バリキャリ志向でなくとも道は開ける。目の前のことを積み重ねた先に見えたもの

自分の成長よりも、周りとの協力や周囲の期待に応えることに喜びを感じる。パーソルテンプスタッフの石内里枝もまさにそんなタイプの女性です。バリキャリ志向、というわけではない彼女が新しい育成型無期雇用派遣サービス「funtable」を立ち上げるに至ったのは、目の前のことを地道に積み重ねてきたからでした。

目の前の仕事を精一杯まっとうすることこそが、強気ではない私の仕事道

▲町田オフィスでの様子。一番右が石内。

パーソルテンプスタッフで部長を務める石内は、2018年現在、育成型無期雇用派遣サービス(パーソルテンプスタッフで無期雇用として採用し、研修で必要なスキルを身につけながら企業に派遣するサービス)である「funtable」の事業責任者として、サービスの開発とメンバーのマネジメントを行なっています。

人材派遣会社の女性部長、というと強気なバリキャリ志向をイメージする人も多いと思います。しかし実際の石内はとても柔らかい雰囲気で、誠実に目の前のことをコツコツ積み重ねていくタイプです。

石内は1996年に新卒で生命保険会社に入社しました。仕事内容は飛び込み営業が多く、自分から積極的にアプローチすることが得意ではない石内にとっては、大変なことも多かったと言います。もうそろそろ限界だという時期に知ったのが人材派遣業界でした。

石内 「営業は苦手ですが人と接する仕事は好きでしたので、そうした仕事を探そうとしていたときに、派遣のコーディネーターという仕事に出会いました。
お仕事についての想いや悩みをヒアリングし、そのうえで適した仕事を紹介するというコーディネーター職に魅力を感じたんです。会社のことや人材派遣の仕組みなど何もわからないまま入社してしまいました(笑)」

案の定、何も知らないことで当時の先輩から厳しい指導を受けることになりましたが、3カ月を過ぎた頃から徐々に手ごたえを感じはじめます。

派遣コーディネーターとして、最初は社員7名ほどの厚木の小さなオフィスで2年半勤務し、町田オフィスの立ち上げに関わった後、首都圏の大型拠点の横浜オフィスでのリーダーと、徐々に責任の範囲を広げてきました。結婚後も同様に職位を上げていき、部長に昇格したのは2017年1月でした。

着実に出世しているように見える経歴ですが、石内自身は「上へ上へ」という想いはまったくありませんでした。

石内 「これまで『こうなりたい!』って強く思うことはそんなになかったんです。大きな目標を掲げて進むのではなく、毎日目の前のミッションを、クライアント・スタッフのお役に立ちたいという想いで一生懸命やってきた、ということに尽きます。それを誰かが見てくれていて、少しずつ新たな役割や責任を与えていただき、今の自分があります。
多くの女性がなかなか長いスパンでキャリアを考えられないと思うんですが、まさに自分もそうでした。小さいことを積み重ねていくことでできるキャリアもあるんだと思います」

そんな石内に大きなミッションが課せられるのです。

大事なことは「何をするのか」ではなく、「何のためにするのか」

▲funtable立ち上げメンバーの6人。

パーソルテンプスタッフはこれまで有期の事務派遣をメインにして事業展開をしてきました。

しかし、世の中の流れとして「無期雇用派遣」、つまり人材派遣会社がスタッフを無期で雇用し、そのうえでクライアント企業に派遣するというサービスが浸透しはじめたのです。スタッフに対して長く働ける安心感を提供できることがメリットでした。

パーソルテンプスタッフは業界大手として顧客にさまざまなサービスを提供すべく、この無期雇用派遣サービスの立ち上げを石内に委ねたのです。彼女が話を受けたのは、2016年の12月中旬。サービスの開始は翌年の4月1日。

圧倒的に時間がないため、とにかく考えるよりも走り出しました。石内を含め6人のメンバーでタスクを洗い出して、役割分担を決め、目の前のことをこなすことに専念していましたが、ある時ふと気づきます。

石内 「そもそも私たちは何をしたいのか、何のためにこの事業をやるのか、自分たちがちゃんと理解して自分の言葉で話せる状況ではなかったので、何を考えても結局ぶれてしまっていたんです。そこからは私たちの目指したい姿を徹底的に考えはじめました。
このときに昔の篠原欣子(パーソルテンプスタッフ創業者)の言葉を思い出したんですね。『人は仕事を通じて成長する。働きたいと思う人に仕事の場を提供したい』まさにこれだと思いました」

世の中にはやりたい仕事があっても、なかなかうまくいかない人が大勢います。パーソルテンプスタッフが得意とする事務領域の求人もしかりです。誰かの支援があればチャンスをつかめるかもしれない、そんな人たちを応援したいと強く感じたのです。

石内 「パーソルテンプスタッフの一員として働いていただく皆さんには、どんな状況に置かれたとしても、その場にしっかりと適応できて、皆さんの想いや能力を発揮してほしいと思っています。
だから仕事の基礎スキルだけでなく、社会人としての基礎力も一緒に高めていく支援を目指すことにしました。特に、女性は結婚や出産などライフスタイルが変わる可能性もあり、自分の力で動けることがとても大事だと思ったんです」

こうして「ひとりの社会人として自立して成長してもらう」というコンセプトのもと、生まれたのが「funtable」です。

fun=楽しむ、t=テンプスタッフ、able=可能にする

楽しみながら可能性を広げてその人の人生を豊かにするお手伝いをしたい、という想いが込められたサービス名となりました。また、このコンセプトが明確になることで、サービス内容もパーソルテンプスタッフらしいものになっていったのです。

石内 「単に長く働くということだけを目的にしたくはありませんでした。長く働いた先に何を実現するのか。いずれパーソルテンプスタッフを卒業し、企業での直接雇用を目指す仕組みにできないかと考えたんです。
そうすることで、スタッフさんも明確に目標を持てますし、何よりもコンセプトにしている『自立』を実現できると思ったんです」

こうして「funtable」のサービスが固まりました。事務未経験の方をパーソルテンプスタッフの無期雇用社員として採用し、事務職に必要なスキルの研修を行ないます。その後クライアント企業で派遣就業し、企業での直接雇用を目指すという、他社にはない「育成型無期雇用派遣」の仕組みが生まれました。

「funtable」を利用することで開けた事務職への道

▲接客で培った笑顔が素敵な齋藤紀子さん。「funtable」に出会い、道が開けた。

実際に「funtable」は派遣スタッフの目にはどのように映ったのでしょうか。

齋藤紀子さんは「funtable」を利用するまで、事務職への転職活動がなかなかうまくいっていませんでした。なぜなら彼女は接客経験がメインであり、オフィスワークに携わる機会がほとんどなかったからです。

齋藤さん 「1社目では水族館で展示解説員というお仕事をしていました。本当は飼育員を目指していたんですが狭き門で叶わず、それでも水族館で働きたいという想いが強くて入社しました。
毎日ショーがあるので、そのショーを解説するシナリオを考えたり、実際にお客様の前で生き物を題材にしたクイズを出したり、お客様に楽しんでいただくためにさまざまな演出をしていました」

契約社員としての就業だったこともあり、結婚を機に退社。接客が好きだったので、2社目はアパレルの販売員として働きました。目の前のお客様に商品を提案することは楽しかったものの、販売員の仕事をこの先ずっと続けていくイメージが持てなくなり、事務職を希望して転職活動をスタートしました。

しかし正社員の事務職は超人気求人。経験のない齋藤さんにはまったく歯が立たない状況でした。最初は気が進まなかった派遣社員も検討しようと思いはじめた頃に見つけたのが「funtable」だったのです。

齋藤さん 「最初の説明会でいろいろお話を聞いて、なんだかしっくりきたんですよね。企業での直接雇用を大前提としている安心感はもちろんですが、『パーソルテンプスタッフはこういう会社ですよ』と成り立ちをちゃんと説明してくれましたし、女性のキャリアプランの考え方もすごく理解ができて、この会社であれば信用できるなと感じたんです」

こうしてスタートした齋藤さんの「funtable」を通しての就業。無事企業での就業がはじまりましたが、事務未経験のため最初は苦労も多々ありました。一般的なビジネス用語の理解からメールの返し方、社内システムの操作など覚えることが膨大で、心細くなる瞬間もあったようです。

齋藤さん 「不安はありましたが、働きはじめてからもパーソルテンプスタッフの担当の方から『何かあったら何でも相談してくださいね』と言っていただけたので、本当に小さいことでも相談ができたんです。『残業してしまったけど印象悪くならないですか?』とか(笑)。なかなか周りの方に相談しにくいことも聞けるので、その都度不安を解消できました」

齋藤さんの努力と、接客で培った明るいキャラクターもあり、半年で直接雇用の打診を受けることができました。

一般的な転職マーケットでは、接客経験しかない人が正社員で事務職に就職することはとてもハードルが高いと言われています。しかし、少しの支援があることで、その道が開ける人が数多くいるのです。採用した企業からも高い評価を受けたからこそ、わずか半年で直接雇用を実現した齋藤さん。石内は彼女の事例を見て、「funtable」の価値を確信したのです。

「funtable」を通して、お客様、そして社内のメンバーにも活力を

▲パーソルテンプスタッフの丸の内オフィスにて。

「ひとりの社会人として自立して成長してもらう」、そんなコンセプトの「funtable」は、無期雇用で働ける安心感と、人材派遣のフォロー体制を兼ね備え、まさに人材ビジネスの良さを最大限に活かしたサービスとなっています。

個人のお客様にとっても、クライアント企業にとっても価値を感じていただけるようになった「funtable」。石内は今どんな想いを持っているのでしょうか。

石内 「まずは、多くの方に『funtable』を利用していただき、働き方・人生の選択肢のひとつとして認めてもらえるようになりたいです」

と、やはり一言目には、目の前の業務を丁寧に対応していく石内らしい想いが出てきました。しかし、今はもう少し先の実現したいことを密かに温めています。

石内 「このサービスって、派遣事業の良さが凝縮されていると思っているんです。スタッフに寄り添って、伴走していく人材業界の醍醐味が詰まっています。今のパーソルテンプスタッフの社員の中には、日々の業務に追われてそのことを忘れかけてしまっている人もいると思うんですね。そういった社員に是非この『funtable』というサービスに関わってほしいなと思います。
また、ターゲットも今は20代の女性がメインになっていますが、今後新卒の学生やシニア層にも広げられたらと思っています。多くの方に無期雇用から直接雇用を目指すお手伝いをしていきたいです。そして、私自身も仕事を通じて成長し、仕事を楽しむことを実現していきたいと思っています」

石内自身もこれまで積み重ねてきたことを糧にして、少しずつ在りたい姿を見定めています。

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