特許管理からロボット系ベンチャーへ。“好奇心”が導いた道すじ

コミュニケーションロボットの会話機能とロボットづくりを行なっているパルスボッツ株式会社。その中で広報と特許を担当するのが、2017年9月に入社した三澤満理です。ロボットとは無縁の業界から飛び込んだ三澤。ロボット系ベンチャーに魅せられた理由を語ります。
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母親に泣かれた。それでも絶対に行くと決めた、ダンス留学

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▲ダンスと英語にのめり込んだ三澤は、アメリカでダンス留学をしていた

2018年5月現在、ロボット系ベンチャーで働く私ですが、入社前はロボットとまったく関係のない世界で生きてきました。

学生時代は英語やダンスにのめり込み、勉強やモノづくりにはまったく興味がなかったんです(笑)

英語を話せるようになりたいと思ったきっかけは、中学生の時に、国際教育プログラムの一環で、外国の方々が私の通っていた中学校に来てくれたこと。一緒に授業を受けたり交流をしたりする中で、ドイツの方と仲良くなり、別の場所で開かれたお別れパーティーにも参加することに。

しかし当時はまったく英語が話せなかったので聞きたいことも聞けないし、話したいことも話せないという状況に……。

そこで、「英語を話せるようになって世界中の人と会話がしたい!」と思い、中学卒業後は国際系の高校、短大も英語科しかない学校へ行き、英語の勉強を続けました。

ダンスを好きになったきっかけは、小学生の頃。ミュージカルスクールに通い、バックダンサーとして舞台に立ったことで、人前で踊る楽しさを知ったんです。

以後、ジャズダンスやヒップホップ、ポッピングなどいろいろなジャンルのダンスを学びました。

短大時代には他大学のダンスサークルに所属しバトルに出たり、学園祭で振り付けを担当したり。

どちらかというと短大時代は英語よりもダンスに夢中になっていて、夜遅くから朝にかけて、駅や建物の窓を鏡にして踊って練習をしたり、スタジオを借りて発表に向けて振り付けを合わせたりしていました。

夜は寝る時間がなく、ダンスが大好きだった私にとって、学校はもはや“寝る場所”状態となっていましたね……(笑)。

「ずっと頑張ってきた英語、そして大好きなダンスをまだ頑張り続けたい!」そう思った私は、短大卒業後にアメリカのロサンゼルスへ留学する決意をしました。

さっそくその決意を伝えると、母親は「就職しないでどうするの!」と泣いてしまいましたが、私は揺らぐことなく、「今のこの歳だからこそできることをしていきたい」と母親を説得し、短大卒業後はアメリカのロサンゼルスへ行きました。

留学当初は車を持っていなかったので、バスや電車を乗り継いで片道2時間、往復4時間かけてダンスレッスンに通っていました。世界トップレベルのダンサーが集まるのでレッスン前には栄養ドリンクを飲み、気合十分で挑む日々。レッスンに来ているダンサーは優秀な人たちばかりで、落ち込むことも多くありました。

ところが、有名なアーティストのバックダンサーを経験した人でもアルバイトをしながらダンスに励んでいるのを間近に見て、「私はこの人たちには勝てない。それにダンス一本で食べていけるのはほんの一部……。ダンスは趣味で続けて、アメリカへ行かせてくれた親への孝行もちゃんとしないと……」そう感じ、1年間自分が納得するまでアメリカで頑張り、帰国することにしました。

“ダンスに夢中”が一変、アメリカに行って変わった意識

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▲帰国後は裁判所事務官を目指して勉強。試験の後、海外へ行き人生を見つめ直した

「帰国しよう」そう思ったきっかけがもうひとつありました。

それは、海外に行ったからこそ生まれた「勉強したい」という気持ちです。アメリカに行って、日本のことや海外のこと、歴史、法律、政治……これらを自分で説明できないことを実感しました。

もっと学ばなければいけないことがある――そう感じた私は、勉強をすることにしました。

「せっかく勉強をするなら職業に活かせるものがいいな」そう考えたときに、“公務員”という選択肢が頭に浮かびました。

「公務員ならば、試験を通して幅広い教養を身につけられるうえ、収入も立場もしっかりしているから親孝行もできる」
そんな思いから帰国後はダンス漬けの日々から一変、勉強の日々がはじまりました。

学生時代は勉強に力を入れていなかったので(笑)、朝の5時から夜の19時まで毎日およそ13時間勉強。休日もつくらず、毎日毎日勉強をし続けました。

公務員試験の勉強をはじめて1年が経った頃、毎日午前9時頃に突然涙が流れてきたんです。「休憩の合図だ」と思い、少し休む時間を設けていましたが、今振り返ると軽くうつ状態になっていたなと……。

あの時はそんなことも思わず、ただ必死に勉強を続けました。

公務員試験といってもいろいろな試験がありますが、その中でも私は「裁判所事務官」になる試験の勉強をメインにしていました。

公務員の中でも「裁判所事務官」を目指した理由は、勉強の中で特に法律に興味があり、人に助けられてばかりいた私も困っている人の助けになることができれば、という気持ちからでした。

アメリカにいた当時は三権分立も忘れていた私が、憲法や民法、刑法の論文を書けるまでになりました。

しかし、残念ながら2年目に受けた試験にも落ちてしまい、「今後の人生をもう一度考え直した方がいいかも」とゆっくり考えることに。

もう勉強することに満足していた私は、OLの仕事を経験してみることに決め、事務職として働きはじめました。

ところが、少しずつ「勉強したことを仕事に活かしていきたい」という思いが芽生えました。「法律」と「英語」を活かしたい、と。そこで、法律と英語をつなげたところ、自分の中で“特許”に結びつき、転職を決意。

その後、製薬会社の知的財産部という部署に務めることになり、特許管理を担当しました。

特許のことをイチから教えていただき、特許に関するセミナーや勉強会にも参加させてもらいました。「興味のある分野の仕事ができている」ただそれだけで満足していたはずが、ここでも“葛藤”が……。

自分の希望する量に比べて、仕事量が少ないと感じてしまったんです。「20代のうちにたくさんのことを吸収したいし、もっとたくさん仕事がしたい!」と思うように。

そんな時、友人が「興味がないと思って言わなかったけど、ロボットの会社の広報を探してるみたいだよ」と教えてくれました。

直感的に、「一度会って話を聞いてみたいな」と感じた私。友人が取り合ってくれることになりました。それこそがパルスボッツだったのです。

“新入社員歓迎会は夢の国”ワクワクする会社との出会い

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▲パルスボッツメンバー。お祝いごとがあると、メンバーで集まって祝福する

代表の美馬直輝と初めて会ったのは居酒屋。それは“面接という名の飲み会”でした。簡単に自己紹介をし、経歴を話した後、仕事の話などをしたことを覚えています。

その数日後、パルスボッツで以前インターンをしていた友人に誘われ、「パルスボッツ設立2周年記念パーティー」に参加することになりました。当時はまだ内定はしていませんでしたが、事業内容を詳しく知り、「ワクワクが止まらない」状態になりました(笑)

最新の技術に特に興味のなかった私は、初めて見る近未来的なものに感動し、「絶対この会社で働きたい!アルバイトでもいいからここで一緒にモノづくりに参加したい!」そう思いました。

その後、何度か面接を重ね、無事に入社が決定。未経験ではありましたが、広報を担当することになります。

入社前に美馬から「舞浜で歓迎会をします」と連絡がきたので、「まさか夢の国で……?いやまさかありえないだろう、きっとどこかのお店かな」そう思っていました。

ところが、前日にあるメンバーから「明日はまとめ役をします!いやー、歓迎会を夢の国でやるなんて面白い会社ですよね〜!」と、突然ネタバレされました(笑)

そこで初めて会ったメンバーも数名いたので自己紹介をし、みんなでアトラクションに乗ったりお酒を飲んだりと楽しい歓迎会をしてもらいました。

とても新鮮で、これから先この会社で働き続けていてもワクワクするものを提供してくれる会社なのだと、そこで実感したんです。

広報未経験で他に広報担当もいない、イチから築き上げる楽しさ

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▲パルスボッツ入社後の三澤。はじめはロボットに興味はなかったが、徐々に愛着が湧いてきたと語る

「ワクワクする会社で楽しそう」という理由で広報担当なのに未経験で入社した私でしたが、いざ自由にやっていいよと言われてはじめてみると、楽しくて……(笑)

自分の好きなように動けるのはもちろん、イチから勉強をして本を読んだりいろいろな人に話を聴いたりと、すべてが新鮮で毎日があっという間に過ぎていきました。

広報業務だけではなく特許や法務、バックオフィス、ロボットの会話づくりなど仕事は多岐にわたりますが、少数精鋭だからこそいろいろなことを経験でき、毎日が勉強でとても充実しています。

パルスボッツはロボットの会社ですが、友人がパルスボッツを紹介するのをためらったように、私はもともとロボットに興味があったわけではありませんでした。

入社してからいろいろなロボットを見たりロボットの集まるイベントに出かけたりして、少しずつロボットのことを知っていきました。

そして、パルスボッツのインスタグラムでロボットと共存する未来を想像し写真を更新することや、ロボットに愛着を持ってインスタグラムを更新している人たちの写真を見ているうちに、私もロボットに対して愛着が湧いてきました。

今ではロボットに関する映画や漫画など、知らないロボットに関わる話しが出たらすぐに名前を調べて、ストックするようになりました。そして、後日時間ができたときに振り返るようにしています。

今後さらに多くのロボットが普及されることが予想されます。その時にパルスボッツが知見を活かしていろいろなものを提供できる立場になっていたいです。

そのためにも今はひとりでも多くの人にパルスボッツを知ってもらい、興味を持ってもらって好きになってもらうことが大事だな、と。

入社前にパルスボッツに抱いた“未来ある素晴らしいものをつくってる会社”だという意識は変わっていません。その会社に入った一員として、私はそれを多くの人に伝え、ロボットに愛着がもてるような会話づくりにも貢献していきたいと思います。

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