動の取り組みにつながってきます。

競技や選手の魅力を伝え、“ソフトボールファン”に届けていく

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▲広報活動について想いを語る丸山さん

世間一般で認知されるようなスター選手が不在の今の大学ソフトボール界だからこそ、連盟では競技の魅力や盛り上がりを伝えるためにSNSを積極的に活用しています。高校で競技を引退するとともにソフトボールから離れてしまう学生が多い中で、Instagramでは高校生向けに情報発信するなど、競技や選手の魅力を広く伝えるための試みが行われているのです。

丸山さん 「 Instagramはソフトボールの魅力発信による新しいファン開拓、また、大学での競技人口増加のため高校生への発信を主な目的として運用しています。大会会場を位置情報で明示したり、『#ソフトボール好きとつながりたい』などソフトボールファン向けのハッシュタグを活用したり、選手紹介の際に母校名を記載したり、できるだけ『ソフトボール好きに伝える」という観点で投稿を考えているんです。
実際に、Instagramの投稿を見た高校生の方が『近所で試合をやっているんだ』と、試合観戦に来てくれたこともありました。私たちの取り組みがうまくいったんだな、と。素直に嬉しく思いました」

また、より試合の臨場感や盛り上がりを伝えるため、今年から動画に注力していると言います。

丸山さん 「得点シーンや選手のプレー動画はもちろん、各大学の主将の方の意気込みや、打率・防御率上位成績選手の喜びの声の動画を発信しています。
選手のプレー動画を見ることで、大学の友達は普段の姿とのギャップに心奪われるかもしれません。
さらに、“大学が一緒だから応援しよう! ”という理由だけでなくて、プロ野球のように『この選手のこのプレーが好きだからファンです!』という人が生まれたらすてきだなと思っています。
意気込みを語る動画からプレー動画まで、ひとりの選手にフォーカスして配信した動画からファンが生まれ、そのファンがまた動画を心待ちにするような循環が生まれる。最終的にはそこを目指しています」

ひとりの選手の魅力を伝えることからゆくゆくは競技全体の魅力を幅広く、より深く届けたい──そういった“輪”をつくるために、工夫を重ねているのです。

また、競技の魅力を広く伝えることはもちろん、連盟としては試合情報を早く正確に、丁寧に届けることが何より重要だと丸山さんは言います。

丸山さん 「同じ SNSでも Twitterでは、リーグの試合結果の速報を中心に投稿しています。結果を楽しみにしていらっしゃる OGや関係者の方向けに、丁寧な情報提供を行うことを心がけています。各大学の Twitterでもシェアしやすいよう、連盟の Twitterとしてはまじめで公式感がある投稿を行っているんです」

連盟として各試合の結果を丁寧に伝えることができています。しかし一方で、「試合中の速報」については、なかなか届けられないという課題があったのです。

丸山さん 「東京都大学ソフトボールリーグでは、試合中にベンチ内でスマホを触ることがルールとして禁止されていて、試合中の速報をチームが伝えることは難しい状況でした。チームによってはベンチに入らない選手やスタッフが速報することができたり、中には試合観戦に来た保護者の方に速報を流していただくこともあって。
人数が少ないチームや保護者があまり来ない試合ではほとんど試合中の速報情報が回らないこの状況を、なんとか連盟で解決できないかという想いがあったんです」

一番新鮮な情報である試合の展開をライブで伝えたい、チームによってできるできないをなくし平等に盛り上げたい。そんな想いを解決したのがPlayer!でした。

Player!から生まれたソフトボールの輪

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▲Player!を通して自分たちもよりソフトボールにのめり込むようになったと言います

2017年に、連盟にPlayer!を導入することが決まりました。大学のチームごとではなく、連盟としてリーグ一括でPlayer!を運用することで、連盟スタッフを中心にPlayer!の試合速報を届けられるように。

丸山さん 「連盟で速報することで、課題であった人数不足による速報有無の差をなくし、どのチームの試合でも現地からリアルタイムの試合速報を正確に発信できるようになりました。これまではできるチームだけがバラバラに行っていた速報が、連盟として Player!という統一したものを打ち出すことで、『きちんとした組織が運営しているんだよ』ということを少しでも伝えられるんじゃないかと感じています。
Player!を導入したことで SNS上での速報シェアのデザインも統一されましたし、見た目にも東京都大学ソフトボールリーグ全体としてレベルアップした手応えがあります」

これまでなかった全チームの試合中の速報が届けられるように。その反響は大きいものでした。

丸山さん 「地方から大学の寮に入って活動している学生が多いこともあり、試合会場に観に来られない保護者の方からご好評いただいています。また、自分の子どもが所属するチームはもちろん、それ以外の試合速報を見られることが嬉しいといった声をいただくこともありました」

連盟だけでなくPlayer!側にも、「母がPlayer!で速報を見たことがきっかけで、自分の試合を現地まで観に来てくれました」と地方出身の学生から直接メッセージが届きました。試合速報が届けられるようになったことで、身近な存在である保護者に大きな影響を与えたのです。

影響を受けたのは、観客だけではありません。選手たちの中にも変化が見られました。

丸山さん 「選手から、他校の試合状況が見られるようになったので大学ソフトのおもしろさがよりわかった、という意見が多くありました。多くの大学に男子部と女子部があるものの、同じ大学なのにお互いの試合結果すら知らない現状があったんです。
Player!で各部の結果を見て、『男子部が勝ったらしいよ!私たち女子部も頑張ろう!』みたいな会話や、『この試合の展開がおもしろい!』といった会話が生まれるようになりました。みんなの話題が自分のチームのことから、大学ソフトボール全体になってきて、視野が広がっているように感じています。大学ソフトボールを盛り上げるという意味では、かなり大きな進歩なのかなと」

他校の結果が見られることで選手同士のコミュニケーションが生まれ、選手自身にもソフトボールのおもしろさを再確認させることができたのです。

Player!を組織として一括で導入することによって、スポーツを「する」選手、「みる」保護者やOBOG・ファンに影響を与え、スポーツを「支える」組織としてソフトボールの輪を広げる先例を示したこと。それがPlayer! Awards 2018-19*に選出された大きな理由なのです。(*Player!導入チーム・団体を表彰する年間アワード)

ソフトボールの魅力を広めようと活動を続けてきたからこその受賞に丸山さんは──。

丸山さん 「地方から出て大学の寮に入ってソフトボールを続けている選手が多い中で、Player!の速報は保護者の方々から良い反響をいただいていましたし、選手同士の会話のきっかけになっていたりと、手応えは感じていました。連盟スタッフのこうした頑張りが、誰かに褒めてもらたり反響をいただけることはなかなか難しかったので、このような “賞 ”という形で認めていただけて、すごく嬉しいです」

大学ソフトボールをみんなで盛り上げる!連盟の挑戦

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▲連盟の将来を強く語っていただきました

2020年の東京オリンピックでは、ソフトボールが正式種目に選ばれました。日本がもっともスポーツで盛り上がるその時に、大学ソフトボールも盛り上げていきたいと丸山さんは語ります。今後の連盟の目標について伺うと、よりPlayer!を活用していきたいという想いがありました。

丸山さん 「ようやくソフトボールがオリンピック競技種目になることができて、世間からも注目を浴びるチャンスです。今でも日本代表に大学生選手が選出されていますし、東京オリンピックに向けて連盟としても大学ソフトボールをどんどん盛り上げていきたいです。
メンバー一丸となって魅力を伝えていき、東京都大学ソフトボール連盟の登録人数が 1000人を超えるようになるくらい、盛り上げていきたいと思っています」

また、丸山さんはリーグや選手の魅力を一方的に伝えるだけではなく、見る人と一緒に楽しめるきっかけに、Player!を活用していきたいと考えています。

丸山さん 「まずは自分のチームで保護者の方中心に応援をいただき、そこから派生して大学ソフトにまで目を向けてもらえるいいきっかけを Player!でつくりたいです。OGからも『 Player!を得点だけじゃなく、選手情報なども記入してもっとフル活用してほしい』とって言っていただいたり、Player!に期待する声が多くあります」

また、連盟として各試合の速報を届けられるようになってきたとはいえ、連盟メンバーも十分な人数が足りているとは言えません。丸山さんは、各大学のチームとの連携を深めていきたいと言います。

丸山さん 「 Player!の運営を例に挙げると、今後は連盟メンバー以外の、各大学のスタッフの方にも運営を広げていこうと考えています。すでに “補助校 ”という試合スコアを書く担当が試合ごとに大学単位で設けられていたりもするので、今後は Player!担当も増やしていくのが理想の姿かなと。
そうすると、Player!上で試合前にはメンバー表や選手情報が公開されるなど、試合前からの期待感も生み出せるんと思うんです。『この試合はこうなるんじゃないか』というドキドキ感をつくり、みんなでソフトボールの魅力をさらに伝えていきたいですね」

丸山さんの胸にあるのは、これからは連盟として各大学も巻き込み、大学ソフトボール全体をみんなで盛り上げていきたいという強い想い。

Player!をきっかけに連盟として理想像を示し続けることで、各大学へそして大学ソフトボール界へその熱を広げていきたい。大学ソフトボール界の底上げまで見据えた丸山さんのひたむきな挑戦は続きます。

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