失敗を乗り越え築き上げた、 エンジニアが幸せに働ける開発組織

人材ビジネス事業者向けに、クラウド型マッチングシステムを提供しているポーターズ。「PORTERS HRビジネスクラウド」などの製品は、高い技術力と生産性、エンジニアが幸福に働ける開発体制から生まれています。CTOの川口登が取り組んできた組織づくりやエンジニア育成への思いを紹介します。
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顧客への価値提供のためなら、どんなチャレンジでもする

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▲業界で高いシェアを占める「PORTERS HRビジネスクラウド」の開発責任者、川口登

ユーザーファーストの視点で開発されたPORTERS HRビジネスクラウド(以下、HRBC)。数々の便利な機能がありますが、中でも顧客からの評価が高いのが「業務管理の項目を自由にカスタマイズできること」です。

業界や企業によって、人材ビジネスのプロセス・管理方法は異なります。あらゆる企業が、自社にとって最適な項目を設定できる機能が、HRBCには備わっているのです。

実はこの機能は、非常に高度な技術のもとに開発されているのだと、川口は話します。

川口 「普通にデータベース設計をしても、項目数の増減は自由に行なえません。柔軟かつ構造的に対応できるよう、オリジナルのライブラリーをつくるなどして実現させました。
もし、この機能の開発を外部の会社に依頼していた場合、難易度が高くて断られたり、非常にコストがかかったりしていたかもしれません」

こうした難易度の高い開発に、なぜポーターズは挑戦できるのでしょう。それについて、川口は「お客様へ提供できる価値が大きいのであれば、どんなに難しいことでも、私たちはチャレンジしていくスタンスです」と言い切ります。

そしてその方針にやりがいを感じているエンジニアがたくさんおり、高いモチベーションのもとで開発を行なっています。また、最新の技術や開発環境を常に導入。会社としてエンジニアのスキル・キャリアアップを全面的に支援し、“幸福に働ける環境”づくりにも力を入れているのです。

しかし、川口が入社した2011年当時は、組織的な開発体制ができておらず、離職者も相次ぐ状況でした。そこからどのように、現在の環境をつくりあげていったのでしょうか。

業務領域を広げるためポーターズに転職

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▲若手エンジニアから「お父さん」と言われている

川口は大学卒業後、IT企業に入社。会計ソフトの開発に従事します。その後、外資系の大手IT企業へ転職。年賀状ソフト、日本語入力システムなどの開発に携わり、スキルや経験を積み重ねていきます。転職を考えるようになったのは、事業企画など経営に近い領域に関わりたい思いがあったからです。

川口 「与えられた役割に対し、いかに高いパフォーマンスを出すか。前職ではそれを求められ、業務の幅を広げることに限界を感じていました。より自分の影響力を発揮して働くために、したいことができる会社に行きたいと思うようになりました」

人材紹介会社を通じて転職活動をし、紹介されたのがポーターズだったのです。入社の決め手となったのは、社長の西森康二のこのような言葉でした。

――人材と企業、マッチングの精度を1%でも高めることができれば、成約率は大きく上がる。すると雇用促進に貢献でき、社会にも大きな影響を与えられる。

壮大なミッションに、川口は「雇用という課題にダイレクトに関わることができるなんて面白そう!」と感じました。まだ20名と社員の数も少なかったため、チャレンジを重ね、自分たちで会社をつくることができそうだと思えたのです。

当時、ポーターズの主力製品は「PORTERS プロ・エージェント」。HRBCの前身となる製品です。まだまだ発展途上のシステムだったため、改善の余地が多数あったことも川口を刺激しました。

そして2011年、川口はポーターズに入社。組織づくりや開発体制の構築を期待され、マネージャーの役職を任されます。そのときはまだエンジニアは5名。HRBCのリリースに向けたプロジェクトが動いていましたが、チームを取りまとめる役割の人がおらず、非効率な開発が行なわれている状態。

そこで川口は、採用や組織づくり、開発体制を構築していきます。中でもHRBCリリースに向け、組織的な開発体制の構築に力を入れました。

しかし、順調にはいかなかったのです。

川口 「アジャイル開発を試みましたが、組織的にはうまくいきませんでした。スクラム開発も行なったのですが、みんなにスクラム開発のやり方を教えたり、なぜスクラム開発の方が生産性が上がるのか説明して納得させたりと、難しかったです。
当時は成長しはじめた段階ですし、気持ちだけでは頑張りきれないことがどうしても出てきます。エンジニアの心をつかみきれていなかったため、離れてしまう人も多くいました」

なぜエンジニアが離れてしまったのでしょうか。スクラム開発とは、開発者たちが自律的に取り組むことで、初めて成立する手法です。

しかし当時、川口がトップダウンで組織をマネジメントしていたため、メンバーが自発的に行動できる状況ではありませんでした。エンジニアの主体性を引き出すことができなかったのです。

興味や好奇心、チャレンジ精神が生産性の向上につながった

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▲2018年1月、北海道での社員研修にて。ポーターズは年1回社員研修を実施している

そんな中、2012年4月にHRBCがリリースされます。川口の気持ちはさらに引き締まっていきます。

川口 「システムは、リリースしてからが本当のスタートです。いかに改良し、顧客によりよい価値提供できるか、という意識でした。一方で、チームの開発手法もまだ洗練されていませんでした。どのように生産性を上げられる組織にするか、という課題とも常に向き合っていました」

特に後者は、川口が長年抱えてきた課題でした。その解決のために行なったことのひとつが、アマゾンウェブサービス(以下、AWS)の導入です。ポーターズではそれまで、物理サーバをデータセンターに置いて、顧客へサービス提供していました。

しかしデータ拡大に伴い、サーバ増築に膨大な時間やコストがかかります。そこでクラウドに移行することを、西森に提案したのです。ところが、当初はなかなか受け入れられませんでした。

川口 「人材業界では当時、データをクラウドに置くことに慎重でした。最初は西森も疑問を抱いていましたね。けれどAWSの技術資料などを調査した結果、問題ないと判断。
そこで西森に再度提案し、業界としてはかなり早くAWSを導入したのです。コスト削減になりましたし、物理サーバを増強する手間もなくなりました」

また、エンジニアのモチベーションも高まったと川口は話します。トレンドの技術や開発環境を取り入れることで、エンジニアは興味や好奇心、チャレンジ精神を刺激されたのです。

もちろん、それが目的ではありませんが、結果的に生産性が上がり、顧客へのより良い価値提供につながるのであればと、開発環境の整備に着手したのでした。

さらに川口は、開発体制の改善にも取り組み続けます。一度は失敗したスクラム開発を、改めて取り入れることにしました。今回はただ実践するだけでなく、チームのマネージャーに、スクラム開発を勉強してもらうことから開始。

方法論ではなく、本質を理解してもらうことを重視したのです。何名かは「スクラムマスター」の資格を取得し、それから開発体制は大きく変わったと川口は話します。

川口 「スクラム開発の根底にあるのは、組織論と集団心理、そしてエンジニアの幸福度です。そういった本質に目を向けず、方法論だけ適用してもうまくいきません。
だからこそマネージャーたちにその本質を学んでもらったところ、組織的にいい成果が出せる状況になってきました」

幸福度も生産性も高い組織へ

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▲開発者が成長できる開発環境をつくるため、日々勉強を重ねている

川口が目指しているのは、エンジニアの自己実現やスキルアップ、やりがいや社会貢献など、“幸せ”を感じながら働ける組織づくりです。するとエンジニアの満足度が上がり、結果的に優れたサービス開発にもつながるからです。2018年になり、ポーターズの開発体制はようやく川口の納得いくものになりつつあります。

そんな当社で、エンジニアがチャレンジできることはたくさんあります。

たとえば技術面。本人の目指す将来像に合わせ、会社がスキルアップを支援する制度があります。スペシャリストもゼネラリストも、どちらを目指すのも自由です。

また、入社して早い段階から責任や役割を与え、主体的に活動させるのも当社の方針です。

川口 「ポーターズには、エンジニアが積極的に行動し、価値を創造していける環境があります。僕はよく言うんですが、『スキルが上がってGoogleに転職する目標を目指しているのであれば喜んで送り出してやるよ』って(笑)。
ある程度経験を積んだら、次のステップを目指すのもアリだと思っていますね」

自分は何のために開発をしているのか。誰の役に立てているのか。そもそもなぜエンジニアになって、将来どうなりたいのか。

もしひとつでも見失ってしまった方は、ポーターズへ遊びに行ってみるといいかもしれません。きっと、大きな気づきが待っているでしょう。

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