添乗員時代に学んだプロとしての自覚

もともといつか英語圏で生活をしたいという強い想いがあり、大学は英文科に在籍していました。しかし、日本での勉強だけでは思うように身につかず、大学2年生のとき、1年間休学をしてワーホリでオーストラリアへ。ある程度英語のスキルが上がったのもあり、今度は長期で海外で働いてみたいと思うようになりました。

大学卒業後、もともと接客業が好きだったこともあり、オフィスという場所に捉われず、日本から外に出ていく職業として選んだのが海外ツアー添乗員。

5年間務めた添乗員時代は年間約200日海外へ出向き、その後NYに移住、現地ガイドとして働くことになったんです。

添乗員も現地ガイドも接客がメインなので、たくさんのお客様と向き合ってきましたね。そして仕事の性質上、基本的にひとりですべてに対処しなければなりません。たとえそれが、不可抗力のトラブルであっても。

しかし、このことは、私にとって絶好の成長機会でもありました。

というのもあるとき、添乗中にトラブルが発生し、お客様から叱責を受け、「もう耐えられない……」と感傷的になってしまったことがあったんです。そのとき、現地の旅行オペレーターに忘れられない言葉を掛けてもらって。

「Don’t take it personally(個人的に捉えてはいけないよ)」

ハッとしましたね。

「お客様の不満は私個人ではなく、添乗員としての私にあったのだと」

お客様は私をプロとして見ており、個人の経験値など関係なく、どんなトラブルであっても、改善を求められていると思いました。そこからは、プロとして冷静になって最善の方法を考える。問題は「解決しなければならないもの」として仕事をするようになったんです。

そこから、私はどんな問題であっても「必ず解決しよう」と取り組んでいきました。そうやって仕事をしていると、一見難しそうなケースでも不思議と解決されるんです。自分ができないって思ったらそこまでなんですよね。

「成功するには決して諦めないこと」──RE/MAXとの出会い

プロとしての自覚も芽生え、現地ガイドとして独立することもできました。そしてNYに移住して5年たったある日、現地で出会った日本人のおばあちゃんに「NYは不動産が良いからエージェント、やってみなさい」と言われて。突然の出来事だったのですが、ちょうど「新しい何かをやってみたい」と思っていたこともあって、とりあえずやってみようと思いました。

ガイドは好きな仕事ではありましたが、一件の仕事が終わるとまた次の仕事という流れであまり発展性がなく……。

もっと発展性のある学び、成長できる仕事をやりたいという想いがあったんです。

そこから不動産のライセンスを取るために3カ月間学校に通いました。そして無事ライセンスを取得。NYの賃貸不動産エージェントとなったわけです。

賃貸エージェントは未経験でも始めやすいこともあり、当時所属していた会社にはさまざまなバックグラウンドを持つ人たちがいました。その中で同じ意志や目的がある人たちと働くのって楽しいなって思いましたね。十人十色の考えがあり、視野が広がるなと。慣れない仕事で大変なこともありましたが、共に協力しながら働く環境は心地良く、同時に、不動産の仕事ってなんておもしろいんだろうって感じていました。

帰国後、私は、迷わず不動産会社に就職。

そこでは正社員としての雇用契約だったのですが、そのスタイルに違和感を覚えるようになって……。自分の良さを生かせる場所ではないことに気づいたんです。しかも英語をほとんど使わない環境に、このままでいいのかと思うようになりました。

そんなとき、耳にしたのがRE/MAX引地 強オーナーのセミナー。アメリカと同じエージェントスタイルで働くことができ、さらに母体の会社では外国人との取引が多いと聞き、「自分の強みが生かせる環境があった」と参加を決意しました。

そのオーナーから「成功するには決して諦めないこと。迷ったらお客様のためになるように。最終的にお客様のためになればいい。そうすれば必ず道は開く」という言葉を聞いて…。

私がこれまで仕事をする上で信じてきたことと重なったんです。

さらに引地の人柄にも魅かれました。良い意味で人当りが良くなく(笑)、ウラオモテのない方だなと。不動産エージェント制度がまだ日本に浸透していないこともあり、収入面の不安は多少ありましたが、この環境で仕事すれば、必ず結果はついてくるだろうと転向を決意しました。

「my agent」と呼ばれるために──徹底的に考え頼りがいのある存在

早速、引地オーナーのRE/MAX Amistadにエージェント登録をしたのですが、働いてみて一番良かったのはフラットな人間関係。

RE/MAXのエージェントになるまで、売買の経験がほぼなかったため書類等の作成時にはオフィスのサポートを受けていたのですが、つながりが常にしっかりあるんです。わからないところがあれば遠慮なく相談できました。

もちろんまずは自分で調べます。それでも答えが出ないときは経験豊富なオーナーに聞くという流れで知識、実務を身に付けてきたのですが、以前から心がけてきたことがあって。得た答えに対してそれが合っているかさらに調べつくすんです。

勘違いや思い込みは絶対ダメで……。経験豊富なオーナーの助言であっても、さらに調べて確認を取ってきました。そうしないと、万が一何かあれば誰かのせいにしてしまいますし、なにより、お客様に迷惑をかけることになります。人に頼るだけでなく自分で何度も調べることで知識も定着しますし、その知識の積み重ねはお客様の信頼を得る材料にもなりますからね。

2020年4月現在、RE/MAXの不動産エージェントとして活動を始めて、1年5カ月になります。RE/MAXの働き方は自由なので、副業としてもできるのですが、私は本業として働いています。というのも、不動産の仕事ってスピード重視で。お客様のご依頼や質問に対して、どれだけ早く応えられるかが成約への大きなポイントになるんです。

しかも、私の特技が英語ということもあり、お客様は全員外国人。売買や賃貸の契約が終わった後も日本での生活で、わからないことや不安なことについて連絡がきます。できるだけ早くその不安を解消してあげるためには、100%の力が注げる環境が必要なんですよね。

迅速な対応と正確な仕事。

常にこれを心がけ、日本で不動産を購入したい、売却したい外国人のお客様の助けになるため、これからも知識と経験を積み重ねていきます。お客様に「my agent」と呼ばれるよう、日々精進です。

「可能性を信じてアクションする」──歩みだした夢への一歩

先日、ラスベガスで毎年行われるRE/MAXのコンベンションに参加したんです。

2020年は世界67カ国、7000人以上のエージェントが参加。世界で活躍されているエージェントと交流し、とても刺激を受けました。

さまざまな講演も開催されましたが、私が好きなメディアマーケティングの方の言葉で印象的だったフレーズがあります。

「ただ不動産を売ろうとするのではなく、先にお客さんが大事に思っていることをやってあげることが成功につながる」

自分の枠の中で仕事をしてはいけないんだと思いましたね。

なんだか添乗員時代のことを思い出して胸が熱くなりました。

実は密かに持っていた夢があるんです。不動産の仕事が大好きなRE/MAXのメンバーとセールスチームをつくって、東京で一番の外国人御用達エージェントになること。

というのも、ひとりではどうしても対応しきれず、お客様の依頼に応えられないことがあって……。チームで仕事をすれば、きちんと応えられる環境ができる。アメリカでは定番のスタイルですが、あの言葉を聞いてこの日本でも実現させてみたいと思いました。

これまでは、なんとなく思い浮かべてきたプランですが、夢ではなく現実にするためにまずはSNSや動画などさまざまなメディアでRE/MAXの良さや自分の活動をもっと発信していこうと思っています。

自分ができることを多くの人に知ってもらい、さらには自分の想いに共感してくれる仲間をたくさん集めていきたいです。可能性を信じてアクションしていきます。

NYのおばあちゃんのひと言がきっかけで今この仕事をしていますが、天職だと思っています。

この仕事が大好きで楽しいからこそ、今までいろいろな問題を乗り越えてきました。添乗員時代から築いてきた仕事との向き合い方、考え方も今にとても生きています。

ここを決して崩さず、ブラッシュアップし続けながらひとりでも多くのお客様の頼られる「my agent」になりたいです。