営業一筋だった男が、会社愛で描き出す新たなブランド――「PERSOL」で働く社員の“本音”

2017年7月、テンプスタッフ株式会社は社名を変更し、「パーソルテンプスタッフ」として新たな一歩を踏み出します。その新ブランド構築に携わっているのが、セグメント・コミュニケーション部の梅田明宏です。10年以上営業一筋だった彼が、なぜ現在の立場になったのか――? その背景にあるストーリーに迫ります。
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会社への愛を買われて、未経験ながらブランドをつくる立場に

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ブランドづくりに取り組むチームの仲間は2017年現在で4名。梅田は右から2番目

2003年にテンプスタッフに入社して以来、ずっと営業職で現場を走り回ってきた梅田。彼がいま所属する「セグメント・コミュニケーション部ブランド推進室(以下、ブランド推進室)」に異動したのは、2016年9月のことです。異動を言い渡されたとき、梅田は自分が営業以外の職種に移るなどとは夢にも思っていませんでした。

グループのブランドが「PERSOL(パーソル)」に統一されていくタイミングで、ブランド推進室は「会社にとって重要な役割を担う」との認識を持っていた梅田。そんな状況下で、ブランドのことなんて何もわからない自分が、なぜそこに異動になるのか……当時の彼は、疑問を持っていました。

梅田 「どうしても気になって、上司に異動の理由を率直に尋ねたんです。そうしたら『お前みたいに会社のことを心底好きな人間がやらないで、ほかに誰がやるんだ?』と言われ、ハッとしました。確かに、自社に対する愛は誰にも負けていない自信がありました(笑)。私のその思いが、これからの新たな会社づくりにとって役に立つのならば、全力で貢献したいと感じましたね」

そんな決意を胸に、梅田は2017年3月現在、“パーソルテンプスタッフらしさ“を創っていくために、日々チーム内で議論を繰り返しています。

梅田 「もちろん、これまでのテンプスタッフにも“らしさ”というものは存在していたと思います。けれども、それらはきちんと言語化されていませんでした。これからパーソルとしてグループが統一されていく中で、改めてテンプスタッフの“らしさ”を明確にし、パーソルが目指す世界観とリンクさせる必要があります。それを“パーソルテンプスタッフらしさ”として定義し、社内に共有・浸透させていくことが、私たちの部署の役割です」

社員それぞれが持っていた「テンプスタッフってこんな会社だよね」というアイデンティティを、ひとつの形にまとめ上げていくこと――しかしそこには、何かひとつの正解があるわけではありません。

梅田 「現状、一人ひとりの社員が“テンプスタッフらしさ”を同じように捉えているわけではありません。部署や拠点が異なれば、それぞれの文化も異なります。

そこで『どんな意識を持ってもらえれば、自社のことを誇りに思えるか』『どんなイメージを社外から持たれたら、会社として価値が上がるか』を考えながら、共有するべきイメージを言語化しはじめています。大変悩ましい作業ですが、とてもやりがいを感じていますよ」

相手が今よりハッピーになることで、自分もハッピーになれる

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営業マネジャー時代にメンバーと。創業者の篠原(右から3番目)とも距離が近かった
「自社への愛情」については、誰にも負けないと自負している梅田。その思いの源泉は、一体どこにあるのでしょうか。

梅田 「会社を好きになったきっかけは……正直よくわからなくて。ただ、テンプスタッフは、新卒で右も左もわからなかった自分をここまで育ててくれた会社です。その恩はずっと感じていました。

『会社のために何ができるか』を常日頃考えてきた結果、自然に愛着がわいてきたのかなと。20代の頃は気恥ずかしくて、周りに『会社を好きだ』なんてことは言えませんでしたが、今では普段から胸を張って会社愛を語っていますね(笑)」

育ててくれた恩を返すために、会社に何ができるか――さまざまな思慮を巡らせた末に、梅田は「自分がもらった恩は、周りに還元していこう」という意識を持つようになりました。

梅田 「仕事上では、『どうしたら相手が今よりハッピーな状態になるか?』と常に考え続けています。これは、クライアントに対してはもちろん、同僚とやり取りをするときでも同様です。でも、そう思って動いた結果、相手から『ありがとう』と言われると、自分もハッピーになるんですよ」

そんな梅田には、これまでの「相手をハッピーにした経験」の中で、忘れられないエピソードがあります。

梅田 「数年前、私の部下がある紹介予定派遣の案件を受け持っていて、すごく親身に登録スタッフの方々とやり取りをしていました。そのうちのひとりが、派遣の期間終了後に、不採用になってしまったことがあったんです」

紹介予定派遣とは、人材派遣の形式のひとつ。一定期間は派遣社員として働いて、期間終了後にお互いが合意すれば、そのまま直接雇用になるという仕組みです。

この形式上、派遣したスタッフの方が不採用になってしまうことは、少なくありません。しかし、その部下は梅田に「あのスタッフさんが不採用になるのはおかしい。先方の会社に再検討してもらえるよう直談判したい」と、意気込んで相談してきました。

梅田 「それは、ともすれば『クライアントの判断に不服を申し立てる行為』のように取られてしまう可能性もあり、通例としては絶対にしてはいけないことです」

しかし、その部下は誰よりもクライアントの事を熟知し、スタッフの方がクライアントにとって採用すべき人材である、と確信を持っていました。そして、クライアントもその部下を『自社の事を真剣に考えてくれる』と評価していたのです。それを知っていた梅田は、ある行動に出ました。

梅田「『私が責任を取るから、行ってきなさい』と、部下を送り出しました。そうしたら、クライアントの人事担当が『あなたの熱意に負けたよ』と言って評価の再検討を受け入れてくれたんです」

そして後日、クライアントから「再検討の結果、採用することになりました」との連絡を受けたその部下は、外出先から梅田に電話をかけ、臆面もなく泣きながら「この会社に入ってよかった」と伝えてきました。

梅田 「電話越しにその声を聞いて、鳥肌が立ちました。明確に人を幸せに、もっと言えば人の人生が変わるきっかけになれたことに、ものすごく感動して。あのときの自分の判断が“会社的に正しかった”とは思いません。けれども、強く純粋な思いを持った人たちのために、私はできる限り味方でいてあげたい……それは、今でも感じていることです」

「親戚」が「家族」に変わるグループ統合、今ここでしかできない経験

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現場時代の部下の結婚式で。企画に移ってからも現場とのつながりを大切にしている
「他人の思いに寄り添える人間でありたい」という熱い思いを持ちながら、梅田はブランドを社内に浸透させていく立場として、広く会社を見渡して現状把握に努めています。

2017年7月、グループ会社が統合されて「パーソルテンプスタッフ」になることを、現テンプスタッフの社員たちはどう捉えているのでしょうか。

梅田 「正直、現時点で社内に大きな動揺は感じていません。ただ『社名が変わったら、具体的に何がどう変わるのか。変えていかなければならないのか』ということに、漠然とした不安を抱いている社員は、少なくないようです。

これについては、私たちブランド推進室が、これから明確に言語化していく必要があります。社外の方に『結局、何がどう変わったの?』と聞かれたときに、社員みんなが答えられるように」

統合に向けて、やらなければならないことは山積みの状態です。それでも、梅田はこの状況を「今この瞬間、この会社にいる人間しか経験できない、ワクワクする機会」だと捉えています。

梅田 「これから新しく生まれ変わる会社に命を吹き込むなんて、しようと思ってもできることじゃないと思います。今まで別々だった会社が、ひとつにまとまる……これって『親戚』がもっと近しい『家族』に変わるようなものだと感じていて。今立ち会えているプロセスの一つひとつが、今後100年以上続く会社の根幹を支える基礎になるのだと思うと、大きなやりがいを感じますね」

そして彼は、このブランドの地固めをしていくうえで、現場を巻き込んでいくことを何よりも強く意識しています。それはテンプスタッフの営業として、現場でさまざまな喜びや苦しみを味わってきた梅田だからこそのこだわりでした。

梅田 「“現場”というのは、社員のみんなはもちろん、クライアントも含まれるものだと考えています。現場での社員とクライアントとのやり取りこそが、私たちの仕事の最前線ですから。そこに見えるニーズや信頼、抱かれている期待にこそ、私たちが目指す姿のヒントがあるはず。それをなるべく多くの関係者を巻き込みながら、一緒に探して、ともに『パーソルテンプスタッフ』を築き上げていきたいと思っています」

子どもたちに「パーソルに入社したい」と言ってもらえるような会社に

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ふたりの子どもたちが大人になったときのパーソルグループを、梅田は日々つくっている

テンプスタッフは今回の統合を機に、派遣業界をけん引する存在になるべく、大きな一歩を踏み出すこととなります。グループ会社が統合されることで、社員に対しても、新たな可能性が広がることでしょう。

梅田 「今回のグループ統合は、言わば“攻め”の変化であり、社会に向けての意志表示です。変化には当然、不安が伴います。けれども、その隣には必ず挑戦する楽しさがあって、その先には発見や成長が待っている。グループがひとつになれば、それだけ活躍できるフィールド、キャリアの選択肢が増えます。社員一人ひとりにとって、大きなチャンスにつながるはずです」

そして梅田は、自分の仕事の先にある「パーソルテンプスタッフ」の10年後、20年後の姿に思いを馳せています。

梅田 「まずは、全従業員とスタッフが自社に誇りを持てる会社にします。さらには『パーソルテンプスタッフ』で働いていることを、当人だけではなく、その家族や友人も誇りに思ってくれるように。そして願わくば、子どもたちが就職活動をするときにはパーソルが人気企業ランキングの上位に入っていて、あの会社に入りたいと憧れられる存在になっているように。でも、決して敷居を高くするわけではなく、誰もがみんな知っていて、親しみを持てる会社にしていきたいですね」

世界中の誰もが知っていて、誰もが「ここで働きたい」と思えるような会社――周りからは「そんなことは不可能だ」と言われてしまいそうな理想を、梅田は迷いなく、真っすぐに掲げています。

梅田 「本当に、派遣という仕事は奥が深いです。『会社と人をつなぐ』という単純な業務に思われがちですが、本気で向き合えば向き合うほど、たくさんの選択肢が見えるようになってきます。

私たちは、スタッフの方々の人生を背負っているんです。責任は重い分、最高の機会提供ができたときのやりがいは、ほかのどんな仕事にも負けず劣らず大きいと実感しています。私たちの仕事を通して、たくさんの人たちが笑えるように。そしてそれを見届けて、自分も働いて笑えるような日々を積み重ねていけるように、私はこれからも目の前の仕事に、全力を尽くしていきたいと思います」
いつも顔を上げて遠い未来を見つめながらも、今日という日々の足元にも注意を払い、着実に会社をリードしていく梅田。彼がこれから描き出す「パーソルテンプスタッフ」は、きっと広く社会に笑顔をもたらす、思いやりにあふれたものになるはずです。

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