お互いの強みを生かした“協業”で、スポーツ界に革新を

“第3のスポーツエンターテインメント”を目指すアプリ「Player!」。運営会社であるookami代表の尾形太陽が、スポーツ業界のキーマンとなる方々と対談します。第1弾のお相手は、先日リリースしたスポーツアイコンオープン化に協賛してくださった、株式会社Link SportsのCEO小泉真也さんです。
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スポーツはエンタメであり、全世界共通。スポティコンに協賛した理由

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▲(左)株式会社Link Sports代表取締役小泉真也さん、(右)尾形太陽

2019年7月18日、Player!デザインチームは130種類のスポーツアイコンをオープンソース化するプロジェクト、『Player! Sporticon(スポティコン)』を公開しました。その協賛をしてくださったのが、スポーツチームマネジメントツールTeamHubを運営する株式会社Link Sportsです。

TeamHubは、従来煩わしかったチーム管理を“楽しく”できるように開発されたアプリで、チーム内連絡(出欠管理やアンケートや日程調整等)や競技に最適化されたスコア管理が主な機能。しかしそれだけにとどまらず、チーム内の成績ランキングなども閲覧可能な、新感覚チームスポーツコミュニケーションツールです。対応競技数も100種目を超えています。

今回、スポーツを“する人”を支えるTeamHubと“見る人”を支えるPlayer!がタッグを組み、スポーツアイコンのオープン化プロジェクトが始まりました。

小泉さん 「はじまりはふたりで飲んでいるときに、『 TeamHubで対応している競技が 100種目を超えたから、一目でわかるようにしたいんだよね』と飲みながら太陽に相談したことだったよね」
尾形 「そうですね。これをきっかけに、スポーツアイコンを Player!デザインチームがつくって、それをオープン化させる。そのプロジェクトを一緒にできたらおもしろいよね、という話になりましたね」

「スポーツを一目でわかるようにしたい」との一言ではじまったこのプロジェクトで、スポーツをテキストベースではなく“アイコン化させる”という手段を選んだのには、理由がありました。

小泉さん 「スポーツってエンタメなんです。だから “わかりやすさ ”ってすごく重要で。そのために “言葉 ”じゃなくって特徴的な “アイコン ”があるというのが、重要な要素だと思っていたんです」
尾形 「確かに。スポーツって非言語で誰もが楽しめるものですもんね」
小泉さん 「それにグローバル化が進む現代で、誰が見てもわかるものじゃないといけないとも考えていて。こういった経緯から『アイコンにしたい』と思い、 Player!デザインチームにお願いすることになりました」

TeamHubは全世界の人に使ってもらいたいという願いから、プロダクト内の言語はすべて英語でつくられています。それをローカライズして日本では日本語でアプリが使えるようになっています。

小泉さん 「俺たちが目指してるのは『 ITの力を通して、スポーツと触れる機会をつくる』ことです。スポーツを楽しむ、触れる機会をつくるっていうのは日本限定じゃない、全世界共通のこと。
だから、さまざまなスポーツに対して『これはメジャーなスポーツ、これはメジャーじゃないスポーツ……』などと分けるような考え方はしません。だって、日本でメジャーなスポーツって言ったら野球やサッカーだけど、隣の中国だったらバスケってなるわけですから」

スポーツを楽しむ全世界の人のために。TeamHubにはそんな想いが込められています。

TeamHubがスポーツ種目数100種目に対応させる意味

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▲スポーツチームマネジメントツールTeamHub
尾形 「だから TeamHubは 100種目ものスポーツを扱ってるんですね」
小泉さん 「そうだね。でも実際につくって 0チームのも何競技かはあります(笑)。いつか使われたらいいな〜って思っているけど」

使われないかもしれなくてもつくる。これは「会社として、自分たちはこれをやっていく」というTeamHubの主張とも言えます。

どのスポーツに関わる人でも支えていきたい──。

尾形 「もし扱っているスポーツのなかに自分がやっているスポーツが無ければ、『スポーツをサポートしてくれるんじゃないのかよ』ってなりますもんね。でも、このプロジェクトの進行中、正直うちのデザイナーチームは相当大変そうでした。スポーツのこと嫌いになりかけていたもしれません(笑)」

Link Sportsでは会社全体でさまざまなスポーツの体験会を設けて、みんなで楽しんでいるといいます。自分がそのスポーツに触れてプロダクト開発に臨む、そんな文化を大切にしているのです。

小泉さん 「たとえば俺も最初は、ママさんバレーと 7人制バレーは基本一緒だと思っていました。でも実際に触れて見るとルールが全然違って。独自のルールがあったり、協会があったりするんですよ」
尾形 「やってる側からしたら全然違うスポーツだけど、一般的には知られていない部分だし、知ろうとしないとわからない部分ですね」

では、実際にTeamHubを使用している人にはどのような方が多いのでしょうか。

小泉さん 「 TeamHubは小学生から社会人まで、ほとんどのカテゴリーで使っていただいています。小学生のチームと社会人のチームが 6〜 7割を占めていて、 2割は大学、残りの 1割が中学校・高校といった感じですね。
競技別で見ると、野球とサッカー、フットサルで 9割を占めています。残りはアマチュアスポーツ。特にラクロスは感度が高い印象です」

また、競技別で活用方法に違いもあるようです。

小泉さん 「野球だとスコア管理メイン、サッカーやフットサルチームだと出欠管理メインで使われている方が多いです。自分でいうのもなんですが、特に野球のスコア管理に関しては TeamHubはとてもいいと思います」
尾形 「そうなんですね。確かに日本でも分析系のアプリがあったりはするけど、スコア管理、出欠管理系のアプリってないですもんね」
小泉さん 「 TeamHubにはまだ Player!みたいな認知度が無いけれど、それって競合がいるかいないかみたいなところにも左右されるのかなと思っています。競合がいると、よくも悪くも比べられる機会が多くて、『どっちがいい』とかいつの間にかいろいろなところで評価され、自然と知られていく。でもうちはそれがまだないんですよね」

“見せ方”に革新を。僕らが支えるアマチュアスポーツ

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かたちは違えど、多くのスポーツに関わるTeamHubとPlayer!。ふたりの話はまだまだ国内では光が当たりにくいアマチュアスポーツに変わっていきます。

尾形 「小泉さんはアマチュアスポーツの課題ってどんなところにあると思いますか?」
小泉さん 「 “見せ方 ”だね。会場づくりひとつとってもそうなんです。たとえば応援の仕方。知ってる人が来てるっていうのが、前提のつくり方になっている場合が多いのが現状です。
そもそも、審判が言うファールの意味もわからないって言う人が来ても、それだと当たり前につまらないじゃないですか。メジャーなスポーツじゃないからいいって言う人もいますが、アマチュアスポーツだからこそ、初心者に優しくあるべきだと俺は思っていて。
最近だとラグビーは YouTubeにわかりやすいルール動画が載っています。会場でも流したりしているのですが、 “知ってもらう ”って、そういうことだと思うんです。すべての競技に動画までしっかりつくり込んでとは言いませんが、配慮はしてほしい。熱度が高い人が関わっているのにもったいないです。そこがうまくいけばビジネスになるとも思いますし」
尾形 「僕も小泉さんと同じ意見です。そして僕らが目指すアマチュアスポーツのビジネス化のテーマって、まさにそこなんです。単純にビジネス化に意義があるというより、ビジネスとして成り立つチャンスが眠ってるから挑戦している」

まだ未開拓の日本のスポーツビジネス業界。その変革を一緒に──

小泉さん 「アマチュアスポーツっていう言い方もどうかと思うんですが……。こういったスポーツに関わっている方たちって人間性が段違いなんですよ。人間的にリスペクトできる方ばかりです」
尾形 「彼らはずっと考えています。敷かれたレールが存在しないから、自分たちで考えてやっていかないと立ち行かなくなるっていうのがわかってるていて、それに対しての行動がしっかりできています」
小泉さん 「ルールが毎年変わったりするような環境下なので、対応力もしっかりしています。さらにコミュニケーション能力も高いです」

こういった一般の方にはあまり知られていない一面を知り、スピード感を持って課題解決のために動いていく。

そんなふたりが具体的に考えている未成熟なスポーツを成長させるための重要なこと。それは、熱量を分散させることではなく、熱量を一箇所に合わせることです。独自の路線を走り、独自の視点でアマチュアスポーツの課題解決に寄与して行くことも大事な一方で、スポーツ自体の価値が根性論からエンジョイ論に変わっている今、競合しないのであれば、“タッグを組む必要性”があるというのがふたりの考えです。

尾形 「最近スポーツベンチャーって多くないですか? 僕はいろんなベンチャーが同時期に近しいことをやるのって、本当にムダだと思っていて……。ヒトも分散してしいますし。みんなが目指してるのがスポーツ業界の発展だと思うけれど、今ってそこに向かって本質的に動けてるかと言ったら、そうじゃない気がしているんです。
競合しないなら、一緒にやればいいと思いますね。大学スポーツをサポートするパッケージみたいな感じで。『大学スポーツを振興するんだ』っていう団体をつくり、その推奨サービスは『これです!』って打ち出す。観戦者向けは Player!で、チーム向けだったら TeamHubで、コンディショニングだったらワンタップで……と」
小泉さん 「自分もこういった考え方は重要だと思っています。そういう団体ができたら、それをいかに発信できる大学生に知ってもらうか、みたいなところがすごく重要なキーになってくる。
『当たり前に他のチームがやってるからやろ〜』ってなるのは、 Twitterを使ってチーム宣伝をしたり、新歓の情報を出したりするだけじゃないですか。それに対して『もっとこういうのがあるよ』というのを伝えて、視野の広い選択を当たり前にできる社会をつくって行きたいんです。太陽が言ったように、パッケージみたいな感じでまとまっていたら、話を聞いてみようともなる気がします」

つくるべき人が最適な環境をつくり、当事者がそれを最大限に生かす。今のスポーツ業界には、このサイクルが必要なのではないでしょうか。

スポーツビジネスの成長を支えるのは、“競合”ではなく“協業”

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▲タッグを組み生まれたPlayer! Sporticon
尾形 「今後小泉さんのキャリアのなかで、スポーツ業界のウエイトは締めていくと思いますか?」
小泉さん 「俺自身はスポーツ業界にこだわりは無いかな。もともとスポーツ業界にどっぷりというわけではなく、 ITに可能性を感じて、スポーツが好きで、好きなものを組み合わせて一発目の起業は挑戦したかったっていうのがあって始めたので。
 TeamHub自体が、自分の身近なチームを助けたい、おもしろくしたいっていうのがあって、つくろうと思ったんです。だって、少年野球チームって対戦相手見つけるだけで一苦労じゃないですか。対戦募集サイトで自分たちの感覚で決めたチームのレベルと、他のチームが合うわけがない。チームで当たり前に使う管理ツールがあれば、対戦相手のマッチングもできるんじゃないかと思ったのがサービスの原点だから。感覚的には、子供向けのアプリをつくっているのと同じですね」

また、小泉さんにはスポーツ業界で見てみたい景色があると話します。

小泉さん 「少し話が飛躍しますが、ベッティングの世界が日本で当たり前になるとしたら、その仕組みづくりにとても興味があります
ベッティングってどっちのチームが勝つか負けるかとかはないですよね。たとえば、この試合でどの選手が点を決めるかでお金が動きます。この原理がスポーツ上でもはたらけば、観客は競技や選手を知ろうとするように、変化すると思うんです。
それに、アマチュアスポーツでベッティングができるようになったとしたら、極端な話、アルティメットプレイヤーだった人も、また今までとは違ったかたちで生きますよね。だって、アルティメットの試合の予想ができるから。そういう世界は見てみたいです」
尾形 「競技、選手を知ろうとして、スポーツに詳しくなる。そうすれば熱狂は確実に生まれます。ベッティングはソーシャルゲームの延長戦だと思っているので、そういう人たちがスポーツに関わって、スポーツ業界にお金が入ってくる仕組みができたらいいな~と思います。それはすごくいいエコシステムだなって」

スポーツをする人にとって“楽しい”社会を創造するために──

ルールブレイクのタイミングが最大のチャンス。“ベッティング”というスポーツビジネスの新たな改革が起こるとき、スポーツビジネスの歴史もきっと大きく変わる。

そのとき、スポーツ業界のビジネス化を支えるのは、“競合”ではなく、お互いの強みを生かした“協業”であるはずです。

今回のスポーツアイコンのオープン化プロジェクトも“協業”のひとつ。スポーツ業界を変えていくために走る、ふたりの道はまだまだ続いていきます。

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