ボトルがいらない「ノンボトル・ウォーターサーバー」、日本での定着を目指して

東日本大震災以降、備蓄意識の高まりなどから、家庭でも一般的となったウォーターサーバー。従来型とは違うボトルのないウォーターサーバーの、日本での定着を目指すキスリー株式会社の取り組みを紹介します。
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ボトルがいらないノンボトル・ウォーターサーバー

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今までにない“ボトルがいらない”ウォーターサーバー
キスリー株式会社は、2016年6月より、ノンボトル・ウォーターサーバー「CoolQoo(クール・クー)」ののレンタルを本格的に開始しています。

家庭でも一般的となっているウォーターサーバーのほとんどは、サーバーのみをレンタルし、水の入ったボトルを毎回購入・配達してもらって交換設置するボトル型です。ボトルの重さは平均12kgほどあり、大きなものだと20kg近くあるものもあります。この重たいボトルをサーバーに設置する作業は、女性や高齢者にとって大変重労働であり、また保管スペースの確保も容易ではありません。


さらに、ボトルを宅配してもらい、受け取り・返却、使い捨てボトルの場合はゴミ捨てという手間もあります。また、ボトル型のウォーターサーバーは内部の掃除が行き届きにくいうえ、工場で塩素やカルキなどを除去しているため、雑菌の繁殖が早く、衛生面でも課題がありました。


当社の「クール・クー」は、そうした従来製品の問題を解決したウォーターサーバーです。導入時に水道管にチューブを連結させる簡単な工事を行うだけで、定額料金でいつでも好きなだけ、冷水(約4℃)と温水(約85℃)を使用可能となります。さらにレンタル料の中には、年1回、専門スタッフが清掃点検・フィルター交換のメンテナンスを行う費用も含まれているため、安心して使用が可能です。


このノンボトル・ウォーターサーバーのレンタル事業は、キスリー株式会社の代表である西村太郎のある疑問からスタートしました。

経営者だからこそ気になった、便利なウォーターサーバーの問題点

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西村は、以前経営していた会社でボトル型のウォーターサーバーを愛用しており、いつでも水や湯が使える便利なものだと思っていました。しかしその一方で、大きなボトルが邪魔だと思うことや、ストック分の置き場所にも地代がかかっているということが気になっていました。ボトルを置いているスペースがいらなければ、社員ひとりぶんの場所を確保できるからです。


また、あるときは水を飲み過ぎてストックがなくなり、コンビニエンスストアに水を買いに行くことさえありました。定期配送なので、逆にストック分を飲みきっていないときは、配送をストップしてもらうために連絡しなければならないなど、面倒な作業もありました。


西村の会社で使っていたのは、ボトルがリユースではなく処分できるタイプでした。しかし、ゴミとして処分するにも費用はかかります。レンタル費にそうした費用を入れると、1リットルあたり200円くらいの費用がかかっていることになります。ガソリンよりも高い費用で水を買って飲んでいるのだということが、経営者として気になっていきました。

前職の経験を活かして事業拡大

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キスリー株式会社 代表・西村
そんなとき、西村は知人に「クール・クー」を販売している企業を紹介されました。1台が15万円程度でしたが、すでに毎月3、4万円ほどウォーターサーバーにお金をかけていたので、4カ月ほどで元が取れると思い、すぐに購入を決めました。


使用してみてわかったのは、今まで本当に無駄なお金をかけていたということです。「クール・クー」では水道水を、RO(逆浸透)膜ろ過という技術でろ過しています。これは、NASAや豪華客船などでも採用されているものでした。


RO膜ろ過すると、水以外のイオンや塩素類、放射性物質などの不純物を除去した純水(ピュアウォーター)になります。ボトル型で配送されてくるのは、水道水を工場で同じ方法でろ過してボトリングされているものなので、ろ過してすぐの「クール・クー」のほうが新鮮です。しかも水代は水道代のみなので、非常に安価なのです。


ウォーターサーバー市場が世界一進んでいる韓国では、数十年ほど前まで、ウォーターサーバーを導入している300万世帯のうち、1割がノンボトルの製品でした。しかし市場が膨らみ、導入が1,000万世帯を超えた今、ボトル型とノンボトル型の普及率逆転するまでになっています。西村は近い将来、日本でも同じようにノンボトル型が主流になると予想しました。


しかし、なぜこんなに素晴らしいものが世の中に広まっていないのだろうと、疑問も出てきす。西村が「クール・クー」を販売する企業に聞いたところ、「どう売っていいかわからない」という答えが返ってきました。そこで、当時マーケティング会社を経営していた西村は、協力してこの新しいウォーター・サーバーを世の中に広めていこうと決めたのです。

商品力のあるものに販売力を加えて認知拡大へ

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最初は販売の手伝いからはじめましたが、ビジネスモデル、販売モデル、収益性等を考えるうちに、このウォーター・サーバーは間違いなく世の中に受け入れられるものだということを確信した西村。それでならば、人の企業を手伝いするマーケティング代行の会社ではなく、自らが商品を保有する企業になろうと決断します。


そして、西村は「クール・クー」を販売するキスリー株式会社の代表になりました。まず最初に着手したのは、販売からレンタルに変更するということ。設置費用もキスリー株式会社が持ち、はじめはとにかく多くの人にノンボトル・ウォーターサーバーのよさを体感してもらうことにしたのです。


結果的に、現在、月200台のペースで「クール・クー」のレンタルは拡充し続けています。一度設置すると、「いいものだ」と体感できるため、解約率がとても低いのも特徴です。登録代理店も120社まで増えました。現在も、販売に協力してくれる代理店を随時募集中です。


いいものが売れるとは限らない世の中です。売り方がうまければ悪いものさえ売れることがあります。西村は前職の経験が役に立っています。「クール・クー」は商品力があるので、そこに今まで培った販売力を備えて、今後さらなる拡大を目指しています。

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