ロボットと一緒に社会を豊かにする。RPA普及の先駆者だからこそ感じたやりがい

RPA=Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)という言葉を最近耳にする機会は増えていませんか。人間がやらなくてもいい仕事をロボットが代わりにやる、そんな世界観の実現に向け尽力している小林徹は、何よりも「人の想い」を大事にしていました。
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仕事への信念は、二度と経験したくない修羅場から生まれた

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▲パーソルプロセル&テクノロジー豊洲本社での小林

総合人材サービスであるパーソルグループの中核会社パーソルプロセス&テクノロジーで、2018年4月現在、ゼネラルマネージャーを務めている小林は、これまで数多くの修羅場を経験してきました。

1994年に新卒で生命保険会社に入社しましたが、体調を崩した父親がひとりでやっていた町工場を手伝うために1年半で退職。数年手伝った後、家電量販店に就職し、約3年パソコンや周辺機器の発注・現場管理・販売などを幅広く担当していました。そのときの漠然とした不安を小林はこう振り返ります。

小林 「当時30歳になっていたんですが、同年代の人たちと自分のキャリアを比較して焦りを感じて、何とか追いつきたいと思っていたんです。転職を考えたとき、当時の IT業界はこれから急成長していく新しい産業でした。当時は経験の長いエンジニアが少なかったため、経験のない自分でも挑戦できる分野でした。また当時この業界にはコミュニケーションが得意ではない人が多かったため、ここでなら販売業で培ったコミュニケーションスキルを活かせると思い飛び込みました」

こうして入社したのが、ECサーブテクノロジー(現パーソルプロセス&テクノロジー)でした。自分より年下の社員が自分たちの事業を熱く語る姿を見て、こういう人たちと一緒に成長したいという思いがきっかけとなったのです。

入社から一貫してITアウトソーシング事業に携わり、顧客のITサポートや業務改善提案などを担当。4年目にはマネージャーに昇格しました。しかし、当時の社内はベンチャー感が強く、かなりチャレンジングな案件獲得をしていたこともあり、これまでありとあらゆる修羅場を経験してきました。

たとえば営業担当が業務内容を勘違いして受注してしまった案件。一般的な入力業務だと思っていたものが、実は専門的な知識を駆使して専用端末で行なうものだということが、プロジェクトスタート初日に発覚したのです。

小林 「 絶望的なスタートでしたね(笑)とてもじゃないけど、納期まで間に合うような内容ではありませんでした」

クライアントには2週間の猶予をいただいたものの「3週目はもうない」と通告されていました。それこそ寝る間も惜しんで専門用語を効率よく判断できるやり方や簡単な入力方法を必死でひねり出し、当時の上司もタクシーでヘルプに駆けつける中で何とか3週目には無事納品。その後、独自のツールを開発するなどさらに効率化をはかることに成功し、顧客からの信頼と感謝の言葉を得ることができました。

そのほかにも危機的状況からプロジェクトを立て直した事例は数知れず。しかしこういった経験を通じて「諦めずに誠実に向き合うこと」「対価よりも大きな価値を提供すること」という小林の信念がつくられたのです。

誰も正解を知らない中、手探りで走りはじめたRPA事業

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RPA=Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)
これはパソコン上での単純な入力作業やデータ抽出などをロボットが自動で行なう仕組みで、生産性向上のツールとして、この1年で急速に注目を集めています。今でこそ様々な企業が導入を進め、メディアにも取り上げられていますが、小林がこの領域に関わるようになった当初は恐らくほとんどの人たちが聞いたことすらない状態でした。

小林 「まだ RPAという言葉が使われる前から、RPAに使われる専用ソフトを利用しているメンバーが何名かいて、これは作業効率を上げるのになかなか便利だと言っていたんです。
その頃、各企業の業務効率化は大規模なシステム導入が一般的で、部署ごとに異なる定型フォーマットの入力などはまだまだ人力でやっており、改善が進んでいませんでした。このソフトを使って業務構築と業務改善をセットにしたサービスを提供してみてはどうかという話になりました」

このRPAに関する取り組みは、小林にとって力の入るものでした。RPAツールを扱える人材は世の中にほとんどいないため、顧客への価値提供ができるだけでなく、自社の社員にとっても新たなスキル習得の機会になると考えました。つまり、ビジネスマンとしての市場価値を高められると考えたのです。

とは言え、2016年、RPAソリューション部の前身となる業務改善チームとしてのスタート時のメンバーは、たったの5人。しかも、それまで担当していた業務との兼務でした。ニーズがあることは確信していましたが、そう簡単にことは進みませんでした。何しろまだ世の中に事例がほとんどないので、RPAがどういったものかイメージできず、「業務効率化の手段のひとつ」としか伝わらないことで苦戦を強いられていました。

小林 「半年後にこのチームは存続しているのか?と感じるほど受注や成果にはつながらず、不安と焦りでいっぱいでした。お客様も RPAに対して高い関心はあるものの、どのように導入すればいいか悩んでいる状態だったんです。メンバーもどうやってお客様に価値を感じていただくか苦労する者も多く、苦しい時期でしたね」

お客様に納得してもらうためには、自分たちがRPAのスペシャリストとして提案の質を上げるしかありません。しかし情報が少なく、サイトで検索して解決できるものではありませんでした。小林たちは泥臭くRPAツールのベンダーからノウハウを教えてもらい、時にはコンサルティングファームと一緒に取り組むことで情報を集めていったのです。そうして感触をつかめるようになったときは、すでに半年が経過していました。

大きく潮目が変わったのは、複数のソフトベンダーとの代理店契約を結んでからでした。ベンダーから案件を紹介されるようになったことで、少しずつ市場での知名度をつかんでいくことができたのです。そこからの変化は劇的でした。

世の中の最先端サービスに関わるからこそのやりがい

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▲RPAの記者向け説明会で登壇。多くの記者から質問が集まった

2017年4月には15名の組織に拡大、市場では一気にRPAブームが起こりはじめました。しかしRPAの認知度は高まったものの、あまりにも急速に拡大したことでRPAエンジニアが不足し、企業は導入しても使いこなせないというケースが多発していたのです。

小林 「そういったお客様からも問い合わせを多数いただきました。私たちの場合、同じグループで人材派遣事業を手掛けるパーソルテンプスタッフの派遣スタッフを RPAエンジニアとして育成し、派遣することで人材の確保ができます。一方で我々パーソルプロセス&テクノジーは導入後のサポートができるので、ワンストップでフォローできるんです。
パーソルグループとしてサービス提供をしていけることで、お客様からもソフトベンダーからも信頼を得られるようになり、他社にはできない大きな強みになったと思います」

実際に導入することで、これまで何十時間もかけて人がやっていた作業がわずか数分でできるようになることもあります。これは小林が大事にしている「対価よりも大きな価値を提供すること」の実現でもありました。

さらにRPA市場での立ち位置をつくるため、メディアへ積極的に情報を発信していきました。記者向けの説明会では、自社製品の売り込みではなく「RPAとはそもそもなんなのか」「どういったメリットがあるのか」といった概念を伝えることに注力。旬なトピックスに対して記者の理解も深まったことから、様々なメディアからの取材も舞い込むようになったのです。

小林 「世の中の関心の高さとともに、困っているお客様が非常に多いことを実感しました。同時に社員にとっても大きな意味があったと思います。自分たちが最先端の技術を扱っていることはもちろんですが、RPAは目に見えて業務が高速で進むので、感動してくださる顧客が非常に多くいます。まだ市場に少ない RPAの知見の習得とお客様に喜んでいただくやりがいを感じてくれていると思います」

小林が当初から考えていた、顧客だけではなく社員への価値提供も実現しているのです。

ロボットと創る未来と小林が実現したい世界

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▲釣りやゴーカートなど多趣味な小林。この日はカツオを釣り上げて「とったどー」の笑顔

NTTデータ経営研究所による調査「AI/ロボットによる“業務代替”に対する意識調査」によると、全体の46%の人が「10年後、今の自分の仕事を代替している存在」としてロボットやAIを挙げていますが、小林も持論を持っています。

小林 「ロボットは人間にとって時間をつくってくれる存在です。車やパソコンができたときと同じで、それによって世の中が便利になって豊かになってきましたよね。人間だからこそできる『創造的なことをする時間』を生み出してくれる存在なんです」

誰でも一度は「この単純な仕事を誰かやってくれないかな」「このルーチン業務がなければ早く帰れるのに」と思ったことがあるのではないでしょうか。RPAはこういった業務を人間の代わりにミスなくこなしてくれます。そして人間は創造性の高い業務や人とのコミュニケーションを必要とする業務に集中できるようになるのです。またそうした動きによって、働き方も変化していくことになります。小林は働く人々への強い想いも持っています。

小林 「仕事に対しての価値観や力の入れ方は人それぞれですよね。その中で一生懸命頑張って、社会やお客様・一緒に働く仲間たちに貢献できた人たちが、ちゃんと報われる世の中にしていきたいんです。働く人が前向きになることで、より真剣に、より楽しく、世の中に価値提供できるようになる。そういった世界を実現したいです」

それを叶えるためのひとつの手段がRPAです。ロボットを扱う小林は、ロボットとともに生きていく「人の気持ち」を何よりも大切にしているのです。

世の中にないサービスを送り出した小林のチャレンジは、これからも顧客や社員への価値提供のために様々な形で続いていくことでしょう。

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