ookamiを“オンリーワン”にーー“元銀行員”の人生初の挑戦

2018年2月、ookamiにジョインした上國料(かみこくりょう)。前職は、ookamiとは似ても似つかない“お堅い”会社でした。高校、大学、就職と安定した既定路線を走ってきた彼がどうしてスタートアップに飛び込んだのか。その人生観と覚悟を語ります。

ファーストキャリアはお堅い金融業界

▲アセマネに出向していたときの写真

「上國料は真面目な性格だし、商社より金融の方が向いてるよ」

華々しい世界に憧れて、商社を第一希望にしていた学生時代の私が、ファーストキャリアで“銀行”という金融業界を選んだのは、友人との就活談義で言われた、この言葉がきっかけでした。

その後、金融業界にも目を向けながらあらためて自分の将来や理想の働き方を考えた末に「自分の性格や能力に合わないフィールドで何十年も戦うよりも、それらを活かせる世界で戦っていこう」と決意し、新卒で金融業界に足を踏み入れました。

新卒として入社後、最初は、自分が希望していた食品メーカーや小売・卸売業を中心とする法人向け融資の部署に配属され、約3年間働きました。ところが、実際に働いてみると自分が入社前に思い描いていたイメージとは違った世界でした。

たしかに仕事は自分がやりたいことでした。しかし、大企業かつ金融業界。規則が重視されているように感じ、「顧客目線を大切にしたい自分には合っていないのではないか」と違和感を抱いたり、発言する前に「上司の意向に沿うにはどうしたらいいんだろうか」と頭を捻ったりするようになっていたんです。

そんな日々を積み重ねていった結果、アイデアを出すことが億劫になっていました。

いかに効率的に上司に判子を押してもらうか。顧客よりも上司に目を向けた方が物事がうまく進む――。そんな環境を目の当たりにしていると、「自分が目指していたものって本当にこれなんだっけ?」と考えるようになったのです。一時は、転職活動をしてみたこともありました。

そんなとき、転機は訪れました。アセットマネジメント(以下、アセマネ)の子会社に出向することが決まったんです。そこでは主に、機関投資家向け投資信託の組成を担当していました。融資の世界から離れるという希望通りの異動ではありましたが、融資の世界から投資の世界へと、知識面でのハードルはとても高かったです。

多くの銀行は1チーム5人~10人程度で構成され、同一部署に2~3年勤務した行員は異動するのが通例なので、半年に一度は誰かが異動する環境です。

それに対し、アセマネは銀行のような異動(ローテーション)がなく、10年間同じ部署で同じ仕事をする人がほとんど。チーム内には長年同じ事業部で培った専門性を武器にしている上司、先輩がたくさんいて、そこに少数の出向者が加わるかたちで事業を進めていきます。

今まで自分がいた親会社とは業務面のインフラも全然違い、初めてばかりの環境で最初は苦悩が絶えませんでした。

そんな状況でも、上司と自分の働きが似ていたことや、上司が自分の得意な“ひとつずつ、丁寧に、突き詰めて仕事をする”という点をすごく評価してくれていたことが心の支えになり、成長を後押ししてくれました。

もちろん、親会社譲りの古いしきたりや制約はありましたが、コツコツ積み上げて信頼を得て、自由度高く仕事ができるようになりました。そして、働きやすい環境を手に入れていた私の頭のなかから一度は考えた“転職”の2文字はいつしか消え去っていました。しかしあるとき、一通のLINEが届いたんです。

欠けてはいけない存在とは?自問自答の末に見えたモノ

▲アベとともにookamiの歴史を離れたところで見てきた上國料

「うちで新しくCFOを募集するんだけど、興味ある?」

送り主はookami創業メンバーの安部昌乗。アベとは大学からのつき合いで、卒業後も定期的に泊まり込みで遊ぶ仲だったため、ookamiの存在自体は創業時から知っていました。

LINEのやりとりのあと、アベに誘われてookamiのオフィスを訪れました。そこで代表の尾形と面会し、働いているメンバーと会ったのですが、アットホームでエネルギーにあふれ、全員でPlayer!をもっと多くの人に使ってもらうために同じ方向を向いて “前”を向いて走っている様子がとても印象的でした。その環境は、私が今まで働いてきた環境とはまったく異なる世界だと感じました。

そして、気づけば活力あふれるメンバーに触発され、気づけばそこには迷っている自分がいたんです。

今いる環境なら、半ば師と仰ぐ人のもとで、興味の尽きない仕事に不満を抱かずまい進できる。恵まれた状況を理解しつつも、心の片隅にあったのは、「私のキャリアは“このまま”でいいのか?」という想いでした。

その一方で、「これだけお世話になっているのに、今ここで辞めるのは裏切りじゃないのか?」という想いがあるのも確かで、ふたつの想いが交錯し、葛藤する日々。自問自答し続けていましたが終わりは見えず、寝れない日が何度もありましたね。そんなあるとき、

「今のままだったら歯車の一部でしかない」

という思いがだんたんと強くなってきました。社会全体から見ると、どんなすごい人でも社会のひとつの歯車であることには変わりはないと思っています。でも、抜けて困る、欠けては困る歯車のような存在は確かにいます。そんな必要不可欠な存在、引く手数多な人材になるためには、今のままでは到底辿り着けない、ここに安住してたらダメ。

今の仕事を辞めなければ安泰ではありました。正直、ひとつずつ積み上げていってある程度の役職に就く自信はありました。しかし、そのころにはもう退職までの年数をカウントダウンする時期になっていて、何かを生み出して波及させるには時間が足りないと思ったんです。これでは、“組織”というハコのなかでしか自分の存在価値が無いことに変わりはない。そうして私は強く思ったんです。

――私は今、新しい挑戦をするべきだ、と。

人生初のリスクを取ると決断したとき

▲同じベクトルで突き進んでいくookamiの仲間たち

苦悩の日々を経て出た答えが、“銀行を辞めてookamiで挑戦する”というものでした。これが高校、大学、就職と安定した既定路線を走ってきただけの私の人生で、初めて“リスクを取る”決断をしたときです。

「ookamiで挑戦する!」と決めたものの、正直不安で押し潰されそうでした。

でも、自分に自信が持てるような人間になりたいという気持ちと、自分の人生観に沿うような人間になるためには今のままではダメだという想いから、このリスクを取ろうと決意しました。

今決断しなくて、いつするんだと。今がそのリスクを取るときだと。

また、これから自分がookamiで担当する“コーポレート”という分野が、誰も手をつけていない更地だったということにも惹かれました。チャンスもたくさんあるだろうし、挑戦しがいもあるんじゃないかと。

こうしてookamiへの入社を決意しましたが、ここに来るまでには両親、当時の上司、多くの知人など、多くの方からアドバイスをいただいたり、背中を押していただいたりしました。

ookamiに来て、働き方は180度変わりましたね。常に上司がいて、後輩がいて、上からも下からも見られる立場だったのに、今では誰からも牽制が効かない立場で働いています。

自分でタスク管理をして、自分で考えて消化していく。“いくつか制約条件があって、最適解を求め、上司や周りに相談しながら、仕事をしていく”という働き方をしてきた私にとってはとても新鮮です。なので、それって本当に客観的?変な方向にそれてない?と自分を俯瞰することを心がけています。

上司もいない、過去の事例も無いなかで、外部に答えを求めてもモデルケースが多くあるわけではありません。そんなookamiの仕組みを整えていかないといけないからこそ、“自律”が大事だと感じています。

“その他大勢のひとつ”ではなく“オンリーワン”のookamiに

▲唯一無二の存在になるため、上國料の挑戦は続きます

ookamiにジョインして2カ月が経ちましたが、自分はまだまだスピーディーに働けてないなと感じています。何を優先的に進めていくべきかを考えながらやってきましたが、描いた通りのスケジュールで仕事を進められていません。もちろん、山積みの課題のすべてをいますぐに解決できるはずはないのですが……。

ただ、「ほかのベンチャーがこうやっているらしいからookamiもこれでいいよね」というような、「赤信号 みんなで渡れば 怖くない」の考え方で乗り切りたくはない、という想いだけは譲りたくないです。ookamiはありきたりな存在ではなくて、“なくてはならないookami”を目指しています。だからこそ、ここは妥協してはいけない。

また、ゼロから部門を立ち上げる身としては、この先でコーポレートに新しい仲間がジョインしたり、人材が入れ替わったりしても同じクオリティが出せる仕組みが必要だと思っています。当たり前に回っているのがコーポレートの理想形です。

私はookamiを“その他大勢のひとつ”ではなく“オンリーワン”のookamiにしたい。難しいことだとはわかっていますが、志は高く、それでいて成長の足枷にならない常に前向きな体制、それこそookamiの組織づくりに必要なものだと思います。

私がookamiのバリューのなかで一番大切にしているのは、“常識を疑おう”です。今までの働き方や環境を疑い、自分自身も疑い、類似のモデルケースでさえ疑う、それくらいの意識で向き合っていきたいと思っています。

そしていずれは、ookamiには上國料がいないとダメだよねーーという存在になるために、たとえ小さな一歩だとしても、日々前進し続けたいと思います。

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