「ACTION! opt ism」アルバイトから社長に駆け上がった金澤大輔の履歴書

eマーケティング事業を手がける株式会社オプトは、2015年4月の持株会社化に伴い、経営体制を刷新。金澤大輔が新社長に就任しました。“新生オプト”の企業理念として掲げられたのは「ACTION! opt ism」。“アクション”することを大切にするその理念には、金澤自身の経験が大きく関わっています。
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制作会社のADから一転、インターネットの世界に飛び込む

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少年野球関東大会での1枚

「世の中に何か大きい影響を与えたい」——。学生時代、自分が制作した映像をイベントで流し、感動している観客の姿を見て、“人の心を動かせるもの”は素晴らしいと感じた金澤大輔。のちにオプトの社長に就任する彼が最初に選んだキャリアは、テレビ番組の制作会社でした。

金澤 「その当時は、人の心を動かす方法としてもっともインパクトが大きいものがテレビだと思っていました。仕事にするならこれだ!とテレビ番組を作ることに決めたんです」

入社後は、AD(アシスタントディレクター)として、平日お昼に放送される生活情報・バラエティ番組の制作に従事する日々。街に出ては主婦の愚痴を聞き、ひたすらコメントを書き起こす仕事をしていました。

しかし当時はパソコンがあまり普及しておらず、鉛筆で書き起こさなければならない……。そのため、ひとつの仕事を終えるのに6時間近くもかかってしまっていたのです。この仕事の進め方に、金澤は疑問を抱きはじめます。

金澤 「このスピード感では、“世の中に影響を与える存在”になるのに時間がかかりすぎるな、と。仕組みができあがっている組織で働くよりも、ルールもない組織で、ルールづくりから始めていくほうが面白いのではないかと思ったんです」

そんなときに出会ったのが「インターネット」。それまで番組に必要な情報はアポイントをとって、現場に足を運ばなければならなかったのですが、インターネットにアクセスすることで現地の様子や過去の番組情報などが瞬時に、かつ容易に手に入るようになりました。

身を以て時代の変化を感じていた金澤は、徐々に「インターネットがテレビに変わる媒体になるのではないか?」と感じるようになります。

金澤 「インターネットなら、20代の頃から責任と裁量を持って、いろんなことにチャレンジしていけるんじゃないかと思ったんです。このままだとその日をどうやって生きるかしか考えられず、世の中に流されてしまう。アクションしなければ何も変わらないと思い、転職することにしました」

転職先として選んだ会社はIT企業。テレビ番組の制作とは全く異なる業界ですが、金澤の心に迷いや恐れはありませんでした。それは幼少期の頃、自らアクションを起こすことで道を切り拓いていった原体験があったからです。

金澤 「少年野球をやっていたとき、キャプテンに立候補したことで自分の世界が大きく変わった。これまで自分勝手な考えしかできなかったのが、チーム全体のことを考えて、“勝つための努力”もできるようになりましたね。

メンバーを勧誘し仲間を増やし、このメンバーでどうやったら勝てるのか毎日真剣に考え試行錯誤していました。実際に小学校6年生では関東大会優勝することができたのは成功体験として思い出に残っています。

こうした経験が、僕に“アクションを起こせば何かが変わる”と背中を押してくれます。業界経験がゼロでも、転職への恐れはまったくありませんでした」

行動に起こせば、きっと何かが大きく変わるはず——。そう信じてIT業界に飛び込む決意をした金澤。しかしその道のりは、決して平坦なものではありませんでした。

”仕事のできないカナポン”が、全社MVPを獲得するまで

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マネージャーになったばかりの頃

テレビ番組の制作経験をウリにするも、面接は連戦連敗。転職エージェントからは「本当にインターネットの世界で働きたいなら、契約社員でなければ無理」と言われ、契約社員を対象にしたオプトの会社説明会の案内をしてもらうことになりました。

すぐさま会社説明会へ足を運んだ金澤ですが、そこで想像もできない行動に出ます。なんと、契約社員のブースには行かず、営業職を対象にしたブースへ行き、「会社にとって必要な人材になってみせるからチャンスをくれないか?」と直談判しにいったのです。

金澤 「とにかくチャンスをくれと伝えたら、当時営業部長(現在は人事執行役員)だった近藤から『会ってみたい』と言われ、面接してもらえることになったんです。『それだけ覚悟があるならやってみるか。で、いつから来られるの?』と、試験的にアルバイト採用してもらうことになりました」

大胆な行動を起こすことで、オプトへの入社を勝ち取った金澤。しかし、入社後についたあだ名は“仕事のできないカナポン”。仕事の段取りの仕方が全然わからず、周りの人たちが5〜10分程度で終える仕事でさえ、金澤は1時間近くかかってしまっていたのです。

金澤 「打ち合わせの議事録を書けと言われて、僕は『はじめての打ち合わせ』というタイトルの感想文を書いてしまったこともありました(笑)。とにかく右も左もわからない、でも周りの人は忙しいから何も教えてくれない。そんな状況でしたね」

しかし、誰よりも多くの時間を仕事に費やしていった金澤は、少しずつ仕事の要領を掴みはじめます。アルバイトとして入社した約1ヵ月後、正式に営業アシスタントとして正社員採用されることになったのです。

憧れの正社員になり、意気揚々と働いていた金澤。ところが、ある人物の一言によって、自分自身の認識の甘さを痛感。働き方を見つめ直すことになります。

「お前の履歴書を見たときに、実は履歴書を捨てた部署もあったんだよ。役員面談がお前だけ2回もあったのは、採用して本当に戦力になるのか相当悩んだからだろうな」——。当時、別部署の営業部長だった(現在はソウルドアウト株式会社 代表取締役社長)荻原猛氏が、採用時のエピソードを教えてくれたのです。

金澤 「いま振り返れば荻原さんは、正社員になって仕事が増えていくにしたがって、いつのまにか新しいチャレンジよりも現状維持を目指している自分に、あえて発破をかけてくれたと思うんですけど……それを聞いたらすごく悔しくなっちゃって。

『自分は2年以内に、この会社の営業のトップになってMVPを獲りますよ』と宣言しました。それが仕事に対する意識が大きく変わったきっかけでしたね」

仕事に慣れることが仕事だと思ってしまっていた金澤は、これをきっかけに意識を180度変えて仕事に取り組むように——。担当したクライアントの方々にイチから育てて頂き、プロとしての仕事の向き合い方を学びながら信頼を得て、社内ではみんながやらない仕事、やりたくない仕事を率先してやるようにした結果、「MVP宣言」からちょうど2年後のタイミングで、全社MVPを獲得することができたのです。

やがて金澤は営業部長として、チームのマネジメントをする立場になりました。しかしそこでも、彼は新たな壁にぶつかることになります。

マネージャー時代の失敗が、経営者を志すきっかけになった

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休日は社員とともに過ごすことも

プレイヤーから一転、マネージャーになった金澤。アルバイトから正社員になり、MVPを獲得した自分のようなタイプをオプトにとっての“成長事例”と考えてしまい、いつしか自分自身のコピーを作ることが人材育成に役立つと信じ込んでいました。しかしその結果、チームメンバーだった社員を潰してしまうことになります……。

金澤 「メンバーが心を病んでしまったとき、はじめてマネジメントの難しさを知りました。よく考えてみれば当たり前のことなのですが、人それぞれ背景にあるものが異なるので、自分本位ではなく、相手に合わせて向き合いかたを変えなければならない。

それに気づいて向き合いかたを変えてからは、最初は会社を辞めようとしていたメンバーも考えを変えてくれたんです。この経験は、自分にとって大きなものになりました」

MVPを獲得し、マネージャーとしても大きな目標を掲げ、実際に達成し続けていた金澤には会社からも大きな期待がかかっていました。その期待に応えるためにも、金澤は人材育成に躍起になっていたのですが、その方法が間違いであったことに気づきます。

自分のやり方や成功体験を振りかざして人を動かそうとしても、心はまったく動かない——。マネージャーとしてのあり方を学んだ金澤は、この経験を大きな組織やたくさんの社員に対してもできるようになりたいと考えるようになります。

金澤 「マネジメントの手法を変えて、少しずつメンバーに良い影響が出はじめてから、自分のなかで何かが変わりました。それを会社単位で行える経営でもチャレンジしたい。そう思うようになったんです」

普通の会社では珍しいかもしれませんが、当時のオプトには、本部長、部長に立候補できる「エントリー制度」というものがありました(現在は撤廃)。金澤はこの制度を使って、より「経営」に近い立場に進むことを決意。本部長に立候補。市場環境分析から部の方針、戦略をプレゼンし、見事、本部長のポジションを掴み取ったのです。

ここでもアクションを起こし、環境、立場を変えていった金澤。100人規模の営業部のマネジメント、マーケティング部全体のクオリティ・マネジメントを行う本部長、東証一部上場を支えた執行役員などの経験を経て、2015年4月に前社長の鉢嶺登からバトンを託され、代表取締役社長CEOに就任しました。

一人ひとりのアクションが「ヒトと社会を豊かにする成長エンジン」になる

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金澤のデスクに壁はなく社員と変わらずフロアにある

金澤 「現職に就いてすぐ、このポジションはこれまでの“延長線上”にあるものではないと感じました。見える世界も、やらなきゃいけないという使命感も大きくなっていく。

考えることがすごくたくさんあるので、自分の中に信念がなければ環境に振り回されてしまいますし、何をしていいかわからなくなってしまう。明確な理念を掲げ続けないと、成しえないポジションですね」

社長に就任した金澤が打ち出した企業理念は「ACTION! opt ism」。アクションすることでキャリアを切り拓いていった、金澤自身の強い思いが込められた理念ということもあり、“成功は2点、失敗でも1点。アクションしないはマイナス1点”。そんな想いも込められています。

金澤 「上からダメって言われたからと言って、簡単にあきらめてほしくない。現場主体でもっと動いてほしいし、自分がやりたいと思ったことにアクションして、ダメだったら何度でもチャレンジし続けてほしいですね」

この理念が現場にも浸透しはじめ、積極的にアクションを起こす社員も生まれてきています。

金澤 「日々、たくさんのアクションが生まれていることを実感しています。社員から『もっとこうしたい』や『実際こんなことをしました』という報告をもらうことも増えていて。

中には大事な商談だから来て欲しいとついて行ったら、すでに大きなプロジェクトが決定していたこともあるんですよ。事後報告ではありましたが、それ自体はとても良いアクションだと思っています」

これからの世の中は、会社と個人の関係が、どんどん変わっていきます。かつての主従関係は逆転し、個人が“主”で会社が“従”になっていく——。そうなったとき、私たちオプトの社員は、自分自身がやりたいことに積極的にチャレンジできるメンバーであってほしい。金澤はそのように考えています。

金澤 「大きなイノベーションを起こすためにも、現場にどんどんアクションしてもらって、成功体験を味わってもらう。そんなサイクルを作っていきたいと思っています。

僕自身、社長の立場になって改めて、これまでアクションする環境をつくってくれていたオプトという会社に感謝したところがあります。成功と失敗をたくさんしてきたからこそ、今があるので」

アクションを起こしていくことで、自分のやりたいことを実現する——。オプトは社員が自分らしく生きるための「プラットフォーム」であり続けたいと考えています。なぜなら、それが私たちを「ヒトと社会を豊かにする成長エンジン」に近づけてくれると確信しているからです。

金澤 「オプトが成長することでデジタルシフトが加速し、お客様も成長していく。お客様が成長することで、日本も成長していく。このサイクルを生み出すのがオプト、そして私の使命です」

「ACTION! opt ism」——。

これからも社員一人ひとりがアクションし、成長していくことで、オプトはお客様にとって最良のパートナーであり続けることを目指していきます。

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