Pepperの発表から会社を設立――4期目を迎えたいま、創業者の3人が思うこと

パルスボッツ株式会社はソフトバンクグループが発表した「Pepper」に衝撃を受けロボットに興味を持った美馬直輝、釼持広樹、蓮研児の3人が2015年7月に設立しました。設立して4期目を迎えた今、ロボットに対する思いは変わったのか?今後目指すこととは――3人の雰囲気が伝わる座談会でお送りします。
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パルスボッツ創業メンバー3人の出会い

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▲2015年に鎌倉で行なった合宿

「Pepper」の発表に衝撃を受けた3人。美馬と釼持の出会いも、Pepperのイベントからでした。

美馬 「僕は蓮くんとパルスボッツ設立前に別の会社を立ち上げていたから蓮くんのことはよく知っていて。釼持くんと初めて会ったのは Pepperのイベントだったね。話はしていなかったけれど、なんとなく、釼持くんとは気配や雰囲気から近しいものを感じていたんだよね」
釼持 「 Pepperのイベントなどで顔を合わせていたので顔見知りではあったけど、初めて会話したのは出会ってから半年以上後でしたね。Pepper Pioneer Clubという Pepperの所有者が集まるイベントで美馬さんが LT(ライトニング・トーク)に登壇をして、自分と同じようなことを考えている人がいる!と思って、僕から声をかけたんです」
蓮 「僕は空き地(以前使用していた代々木上原オフィスのこと)で初めて釼持くんと会ったっけな。美馬から『釼持くんだよ〜』って紹介されて」
美馬 「そうそう。釼持くんと似たものを感じていたから空き地に来てもらって『こういうこと考えているよ〜』って話したんだよね」

こんな風に空き地で意気投合した3人。会社を設立するまでに、あまり時間はかかりませんでした。

釼持 「その 3カ月後には美馬さんにパルスボッツの事業計画書を見せてもらって、一緒に会社やりましょうって話になって。そこから設立までは早かったですね」
美馬 「会社を一緒にやろうって言ってその 1週間後には 3人で熱海に日帰りで行ったよね。その 1カ月後には鎌倉で合宿もして。無限に楽しかったな〜。お互いロボットになりきってメッセンジャーで会話もしたね(笑)」
蓮 「あと囲碁を雰囲気でやっていたよね。誰もルールがわからなかったから、審判つくって雰囲気で勝敗つけて(笑)」
釼持「やりましたね(笑)。今でもそうだけど、ずっと楽しく仕事できていますね」

3人は出会ったときも今も楽しんで仕事をやるという姿勢は変わっていないのかもしれません。ロボットに関わる製品を開発するために設立したパルスボッツ。創業後に開発した製品とは――

創業期のSNS「Palsbots」とCMS「Bizbots」の開発秘話

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▲SNS「Palsbots」は多くの反響を得た

創業してからは、Pepper向けのSNS「Palsbots」とCMS「Bizbots」を立て続けにリリースしました。

美馬 「この 3年は Pepperを使った仕事をたくさんしたね。 Pepper向けのアプリ CMS『 Bizbots』を 2016年 2月にリリースして、空港や自治体にも導入してもらって。空港にこもることもあって、毎日忙しかったね」
蓮 「忙しかったけど、創業当初からリモートワークできているのが本当にいい」
釼持 「 Bizbotsは多言語に対応したアプリだったので問い合わせが多数きましたね。その後は設立当初からの目標でもあった “ロボット同士をつなげる ”ために Pepper向けの SNS『 Palsbots』を 2016年 4月にリリースして。『ロボット同士が通信し合って話したら楽しいよね』という発想からこの製品をつくったんですよね」
美馬 「そうそう。当時は僕たち 3人しかメンバーがいなかったから追い込みは大変だったけれど楽しかった。でも会話のテストをすると間違いがいっぱい出てきて、バグが直りきらなくて雰囲気がピリピリしていたときもあったね(笑)」
釼持 「 Palsbotsは Pepperをもつ家庭が少ない中、 100人ぐらいのユーザーが使ってくれましたね。 Pepper同士が先に友だちになって、そこからユーザーもつなげて」
美馬 「 Pepperを手に入れてからは、『どうしたらこのロボットと信頼関係を築けるんだろう』なんてことをずっと考えていたな」
釼持 「今はサービスを休止にしているけど、ゆくゆくは復活させたいですね。今度は自社のロボットでサービスをつくるのが面白そう」

サービスの立ち上げに奔走した創業期。3人は「楽しかった」と口をそろえて語っていました。

3期目にメンバーが7人増。計10人体制へ

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▲10人体制になって、初めて全員が集まったBBQ

創業期はずっと3人でやってきたパルスボッツ。3年目になった2017年に人数が増え、会社としてのカタチにもちょっとした変化が起きました。

美馬 「 3年目に一気にメンバーが増えた感じはあるけれど、少人数だと限られた動きになってしまうから、増えて良かったよね。
最初はインターンから携わっていた上田卓郎。それからチャットボット事業のスターシステムチーム 3人。 Pepperのコミュニティで知り合った松本裕史。エンジニアの望月信揚。最後に広報の三澤満理。パルスボッツは Pepperがきっかけで設立した会社で、他にそういう会社がなかったから珍しがられたね」
釼持 「キャラクターが濃い人が多いですよね(笑)。あと、メンバーが増えたことは関係ないですが、僕は 3年でロボットに対してふわふわ考えていたことが明確に見えるようになりました」
美馬 「 3年前に Pepperが出てきた後、似たような製品が出てこなかったのは Pepperがだいぶ先をいっていたんだろうと思うし、社会全体が扱いきれる状況じゃなかったなと。 Palsbotsの SNSもやってみてすごく良かったけれど、リリースするのは早すぎた感じがあるね」
釼持 「代々木上原から今の一軒家オフィスに移ってきて、美馬さんは何か変わったことはありましたか?」
美馬 「代々木上原のときは線路の近くだったから、駒場に移ってきて落ち着いて仕事できるようになったかな。オフィスが住宅街の中にある一軒家だし、リモートワークのメンバーも多くて会社にいる人が少ないから、そこも関係しているのかも」
蓮 「ロボットの会社なのにハードウェアをやっていなかったから、やっとロボット会社っぽくなってきた感じがするね。あとは人が増えたからそれも会社らしさが出てきた。それでもリモートで仕事ができるのはありがたいな〜」

オフィス移転もあった3年目。ちょうど今に至るスタンスができあがってきました。

ここからがスタート。ソフトウェア会社がロボット本体の製作も開始していく

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▲左から美馬、釼持、蓮(三澤作)

2018年7月でパルスボッツは4期目を迎えましたが、まだまだ私たちは動き出したばかりです。

美馬 「 2018年 7月でパルスボッツは 4期目を迎えたけれど、 2人は実感ってある?設立してから 3年。 3年って中学入学から高校に上がるような期間だよね。僕が 3年経って思うのは……釼持くんが老けたね(笑)」
釼持 「 3人の会話はほとんど変わっていないですよね(笑)」
美馬 「蓮くんは何かある?」
蓮 「僕は痩せて肌が荒れた(笑)」
美馬 「(笑)。まあ設立してから 3年経つけど、あんまり変わっていないよね。まだやりたいことは達成できていないし。最初は何をやっても受け入れてもらえなかった感じはあったけれど、今は少しずつ変わってきたね。
当時の競合で残っている会社もあれば、ロボット事業をやめちゃった会社もあるし、逆に新しく参入した企業もあるし。ここからがスタートなんだろうな、と思う」

ここからがスタートだという創業者の3人。今後の展望を3人それぞれの視点で語っています。

釼持 「 3年経つ今、2人は今後パルスボッツをどうしていきたいですか?」
美馬 「社会に受け入れてもらえるような、いろいろな人が使ってくれるようなサービスをつくってから、ロボットがつながる世界をつくりたいですね。万人じゃなくていいから、一定のフォロワーがいるサービスにしていきたい」
蓮 「 Palsbotsの SNSを 5年後ぐらいにもう一度やりたい。釼持くんは?」
釼持 「僕はパルスボッツのサービスが世の中にいい影響を与える状況に早くしたいですね」
美馬 「今後どういう人に働いてもらいたいってある?」
蓮 「迷っていない人。これのプロになるって気持ちのある人」
釼持 「ロボットで世の中を変えたい人ですね。美馬さんはありますか?」
美馬 「明るい人がいいな(笑)。明るくて迷っていない人。僕は自ら成長する人が好きなので、そういう人がいいですね。ひとりでもフリーランスでもやっていける人が組織で集まってくると、大きな強い力を生み出していけると思う」
釼持 「じゃあ 3年縛りで、 3年後はどうなっていたいですか?僕は開発している IFROシリーズのサービスが、多くの人に受け入れられている状態を目指したいですね」
蓮 「上手に先読みをして、世の中の前の方にいる状態がいいな〜。これからどんどんいろいろなロボットも出てくるだろうから、それを見据えて動いていきたい」
美馬 「 40歳までにもうひと勝負したいと思って、パルスボッツを立ち上げたんだよね。 3年後は 40歳になる年だから、自分の納得できる結果が得られているといいな。あとは事業を成功させたという実感が今より増えている状態を目指す。3年後は大きく羽ばたいて、見える景色も違っているようにこれからも頑張っていこうね」

ロボットのソフトウェア専門企業から、4期目にしてハードウェアの開発もはじめたパルスボッツ。これからも他にはない、面白いものをたくさん世に出していきます。

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