既存の枠を突き破るマーケティングサービスを日本から世界に発信していく

インターネットを事業基盤としたマーケティングリサーチで、商品調査、店舗調査、市場調査、ビッグデータ、商品評価などさまざまな事業を行っている株式会社リサーチ・アンド・イノベーション。「日本初で日本発のマーケティングサービスを世界に」というビジョンにかける想いを代表取締役社長CEOの中岡邦伸が話します。
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従来にはないリアルな消費者の姿を映し出す「マーケティングリサーチ」

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▲オフィス執務スペースにて

現在、当社ではふたつのサービスを軸に、従来の手法では得られなかったリアルな市場調査データをクライアントに提供し、改善に向けたご提言までを行っています。

そのひとつが「遠隔定性調査Mycomment(マイコメント)」。新しい手法の消費者体験型リサーチサービスで、店頭や家庭内など、日常生活の延長線上で商品の購買や使用感など「消費者心理の深掘りリサーチが可能です。また画像や動画の投稿もでき、たとえば「カレールウを購入し、実際にカレーを作った際の画像を投稿」することを消費者に依頼することも。

もうひとつ、自然購入者への最速アンケートが可能な「消費購買データアプリCODE」は、商品購入直後にレシートをスキャンした消費者に、買い物時の記憶が鮮明な状態でアンケートが取れるサービスです。

自然発生した購買者にほぼタイムリーにアンケート回答させることができ、さらにスキャンして登録した商品を、会員が評価する仕組みも組み込まれ、競合商品も含めた商品の評価が収集可能になります。

これらのサービスが提供する“新しい価値”は、メーカーにとって「見たいけど見られなかった、消費や購買のワンシーンを見ることができる」こと。

WEBアンケートや会場調査、ホームユーステストなど、マーケティングリサーチの手法はいくつもありますが、消費者の行動をリアルに掴み取るには、いずれも限界があります。これまでメーカーは商品を流通に乗せたあとは、本当の意味で消費行動をトラッキングすることはできなかったのです。

そこでMycommentCODEは、商品についてのリアルな反応を切り取ることができる新たな手法を取り入れ、多くのメーカー様に驚きを与えるとともに沢山のご評価をいただきました。そして、2011年6月の創業以来、順調に事業は成長しています。

私は当社を創業する前に、2社で新規事業の立ち上げを経験しました。いわば3回目の起業のようなものです。まるで起業好きのように思われるかもしれませんが、もともとは特に起業志向を持っている人間ではありませんでした。

2社の新規事業立ち上げを経て、これまでにない事業を実現するため起業へ

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▲起業当初のオフィス

私の最初のキャリアは、大手電機メーカー関連企業でのカスタマーエンジニア。11年間勤めたなかでの主な業務は、「機械を設置しに行く人、壊れたら直しに行く人」でした。現在行っているマーケティングリサーチとは何の関係もない仕事です。

あるとき営業部門から、「新商品のパンフレットを配布してほしい」と依頼がありました。当然みんなあまり乗り気ではないわけですが、ふと考えてみたのです「どう渡せば売れるのか」と。

そこで気づいたのは、カスタマーエンジニアの私が唯一、商品を売れる瞬間があることーー。それは、修理を終えたときです。機械が壊れたときに呼ばれるので最初は怒られます。しかし、修理が終わると、お客様の困りごとを解決して、(神のように)すごく感謝される。そこで、すっとパンフレットを出すと、私を信頼したお客さんに対して商品が売れ出したのです。

この体験が、私に「顧客満足度」というものの面白さを気づかせてくれました。「事前の期待値より体験の満足度が上回ったとき、顧客満足度が上がる」この瞬間(好機)を逃さなかった初めての出来事だったのです。そこから顧客満足度の調査や改善提案ができる企業に興味を持ち、転職を決めました。

転職先に選んだのは、世界最大のミステリーショッピング(覆面調査)会社の日本法人。事業立ち上げの時期で、私自身、ノウハウも何もないなか、大草原にひとり放り出されたような気分でした……。

ひとりで営業もプログラミングもするという今までにない大変な経験をしましたが、苦労の甲斐もあり、2年半のあいだに業界では知る人ぞ知る会社にまで成長しました。

その後、IT系ベンチャー企業でミステリーショッピングサービス事業を新規で立ち上げてくれということになり、完全に日本向けにローカライズされた調査手法を確立するため、2年半かけて事業を育てていきました。

起業などまったく考えていなかった私が、「自ら会社を興したい」と考えるに至ったのは、この2社で新規事業立ち上げを経験するなかで、顧客満足度調査の新たな可能性を見出したことにあります。

それは、従来の“人事評価のため”のミステリーショッピングの手法を、“商品の評価のため”に応用できるのではないかということ。

従来のミステリーショッピングは、飲食店やホテルといった施設のサービスを調査員が覆面で受け、サービス内容を評価するものでした。それは従業員の人事評価の手法であり、料理のおいしさ、建物の老朽化など他の要素を加えることはできなかったのです。

そう考え、イチから事業を立ち上げるために、起業に踏み切りました。

なぜこの商品は売れないのか? メーカーが見えなかったものが見えるように

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▲Mycommentは消費購買プロセスの流れの中で捉える

2011年6月のサービスローンチ後、対象をメーカーに定めて営業活動をしていきました。驚くほどにアポイントはかなりスムーズに取れました。消費者の家庭内の動画を見られるサービスなんて、これまでなかったわけですから、「何なんだそれは?」と、反応がとても良かったんです。

ただ、これまでのマーケティングリサーチにはない手法だったため、邪道と捉えられることも……。これまでの調査といえば、「広告を見る→店舗に行く→商品を買う→利用する→廃棄する」といった一連の消費購買プロセスの一部を点でとらえるものでした。

当社のサービス「Mycomment」は、消費者が一気通貫で実際に体験しながらデータ取得する、全く新しいリサーチ手法です。そのため実際に体験していただくのが一番の説得材料になりますが、最初にプレゼンした切り口は「御社の商品がなぜ売れないのか、その理由がわかります」というものでした。

ある商品が売れていないのだけれど、メーカーではその理由が今ひとつ把握できていない。そこで、Mycommentを活用して、実際に家庭で使っている様子を動画報告してもらったところ、答えはすぐに出ました。メーカーが推奨する使用方法を守っている人が非常に少なく、期待する効果が得られていないことがわかったのです。

会場調査やホームユーステストでは、正しい使用方法を指導して行うため、盲点になっていた事実でした。こういった、既存の手法では見ることのできない、消費者のリアルな行動を見ることができたのは、クライアントにとっては衝撃だったのです。

そこからは、「売れない理由がわかるなら、競合商品が売れている理由も知りたい」、「新商品を購入した人に確実にアンケートをとりたい」など、メーカー側からどんどんアイデアが出てきたんです。また、アップしてもらった画像や動画について、メーカー担当者が直接質問できる仕組みも追加しました。

創業当初は、すべてのサービスのカタチが見えていたわけではなく、漠然としたものでした。しかし、メーカーのニーズに誠実に応え続けた結果、これまで日本になかった新しいマーケティングリサーチサービスを構築できたのです。

世の中に「正しい情報」を効果的に発信できるマーケティングサービスへ

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▲2017新年の仕事始めに社員みんなで

私とプログラマー、デザイナーの3名で創業した当社も、今は総勢35名が働く企業に成長しました。スタッフには、福利厚生、給与体系ともに最高の環境を用意したいと思っています。従業員の満足度を上げられる最大の要素がこのふたつだからです。

産休・育休制度も、創業してすぐに整備しました。というのも、創業メンバーのひとりであるデザイナーが、創業後すぐに妊娠が判明したのです。それも運命だと思いましたね。もちろん彼女は今でも当社で働いています。

また、ベンチャー企業にありがちと思われる“ずっと走りっぱなし”のような(無謀な)無理は、当社ではあまり歓迎していません。誰もそんなスピードで十年以上走ることは出来ないでしょうし、社員の心に余裕があったほうが集中して走れると思うから。そもそも他の追随を許さないくらい“ぶっ飛んだ”サービスがあれば、そんなにがむしゃらにならなくても大丈夫だと思います。

今後は、リサーチの枠内にとどまらず、さまざまな方向でマーケティングの可能性を広げていきたいと考えています。

当社のサービスでは、消費行動を探ることができますが、裏を返せば、消費を促すプロモーションも、かなり精度高く実践することができるということです。それは単に商品の販促だけでなく、消費者にとっても有益な情報を提供できる可能性も含んでいるということ。私たちは、世の中に正しい情報を提供する企業を目指していきます。

今、世界は10年前には想像もできなかったことが起こっています。インターネットという仕組み自体の歴史は10~20年と浅いこともあり、マーケティングの理論もどんどん進化を続け、2016年現在のマーケティングリサーチの市場は、2,000億円規模になるほどです。

私はリサーチ・アンド・イノベーションの創業を経て、今までにあったものをベースに、考え方を少しずらすことで、それまで世の中になかったものが生まれることを体験しました。これからも、自分が作った枠の中にとどまるつもりはありません。

常に既存の概念を飛び越え、「日本初、日本発のマーケティングサービス」を世界に発信していくこと――それが創業以来、私たちが掲げているビジョンです。

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