仕事もプライベートも、お金では買えない幸せを求めて――「PERSOL」で働く社員の“本音”

2012年からインテリジェンス ビジネスソリューションズで働く河内佑介は、グループ内のM&Aの影響で、大きな苦労を経験した人間のひとりです。そんな彼も今では、パーソルの名のもとにグループが一体となっていく変化に希望を感じています。河内のストーリーをたどりながら、彼の“働く”に対する姿勢や、心境の変化を追っていきます。
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学生時代、インドへのバックパック旅行であらたまった「幸せ」の価値観

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▲学生時代はよく東南アジアを旅行していた。こちらはガンジス川で泳いだ時の写真

小学校のころからサッカーに打ち込み、中学までは青春のすべてをサッカーにかけていた河内。その実力は、高校進学時にスポーツ推薦も来るほどでした。しかし「自分はプロになれるレベルではない」と判断した彼は、推薦を断り、一般受験で高校に入学します。そこから、彼のさまざまな模索がスタートしました。

河内 「それまで、自分にとってはサッカーがすべてだったんですよね。それを辞めたら、自分には何もないと気づいてしまって。そこから何年間かは、とにかく教養をつけようと思い、ひたすら映画を観たり、手当たり次第に本を読んだりしました。高校のころは、暇さえあれば図書室にこもっていましたね。ただ、目的があって知識を吸収していたわけではなく、自分のアイデンティティの空洞を埋めるのに、必死でした」

サッカー選手になるという夢に区切りをつけた河内の中に、次に浮かんできた将来的な目標は「社長になってお金持ちになること」でした。実は小学校の卒業文集でも、将来なりたいものに「社長」と書いていた河内。

「偉くなって稼ぐためには、知識や教養、学歴、さまざまな経験値が必要だ」と考えた彼は、大学進学後も勉強に打ち込みながら、バックパックで世界を回るように——。そしてその旅先で、大きなターニングポイントを迎えます。

河内 「あるときインドに行って、それまでの価値観が180度変わりました。いま振り返ってみると、『社長になりたい』と思っていた頃は、“金持ちこそ正義”だと勘違いしていたなと感じます。とにかく、成り上がれば幸せになれるんじゃないかって。けれども、インドで見た光景が、その価値観を根本からぶっ壊してくれたんです」

河内がインドで見たのは、多様性に富んだ人々の暮らしでした。道端にいるホームレスのようなおじさんも、昼間から友人たちとビールを飲んで盛り上がっていたり、日本の社会水準から見れば決して裕福とはいえない家柄の子どもたちが、毎日外を裸足で楽しそうに駆け回っていたり……そんな人々の姿が、河内の心を動かしました。

河内 「日本に比べたら、僕が見たインドの一般市民のみなさんは、全然お金を持ってなかったでしょう。けれども日本より、幸せそうに過ごしている人が本当に多かった。そんな世界を目の当たりにして、はじめて『金持ち=幸福』『成功=幸福』と思い込んでいた自分に、違和感を持つことができたんです。言葉にすれば当たり前のことなんですが、自分はずっとサッカー馬鹿だったので(笑)。社会に出る前にこのことに気づけて、本当によかったなと思っています」

アクシデント続きの入社1年目、統合によって起きた苦悩

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▲入社1年目の人事時代。人事という仕事にやる気が持てず“問題児”だった

大学時代に大きな価値観の転換を経験した河内。就活では「貪欲に成長を求められる環境」を希望し、IT系やコンサル、人材、広告業界などを中心に検討をしていました。その中で、志望度の高かった広告代理店の内定を蹴ってインテリジェンスに入社したのには、明確な理由があったのです。

河内 「インテリジェンスは、社員の方々が挑戦的な姿勢だったのが印象的で。『面白い人が多そう、ここで揉まれたら成長できそう』という期待感が大きく、最終的にインテリジェンスへの入社を決めました」

しかし入社早々、思わぬ事態が発生します。営業職を希望していたのに、最初に配属されたのは人事部だったのです。しかも、担当は新卒採用。河内は当時の上司に「僕、人事は嫌です」と直談判をするほど、やり切れなさを感じていました。

河内 「入社当初は早く社会人としてさまざまな経験を積みたいという焦りがあって、正直『せっかく就職したのに、また学生と対峙する日々か……』と、ふてくされていました(笑)。ただ、配属された以上はがんばらなきゃと思い、最初の1年はただ無我夢中に仕事に打ち込んでいましたね」

ほかの同期はほとんどが営業配属で、着々と数字と評価を伸ばしている中、河内は成果の見えにくい人事部の仕事に、息苦しさを覚えていました。

その葛藤がピークを迎えたのは、入社1年目の2013年3月。彼がはじめて迎えた新卒採用のシーズンであり、会社にとってはテンプホールディングスにインテリジェンスが買収されるというニュースが正式に発表された、激動の時期でした。

河内 「『インテリジェンスは買収された』というリリースが出て、それをネガティブに受け取った学生が、どんどん選考を辞退していったんです。新卒採用担当の社員もどんどん憔悴していくし、本当に『修羅場とはこういう状態のことをいうのか……』と感じたほどでした。

当時は、テンプグループ(現 パーソルグループ)との経営統合に対して『ふざけるな』という想いもありました。でも一方では、『自分にもっと実力があれば、学生たちにフラットな検討材料を与えられたかもしれない。イメージによる機会損失を防げたかもしれない』という思いもあって、その後の仕事の向き合い方が変わりました」

激動の新卒採用を乗り切った河内は、採用で感じていた「学生のタイプに応じたインターンシップを提供できていないのではないか」という課題意識をもとに、2年目からは当時では珍しかった複数種類の窓口を設けたインターンシップの企画を立ち上げました。

この施策は学生たちに好評で、ほどなくして、大手就職情報サイトの人気インターンシップランキングで1位を取るほどの人気に。そして、2年目の下期の終わりに、河内は全社MVPを受賞することになります。

河内 「人事ってなかなか成果を数値で測れるものではないから、ずっと不安だったんです。『自分は学生たちの、会社の、社会の役に立てているんだろうか?』って。でも、この年に全社MVPをとることができて、やっと『ああ、自分ってちゃんと成長できてるんだ』と、自信を持てるようになりました」

プロダクトマネジャーが味わえる、自分の理想をチームで超えられる楽しさ

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▲社内で新規サービス立ち上げのマネジャーを務める仲間たちと(河内は右から2番目)

河内は新卒から採用関連の業務を立派に勤め上げ、入社3年目にして、当初より希望していた営業に異動しました。そして同時に、グループ会社でIT領域を担うインテリジェンス ビジネスソリューションズに転籍したのです。

しかし人事部でMVPは取ったものの、営業の世界では右も左もわからない状態。そこで彼は、入社して間もない1年目の社員に、自らテレアポのやり方を教わることから仕事に取り組みはじめました。

河内 「僕が異動したのは7月で、新入社員は僕より3カ月間その部署に長くいる、言わば先輩じゃないですか。異動する前に、お世話になっていた上司に言われたんです。『前の部署での成果は全部捨てて、ゼロからやりなさい』って。その言葉のおかげで、自分に過信せず、謙虚に周りの助けを借りられました」

そうした姿勢が功を奏し、営業でも着々と結果を積み重ねっていった河内。

異動から2年が経ち、サービスを創ることにも挑戦をしたいと思った彼は、自ら手を挙げ技術部門へ2度目の異動。プログラミングをはじめとした技術スキルの習得を行い、2017年5月現在は、新規サービス開発の責任を担うプロダクトマネジャーのポジションに就いています。サービスの企画から設計、販売戦略までたくさんの社員の指揮系統を握る、重要な役割です。

河内 「今の業務内容は、ビジネスサイドと技術サイド、デザインサイドのバランスを取りながら、価値あるサービスを生み出していくための最適解を日々考えています。僕が指示を出しているから偉い、なんてことは全然なくて。むしろ実際に足を動かしてお客様と向き合ってくれている営業や、みんなのイメージをカッコよく具現化してくれるデザイナーや開発者がいなければ、成り立たないポジションです」

人に頼り、人を活かしていくプロダクトマネジャーという今の職務を、河内は心から楽しんでいます。

河内 「プロジェクト内には、開発のスペシャリストたちや、デザインのスペシャリストたちがいて。彼らが実現したい機能を理解しやすいよう具体的に画面設計書やプロトタイプを作って、開発をお願いしています。それでも出てきたアウトプットが、僕の想像を超えて、カッコいいものだったりして。それがもう、めちゃくちゃ楽しいですね」

プロダクトマネジャーの職務を通して、河内の「働く」に対する価値観も、少しずつ変わっていきました。それまでは「自分が何を為すか」に目線がいっていたのが、徐々に「チームとして、会社として何を為すか」と、俯瞰的に考えられるようになっていったのです。

河内 「少し前までは、自分が手を動かすこと、直接的に数字を上げることに価値があると思っていました。けれども、仕事には役割分担があって。具体的に何かを作るわけでなくとも、ビジョンやゴールに至るまでの道筋を描き、それを仲間に共有し続けることも、立派な仕事なんですよね。それがまさに、今のポジションです。紆余曲折を経て、自分の適職に出合えた気がしています」

働いていても、働いていないときも、いつだって笑っていよう

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▲奥さんと子どもと出かける休日。キャンプに旅行に…行きたいところはたくさんある

河内が所属するインテリジェンス ビジネスソリューションズは、2017年7月に「パーソルプロセス&テクノロジー」に社名が変わります。インテリジェンスがテンプグループ(現パーソルグループ)入りした際にはネガティブな気持ちが先行していた河内の心境も、今では変化しています。

河内 「当初の率直な感覚でいうと、インテリジェンスはガツガツとした肉食的なイメージで、テンプスタッフは穏やかで草食的なイメージがあって。だから『この2社が合わさって、うまくいくのかな』と、疑問に思っていたんです。インテリジェンスにはベンチャー志向の人も多く、それがテンプスタッフと混ざることで、ブランドのイメージが損なわれてしまうんじゃないかなと。

でも実際に統合された後、若手交流会などでテンプスタッフの社員さんと話したりして、結構イメージは変わりました。穏やかなんですけど、すごく粘り強くがんばる人が多いんですよね。特に、『お客様のために』という意識は、インテリジェンス側より強いんじゃないかと思うくらいで。今でも、一緒に働く中で刺激を受けています」

また、河内は新しい「パーソルプロセス&テクノロジー」という社名についても、好印象を抱いています。

河内 「社名として、ちょっと長いなとは思います(笑)。でも自分たちが事業として力を入れている領域が、よりわかりやすい社名になったなと感じていて。これは、グループの中で『この領域でとがっていきます!』という宣誓なのかなと、個人的には受け取っています。だから、これからどんな新しい仕事が舞い込んでくるのか、本当に楽しみです」

河内は「パーソルプロセス&テクノロジー」の中で、これからどんなサービスを生み出し、どんな働き方を見出していくのでしょうか。「先のことは明確にはわからない」といいつつも、彼にはこれから10年、20年と働き続けるうえでの指針が見えています。

河内 「今は会社の方針もあって、次々に新しい自社プロダクトがリリースされており面白いフェーズだと思っています。その中で、ビジネス・技術・デザインを融合して世の中に価値あるサービスを生み出していけるプロダクトマネジャーになっていきたいな、と。ただ、僕は自分がひとりの優れたプレイヤーになっても、世界を変えられるようなイメージは持てないんです。

今のチームには各領域の才能あるスペシャリストたちが揃っていて、そのメンバー全員が共通のビジョンをもって仕事をできる環境を作ることで、ひとつの優れたサービスを作れたら、それは本気で世界を変えられる可能性があるなと感じていて。今は、そこに見えている可能性を、自らの力で手繰り寄せていくことが、何よりも楽しみなんですよね」

ただ、そうしたことを考えつつも「仕事人間」になりきらないのが、河内の長所でもあります。彼は仕事を楽しみつつも、「将来的には、場所にしばられない働き方をしたい」と考えています。

河内 「いつか、田舎でのんびりとした暮らしをしつつ、面白い仕事がしたいなとも思っていて。まだ、そこまで計画しているわけではないですけど。ゆっくりとでいいので、暮らしのスタイルはスローライフにしていきたいです。最近、キャンピングカーを買おうかと検討しているんですよ。それで家族と一緒に、全国を転々とする生活もありかなと。これからのことを考えると、楽しみが広がりますね」

こうした河内のバランスのよさは、きっと学生時代にインドをはじめとした東南アジアで培った「幸せの価値観」が、強く影響しているのでしょう。仕事だけではなく、プライベートでも笑顔の絶えない河内のワークスタイルは、パーソルが目指す働き方の、ひとつの到達点なのかもしれません。

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