組織統合の“文化差”を埋める、長かった戦いの日々――「PERSOL」で働く社員の“本音”

グループ内の別会社どうしの組織統合という大きな苦難を乗り越え、たくましく成長を遂げた社員のひとりが、テンプスタッフ株式会社の中部営業本部に勤務する宮野愛子です。2017年現在、三重県四日市のオフィスにてマネジャーを務めている彼女は、自分のためだけでなく、人のために、そして会社のよりよい未来のために、ここまで奮闘してきました。
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周囲の期待に応え続け、「いつの間にか辞める気はなくなっていた」

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▲宮野(左から3番目)の人生は、周囲の期待に応え続けることで切り拓かれてきた

宮野が2000年に新卒で入社したピープルスタッフ(現パーソルテンプスタッフ)は、名古屋を中心に東海地方で根強いシェアを持つ人材派遣サービスの会社です。大企業の一般職に就くつもりはなく、「自分の力で、仕事の可能性を広げていける職場」を求めていた宮野にとって、ピープルスタッフは魅力的な会社でした。

宮野 「就活時は、地元である名古屋の近くに勤務地があり、女性社員の割合が多く、性別で仕事の幅が限定されないような会社で働きたいと考えていました。説明会に参加したり、先輩社員を訪問したりしたうえで、最も『自分の働きたいように、働けそうな会社』だと感じられたのが、ピープルスタッフだったんです」

入社後、宮野が最初に配属されたのは営業部でした。丁寧かつ気配りにあふれた仕事を続ける彼女は、ほどなくして社内・社外問わず、周囲の人間から厚い信頼を寄せられる存在となります。

そんな人望と求心力を買われた宮野は、その後何度かの異動を経ながら、ふたつの新支店立ち上げ業務に参画することに。チームビルディングやマネジメントの経験を着々と積み重ね、宮野は20代の頃から支店長を任されるようになります。

宮野 「派遣サービスの仕事は大好きですが、結構キツイことも多いです。正直に言うと、入社して1~2年目の頃は、そんなに長くは続けないかなと思っていました……3年くらいで辞めるかなと(笑)。

でもありがたいことに、任されることが日に日に増えていきました。その度に『期待には応えたい』とがんばっていたら、いつの間にか支店を任されるまでになっていて。後続を育てる立場になったら、もう『いつ辞めよう』なんてことは、考えもしなくなっていましたね」

支店長を立派に務め上げた宮野は、2008年に翻訳や通訳などの人材を専門で派遣する国際課への異動が決まりました。そして、異動した直後に社内のイントラネットにて、テンプスタッフとピープルスタッフが共同持株会社テンプホールディングスを設立し、その傘下にピープルスタッフが入ることを知りました。

宮野 「時期的にはちょうどリーマンショックがあって、業界全体が揺らいでいた頃でしたね。個人的にはピープルスタッフの未来を考えると、テンプグループ(現パーソルグループ)に入る判断は正しかったと感じています。また業界内では社風が近しいと思われる会社だったので、安心感もありました」

……そう、このときはまだ、彼女は今後どれほどの苦労が待ち受けているか、知る由もありませんでした。

すべては部下たちのため。涙をのんで決意した、新しい評価制度との戦い

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▲部下とはオンもオフも共に楽しむのが宮野のスタイル。一人ひとりを気にかけている

テンプグループ入りした後、ピープルスタッフは「テンプスタッフ・ピープル」と社名を変え、激動の時代へと突入します。

社内システムはテンプスタッフ側のものに一新され、旧ピープルスタッフの面々は、これまでの契約情報など、書類の打ち直し作業に追われました。イチから覚え直さないといけない事柄も多く、その影響で日常の業務がスムーズに進められずに、毎日遅くまで会社に残ることが増えました。

そして合併後の社内の中で最も際立ったのは、人事評価制度の違いでした。

宮野 「ピープルスタッフ時代は純粋な成果である数字をベースに、顧客からの信頼など定性面を加味した評価体系が築かれていました。一方で当時のテンプスタッフ側の上層部は、数字を出すまでのプロセスの再現性を重視していました。

そのため、『どのような考えで、どのような施策を行ない、どれくらいの成果が上がったか』と、マネジャー層に合理的な説明ができないと、いくら数字上で結果を出していても、評価されにくくなってしまったんです」

人事評価の制度もテンプスタッフ側のものに刷新された結果、ピープルスタッフ時代にはトップセールスを誇っていた社員たちの評価が、成果を出しているにもかかわらず、軒並み下がるという事態に見舞われます。

宮野 「テンプスタッフ・ピープルの社員は、私を含め、自分の仕事を合理的に説明することに慣れていませんでした。成果は出しているのに評価されない……という現実に折れて、優秀なのに辞めてしまう子も出ました。旧ピープルスタッフのマネジャーたちは、部下たちが正当に評価されず苦しんでいることがつらくて、悔しくて、涙を流したこともありました」

当時、宮野は社内で若手のマネジャーでした。ただ、合併したことでマネジャー層が増えすぎていた現状を危惧し、「マネジャーを降ります」と上司に相談していたこともありました。

しかし文化の差によるメンバーの不遇を目の当たりにした彼女は、マネジャーとして強く成長し、部下たちを守っていく決意を固めます。

宮野 「このままではいけない……だから、まずは自分がもっと実力を付けて、新しい体制になった会社に認めてもらうことからはじめようと思って。メンバーが正当に評価してもらえるように、人事評価を含めた社内の環境を整備していく必要がある。そのための発言力、説得力を持つために、全力を尽くそうと心に決めたんです」

成果を上げ、理解者を増やす――地道に築き上げた、変革への道

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▲宮野が部下からもらった手紙。ぎっしり綴られたメッセージに関係性が表れている

宮野はまず、マネジャーとして、チームメンバーと“再現性のある成果向上”に向き合いはじめます。そして、自分が受け持っている部のメンバーが「成果を出すこと」に前向きになれるような仕組みづくりを考えました。

試行錯誤の末にたどり着いた答えは、仕事にゲーム性を持たせるための工夫でした。

宮野 「モチベーションの高いメンバーふたりをリーダーに指名して、部内をふたつのチームにわけました。そして、チーム間で数字を競い合ったり、半年ごとにMVPを決めて全員でお祝いしたり……お客様のために真心を込めて仕事することはもちろんですが、そのうえで日々の業務にほんの少しゲーム性を持たせたんです。

すると、メンバーたちは自主的に『こんな提案をしてみよう』『こうしたらお客様のニーズにもっと応えられるんじゃないか』と、今まで以上に主体的な働きを見せてくれて。とりわけ、リーダーに指名したふたりの成長には驚かされました。大変だった時期なのに、笑顔を絶やさず、楽しそうに仕事をしてくれる部下たちの姿に、私の方が元気づけられていましたね」

彼女は部下たちの成長を見守る一方で、納得のできないことに対する改善のために、果敢に新たな組織に向かっていきました。

宮野 「何度も何度も本気でケンカしましたし、会議でも普段のミーティングでもさんざんやり合って。正直なところ、一時期は嫌いになってしまった人もいたくらいです」

さらに宮野自身も上がった成果を論理的に説明できるよう、地道な勉強とトレーニングを重ねていきます。ときには、テンプスタッフ側のマネジャーに、どのようなプレゼンをすれば効果的か、アドバイスを請うこともありました。

宮野 「人事制度などの考え方の違いについてはしょっちゅう衝突があったものの、一緒に働いてみると、お互い仕事に対して本気で取り組んでいる姿勢はわかってくるんですよね。だから旧ピープルスタッフとテンプスタッフの社員の仲は決して悪くなかったんです。
テンプスタッフのマネジャーに個別に相談すると快くアドバイスしてくれたり、『これからの会社のよりよい未来を考えながら、今のやり方は変えていかなきゃね』と同意してくれたりする人も少なくありませんでした」

成果を上げ、説得力を持ち、対話を重ねて理解者を増やしていく――いきなり大きな変革を目指すのではなく、小さな、しかし堅実な変化を生み出し続けた宮野。そして、その過程では、多くの旧テンプスタッフのマネジャーの協力があったという。

旧ピープルスタッフとテンプスタッフ、両者の地道な歩み寄りによって、2017年現在の職場は社内の評価体系も見直され、旧ピープルスタッフとテンプスタッフの文化がうまく融合した、より働きやすい環境へと進化しつつあります。

「人生に寄り添い続けられる仕事だから、派遣の仕事が好き」

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▲派遣業界で邁進してきた宮野が、次に見据えるキャリアとは

「テンプスタッフ・ピープル」は何度かの組織改編を重ねた末に、現在は「テンプスタッフ」の中部営業本部として機能しています。

パーソルグループ全体が変革期の真っただ中にある組織で、2017年になった今もマネジャーとして第一線で活躍する宮野。「今後は一味違った、新しい挑戦をしたい」と意気込んでいます。

宮野 「今の組織の中で、マネジャーというポストの数は限られています。私自身、支店長やマネジャーというポストを与えてもらえたことが、自分を一回り大きく成長させるきっかけになったと感じていて。だから、次世代を担う後輩たちのためにも、ゆくゆくは今いる自分のポストを空けて、若いメンバーにチャンスを作りたいんです。

パーソルグループになる前は、マネジャーのネクストキャリアと言えば、さらに上の管理職しかありませんでした。けれども今は、巨大なパーソルというグループの中に無数の可能性が広がっている。パーソルグループ内での大胆な異動も積極的に検討しつつ、自分の経験を最大限に活かせる仕事を、これからも続けていきたいと思っています。先のことを考えるのが、今はすごく楽しいです」

常に仕事へのモチベーションが高く、広く周囲からも愛されている宮野。入社当時から変わらない彼女の原動力は、「派遣業界の仕事が好き」という思いです。

宮野 「派遣の仕事は、一度紹介したらそこで相手との縁が切れる、というわけではありません。スタッフの方々のライフステージに合わせて、ずっとつながっていられる――つまり、誰かの人生に寄り添うことができる仕事だと感じています。それが大きなやりがいであり、私がこの仕事を好きでい続けられる由縁でもあります。

元々ピープルスタッフは、東海地方に特化した小さい会社でした。だからこそ、親身に顧客一人ひとり、スタッフの方々一人ひとりと向き合うことを、何よりも大事にしてきたんです。たとえ会社名が変わっても、組織として大きくなろうとも、そんなピープルスタッフらしさはこれからも忘れずに、ずっと大切にしていきたいですね」

統合直後の激動を乗り越えた今こそ、旧ピープルスタッフとテンプスタッフの両社が持っていた良さをかけ合わせ、2倍ではなく2乗、3乗のメリットを生み出せるはず……。

宮野はそう信じて、よりよい職場環境になるよう、今日も奮闘しています。

彼女が切り拓いていく未来には、きっと今よりもさらに多くの笑顔が待っていることでしょう。

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